ツインシグナル(TWIN SIGNAL)とは、1990年代にエニックスの「月刊少年ガンガン」および「月刊Gファンタジー」で連載されていた漫画である。作者は大清水さちで、氏のデビュー作にして代表作。アシスタント兼ロボットデザインは白石琴似(後にいくつかのサンライズ作品でコミカライズを担当する)。「月刊ガンガンWING」で外伝も連載されていた。
概要
ロボット工学が発展している近未来的な世界が舞台のSF漫画作品。少年・音井信彦がくしゃみをする度に、自分の意思とは無関係に“ちび”と“青年”の2つの姿に切り替わって変形してしまうヒューマンフォームロボット・シグナルが主人公の物語。
最初期は田舎の町トッカリタウンを舞台としたドタバタコメディ要素が強かったが、リュケイオン編からシリアス要素が強くなっていった。それに伴って、「アトランダム・ナンバーズ」や電脳世界のプログラムなどの設定も付与されていき、世界観が深みを増していった。最終的にはロボットの存在意義についての疑問を投げかける主題に変わっていく。当時のファンは、今でもアトランダムナンバーズ(A-A~A-S)を空で言えることだろう。
アトランダムナンバーズはシンガポールに本部を置く頭脳集団(シンクタンク)アトランダムが正式なプロジェクトを立てて開発したロボットたち(一部プログラムのみの個体も含む)の総称で、本作で出てくるヒューマンフォームロボットはほとんどがこれに入る。ナンバーが若いプロジェクトはまだシンクタンクが未成熟だったために完遂できずに頓挫したり名前だけで凍結されたものも多い。主人公のシグナルはこの最新型<A-S>SIGNALと呼称される。総じて一般的なロボットと比べて高すぎる性能を持っており、作中でロボットの性能を競い合うロボットプロレスのチャンピオンを、情報処理専門の<A-O>ORATORIOが10秒足らずで戦闘不能にしてしまう程。これが終盤の主題である「ロボットの存在意義、存在の是非」の問いに繋がっている。
連載時期は「月刊少年ガンガン」の黄金期に当たり、「ツインシグナル」は当時の看板作「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」などと肩を並べるほどの人気を得た作品であった。また、この時期の他連載作品も名作が多く、柴田亜美の「南国少年パプワくん」、渡辺道明の「ハーメルンのバイオリン弾き」、浅野りんの「CHŌKOビースト!!」、くぼたまこと(「天体戦士サンレッド」の作者)の「GOGO!ぷりん帝国」などが名を連ね、駄作を探す方が苦労するほどの黄金っぷりであった。当時は数作品だけを目的にガンガンを買い始め、気が付いたら全作品読むようになっていた読者も多いのではないだろうか。
人気絶頂期にあった頃にはOVAやドラマCD、北条風奈による小説化作品なども出された。小説版は当時まだ読者だった北条がファンレターに小説をつけていたところ大清水の目に留まり、公式で出すことになったという経緯がある(全10巻)。以降北条はシグナルスタッフの一員となり、作者のおまけ漫画などでも度々登場する。またOVAやドラマCDのキャストは今にしてみれば豪華にも程があるメンバーになっている。特に音井信彦の父、正信役の二又一成は大清水たっての指名(昔からのファンだったため)。本作に限らず、ガンガン系のドラマCDは作者がキャスティングに関わることが多く、たとえ大御所であろうともスタッフが極力希望に応えて呼んでくる。アフレコ現場にも作者が見学に来ることも多い。ガンガン系の作家は地方在住者が多いのだが、それでも見学に来る作者は多く、発売直後の単行本でおまけのレポート漫画が描かれる(大清水は北海道札幌市出身)。
OVAのオープニングは当時まだ少なかったデジタル式を採用、使用ソフトはレタスシステム。オープニング映像に使用しているのがリュケイオン編、本編がパルス編のファミリーゲームとなっており、オープニングに登場したキャラクターの半分ほどは本編には出てこない。監督曰く「ファミリーゲームではオープニングで迫力を出せないので敢えてリュケイオン編の映像にした」とのこと。またOVA化当時は原作で一部のキャラクターの配色が確定していなかったため、OVAの巻数が進む度に修正されている。
残念ながらニコニコ動画では動画も少なく、あまり触れられていない領域。よって、ぶっちゃけ書くことが無い。Wikipediaを参照してほしい。
関連動画
OVA
サウンド
パロディやMADなど
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 月刊少年ガンガン
- 月刊Gファンタジー
- 月刊ガンガンWING
- 大清水さち
- 北条風奈
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