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ダリルスペンサー
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ダリル・スペンサー(Daryl Spencer)とは、元プロ野球選手のことである。故人。

概要

1928年7月13日生まれ。アメリカ合衆国カンザス州出身。

ウィチタ大学を経て、1949年ニューヨークジャイアンツ(現:サンフランシスコ・ジャイアンツ)と契約

1952年メジャー初出場、1953年内野ユーティリティプレイヤーとしてレギュラーに定着。同年オフには日米野球で来日している。

その後2年の兵役での離脱を経た後、再びショートレギュラーを掴む。

以降はセントルイス・カージナルスロサンゼルス・ドジャースシンシナティ・レッズを渡り歩くも、1963年レッズを戦外となる。

1964年、前年最下位に沈んだ阪急ブレーブス契約

初年度となった1964年、打棒に衰えの見られたロベルト・バルボンに替わりセカンドレギュラーに定着。クリーンナップの一として打率.282、36本塁打、96打点と活躍し、ベストナインに選出される。

1965年は前年以上に打撃が好調。南海野村克也シーズン通して熾三冠王闘いを繰り広げ、7月にはサイクル安打記録したものの、リーグ戦終盤には底的に敬遠され、更に10月にはオートバイ事故に巻き込まれ戦線を離脱しシーズンは終了。最終成績は打率.311、38本塁打、77打点マークしたものの、野村が打撃三冠を獲得し、スペンサー最高出塁率(.423)とベストナインタイトルを受賞した。

1967年は、打率.274、30本塁打、68打点チームリーグ制覇に貢献。日本シリーズでも本塁打を放っている。

しかし、1968年年齢的な衰えもあってか成績を大きく落とし、シーズン終了後に退団。

退団後は株式投資やレストランを経営していたものの、投資に失敗。銭面で余裕がなくなったところに阪急から選手兼任コーチの誘いを受け、これを承諾し現役復帰。

復帰後、2年のブランクは大きかったのか選手としてはあまり活躍できなかった。ただ、退団時に残したメモ(通称『スペンサー・メモ』)には様々な理論や選手の、戦術が記されており、これが後に阪急黄金時代ベースになったとも言われている。

2017年1月2日、死去。享年88歳。

人物・エピソード

快な打撃と荒々しい走塁から「怪物」と呼ばれた阪急の名助っ人。守備面でもポジショニングの良さや送球の正確性などの評価が高かった。走塁面では時に相手を吹っ飛ばす強タックルを見せることもあった。

一方で頭的なプレーも得意とし、非常に勤勉で理論的な思考をしていることでも知られ、相手の底的に研究し緻密な野球理論追求する姿は、「野球博士」「ドクターベースボール」などと呼ばれた。ドン・ブレイザーとともに日本野球を大きく進歩させた人物としても有名である。

サイクルヒット達成時、マスコミが全く取り上げなかったことを疑問に思い、「サイクルヒットは快挙であるのになぜ祝福しないんだ」と問い詰めたことから、NPB過去の達成者を洗い出し、以降は快挙として取り上げられるようになった。

野村克也との三冠王争いの際に敬遠され続けた際(当時はまだ外国人選手がタイトルを取ることに対する抵抗感が強かった)には、抗議の意味を込めて敬遠球を理矢理打ちにいったり、バットを逆さまに持って打席に立ったこともある。

通算成績

打撃成績

通算:17年 試合 打席 打数 得点 安打 本塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺打 打率 出塁率
MLB:10年 1098 4206 3689 457 901 105 428 13 21 27 449 20 516 103 .244 .327
NPB:7年 731 2641 2233 332 615 152 391 6 3 21 371 13 399 57 .275 .379

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