『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム』、その続編『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』は、TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(クラシックD&D)を原作にしたベルトスクロールアクションゲーム。開発・販売はカプコン。
概要
1994年に『タワーオブドゥーム』が、1996年に『シャドーオーバーミスタラ』が、それぞれアーケードゲームとして展開された。プロジェクトとしてはこれ以前からD&Dゲームが製作されていたが、「権利を取得する前にゲームを作っていた」ことが原因で権利元との交渉がうまくいかず頓挫し、あえなく『キングオブドラゴンズ』と改名して展開。その後満を持して正式に権利元と契約し、『タワーオブドゥーム』の製作にこぎつけた、という背景がある。
デザイン関係では当時カプコンデザイン室に所属していた西村キヌが『キングオブドラゴンズ』時代から関わり、販売用の正式イメージイラストを手がけたが、ゲーム中に使われている1枚絵などは、同デザイン室のBENGUS(剛田チーズ)が担当した。『ミスタラ英雄戦記』のパッケージイラストも剛田チーズの手によるものである。
移植
1999年にセガサターン用ソフト『ダンジョンズ&ドラゴンズ コレクション』として、両作品がまとめて移植された。
2013年6月にHDリマスターにしてセットにした『ダンジョンズ&ドラゴンズ クロニクルズオブミスタラ』がPS3、Xbox 360、Wii U、PC向けのダウンロードタイトルとして海外で配信。2013年8月に日本語版がPS3にて『ダンジョンズ&ドラゴンズ ―ミスタラ英雄戦記―』のタイトルでソフト販売された。
タワーオブドゥーム
ダロキン共和国……。大陸の中央に位置するこの国は、平和で豊かな国として大いに繁栄していた。だが、ある日を境に突然、各地でモンスターの活動が活発になり、その群れが街や商隊を襲い始めた。国の有力者コーウィン=リントンは、この異常なモンスターの組織化に疑問を持ち、調査を開始。そして彼は確信した。モンスターの背後に強大で邪悪な影のあることを。
冒険の旅を続けるファイター、クレリック、ドワーフ、エルフの3種族4人の一行は、酒場でくつろいだあと宿屋で一夜を明かす。そして運命に導かれるまま今日という日がやってきた。いよいよ長く険しい旅の開幕である……。
プレイヤーキャラクター
ファイター
あらゆる武器をつかいこなす戦闘のエキスパート。中でも剣の扱いに関しては天下一品。魔法の才覚はないが、攻撃力、防御力ともに優れており、肉弾戦を得意とする。PCの中で通常攻撃のリーチが最も長く、クセが少なくて扱いやすいキャラクター。魔法が使えない点は、むしろ操作が単純になるので利点と言えないこともない。ジャンプ攻撃、ダッシュ必殺技、スライディングなどに若干の隙があるのが欠点。
ドワーフ
小柄な体に絶大な破壊力を秘めた不屈の戦士。その性格は大胆で豪気。高い腕力を生かした力任せの連続攻撃を得意とし、持ち前の頑丈さで戦線を突破する。戦士同様に魔法は使えないが、毒、石化、魔法などの特殊攻撃に対して高い耐性を持っている。攻撃リーチが短いが、攻撃判定の厚みが大きく、耐久力と攻撃力は全キャラ中もっとも高い。ファイターの特殊アクションのような隙がないことから、クリアにもっとも近いキャラクターとの評価がある。
エルフ
攻撃魔法と剣術に長けた美しき森の守護者。非力で繊細なため攻撃力、防御力はやや劣るが、身軽さを生かした素早し立ち回りでカバーする。ファイターに次ぐリーチの長さと怒涛の連続攻撃は使い勝手がいいが、わずかなミスが命取りになったり、多数の魔法に気をまわさねばならないこと、レベルアップ回数が少ないことなどから、上級者向けのキャラクター。反面そのすべてを使いこなすことができれば、タワーオブドゥームでは最強と言われる。
クレリック(ワレニカゴー)
神の加護を受けた神官戦士。モンスターの動きを止めたり、仲間を治癒する支援魔法を得意とする。戒律により刃物を使うことはできないが、卓越した格闘センスでメイスや槌をたくみに扱う。リーチの短さや攻撃スピードの遅さ、刃物を使えない戒律により、ソロプレイでは非常に厳しい戦いを強いられる。逆にパーティプレイではターニングアンデッドによる下級不死モンスターの撃退、回復や強化などの支援魔法によってもっとも役に立つという特徴がある。「ワレニカゴー(アメリカゴー)」「やられはせん」はカプコンD&Dシリーズの代表的名言。
シャドーオーバーミスタラ
タワーオブドゥーム事件は、より大きな計画の一部でしかなかった。計画の首謀者は巨大で邪悪なドラゴンのシンである。グラントリ公国の支配をもくろむシンにとって、ダロキンへの侵攻はその手始めであったが、計画の破たんは支配から破壊へと舵の切り返しを呼んでいた。
