ダンシングブレーヴ単語

ダンシングブレーヴ

ダンシングブレーヴとは、1983年まれのイギリス競走馬。後に来日して種となった。

20世紀後半屈の名である。

競走馬としての概要

Lypharo Navajo Princess Drone という血統。アメリカ生まれである。そしてはサウジ王子。なんとも際色豊かなのが欧州競馬なのである。

名前は「躍動する勇者Dancing Brave)」という意味で、祖ノーザンダンサーリファールロシアの舞踊から取った)の流れを踏襲した「踊る系」の名前である。ノーザンダンサー系の後継としてかなり期待されていた事が伺える名前だ。

実際、デビューすると連戦連勝。3戦全勝で迎えたクラシック最初の2000ギニーでは、後にスピード系の種として有名になるグリーンデザート子ども扱いして優勝。この時点既に「ニジンスキー(英三冠馬)の再来」と高く評価される様になっていた。

そして迎えた英ダービー。実は、ダンシングブレーヴはそれまで1600mしか走ったことがく、系も短距離血統。距離不安が囁かれていた。1.5倍の一番人気。騎手は大事に行こうと思ったのだろう。後方待機策をとってしまう。このため、エプソム競馬場の直線を迎えた時、ダンシングブレーヴは先頭からはるか離された最後方だった。

こりゃ、もう駄だ。

ところが、ダンシングブレーヴはそこからとてつもない末脚を繰り出したのである。残り200mでは先を行くシャーラスタニから12身も離されていた。ここからなんと103とも言われる脚を繰り出して半身まで迫ったのである。ええええ?エプソムの重い芝で103?負けはしたがにわかには信じ難いパフォーマンスを見せ付けて、ダンシングブレーヴはその評価を高めた(そして騎手は降ろされた)。

次走エクリプスステークスでは、日本富士ステークスで「なんじゃありゃあ!」ともが叫んだようなレースをやった「の女」トリプティクを一の脚で切り捨てて4身差完封キングジョーVI世&クイーンエリザベスステークスへと向かった。ここには英ダービーで惜敗した相手、シャーラスタニがダービーを圧勝して出走してきていた。ダンシングブレーヴは二番人気

しかしまぁ、かつてのライバルも本格化していたダンシングブレーヴの敵ではなかった。直線あっさり抜け出すと、2着シャーダリの猛追を見ながら余裕の3/4身。とにかく抜け出す時の切れ味は圧巻である。

凱旋門賞のステップレース、セレクトステークスではあまりの人気ブックメーカーが賭けを停止したほど。もはや不動の大本命となって凱旋門賞へと向かったのだが、このレース面子が凄かった。

ダービーベーリング。独ダービーアカナンゴ、チリオークスマリアフマタ、そして前述のシャーラスタニ、トリプティクついでに日本ダービーシリウスシンボリ。近年最高のメンバーと言われている。実際ベーリングアカナンゴ(JCに勝ったランド)なんかはその後種としても活躍した。

そのメンバーを相手に、ダンシングブレーヴは、今でもになっている恐るべきレースを展開する。

スタートから後方をのんびり進んだダンシングブレーヴ。勝負所に入ってもまだ最後方である。直線に入って大外に持ち出した頃には先頭集団は猛叩き合いを演じていた。あああ、いくらあいつが化け物でも、これはとても届かない。

そう思ったのか、カメラもダンシングブレーヴを視界から切ってしまう。前ではシャーラスタニとベーリングが並んで抜け出しをはかり、もがこの二頭で決まり!と思ったその間。

突然その外から画面に割り込んできたのがあろうダンシングブレーヴだった。

最後の200mを108。ロンシャン歩くにも難儀な芝で10台の末脚は前代未聞である。並ぶもくベーリングをかわすとそれだけでは飽き足らず1身1/2突き抜け、レースレコードで圧勝。桁違い。問答用。然呆然の末脚。現在でも欧州競馬ファンに「末脚」と言うと「ダンシングブレーヴ」と返ってくるらしい。

