概要
『ファイアパンチ』を手掛けた藤本が新たに描くダークアクション作品。2019年1号-2021年2号まで連載。単行本は2021年3月現在計11巻が刊行されている。宝島社の「このマンガがスゴイ!2021」にてオトコ編1位を獲得。WJ連載分は第1部「公安編」として展開され、2022年夏頃に第2部が少年ジャンプ+にて連載開始予定。
WJ本誌の連載作品の中では部位切断、人体破壊などの直接的なグロテスク要素がかなり多く、登場人物もアクの強い面子が大半を占める。一方で全体構成の緻密さも魅力の一つであり、序盤の意外な部分が後半への伏線として登場し、連載時のSNSを賑わせた。
だいたい90年代の日本が舞台。悪魔と呼ばれる異形の存在が跋扈し、社会の脅威となっている。悪魔は人々の恐怖が具現化した存在であるらしい。悪魔は人間を食い殺したり、契約を持ちかけ人間をだまして利用しようとする。しかし悪魔を討伐するため、比較的人間と友好的な悪魔と契約して肉体や寿命などを代償に力を借りることもある。
どうしようもない劣悪な環境で育った青年「デンジ」が主人公。チェンソーの悪魔であるポチタと契約し不死身の肉体を手に入れたデンジが、公安のデビルハンターであるマキマに拾われ、公安の戦力として働くようになった。
登場キャラクター
- デンジ
- 本作の主人公。親の借金が原因でまともに教育を受ける機会がなかった。
社会常識に疎くプライドもないが、他人を害して金銭を得ようなどとはせず、(非公認ではあるが)デビルハンターとして働き、地道に借金を返そうとするなど素朴な倫理観を持つ。パンにジャムを塗れるようなごく普通の生活を送ることが夢だったため、脱走したら処刑されると知りながらも三食ついてくる公安デビルハンターの生活に満足している。
戦闘時には胸のエンジンスターターを引っ張り、頭と手からチェンソーが生えた”武器人間”となる。血を飲んで再度スターターを引っ張ればバラバラ死体になっても完全復活できる。頭のネジがブッんでいるから強いと評判。最近できた夢はマキマとイチャラブなキッスをすること。 - ポチタ
- 頭からチェンソーが生えている犬のような見た目の悪魔。鳴き声は「クゥーン」。瀕死の所をデンジに助けられる。その時「ポチタを助けてやるからデンジを助ける」という契約を結んだ。
デンジから家族のように大切にされ、「自分が死んだら身体を乗っ取って、普通の暮らしをしてほしい」と言われていたが、後にゾンビの悪魔に共々殺される。その死の淵で、自らの心臓をデンジに譲り渡し消滅?した。
「私は、デンジの夢の話を聞くのが好きだった」
対魔特異4課
- マキマ
- 公安の重要人物。デンジを公安の犬として雇っている。ミステリアスな雰囲気で温和で知的であり常に冷静、他の職員からの信頼も厚く独特の魅力がある。しかし冷静を通り越して冷徹、冷酷ともいえるような面もある。デンジに1回だけなんでもしてあげることを約束に、銃の悪魔討伐を約束させた。動物を使役できる。
- 早川アキ
- 悪魔を深く憎んでおり、いつか銃の悪魔を討伐することだけを目標に生きている。自分の命を軽視してしまうきらいがあり、代償の重い危険な悪魔と複数契約している。数々の死線を潜り抜けた実力者。ただでさえ張り詰めた精神状態なのにデンジとパワーを自宅に住まわせることになってしまいストレスがヤバい。
- パワー
- 魔人と呼ばれる存在の一人。血の魔人であり、血液を武器の形に変えて戦う。ニャーコという猫が唯一の友達で野菜と人間は基本的にキライ。凄まじいほどの虚言癖もちで、言ったことをすぐに撤回したり、大皿の料理を抱え込んで他の人を泥棒となじって独り占めしたり、デンジ以上に常識が無かったり、とかなり幼稚。
- 姫野
- アキの先輩で幽霊の悪魔と契約している。組んだ相棒がすぐ死んでしまうことに心を痛めており、口に出さないがアキには公安を辞めて普通の生活をしてほしいと思っている。キス魔(泥酔時限定)であり、デンジのファーストキスを奪ったが同時にデンジの口の中にゲロをぶちまけた。
- 東山コベニ
- 9人姉妹の末っ子。家族を養わせるために家族に風俗か公安かを迫られ公安を選んでしまったらしい。本人はこんな仕事やりたくなかったというが適正は高い。彼女の愛車(通称コベニカー)は公式の人気投票で7位にランクインした過去あり。
- 岸辺
- 公安の指導者。最強のデビルハンターを自称するアル中。だが実際とても強い。好きなものは酒と女と悪魔を殺すこと。ふがいないデンジを簡単に死なないように鍛えている。
- ビーム
- サメの魔人。巨大サメに変身でき、壁や地中を泳ぐことができる。あまり賢くはないが機転が利く。なぜかデンジが大好きで子犬のように抱き着きじゃれる。デンジは男は気持ち悪いから嫌だと拒否。
- 天使の悪魔
- ビームと共にサムライソード捕獲のため送りこまれた魔人の一人。手を掴んだ者の寿命を吸い取り、その寿命を武器に変換する。アキと共に行動する機会が多い。
- 暴力の魔人
- 同じく特異4課に送り込まれた魔人。ガスマスクとペストマスクを合わせたような仮面を付けており、自身の強すぎる力を抑え込んでいる。コベニとはバディの関係。
- 狐の悪魔
- 人間に比較的友好的で多くの公安職員が契約している。コンと言ってきつねのハンドサインをすると体の一部が召喚され手足や牙で攻撃してくれる。気に入った人間にしか頭部を使わせないらしい。
- 未来の悪魔
