下半期ダート王決定戦、春のサウジへの道標
チャンピオンズカップ
中京競馬場・ダート1800m
チャンピオンズカップとは、JRA(日本中央競馬会)が開催するGI競走のレース名で中京競馬場・ダート1800mで行われる。
「チャンピオンズカップ」と名のついた他のスポーツ競技の大会は複数存在し、さらに同じ競馬でも同レース名G1が南アフリカ(パート1国)・グレイヴィル競馬場で7月下旬頃に行われているが、当記事ではJRAの競馬のレース名について述べる。
概要
2000年、ダート路線の強化に伴って生じたダート競争の主流である中距離G1競走設置の要望に応えると同時に、海外のダート強豪馬招聘による話題性のあるレース、そしてジャパンカップとの連結を通じて、ブリーダーズカップを切っ掛けに他国でよく見かけられるようになった「複数のビッグレースを集中開催する」お祭り的なイベントになることを目指し、ジャパンカップの前日土曜日に行われる国際招待競走「ジャパンカップダート」(東京競馬場・ダート2100m)として創設された。
しかし、ジャパンカップと異なり創設時の時点で日本馬のレベルが世界レベルに達していた、同じダートでもアメリカのそれはスピードが出る赤土であるのに対し日本はパワーを要する砂である、ブリーダーズカップのすぐ後に開催されるためローテーションがキツい、などの要因が重なり、外国馬の苦戦・大物の不出走が続いた。思った以上の盛り上がりを見せることはなく、2006年には外国馬が1頭も出走しないという事態が発生した。
2008年、JRAはより多くの出走馬を集めるため、施行距離を中距離・マイル双方の馬が出走できる1800mに短縮。しかし、東京競馬場ではこの距離でレースを行うことは出来ないため、施行競馬場を阪神競馬場に移すことになった。さらに時期も別々に開催した方が全体の売上が良いということでジャパンカップの翌週日曜日に移動。最早当初の設立理念が吹っ飛んでしまった。
「左回りのレースしか経験していないアメリカ馬が右回りで行われるレースに出走してくるのか」という懸念を払拭するがのごとく、2009年には同年のアメリカ最優秀3歳牡馬に選ばれたベルモントS馬サマーバードが出走を表明。レース創設以来最大の大物ということで盛り上がりを見せたが、なんと直前で右脚を骨折しレースを回避。しかもこの怪我が原因で引退に追い込まれる。これがトドメとなって、2010年からは3年連続で外国馬未出走という事態に。
この惨状に対しファン及び関係者からは、リニューアルを機に左回りである中京競馬場へ移設することを望む声が挙がった。かくして2014年度からは中京競馬場で開催されることになったが、一方で賞金の大幅減額、外国馬の招待取り止め(出走は可)、レース名の改称が発表された。
中央地方指定交流競争の一つでもある。マイルチャンピオンシップ南部杯から始まるダートGI級競走シリーズ(MCS南部杯→JBC→チャンピオンズカップ→東京大賞典→川崎記念→フェブラリーステークス)の中盤戦となる。また、2020年からは優勝馬にサウジアラビア・サウジカップへの優先出走権が付与され、国際G1タイトルを獲得するチャンスが増加。国内ダート馬による海外挑戦の新たなステップレースへと変わりつつある。
レース傾向
ホームストレッチ中央、第3コーナー寄りの急坂地点から発走し、左回りに1周する。
開幕からいきなり坂を上らされたかと思うと、ゴール地点手前から緩く下り、第2コーナー途中から向正面の中ほどまで上っていく。第4コーナーを過ぎるまで高低差3.4mを一気に下り、直線に向くと再び急坂越え。最後の200mを走ってゴールイン。
開幕登坂のためにペースが緩みやすく、先行タイプが比較的有利。しかし最終直線前の坂も影響してくるため、あくまで比較的。全体としては地力の高い馬が勝つ、堅い決着が多い。
主な前走・前哨戦
競走名 | 格付 | 施行競馬場 | 施行距離 | 間隔 | 優先出走権 |
---|---|---|---|---|---|
JBCクラシック | JpnI | 年毎に変更 | 競馬場毎に変更 | 5週 | |
みやこステークス | GIII | 京都競馬場 | ダート1800m | 4週 | 1着馬 |
武蔵野ステークス | GIII | 東京競馬場 | ダート1600m | 3週 | 1着馬 |
歴代優勝馬
※名称変更後も回次は継続している※
チャンピオンズカップ時代
回数 | 開催日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝利騎手 | 勝ち時計 | 動画 |
---|---|---|---|---|---|---|
