ダーウィン事変単語

チャーリー: グロスマン博士とメスチンパンジーのエヴァとの間に出来た子供。チンパンジー以上の身体能力を持ち、人間よりも賢い。常に自分を見失わない冷徹な性格をしている。育ての親の影響で自身もヴィーガン。正当な権利を持たない、法の真空地帯にいる存在。
ルーシー・エルドレッド: フード付きのパーカーを好む正義感の強い女子高生。頭脳明晰だが校内で少し浮いているため友達は多くない。木から降りられなくなった猫を助けようとした際、自分も木から落ちそうになったところをチャーリーに救助され、以後、彼と無二の親友となる。精子バンクを頼った人工授精で生まれたため、母子家庭で育ち、父親とは一回もあったことがない。
ハンナ・スタイン: 弁護士をしているチャーリーの育ての母親。ヴィーガン。夫ともども、チャーリーが普通の生活を送ることを望むんでおり、いずれは合衆国政府を相手取って訴訟を起こし、チャーリーのアメリカ市民権を勝ち取ることを計画している。
ギルバート・スタイン: 教授職に就いているチャーリーの育ての父親。ヴィーガン。妻と共にチャーリーが市民権を獲得できるよう奮闘する。
フィリップ・グラハム: シュルーズヴィルの保安官保。当初はチャーリーの存在自体を「在ってはならないモノ」と見なしていたが、チャーリーやスタイン夫妻と交流を重ねるうち、心境が変化し始め、一時的にチャーリーを匿うまでになる。
グレイス・グラハム: 楽天家なフィリップの妻。
デイヴィッド・グロスマン博士: チャーリーの生物学上の父親。秘密主義者の人嫌いで有名だった。ノーベル賞確実と言われる天才だったが、15年前、全ての研究データを破棄し失踪。
エヴァ: チャーリーを産んだチンパンジー。高度な抽象概念を理解し詩を自作するなど一般的なチンパンジーよりもはるかに知能が高いが、出産時のダメージと高齢が原因で老い先短く、現在の認知能力はだいぶ下がっている。
ファウラー: コーンバーグ霊長類研究所所長。
リヴェラ・ファイヤアーベント: マックスという偽名を用いる嘘吐きな黒人。ALA創設メンバーの一人だが、人類の進化を早めることが目的で、動物の解放そのものにはそこまで重点を置いていない。
レスリー・K・リップマン: ALAのリーダー格。アメリカ陸軍に在籍歴のある元士官。中東で戦争に従事し殊勲十字勲章を授けられるなど優秀な兵士だった。
ルーシーの母親: 学校の役員をしているミサンドリー気味なルーシーの母親。女手一つでルーシーを育ててきたこともあってか厳格。
オジー・フェイバーズ・ジュニア: チャーリーと同じシュールズ校に在籍する男子高校生。実家がダイナーなこともあり、ヴィーガンを嫌悪している。
トレヴァー: シュルーズ高に在籍するオジーの友人。嫌味な理屈屋。
ゲイル: シュルーズ校の生徒。ALAのシンパ。後に「レッドピル」を名乗りスクールシューターとなる。
モリス: ジョージア出身のFBI。チャーリーをFBIの本部へ持ち帰ることを課されている。
カイル: モリスとともにシュルーズヴィルにやって来たFBI。嫌煙家。
リナレス: 強い権力を持つ下院議員。すべての動物を包含する権利と法を打ち立てることを目標としている。
オメラス: ALAに所属しているチャーリーの弟。チャーリーと比べると人間に近い見た目をしている。戦闘能力はチャーリーよりも上。
サラ・ユァン: グロスマン博士の片腕だったストラルド生物科学研究所所長。韓国系アメリカ人。オメラスの代理母。
アンドリュー・ダヴェンポート: ゴルトン社の社長。
フェルディナンド: ALA メンバー。PMCにいたころ、犬に爆弾を背負わせて突撃させた仲間の部隊を一人で全員殺して国際指名手配犯となった。人間の中では作中トップクラスの戦闘能力を誇る。

用語

ALA……Animal Liberation Alliance(動物解放同盟)の略。すべての動物の平等な権利を求める活動家集団。爆破テロなどの強硬手段も辞さない過激派。15年前、ヒューマンジー発見のきっかけとなった研究所襲撃事件を起こしたことで知られる。研究所襲撃以降はおとなしくしていたが、最近になって活動が活発になってきた。