- 公安に捕獲されている悪魔。明るく陽気。狐の悪魔に嫌われたアキが新しく契約した。契約すると少し先の未来を見せてくれる。契約内容はアキの右目に住まわせる事。契約としては破格の軽さだが、アキの「最低最悪な死に様」を直接見たいというのが理由。
「未来最高!」
デンジの心臓を狙う者たち
- 沢渡アカネ
- 蛇の悪魔と契約した女性。サムライソードに刀の悪魔の心臓を埋め込み武器人間に仕立てた。彼を含むヤクザを利用してデンジの心臓を狙っていたが失敗したため、口封じのためか蛇で自殺。
- サムライソード
- ヤクザの若頭。サムライソードは本名ではなく作中のあだ名。読者からの通称は刀マン。デンジを借金漬けにしてコキ使っていたヤクザの孫。作中では初めて登場したデンジ以外の武器人間で、軍人のような見た目に変身できる。殺しても復活でき、居合を武器に公安を壊滅させたがその戦闘で3回ほど死んでいる。
- レゼ
- カフェでバイトをしている美少女。なぜかデンジに積極的にアプローチしてくるせいでデンジのマキマさん絶対一筋の思いが一瞬で崩壊した。
その正体はソ連がデンジの心臓を狙うべく送り込んだ武器人間。「爆弾の悪魔」としてデンジの心臓を狙う。読者からの通称は魚雷ガール、ボンバーガールなど。 - クァンシ
- 中国から来日したデビルハンターで、世界で初めて同職に就いた女性。岸辺とは過去にバディの関係を築いていた。格闘能力は人類最強とも言われており、コスモら4人の魔人を従えている。
彼女も武器人間であり、「弓矢の悪魔」に変身できる。
その他
- 吉田ヒロフミ
- 民間のデビルハンターの一人で高校生。蛸の悪魔と契約している。クァンシと短時間ながらやり合い殺人に対しても抵抗がないなど、デビルハンターとしての腕は高い。岸辺とは面識がある。
- 銃の悪魔
- 最強最悪の悪魔。ある日突然現れ、世界中を駆け巡りながら一瞬にして莫大な死傷者を出し、その後忽然と姿を消した。猛烈な勢いで飛び回ったせいで世界各地に小さな肉片が飛散している。銃の悪魔の肉片を他の悪魔が取り込むと強くなる。
用語
- 悪魔
- 本作の悪魔は、動植物や概念などの名前をもって生まれる人知を超えた怪物として描かれる。人間が悪魔の存在を恐怖、嫌悪することでその力は増し、血を飲むことにより傷の修復や復活が行える。
人間は悪魔と契約することでその力を借りることが出来る。無論使役にはそれなりの対価が必要。姫野のように自らを犠牲にすることで悪魔の能力を初めてフルに使えるようになるものもあれば、アキが契約した未来の悪魔のように、彼らに気に入られる事で条件を軽くすることも可能。 - 魔人
- 悪魔が死んだ人間を乗っ取った姿。人格は基本的に悪魔のものになる。魔人になると悪魔より弱体化するものの人間の姿を保てるので、パワーやビーム、暴力の魔人のような公安に所属する者もいる。
- デビルハンター
- 悪魔の脅威から市民を護るために確立された職業。基本的には悪魔と契約し能力を活用する者が多いが、岸部のように武器を用いて生身の人間が戦うケースもある。公安に属する者や民間で活動する者など、形態は様々。
- 悪魔でも魔人でもない存在(武器人間)
- 意識や姿は人間のものだが、悪魔に変身できる存在。対象となる人間には悪魔の心臓が埋め込まれており、ポチタの心臓を持つデンジなどがこれに該当する。それぞれが武器をモチーフにした頭部を持ち、特定の動作を行う事で変身する。悪魔と同じく基本的は不死身で、血を摂取すれば回復するのも共通。人間の意思で動けるため人命を優先した活動ができるが、血液量が足りなくなると変身を維持できなくなるなどのデメリットがある。
これまでデビルハンターの間でも噂程度にしか認知されておらず、デンジの存在が知れ渡った際には世界中から刺客が送り込まれたほど希少価値が高い。
テレビアニメ
2020年12月14日のジャンプ本誌にてTVアニメ化が第2部連載と同時にアナウンスされた。アニメーション制作は「ドロヘドロ」「呪術廻戦」のMAPPAが担当する。2022年放送、配信予定。
呪術廻戦に参加したスタッフが本作で中核を担っており、シリーズ構成に瀬古浩司、監督は第1クールOPを手掛けた中山竜が初の同職担当。音楽は「ピンポン THE ANIMATION」「サイダーのように言葉が湧き上がる」に関わった牛尾憲輔が担当する。
スタッフ
- 原作:藤本タツキ(集英社ジャンプ コミックス刊)
- 監督:中山竜
- 脚本:瀬古浩司
- キャラクターデザイン:杉山和隆
- アクションディレクター:吉原達矢
- チーフ演出:中園真登
- 悪魔デザイン:押山清高
- 美術監督:竹田悠介
- 色彩設計:中野尚美
- 画面設計:宮原洋平
- 音楽:牛尾憲輔
- アニメーションプロデューサー:瀬下恵介
- 制作:MAPPA
関連静画
関連商品
関連リンク
- 『チェンソーマン』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
- 『チェンソーマン』第1部完結記念特設サイト|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
- チェンソーマン【公式】 (@CHAINSAWMAN_PR) - Twitter
- アニメ『チェンソーマン』公式サイト
関連項目
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- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3