そのような裏側など知る由もなく、前回の事件を解決した冒険者たちは2年ほど旅をつづけ、新たにマジックユーザーとシーフの二人を仲間に加えていた。山道を歩いていた6人は、村人たちをさらっているゴブリンの集団と遭遇する。
プレイヤーキャラクター
タワーオブドゥームから2年ほどの月日が経っていることもあり、PCたちはそれぞれある程度高いレベルからスタートする。またシャドーオーバーミスタラでは容量の増加、細かいシステム調整などに伴って、キャラクターに2Pカラーやデフォルトの名前が設定された。魔法使い系は、1Pと2Pで一部違う魔法が用意されている。
ファイター(1Pクラッサス 2Pジャーレット LV12)
タワーオブドゥーム同様の広い攻撃範囲を備えているほか、隙のあった特殊攻撃などに見直しがはかられている。シャドーオーバーミスタラでは武器とアイテムの種類が非常に広がったので、使用武器に制限のないファイターはそれを存分に味わえるキャラクターといえる。ショートソードとの二刀流で戦えるのはファイターのみ。
クレリック(1Pグレルダン 2Pハゲ マイルズ LV12)
メイスゆえのリーチの短さや、刃物が使えないという戒律の不利さは相変わらずだが、扱いづらさは若干ながら改善されている。特にレベルアップポイントが増えたので、回復魔法を惜しまず使えるようになったのは大きい。攻撃力上昇の魔法が惜しみなく使えること、道中の商店もしくはストーリー後半で手に入るモーニングスターを手に入れた途端全キャラクター最強クラスの火力と安定性を誇るという一面もある。パーティープレイではもっとも安定するキャラというだけでなく、ある呪われた武器の解呪を行えるという特典も。
エルフ(1Pルシア 2Pケイラ LV8)
剣、盾、魔法、アイテムとオールラウンドに使いこなせるうえに、動きがすばやく、通常の弓矢は無限という万能性が売り。ただし耐久力の低さと、D&Dのルール上、エルフはレベルアップしづらいという点はいくつかの局面で響いてくる。前作では唯一の攻撃魔法の使い手だったが、本作ではより強力なマジックユーザーがいるため、攻撃面での影は若干薄い。しかしながらゲーム開始からイヤリングが装備できるのはエルフのみであり、巻き込みライトニングを含めて前半に関してはエルフのほうが優秀。補助魔法のヘーストや一部ボスに多段ヒットするメガクラッシュ、姿を隠す魔法がそれを補うほどの有効性を発揮する。
マジックユーザー(1Pサイアス 2Pドレイヴン LV11)
森羅万象の理を操る大いなる魔法の使徒。腕力は極端に低く、武器を用いた戦闘では凡人以下だが、攻撃魔法においては右に出る者はいない。杖以外の武器と盾、弓矢、ハンマーが使えず、コマンド必殺技もなく、追い打ち方向が限られている、と一見パーティープレイ以外ではやっていけそうにない辛さが目立つが、使用時に無敵となる魔法を多数扱え、バックステップには無敵判定があり、毒針(強攻撃)も低確率で大ダメージを与えるなど、いちおうソロプレイでも攻略可能な要素はそろっている。
ドワーフ(1Pディムズディル 2Pヘンデル LV10)
SOMになって2種類の特殊攻撃が追加されたことが最大の変更点。ジャンプ中に出せる「回転斬り」と、ボタン連打による「百烈斬り」であるが、どちらも有効性より隙の大きさが際立っており、この二つの技のため前作より扱いづらくなった印象がある。普通に空けた宝箱を破壊するとお金に変化させられるという特性があるが、実際には普通に拾える分で事足りるためあまり大きな特徴にはなっていない。
シーフ(1Pシャノン 2Pモリア LV14)
探索能力に秀でた身軽なダンジョン攻略のプロ。肉弾戦はそれほど得意ではないが、素早い動きで敵の攻撃をかわし、スリングを使った遠距離攻撃でモンスターを退ける。盾こそ持てないが、バックステップによる無敵時間はやや長く、対空攻撃でオイルを投げる、2段ジャンプ可能、罠を見抜けて宝箱を開けるのに鍵もいらない、スリングは無限、と欠点を補う利点は多い。前半がやや辛いが、レベルアップ回数がもっとも多いので、後半ほど安定してくる。
関連動画
関連静画
関連商品
関連項目
- ドラゴンズクラウン(タワーオブドゥームのプランナーであった神谷盛治が手がけたベルトスクロールアクションゲーム)
外部リンク
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ ―ミスタラ英雄戦記―』公式サイト
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ ―ミスタラ英雄戦記―』イーカプコン特設ページ
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ ―ミスタラ英雄戦記―』公式Twitter
- 『ダンジョンズ&ドラゴンズ ―ミスタラ英雄戦記―』フェイスブック
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- ページ番号: 4757806
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