ダレッティとは、マジック:ザ・ギャザリングの登場人物の1人らしいけど誰だろう・・・
概要
故郷の次元フィオーラでは、ダレッティは並外れた知能と才気、そして野望を持ったゴブリンとして知られていました。
彼の目標は単純かつ大胆なもので、高層都市パリアノのアカデミーの大工匠となることでした。
彼が地位を確立していくなかで、都市の魔道士たちは初めはクスクスと笑い、そして嘲笑し、やがて異議を唱えるようになりました。
しかし最終的には彼らの陰謀ではなく、ダレッティ自身の実験が彼の身を滅ぼすこととなったのです。
ダレッティの誇る創造物のひとつが爆発した結果、クレーターがひとつ残り、そしてゴブリンの肉体は跡形もありませんでした。実のところ、爆発の衝撃でダレッティの潜在的なプレインズウォーカーの灯が点り、彼は比較的安全に次元を越えて投げ出されていたのです。
彼は爆発で両足を失っていましたが、生き延びていました…そして目を開くと、探究しうる知識と工芸の無限の世界が広がっていたのです。
ダレッティは自分のために精巧なカラクリ仕掛けの乗り物を作り、フィオーラと他の世界で工匠としての実験を続けています。
特殊セット「コンスピラシー」の舞台となった次元「フィオーラ」出身のプレインズウォーカー。
ファンタジー世界において、「ゴブリン」は野蛮で低知能の存在として描かれることが多い。マジック:ザ・ギャザリングでも基本的な傾向は同じであるが、稀に人間の上を行く高い知性を持つゴブリンが登場することがある。ダレッティはそんな頭が良いゴブリンの1人である。
カードとしてのダレッティ
Daretti, Scrap Savant / 屑鉄の学者、ダレッティ (3)(赤)
プレインズウォーカー — ダレッティ(Daretti)
[+2]:カードを最大2枚まで捨て、その後その枚数に等しい枚数のカードを引く。
[-2]:あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚を対象とする。アーティファクトを1つ生け贄に捧げる。そうしたなら、対象としたカードを戦場に戻す。
[-10]:あなたは「アーティファクトが1つ戦場からあなたの墓地に置かれるたび、次の終了ステップの開始時に、そのカードを戦場に戻す。」を持つ紋章を得る。屑鉄の学者、ダレッティは統率者として使用できる。
3
統率者2014に収録されたダレッティ。統率者2014に新規収録されたプレインズウォーカーはすべて「統率者として使用できる」という能力を持っている。
プラス能力はカード交換。どこかのティボルトと違ってランダムで捨てるなどという頭の悪いことはしない。
この手の効果は不要な手札を必要な手札に変えるために使用される。1回で最大2枚、つまり1枚か2枚か調整可能であるこの能力はかなり強力である。
また、墓地にカードを仕込む手段として用いることもできる。これの小マイナス能力自体が墓地活用能力なので相性が良い。
ただし、「捨てて引く」という流れであるため、新たに引いたカードがゴミだったとしても受け入れざるを得ないところが弱点である。
小マイナス能力はアーティファクトの復活。ただし、代償として戦場のアーティファクトが代わりに1つ墓地に送られる。
とはいえ、アーティファクトはさまざまな「0マナ(実質コストなし)のカード」が存在するので大した支払いにはならないだろう。
統率者戦では、1枚しかない切り札のアーティファクトを何度も使いまわすことができる点も魅力である。
大マイナス能力はアーティファクト復活の紋章獲得。この紋章を獲得すればアーティファクト破壊への耐性が大きく増加する。
これ自体は直接相手を打ち倒すものではないので、別途勝利方法を考える必要はある。
統率者にすれば「使いたいときに確実に出せる」上に「破壊されても(追加マナを払えれば)再度出しなおせる」。《屑鉄の学者、ダレッティ》を統率者にすることで「赤と無色カードしかデッキに入れられない」、「実質的に統率者ダメージ[1]による勝利が不可能」という制限を受けることになるが、それだけの価値はあるのではないだろうか。もちろん通常カードとしてデッキに入れるのも有用である。
ダレッティって名前聞いたことないから昔のキャラなんでしょ?その辺の話はないの?
「全く、恐ろしい秩序だ。そう思わないかね?」 グレンゾは言った。
彼の息は苦しそうだった、まるで空気が薄いかのように。
「大建築家の暴君、ムッツィオ――ダレッティの生徒。ある朝、自分の脚を見下ろして言ったそうだ、『私はもっと上手くできる』。奴はわしらに、新たな世界を約束した。完璧に作り上げられた世界。予定され、理解された世界。奴が建造し、わしら全てを入れ替える世界」
「彼についての噂を聞いた、そう受け取ってよろしいですか?」
学長は笑った。
「言うな。彼は黒薔薇団の工作員だとか? それとも、あの落第者シドリの後援者だとか?」
「彼がダレッティを殺したのはほぼ確実です」
「もし彼の仕業だとしても、彼は私達の側にいる」 学長は言った。彼は即座に自身の発言を後悔した。その夜遅くまで続いた会議に、彼の苛立ちは高まっていた。「こんなお喋りはもう終わりだ。問題は解決した」
教授は学長へと頷き、二人はともに別方向へと去った。 ※「彼」とはダレッティの弟子、ムッツィオのこと
ダレッティの登場シーンはこれで全部である。誰かから名前を呼ばれただけ。工匠の師匠なんだから工匠なんだろうな、ということ以外一切不明。描写量はそこらのモブ以下である。ついでに言うならつい最近のキャラである。
そんなダレッティがなんでプレインズウォーカーなんてごたいそうなもんになったのかというと、以下のような事情があったからだそうである。
もともと、この「赤の統率者プレインズウォーカー」には頭の良いゴブリン代表「スロバッド」が候補になっていた。彼は「ミラディン」ブロックのストーリーにおいて主人公クラスの活躍をした超重要キャラである。
だが、ひとつ致命的な問題があった。この「スロバッド」、プレインズウォーカーであったはあったのがその時間がすさまじく短いのである。プレインズウォーカーに覚醒 → 即、力を全消費 というストーリー展開だったため、プレインズウォーカーだった時間はほんの数分なのだ。 というわけで、「プレインズウォーカーのカードにするのは不適切」とあえなくストップを食らってしまった。
そこで目をつけられたのが「正体不明のたぶん工匠」ダレッティだったというわけである。
関連項目
脚注
- *統率者戦として選ばれたカードが戦闘ダメージを与えたとき、通常のダメージと同時に発生する。各人の統率者ごとに別個にカウントされ、いずれかからの統率者ダメージを21点以上受けたプレイヤーは敗北する。統率者戦のライフは40点であるため、クリーチャー戦で勝利を目指すデッキでは重要な要素となる。
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