<<敵機急速接近中、警戒せよ!>>
チェンジエアブレードとは、1999年にサミーより発売されたアーケードゲームである。愛称は「チェンブレ」「チンブレ」など。
概要
対戦を主体とした、縦画面・縦スクロールのシューティングゲーム。
シューティングゲームで対戦といえば「ティンクルスタースプライツ」や「旋光の輪舞」が有名どころ。しかし本作はそのどちらとも異なる特徴を持っており、縦シューそのままの画面構成で、1P対2Pの殴り合いを行う。
言うなれば「縦画面対戦格闘シューティング」。
基本ルール
一般的な格闘ゲームと同様の「1Pキャラと2Pキャラの対戦」で成り立っている。画面上部には双方のHPゲージ(初期状態では3本)が表示されており、ショットなどの各種攻撃を駆使して相手のHPゲージを全て削り切ることで1ラウンド取得となる。NPC戦は1ラウンド先取、対人戦は2ラウンド先取で勝利。(なおNPC戦では次ステージに進んでもHPがあまり回復せず、ダメージを引き継ぐ)
二人のプレイヤーは画面の上半分と下半分に分かれて陣取るのだが、上(前衛)か下(後衛)かで攻撃システムが全然違うという特徴がある。どちらも基本的にはショットで相手のHPを削るのだが、前衛の攻撃はショット以外全て即死(相手のHPゲージ1本を消し飛ばす)である。ただし後衛も、ショット攻撃力が高く、即死からの復帰時には大ボムが補給されるなど、一方的に不利というわけではない(それどころか後衛有利という主張もある)。後衛は普通にシューティングゲームを行い、前衛はシューティングゲームの敵キャラとして立ち回る、非対称のゲームデザインになっている。
ちなみに試合開始時の前衛後衛の設定は、NPC戦ではプレイヤーが後衛、対人戦では乱入側が前衛(ラウンドごとに前後入れ替え)。BGMは試合開始時の前衛機体に応じたBGM(対人戦ではラウンドが変わっても1ラウンド目開始時の前衛機体のBGM)が流れる。
1ラウンドは制限時間99カウント(1カウント=実際の1秒)。0になると時間切れとなりその時点でHPゲージの多い方が勝利となる。HPゲージが同量の場合は「DRAW」となり両者共に1ラウンド取得する。もし両者共に1ラウンドずつ取得している状態でDRAWとなった場合、1ラウンド目開始時に後衛だった側(乱入された側)が勝者となる。NPC戦の場合は両者のHPゲージ関係なくプレイヤー側の勝利となるが、RESULTが出ないのでスコアが1点も入らない。ついでにHPも回復しないので場合によってはかなり厳しくなる。NPC戦は極力撃破しよう。
ゲームシステム
縦シューティングゲームの文法ほぼそのままに対戦を行う関係で、色々と入り組んでいるが、わりと細かいところまで説明していく。
コントロールパネル
これはレバー+3ボタンの至ってオーソドックスな配置。ボタン効果は以下の通り。
レバーによる移動の補足として、画面の上半分と下半分で前衛と後衛の移動可能範囲は分断されている。そのため機体同士の接触は起こらない。(だがラウンド開始前のtipsには、機体接触時の挙動についての説明がある。仕様変更の名残だったりするのだろうか)
また後述のスタイルチェンジ時のABC同時押しと支援機合体解除のABC同時押しを除き2個以上のボタン同時押しを受け付けない。「今ボム押したのに!」という時はこの仕様が原因と思われる。
スタイルチェンジ
機体が前衛と後衛に陣取ってから戦闘開始の「GO」が表示されるまでの間にA~Cボタンを押すと、機体性能を調整できる。ラウンド・ステージごとに異なる設定を使用できる。
- A:初期状態。いわゆる工場出荷設定。
- B:スピード重視。移動速度が上がるかわりに、ショット攻撃力と防御力が落ちる。
- C:パワー重視。移動速度を犠牲にして、防御力を引き上げ、ショットパワーを1段階底上げする。
- ABC同時押し:ハンディキャップ用。ショット攻撃力と移動速度と防御力と色々低下。唯一の利点といえは機体カラーリングが目立つこと(あまり変わらない機体もあるが)。