第23回 | 2022年12月4日 | ジュンライトボルト | 牡5 | 石川裕紀人 | 1:51.9 | |
第22回 | 2021年12月5日 | テーオーケインズ | 牡4 | 松山弘平 | 1:49.7 | sm39714107![]() |
第21回 | 2020年12月6日 | チュウワウィザード | 牡5 | 戸崎圭太 | 1.49.3 | sm37924593![]() |
第20回 | 2019年12月1日 | クリソベリル | 牡3 | 川田将雅 | R1:48.5 | sm36027944![]() |
第19回 | 2018年12月2日 | ルヴァンスレーヴ | 牡3 | M.デムーロ | 1:50.1 | sm34259764![]() |
第18回※5 | 2017年12月3日 | ゴールドドリーム | 牡4 | R.ムーア | 1:50.1 | |
第17回 | 2016年12月4日 | サウンドトゥルー | 騸6 | 大野拓弥 | 1:50.1 | sm30165424![]() |
第16回※4 | 2015年12月6日 | サンビスタ | 牝6 | M.デムーロ | 1:50.4 | sm27739140![]() |
第15回 | 2014年12月7日 | ホッコータルマエ | 牡5 | 幸英明 | 1:51.0 | sm25073748![]() |
ジャパンカップダート時代
回数 | 開催日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝利騎手 | 勝ち時計 | 動画 |
---|---|---|---|---|---|---|
第14回 | 2013年12月1日 | ベルシャザール | 牡5 | C.ルメール | 1:50:4 | sm22367541![]() |
第13回 | 2012年12月2日 | ニホンピロアワーズ | 牡5 | 酒井学 | 1:48.8 | sm19488422![]() |
第12回 | 2011年12月4日 | トランセンド | 牡5 | 藤田伸二 | 1:50.6 | sm16349564![]() |
第11回 | 2010年12月5日 | トランセンド | 牡4 | 藤田伸二 | 1:48.9 | sm12949434![]() |
第10回 | 2009年12月6日 | エスポワールシチー | 牡4 | 佐藤哲三 | 1:48.9 | sm9019151![]() |
第9回 | 2008年12月7日 | カネヒキリ | 牡6 | C.ルメール | 1:49.2 | sm8486678![]() |
第8回 | 2007年11月24日 | ヴァーミリアン | 牡5 | 武豊 | 2:06.7 | sm15324281![]() |
第7回 | 2006年11月25日 | アロンダイト | 牡3 | 後藤浩輝 | 2:08.5 | |
第6回 | 2005年11月26日 | カネヒキリ | 牡3 | 武豊 | 2:08.0 | sm12017112![]() |
第5回※1 | 2004年11月28日 | タイムパラドックス | 牡6 | 武豊 | 2:08.7 | sm15323822![]() |
第4回 | 2003年11月29日 | フリートストリートダンサー(米) | 騸5 | J.コート | 2:09.2 | sm663518![]() |
第3回※2 | 2002年11月23日 | イーグルカフェ | 牡5 | L.デットーリ | 1:52.2 | sm1015823![]() |
第2回※3 | 2001年11月24日 | クロフネ | 牡3 | 武豊 | 2:05.9 | sm7187769![]() |
第1回 | 2000年11月25日 | ウイングアロー | 牡5 | 岡部幸雄 | 2:07.2 | sm16288731![]() |
※1 第5回は「ゴールデン・ジュビリー・デー」としてジャパンカップと同日に開催された。
※2 第3回は東京競馬場の改修に伴い、中山競馬1800mでレースが開催された。
※3 第2回でクロフネが記録した2:05.9というタイムはダート2100mの世界記録である。
※4 第16回は第1回のジャパンカップダートから、さらにはフェブラリーSも含めて、
JRAダートGI では初となる牝馬の優勝。
※5 チャンピオンズカップになってからは初のフェブラリーSとの年間制覇
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 2
- 0pt