ツエーゲン金沢とは、金沢市、野々市市、かほく市、津幡町、内灘町を中心とする石川県全県を本拠地とするJリーグ加盟のサッカークラブである。
概要
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前身は金沢SC(創立1956年)であり、2006年に将来のJリーグ入りを目指して名称をツエーゲン金沢に改名。2013年にJリーグ準加盟に承認され、翌年にJリーグに加盟している。
チーム名の由来はドイツ語で「2」を意味する“Zwei(ツヴァイ)”と「進む」を意味する“Gehen(ゲーン)”から、『チームとサポーターが共に進んでいく』の意味。金沢弁で「強いんだっ!(つぇーげん!)」の意味も持つ。クラブエンブレムは石川県の花であるクロユリをモチーフにしている。
チームマスコットは、石川県の鳥イヌワシをモチーフにしたゲンゾーと金沢市の姉妹都市であるフランスのナンシーで育った帰国子女のナンシー。
2023年までのホームスタジアムは石川県西部緑地公園陸上競技場。かつては金沢市民サッカー場を併用。金沢市はJリーグ公式戦への開催が可能な専用スタジアムへの改築工事を進めており、2024年度より新たなホームスタジアムとして金沢ゴーゴーカレースタジアム(金沢スタジアム)を本拠地として使用。
歴史
- 1956年に創立した金沢SCを母体とし、石川県初のJリーグクラブを目指して2006年に運営会社が発足。チームの名称も変更。
- Jリーグ経験者を多数獲得するも北信越リーグでの成績が振るわず、2008年シーズン終了後には監督の解任を皮切りにメンバーが続々と退団し、チームが空中分解寸前まで追い込まれる。
- 2009年は上野展裕監督が就任し、新たにJリーグ経験者やブラジル人コーチ・選手を獲得し補強を計った。北信越リーグでは3位と終わったが、全国社会人サッカー選手権で準優勝し、JFL昇格に繋がる全国地域リーグ決勝大会へと進出した。1次ラウンドでは全勝し決勝ラウンドへ進出するものの、決勝ラウンドでは4チーム中3位となり2009年JFL17位のFC刈谷とのJFL入れ替え戦へと進出。そしてJFL入れ替え戦を勝ち抜き、2010年からJFLへ参入する事が決定した。
- 2010年度はサンフレッチェ広島から元日本代表の久保竜彦、柏レイソルから山根巌、愛媛FCから地元石川出身の田中俊也など、大幅な戦力補強を行いJFLへ挑戦する。
一方、Jリーグ参入への条件であるJリーグ準加盟の申請に失敗し、仮にJ2昇格条件であるJFL4位以内をクリアしたとしてもJ2昇格は絶望的な状況に陥る。 - 2012年に森下仁之が監督に就任。
- 2013年、これまで受理さなかったJリーグ準加盟申請が2月にようやく承認される。この年のJFLでは7位に終わるが、翌年から創設されるJ3リーグへの参入が認められる。
- 2014年はJ3リーグで快進撃を起こし、33試合で23勝をあげ、J3リーグの初代王者になると同時にJ2リーグ昇格が決定した。奇しくも、J3に降格するチームが同じ北陸のカターレ富山(J2最下位)であった。
- J2リーグで迎えた2015年は12位とまずまずの成績でフィニッシュするものの、2016年は21位と下位に沈みJ2・J3入れ替え戦に勝利してからくも残留。シーズン終了後、森下監督が退任。
- 2017年に元ジュビロ磐田監督の柳下正明が監督に就任。この年も17位といった具合に降格争いを繰りひろげるなどプロヴィンチアの悲哀を味わっている。
- 柳下監督の目指すアクションサッカーが浸透するようになり、2018年は13位、2019年は過去最高となる勝ち点61を獲得し、11位となる。
- 2020年は大卒ルーキーの加藤陸次樹がチームトップの13得点を挙げる活躍を見せるが、守備の不安定さが後半戦になって露呈されてしまい、17位に低迷。
- 2021年は前年ブレイクした加藤が引き抜かれたことで得点力が大幅に低下。終盤戦に入って降格圏に位置するほど低迷していたが、最後の2試合を1勝1分で乗り切ったことで辛うじてJ2に残留する。
- 2022年は前半戦折り返しの時点ではプレーオフ圏が狙える位置に付けていたが、後半戦は失点の多さが目立ち失速。最終的にリーグワースト2位の69失点を喫し、14位となる。
- 2023年は開幕4連敗と大きく躓くが、その後の6試合を5勝1敗と持ち直し、前半戦は15位で終える。しかし、後半戦に入ると攻守のバランスが大きく崩れてしまい、22節から25節まで4連敗、32節から36節までは5試合連続無得点で5連敗という最悪の内容でとうとうJ3降格圏まで転落。その後もチーム状態を立て直すことができず、第41節の大分トリニータ戦に引き分けたことで最下位が確定し、J3リーグ降格が決定。シーズン終了後、7年間チームを率いてきた柳下監督は退任となる。
