ダース・ベイダー(Darth Vader)とは、映画『スター・ウォーズ』に登場するキャラクター。
スーツアクター:デビッド・プラウズ
ボイスアクター:ジェームズ・アール・ジョーンズ
スタント:ボブ・アンダーソン
C-3PO、R2-D2、ヨーダ、オビ=ワンと並び、スターウォーズで最も人気のあるキャラクターの一人。アナキン時代も含め、スター・ウォーズ本編のうち、すでに死亡している続三部作以外のすべてに出演している。2016年公開のスピンオフ映画『ローグ・ワン』にも登場した。
概要
本名はアナキン・スカイウォーカー。フォースにバランスをもたらすと予言された「選ばれし者」であり、ルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナの実の父親。
かつてはクローン戦争で活躍し「恐れを知らない英雄」と賞賛されたジェダイ騎士だった。しかし、ジェダイ騎士団への不信感と妻を失う恐怖からパルパティーン(ダース・シディアス)の誘惑に屈しシスの暗黒卿に転向。師匠だったオビ=ワン・ケノービとの対決の果てに瀕死の重傷を負い、現在のような黒尽くめのスーツと仮面をつけるようになった。自力での呼吸ができなくなったためスーツには人工呼吸装置が搭載されている。独特の呼吸音が聞こえるのはそのためである。
生身の体の頃はヨーダやシディアスすらも超えると言われたほどの潜在能力を持っていたが、半機械の体となったためにそのフォースの力は永遠に失ってしまった。しかし、皇帝のもとでの修行やジェダイとの戦いを経て全盛期には及ばないまでも高い暗黒面の力を獲得していった。歳を経たりベイダー誕生での過程からか、性格も幾分か冷静沈着となっている。しかし直情的な部分は激しくなり、敵対する者には一切の情け無く、失敗した者・気に入らない者には容赦なくフォースグリップで処刑している。
大柄でがっちりとした体型に全身漆黒の鎧のような服装と、圧倒的な存在感を放っている。スター・ウォーズシリーズで一番最初に登場したキャラクターでもある(モブを除く)。
ダース(Darth)とは Dark Lord of the Sith の略であり、それ単体で「シスの暗黒卿」の称号である。それゆえ、「ダース・ベイダー卿」は二重敬称に当たるので注意。
ベイダーとは「ファーザー」をもじったもので、ルーカス自身の父親との確執が反映されたキャラクターであると言われている。実際オランダ語で父親のことをvader(ファーダー)と言う。
銀河帝国の皇帝となったパルパティーンの右腕としてジェダイ狩りや反乱同盟軍との戦いで活躍。クローン戦争の頃からの直属部隊「第501大隊」を率い多くのジェダイや反乱分子を殺していった。この動きは素早く容赦無く確実であり、第501大隊は「ベイダーの鉄拳」と呼ばれ恐れられ、ベイダーの名声と恐ろしさも銀河中に広がっていった。
第1デス・スターが破壊された「ヤヴィンの戦い」以降は、あらゆる法を無視して活動できる権限と「死の小艦隊」と呼ばれるスーパー・スター・デストロイヤー「エグゼクター」を旗艦とする専用部隊を与えられ、帝国内でのナンバー2の地位を得た。
皇帝に従いながらも 内心は反逆の機会を伺っていた。ルークを弟子として鍛え、皇帝を倒し銀河の不毛な戦いを終わらせ、親子二人で銀河を支配・秩序を作る野望を抱いていた。
「ヤヴィンの戦い」で実の息子(ルーク)の存在を知り自らの権限をフル活用し、血眼になって捜索した。「ホスの戦い」であと一歩の所で取り逃してしまうものの、罠を張り惑星ベスピンの「クラウド・シティ」で遂にルークと対面する。ライトセーバーでの戦闘でルークを破り、自らが実の父親であることを明かし絶望させシスに引き込もうとするが、またもや失敗し取り逃がしてしまう。
「エンドアの戦い」において父を救う決意を固めたルークと再び対面。この時点では既に皇帝に裏切らないよう釘を刺されており、自らが使い捨てにされる事にも気付いていたが、これを運命として受け入れるつもりでおり、ルークからの救いの手も断った。その後第2デス・スター内で、皇帝の面前でルークと2度目の戦いに突入。父との戦いを拒むルークを一度は追い詰めるも、不用意に妹・レイアを人質にとった発言をした事でルークがブチ切れる。ベイダー以上の攻勢の前に耐え切れず右手首を切り落とされ敗北。更に皇帝にルークを暗黒面に引き込むための生贄とされかけるが、ジェダイとして心身ともに成長したルークに助けられる。そして直後に皇帝のフォース・ライトニングで苦しめられるルークの父へ助けを求める声によって光明面に帰還。捨て身の行動で皇帝を殺害したが、その時に人工呼吸装置が破壊されてしまう。
最期を悟ったベイダーはルークにマスクを外してもらい、自身の目で息子の成長した姿を確め、息子の腕の中で静かに息を引き取った。遺体はルークが運び出し、エンドアの月で荼毘に付された。フォースの意思で産まれたベイダーは死後フォースと一体化し霊体となり、同じく霊体となっていたオビ=ワンとヨーダと共に戦いを終えたルークを祝福した。
「選ばれし者」であるベイダー=アナキンはジェダイとシスの両方を滅ぼし、その後にルークが新しいジェダイを築く事で、予言にあった「フォースのバランスを取り戻す」使命を果たした。