ショットパワーはレベル4までしか強化できないが、パワー重視の場合は常時+1されるのでレベル5の攻撃が可能。
故障
敵のショットを短時間で多量に受けると、機体が火を噴いて操作不能に陥る。レバガチャ(公式呼称)で復帰を早めることができる。
前衛の特徴
シューティングゲームの「敵キャラ」として立ち回るため、多数の攻撃パターンを使い分けられる。
同じボタンであっても、移動可能範囲の上段・中段・下段どこにいるか(本記事では以下「位置取り」と呼ぶ)によってパターンが変化する。通常ショットのみ位置取りでは変化しない(ショットと併せて出る弾幕は変わる)。
ショットパワーが上がると、通常ショットと同時に弾幕も展開されるようになっていく。
ボム(後衛用)
ストック方式(小ボムと大ボムがあり、小ボムが16個集まると大ボムに変換される)。大ボムがあれば大ボムを使用、小ボムのみを持っている場合は小ボムを全て使用する。小ボムは1個でも15個でも効果に変化はない。
大小どちらの場合も弾消し効果のあるバリアを展開し、大ボムであればその後さらに弾消し効果のある攻撃を射出。注意点として、弾は消せても無敵は発生しないので、弾消し効果範囲の隙間を縫って飛んでくる弾に当たったり、弾消し効果では消せない攻撃を貰ったりすると、ボムの効果中でも容赦なく死ぬ。油断は禁物。ボタンを押してから弾消し効果が出るまで僅かながら間があるためギリギリのところでボムを押すとボムSEは鳴ったのに死んだなんてことにも・・・。
バレットウェポン(前衛用)
ゲージ方式(ウェポンゲージ)。ボムアイテムの回収以外にも、時間経過で徐々に増えていく。溜まり具合によってレベルが3段階に変化し、それに伴って攻撃内容が変化する。
7目盛でレベル1→10目盛(計17目盛)でレベル2→15目盛(計32目盛)でレベルMAXとなっている。1秒で大体2目盛、小ボム取得で6目盛、大ボム取得だと14~15目盛増加(もう少し検証が必要)。
レベル1とレベル2では、レベルに応じたゲージを消費して弾幕を展開する(レベル1:7目盛 レベル2:17目盛)。レベルMAX(ゲージ満タン)の時は、支援機との合体を行う。その詳細は次の項目で。
支援機(前衛用)
一言で表せばボスモード。呼び出した大型支援機と合体して専用の攻撃モードに移行する、本作の華とも呼べるシステム。
ABC全てのボタンが攻撃ボタンとなり、位置取りによる変化との乗算で9種類の攻撃を使用可能。複数のボタンを交互に連打することで複合攻撃ができるとか(できないとか)。また攻撃時に位置取りを変えることによって複合攻撃ができるとか(できないとか)。単体では簡単に避けられてしまうような攻撃でも他の攻撃と複合することによって思わぬ凶悪攻撃に変化することも・・・
ウェポンゲージが支援機の残り稼働時間となり、ゲージが無くなると支援機は破壊される。支援機のHPを削り切られても支援機は破壊され、その際ゲージは空になってしまう。攻撃を行っていないときにABC同時押しをすると、ゲージを残したまま支援機との合体を解除できる。この時稀に少しの間動けなくなったり移動速度が遅くなったりすることがあるが現在条件が不明(情報求む)。
支援機と合体中は、自機本体は一切ダメージを受けない。残り時間が少なくHPでリードしている場合は、優勢勝ちを狙っての合体もアリ。
ちなみに支援機にはアイテム取得判定は無く、支援機に組み込まれた自機の位置でのみ取得できる模様。
アイテム
敵機体にショットを撃ち込むなどすると飛び出してくる。後衛機から出るアイテムは、前衛より上に飛んで行ってから落ちてくる。前衛機から出るアイテムは、そのまま下に向かって落ちていく。
インタラプトを除くアイテム取得時に僅かではあるが無敵時間が発生する(自機が点滅する)。無敵時間はアイテムにより長さが異なる。小ボムや小パワーアップは一瞬(0.05秒程)しか無敵時間がないがパーサーやロックオンだとそれなりの無敵時間(0.5秒程)が発生するので多少の弾幕なら突っ切ることも出来る。