この後、アメリカ遠征したダンシングブレーヴだが、ブリーダーズカップターフでの敗戦(5着)を喫して、そのまま引退した。連戦の疲れ、遠征で体調を崩した、砂がに入ったなどと言われているが相は不明。実を発揮しなかった事は明らかだったので評価は下がらず、インターナショナルクラシフィケーションは彼に史上最高の141ポンドのレーティング(後のエルコンドルパサー136ポンド)を与えたのだった。

追い出してからたったの二歩でトップスピードに達したというその切れ味は、どちらかと言うとパワーと持続する脚で押し切る競馬の多いヨーロッパ競馬としては異質のものだった。欧州競馬は見ていると息が詰まるようなジリジリした競馬が多いものだが、彼のレースは笑ってしまうようなスカッとさわやか切れ味ドライな物が多いので是非関連動画で御覧あれ。

種牡馬としての概要

これだけのである。当然種としても期待され、イギリスで当時としては破格の33億円のシンジゲートが組まれて種入りした。

しかし、種入り入り初年の1987年、ダンシングブレーヴはマリー病という奇病に患してしまう。これは結核の一種で、るのは極めてしい。この病気が肥大化したり、関節が腫れたりするのであるが、これに伴い発熱、むくみ、痛が身体中を苛むという惨いものである。ダンシングブレーヴは底した投治療で一命を取り留めたが、後遺症は残り、受胎率も下がってしまう。

しかも、初年度産駒がさっぱり走らなかったこともあって、シンジゲートは彼の売却を検討するようになった。それに名乗りを上げたのが日本JRAだった。

日本でも「このような名を格安で購入できるチャンスを逃すべきではない!」という意見と「そんな病気を何億円も出して買ってきて、すぐに死んだらどうすんだ!」という意見がっ二つに対立して大揉めに揉めたらしいが、結局JRAは購入を決断。1991年、8億2千万円でダンシングブレーヴは日本にやってきた。

ちなみに、この時日本が購入を断っていれば、ダンシングブレーヴは安楽死させられる可性が高かったと言われている。この時、病気もちのダンシングブレーヴは非常に見栄えが悪く、病気が遺伝するのではというデマが乱れ飛んだこともあって、1991年の種付けにはほとんど良血が集まらなかった。

その頃、イギリス競馬界はやれやれ厄介払いが出来た、と、思ったかどうかは知らないが、さっさとダンシングブレーヴを忘れてしまった。・・・忘れてしまえるだった。

ところがである。1993年欧州クラシック戦線にダンシングブレーヴ産駒が次々と登場する。コマンダーインチーフが英ダービーダービーを連覇。ホワイトマズルはダービー、ウィミズバイトオークス。他にも重賞勝ちが続出。その年のサイアーランキングはなんと二位。イギリス関係者は然呆然。競馬ファン怒り心頭。「計な判断から起きた国家的な損失」とイギリスの新聞が書き立てる騒ぎとなった。

日本ではもちろん大喜び。ダンシングブレーヴには打って変って良血の種付け依頼が殺到。後にホワイトマズル、コマンダーインチーフも輸入されるなど非常に高い期待を集めた。

そして期待通りに1997年クラシック戦線ではキョウエイマーチ桜花賞を勝つなど活躍。その後もキングヘイロー、エリモシック、テイエムオーシャンG1を制覇。流石の貫一流種の地位を確立したのであった。

しかしながら1995年。恐れていた通りマリー病が再発。懸命な治療で一命は取り留めたが、房に調を付ける、スタッフが24時間付きっ切りで看病するなどほとんど重病人扱いを受けざるを得なくなった。

こんな状態では満足な種生活など送れるはずがい。種付け数は多い時で40頭。1995年などは11頭に留まる。そんな中でリーディンサイアーランキングは最高5位を記録した。サンデーサイレンスなどは250頭も種付けしているのにである。正に欧州最強の面躍如といったところであろう。

ダンシングブレーヴは従順な、慢強いであったそうである。マリー病再発後は身体中が痛むだろうに、それにじっと耐えていたのだそうだ。1999年。病状が急変してダンシングブレーブは死亡した。痛みに耐え、死してなお脚を屈することなく仁王立ちで絶命したという。「勇者」に相応しい死に様だったと言えよう。