その他
- 『スターウォーズ』シリーズの範囲にとどまらず、映画史上最も魅力的な悪役のひとりとして人気であり、アメリカ映画の悪役ベスト3にも選ばれている。
- あまりにも人気過ぎて、現在になってもテレビCMに引っ張りだこで、結構仕事を選ばずなんでもやっている。以下はその一例。
- 蛍光灯のCM - ライトセーバーに蛍光灯を挿そうと必死になる。
- 電池のCM - うさぎのおもちゃに翻弄された挙句、ライトセーバーが電池切れを起こして激怒する(うさぎの方は宣伝企業の新型電池、ライトセーバーは他社の電池)。ちなみにCMに使用されたセットは、ep5でルークと対決したべスピンのカーボン凍結施設を再現したものとなっている。
- ディズニーランド(本家) - ストームトルーパーを引き連れてディズニーの世界を満喫。最後は、改装中だったスター・ツアーズの入り口をフォースで強引にこじ開けて突入。同アトラクションのリニューアルオープンを華々しくアピール。
- パ・リーグ - ボールの手入れをサボったストームトルーパーをフォースで粛清したり、西武ドームで見事な場外ホームランを放って、天井と大気圏を突き破りしまいにはデス・スターを粉砕したり。その後、札幌ドームで始球式も務めた。
- ep5で使用されたライトセーバーのプロップは現在、スミソニアン博物館で展示されており、その縁で「ナイトミュージアム2」にカメオ出演した。
- 三船敏郎にオファーがあったのは有名な話。当初オビ=ワン役をオファーして断られたものの、あきらめずにベイダーの役で再アタックしたとのこと。それでもやっぱり断られたので、ルーカスはかなりショックを受けたという。もし三船が演じていれば、マスクなしで顔出しの予定だった。
- ep5でルークに父親である事を明かす台詞は試写会まで極秘扱いとなっており、撮影時にはスーツアクターを務めたデビッド・ブラウズには偽の台詞が与えられていた。なお、その台詞とは「オビ=ワンこそが、お前の父親を殺害した張本人なのだぞ」というもので、現場の撮影もこの偽の台詞に基づいた演技・撮影となっており、本当の台詞を知っていたのはルーカスとアービン・カーシュナー(ep5の監督)とマーク・ハミル、吹き替え時に台本を見せられたジェームズ・アール・ジョーンズだけだった。当然だが、試写会で本当の台詞を聞いたデビッドらスタッフ達が(ファンと同じく)驚愕したのは言うまでもない。
- 頭を全て覆うヘルメット及びマスクは、仙台市博物館所蔵の「黒漆五枚胴具足 伊達政宗所用」の兜を参考にしているが、他にもドイツ軍のフリッツヘルメットなども参考にしているとされる。
- 日本の兜を参考にしてデザインされただけに和風アレンジもしやすいらしく、2007年には五月人形などのメーカー「吉徳」から鎧飾りや兜飾りが品数限定で受注生産販売された。以後も折に触れて限定で受注生産販売されており、2011年には武者人形もラインナップに加わっている。ただし職人の手作業で伝統的な手法に則って作られているため生産数は多くなく、価格も高い。これらのデザインアレンジは造形作家の竹谷隆之が担当した。
- さらに2014年にはバンダイから、同じく竹谷隆之の和風アレンジデザインでの可動フィギュア「侍大将ダース・ベイダー」が発売された。翌年には「侍大将ダース・ベイダー ~死星具足~」という続編も登場している。
- 2012年には、ベイダーが育児に奔走する絵本「Darth Vader and Son」(邦題:「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」)が登場。内容は、「もしベイダーが幼いルークを育てていたら」というIFものである。スターウォーズシリーズ本編シーンのパロディも多く、シリーズファンからは概ね高評価を得た。「Vader's Little Princess」(邦題:「ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア」)などの続編も制作されている。
- ルーカスフィルムがディズニーの子会社になってからは、同じ子会社のマーベル・コミックスとの繋がりが出来たことでベイダーが主役のコミック「ダース・ベイダー」「ベイダー・ダウン」が発刊されている。映画以上に暴れまくる暗黒卿が見られるので必見。
関連動画
The Imperial March
ダース・ベイダーのテーマとしておなじみ。「帝国のマーチ」を参照。
関連商品
関連項目
- スター・ウォーズ
- ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
- 帝国のマーチ
- 団地ベイダー
- ダンスベイダー
- デス・スター鎮守府
- オビ=ワン・ケノービ
- オビ=ワンが悪い!!
- ルーク・スカイウォーカー
- レイア・オーガナ
- ダース・シディアス
- カイロ・レン
- ストームトルーパー
- ダークサイド
- ライトセーバー
- スーパー・スター・デストロイヤー
- I am your father
- スターウォーズの関連項目一覧
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