取得(機体と接触)することで即座に効果のあるタイプと、ストックしてCボタンで任意発動するタイプの2種類がある。
取得すると即座に効果が現れるもの | |
勲章 | スコアアイテム。対戦では取得時の無敵時間発生以外に効果は無いと思われる。 |
パワーアップ | ショットパワーを強化する。大小2種あり、小さいものは複数取らないとパワーアップできない。 |
ボム | 後衛はボムを獲得する。前衛はウェポンゲージを増やす。こちらも大小2種ある。 |
インタラプト |
前衛と後衛を入れ替えてしまう。他にも以下のような追加効果がある。 |
取得時にストックし、Cボタン押下で発動するタイプ | |
ロックオン | 円形の探知衝撃波を発射し、それが相手を捉えたらロックオン成功、続けて攻撃を行う。 衝撃波には射程があり、あまり離れた状態で発射すると届かない(不発に終わる)。 ロックオンによる攻撃は、自機の種類だけでなく前衛後衛でも変化する。 |
パーサー | 後衛は機体固有の特殊武器による攻撃を行う。 前衛は雑魚キャラを友軍機として呼び出す。 呼び出される雑魚は、自機の種類と位置取りによって変化する。 |
Cボタンで任意発動するロックオンとパーサーは、計3つまでストック可能。一番新しいアイテムから使用される。ただしアイテム取得→ストックアイテム表示位置までアイテムが移動している間はそのアイテムは使用できないので注意。
参戦企業とその機体
このゲームは明確なストーリーがなく、「次世代主力戦闘機をある機関に採用させるべく、各企業が模擬戦闘という名のコンペを繰り広げる」という設定になっている。そのため、NPC戦で全面クリアすると、ランキング画面で「採用」と表示される。4陣営がそれぞれ2機ずつをコンペに送り出している。
2P側では機体の型番と名称が変化するので、そちらも表記する(1行目が1P、2行目が2P)。
(株)菱沼重工業
コンペで競合他社と戦いながら、派閥争いで身内とも戦っている、なんとも泥臭い会社。
社長室付開発室 | |
F-36B BLASTER(ブラスター) F-36X XE-RO(ゼロ) |
前衛時は決定打を欠くが、後衛では敵機に大ダメージを喰らわせるボムが役立つ。 ボムは敵支援機には効果が薄いので、やはり機体に叩き込みたい。 支援機はプロペラ輸送機。 一部攻撃で出せる炸裂弾がなかなかの強さ。 尾翼を壊されて火力が落ちやすいのが玉に瑕。 |
会長室付開発室 | |
XF-48G GALERIA(ガレリア) XF-48J JELDA(ジェルダ) |
後衛はボムを除いてブラスターより攻撃的。前衛時の高速自機狙い弾も強力。 高速自機狙い弾を最大レベル時に撃つと速すぎて喰らう側は最早ポルナレフ状態。 後衛はパーサーが優秀なので、要所でうまく使っていきたい。 支援機は大型ヘリ。上段時Cで出せる高速弾で不意打ちしてしまおう。 |
(株)御子柴技研工業
ヒロイックで近未来的な機体フォルムが目を引く。高機動紙防御。
第三研究開発部 | |
YF-222Α ALPHA BLADE(アルファブレード) YF-222Δ DELTA EDGE(デルタエッジ) |
理論値最強ながらアイテム運次第のワンチャン野郎。意外と繊細。 パーサーを持った後衛のこいつに迂闊に近付くと泣きを見る。 支援機は銀河一後方に強い戦闘機のような何か。 バーナーを撃ちながら画面端に寄る姿には本家も驚くだろう。 |
第七研究開発部 | |
F/A-6Ω OMEGA ARROW(オメガアロー) F/A-6Σ SIGMA LANCER(シグマランサー) |
前衛は強力だが後衛は貧弱で、インタラプトに運命を左右される。 やはり御子柴バーナーに目が行くが、それ以外の攻撃も強烈。 豊富な攻め手を備える前衛にいるうちにケリをつけたい。後衛は… 支援機は宇宙ロケット。 大気圏離脱する戦闘機コンペとは一体。 |
