チェコGP(MotoGP)単語

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チェコGP(MotoGP)とは、チェコで行われるMotoGPのことである。
　

略歴

チェコスロバキアGP時代

チェコスロバキアにおけるオートバイのグランプリは1949年から始まった。1949年の初回開催だけは首都プラハの郊外で行われたが、それ以外は全てブルノ郊外の公道やブルノサーキットで行われている。

1965年から1982年までのチェコスロバキアGPはMotoGPの一環に組み込まれた。この時代のチェコスロバキアは共産圏の一員だったが、資本主義圏から入国するMotoGP選手団を受け入れてMotoGPを開催した。

1983年から1986年までのチェコスロバキアGPはMotoGPのカレンダーから外れ、ヨーロッパ選手権の一環として開催された。

1987年6月にブルノサーキットが完成し、同年8月にはMotoGPの一環としてのチェコスロバキアGPを開催している。1987年から1991年まで5年連続でチェコスロバキアGPが行われた。
　

チェコGP時代

1989年12月のチェコスロバキアでは、共産党以外の政党が政権を奪取するという事態が発生し、共産主義時代が終わった（ビロード革命）。1992年頃にはチェコとスロバキアの分離の準備が進められ、1993年1月1日にチェコとスロバキアが分離した（ビロード離婚）。

1992年はチェコスロバキアGPが開催されず、1993年からは「チェコGP」が開催されるようになった。チェコGPの開催地はブルノサーキットで、チェコスロバキアGPのときと同じである。
　

客入りが多い時代

1997年まではチェコの隣国オーストリアでMotoGPが開催されていたが、1998年からはオーストリアGPが開催されなくなった。このため、1998年からのチェコGPは、隣国オーストリアからの観客が押し寄せることになった。ブルノサーキットとオーストリアの首都ウィーンは113kmしか離れておらず、ウィーンに住む人々が訪れやすい環境である。

ちょうどそのころ、ヴァレンティーノ・ロッシがスター街道を駆け上がっており、ヨーロッパでのMotoGP
がさらに高まることになった。

チェコGPは3日間かけて行われるが、その3日間の観客数の合計は、毎年のように24万人程度まで達していた。また、日曜日の決勝だけでも13万人を超える観衆を集めていた（2007年記事、2014年記事）。
　

客入りが減った時代

2016年からオーストリアGPがMotoGPに復帰した。2016年から2020年までチェコGPとオーストリアGPが8月の連戦として開催されたので、オーストリアからやってくる観客の数が減ってしまった。

2019年チェコGPの週末合計観客数は18万6793人である（記事）。

日曜日の決勝当日の観客動員数も顕著に減少した。2016年は82066人、2017年は87541人、2018年は87678人と発表されている。
　

開催権の喪失

2016年以降の観客数の減少も影響したのか、チェコGPを開催する際の中央政府・地方政府からの資金援助が少なくなり、2019年や2020年頃にはチェコGPの開催が危機に陥っているとしばしば話題となった（記事）。

ちょうどこのころ、キュミリンクというサーキットを新たに作ってフィンランドでMotoGPを開催する動きが出ていたので、ドルナ側はチェコGPの開催費用を値下げして無理に開催するいう選択肢を選ばなくてもよい状況になっていた。

チェコ人ライダーの引退・撤退が相次いだことも、政府の援助が減る理由の1つになった。2019年をもってカレル・アブラハムが現役引退し、ヤコブ・コーンフェイルもMoto3クラスからの撤退を発表した。

2020年11月6日に発表された「2021年暫定カレンダー」で、ブルノサーキットは開催予定から外れ、リザーブ（代替開催候補）からも外れており、2021年のチェコGP開催が消滅することが確実となった。
　

過去の優勝者

1991年までのチェコスロバキアGPや1993年以降のチェコGPの優勝者は、英語版Wikipediaにて記録されている。　
　　

無料公式動画

ブルノサーキットで開催されたチェコGPの無料公式動画は次の通り。
　

　

Twitter

チェコGPが開催された時期のMotoGP公式Twitterを検索するリンクは、次の通りである。

• 2020年
• 2019年
• 2018年
• 2017年
• 2016年
• 2015年
• 2014年
• 2013年
• 2012年
• 2011年
• 2010年
• 2009年
• 2008年

開催国紹介

開催地紹介ビデオ

2012年以前にドルナが作成した開催地紹介ビデオはこちらであり、ブルノの観光名所を映したものとなっている。
　

聖ペトロと聖パウロ大聖堂	2つの尖塔が印象的。午前11時に正午の鐘を鳴らすという伝統がある。また、彫像が飾られている（画像）。
自由広場	旧市街地の中心にある広場。黒い花崗岩でできた巨大なピストルの弾丸の形をした天文時計があり、毎日11時に天文時計から小さな玉が飛び出てくる
ペスト記念柱	自由広場にある彫像で、聖母マリアをかたどっている
自由広場の噴水	ヤン・スカーツェルという詩人が書いた詩を刻んである
タトラカー	ブルノ市内を走る路面電車
聖ヤコブ教会	銅でできた尖塔が印象的（画像）
貴婦人の宮殿	真っ黒な尖塔の上に金色の装飾がある（画像）
新市庁舎	真っ黒な尖塔の中に時計がある（画像）

　　

民族衣装の女性たち

チェコの民族衣装に身を包んだ女性たちが登場するのがブルノサーキットの風物詩となっている。

2016年の決勝を見てみると、4人の女性が微笑しつつ直立して、ポールポジションライダーとセーフティーカーの間に陣取っている（画像1、画像2）。この画像を見ると、どういう衣装だったかが分かる。

両手を腰に当てて直立する、というのがお決まりのポーズである（画像）。

チェコの民族衣装のWikipediaによると、細やかな刺繍とレースが特徴であるとのこと。

2017年以降は民族衣装の女性たちが見られなくなった。
　

プレイベント

アイスホッケーはチェコの国技となっており、プロリーグが存在している。2019年のプレイベントは、MotoGPライダーたちがHCコメタ・ブルノというアイスホッケー球団を訪問し、アイスホッケーを楽しんだ（記事、動画）。

ブルノサーキットから北東に4km離れたこのあたりにダム湖がある。ここでジェットサーフのプレイベントを行うのが恒例である（2017年記事、2017年動画、2018年動画、2018年画像）。ちなみに、チェコ人MotoGPライダーのヤコブ・コーンフェイルは、オートバイだけでなくジェットサーフの操縦も上手く、ジェットサーフの選手権で世界チャンピオンになったことがあるという（記事1、記事2）
　

その他のチェコ情報

チェコは中世から現代に至るまでガラス工芸品で有名である。また、ビールも名産品である。

2017年MotoGP開催時、サーブ 39 グリペンというスウェーデン製の戦闘機がサーキット上空をフライオーバーしていた。チェコはこの戦闘機を購入している国のうちの1つである。
　

関連リンク

• チェコグランプリ　英語版Wikipedia（成績表が常に最新の状態）
• チェコグランプリ　日本語版Wikipedia
• チェコグランプリ　チェコ語版Wikipedia

• ブルノサーキット　日本語版Wikipedia

関連項目

• チェコ

• ブルノサーキット
• MotoGPが開催されるサーキットの一覧
• MotoGP