病に苦しみながら残した産駒はそう多くない。しかし、ホワイトマズル、コマンダーインチーフ、キングヘイローという非常に優秀な後継種に恵まれており、系は伸びて行くことだろう。としても二冠メイショウサムソンを出すなど有望である。

いつの日かその血を引いた欧州を席巻する日が来るかもしれない。その時ヨーロッパ競馬は再びあの末脚を思い出すことになるだろう。楽しみである。

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ダンシングブレーヴ

12 ななしのよっしん
2013/01/18(金) 11:20:44 ID: Z9TbZp02DW
これはショックだ・・・。
http://race.sanspo.com/keiba/news/20130115/ove13011522230000-n1.htmlexit
13 ななしのよっしん
2013/02/14(木) 11:14:32 ID: wHv8GpRRUw
ダービーの上がり1fは103じゃなかった?
一般的には103とする説が最も有ではないかと
それとWTRのレーティング見直しによる下方修正の件も加筆された方が宜しいのでは?
14 AOI
2013/02/14(木) 20:20:21 ID: iakY5u/hTM
>>13
タイムについては修正します。WTRのレーティングについては、現役時代の数値を重視する意味でこのままで。

まぁ、時代の違うを競わせられない以上、レーティングはあくまで安ですから。
15 名無し
2014/10/17(金) 03:44:04 ID: X+ypytRp+d
サンデーといいこういう訳アリの名を持ってくる嗅覚が凄いのか
向こうが計なのか、まあ売却に足る理由があっての判断なんだけども
16 ななしのよっしん
2016/06/21(火) 07:00:45 ID: Z9TbZp02DW
エプソムダービーの103はラスト1Fではなくラスト2Fの数字、因みに下り坂
ダービーラスト1Fはダンシングブレーヴでも大体12近くかかってる、因みに上り坂

まああの時の馬場は稍重だったし、スローとはいえ滅多に叩き出せない数字なのは間違いない
17 ななしのよっしん
2017/03/08(水) 21:22:51 ID: 5JTE5uHpCg
競馬史名多しといえども様付けしたくなるのはダン様だけ!
18 ななしのよっしん
2018/07/28(土) 19:22:04 ID: 0D69X98YLc
>>15 嗅覚がすごいというよりは日本の種界はとにかく海外の良血を買いあさって底上げしようという潮で
最高傑作SSが見つかって以降も結局内がSSで埋もれて元の木弥、にモノ言わせてゴリ押し購入してるから良血なら安く買いたたけるなら玉石混交バッチコイって感じでモノを選ばないから当たり外れがいくつかあるのが上澄みだけ取ってそう見えるだけかと 
逆にラムタラやエリシオ、チチカスナンゴ、アルカセット、ピルサ・・・大失敗もいくらでもある訳で…というか絶対失敗の方が多い 後から見ればラムタラなんて見えてる地雷だけど結局種なんて子供産んで走らせて周りの産駒に対して相対的に優越出来る要素がないと結果につながらないのでプロでも結果はわからないって事やね
19 ななしのよっしん
2018/10/16(火) 20:28:26 ID: 3Sv0moGcfJ
トニービンの前にはセントクレスピン、ボンモー、トピオ、ラインゴールドと4頭凱旋門賞の勝ちが種として輸入されてるけど、成功したのはセントクレスピンくらいだからね。トピオはミスターシービーとして名前残ってるけど、あとの2頭はほとんど子孫いないし。
20 ななしのよっしん
2018/12/12(水) 04:12:27 ID: 0D69X98YLc
セントクレスピンはセントクレスピンで最初勃起不全で種付け不可能な状態なのを種として購入したっていうね・・・偶偶訪れた整体の先生が治療して上手くいったからいいようなものの、本当に考えなしに輸入しまくってる感じ
21 ななし
2019/03/08(金) 16:26:01 ID: tJxK+/DFaL
ダンシングブレーヴのBCターフは4着じゃないか?

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