支援機の攻撃「御子柴バーナー」と後衛時のパーサー「御子柴ブレード」による、浪漫溢れる攻撃が熱い。
銀河一後方に強い戦闘機のような何かがバーナーを使い、しかもそれが操作可能…何が起きるかはお察しください。
(有)松丸エンジニアリング
父・松丸製造 | |
百参拾八式 猛御雷(タケミカヅチ) 百六拾六式 荒御雷(アラミカヅチ) |
ショットもボムも超火力だが、超鈍足なので乗りこなすのは難しい。 他の強化もいいが、やはり一度はパワー強化を使ってみたい。 支援機は巨大戦車。ガチタンだこれー!?だが脆く「やわらか戦車」の異名も。 |
息子・松丸製作 | |
甲-58型 鐘馗(ショウキ) 乙-58型 飛燕(ヒエン) |
田舎生まれのパンケーキ。 前衛のバレットウェポンから繰り出される大量の弾はまさに弾幕に相応しい。 矢継ぎ早にバレットを撃って押すもよし、何気に強いボスを呼んでもよし。 後衛時は痒い所に手が届くパーサーを駆使してダメージを稼ぎたい。 支援機はホバークラフト。弾避けが困難な攻撃を多く持つ。 |
親が親なら子も子である。どちらの機体もとにかく硬く、のろく、バ火力。やっぱりガチタンじゃないか!
南雲発動機(株) & (株)HAL SYSTEM
二社共同開発での参戦。このせいで参戦陣営を「4社」と呼べないのがとても若干めんどくさい。
機体開発部門 | |
AH-99IV STONEGOREM(ストーンゴーレム) AH-99VII CYCROPS(サイクロプス) |
弱キャラとされているが、玄人なら僅かな長所を押し付けられる…? 別に目に見えて弱いなんて事は無く、前衛の性能は十分。 こんなのが前衛最強でない現実の方に目を背けたくなるほど。 支援機はホバージェット機。大型弾など変わり種の攻撃が多い。 |
内燃機関開発部門 | |
XH-10IX SYLPH(シルフ) XH-10X BANSHEE(バンシー) |
全体的な性能バランスに長け、あらゆる状況で戦える。 前衛・後衛ともにロックオンが優秀。特に前衛のものは凶悪。 支援機はカニ移動要塞。お手軽に出せる強力な複合攻撃がある。 |
隠しコマンド
クレジットを投入してスタートを押す前にレバーを→↓←↑→↓←↑の順に入力し(右から時計回りにレバー二回転)、その後ABCと押すと効果音(御子柴ブレードのSE)が鳴るのでそのまま1Pプレイをスタートすると面ごとに決まっているNPC機の動作パターンがランダムになる(完全ランダムではなく他のNPC機体のパターンになる)。コマンドはかなり適当に入れてもOK。
バグの類
- 対人戦の時間切れ時にどちらが勝っても2P側の機体名が勝利機体として表示されてしまう(実際の勝敗は正しく処理される)。
- 後衛がゲージ残り一本以下の状態で被弾したと同時に前衛が支援機と合体するとゲームが止まってしまう(リセットするしかなくなる)。これに限らず後衛が撃墜もしくは前衛が支援機と合体の瞬間に何かすると表示や挙動がおかしくなる事が多い。
- NPC戦で敵機撃破の瞬間に乱入するとその後の対戦時にボタン入力が効かなくなり更にタイムが0になっても試合が終わらずリセットするしかなくなってしまう。これも上記のものと似たようなものであろう。
- インタラプトで入れ替わった後いきなり後衛が被弾扱いで死んでしまうことが稀にあるが、これはバグではない。詳しくはまだ判明していないが前衛がゲージ一本ギリギリの所でインタラプトの効果が発動するとこのような事が起こるようだ。
関連動画
以下は大会・対戦会の模様。
関連商品
情報募集中!
(各陣営のエンブレムを描いた缶バッヂが有志により作成されたそうな…)
関連項目
- サミー
- シューティングゲーム
- 裏塔劇 (第7回裏塔劇で採用されたことにより知名度が大幅に上がったらしい)
- 御子柴バーナー
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