- 2024年よりホームスタジアムとして金沢ゴーゴーカレースタジアムを使用。待望の新スタジアム初年度をJ3で迎えることとなったクラブは仙台、磐田での監督歴がある伊藤彰を新監督に招聘。1年でのJ2復帰を掲げたが、開幕3試合で12失点3連敗と守備が早速崩壊する最悪のスタートを切る。それでも第6節の相模原戦で初勝利を飾ってからは10試合無敗と持ち直し、前半戦を4位で折り返す。一時は自動昇格の2位まで大きく近づいたが、第24節からまたも守備の不安定さが災いし10試合未勝利で昇格争いからは大きく後退。終盤戦も大きく浮上する兆しも見えず、PO圏にすら届かない12位で終了となる。
タイトル
現在の所属選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | 伊藤彰 | 1972.9.19 | 2024 | ベガルタ仙台 監督 | 【新】 | |
1 | GK | 白井裕人(C) | 1988.6.19 | 2017 | 松本山雅FC | ||
2 | DF | 長峰裕斗 | 2000.3.28 | 2022 | 拓殖大学 | ||
3 | DF | 畑尾大翔 | 1990.9.16 | 2024 | ザスパクサツ群馬 | 【完】 | |
4 | DF | 井上竜太 | 2000.7.25 | 2023 | 立正大学 | ||
5 | DF | 櫻井風我 | 2000.9.11 | 2023 | 明治大学 | ||
6 | MF | 梶浦勇輝 | 2004.1.2 | 2023 | FC東京 | 【レ】 | |
7 | MF | 塚元大 | 2001.6.23 | 2024 | ガンバ大阪 | 【完】 | |
8 | MF | 大山啓輔 | 1995.5.7 | 2024 | 大宮アルディージャ | 【完】 | |
9 | FW | 土信田悠生 | 1999.7.23 | 2024 | ロアッソ熊本 | 【完】 | |
10 | MF | 嶋田慎太郎 | 1995.12.5 | 2021 | 大宮アルディージャ | ||
11 | FW | 杉浦恭平 | 1989.1.17 | 2017 | ベガルタ仙台 | ||
14 | MF | 石原崇兆 | 1992.1.17 | 2023 | ベガルタ仙台 | ||
15 | FW | 西谷優希 | 1993.10.5 | 2024 | 栃木SC | 【完】 | |
16 | DF | 毛利駿也 | 1995.4.10 | 2018 | 湘南ベルマーレ | ||
17 | MF | 加藤大樹 | 1993.3.14 | 2023 | モンテディオ山形 | ||
18 | MF | 熊谷アンドリュー | 1993.6.6 | 2024 | ジェフユナイテッド千葉 | 【完】 | |
19 | FW | 豊田陽平 | 1985.4.11 | 2022 | 栃木SC | ||
21 | GK | 山ノ井拓己 | 1998.10.25 | 2024 | アビスパ福岡 | 【完】 | |
22 | MF | 高塩隼生 | 2004.6.3 | 2024 | 横浜FC | 【レ】 | |
24 | MF | 西谷和希 | 1993.10.5 | 2024 | 徳島ヴォルティス | 【完】 | |
25 | DF | 小島雅也 | 1997.11.9 | 2019 | ザスパクサツ群馬 | ||
30 | FW | 大谷駿斗 | 1997.1.17 | 2021 | カターレ富山 | ||
31 | GK | 上田樹 | 2001.6.28 | 2024 | 高知ユナイテッドSC | 【レ】【H】 | |
33 | MF | 沖崎颯 | 2001.4.10 | 2024 | 関東学院大学 | 【卒】 | |
38 | DF | 山本義道 | 1995.7.25 | 2023 | ジュビロ磐田 | 【完】 | |
39 | DF | 庄司朋乃他 | 1997.10.8 | 2023 | V・ファーレン長崎 | ||
55 | DF | 平智広 | 1990.5.10 | 2024 | 東京ヴェルディ | 【完】 | |
60 | GK | 久保賢也 | 2002.1.11 | 2024 | 明治大学 | 【卒】 | |
71 | FW | 田口裕也 | 2001.4.8 | 2024 | FC岐阜 | 【完】 | |
77 | FW | マリソン | 1999.1.13 | 2024 | FCヴォルスクラ・ポルタヴァ | 【レ】 | |
95 | FW | ジェフェルソン・バイアーノ | 1995.5.10 | 2023 | アライアル・ド・カボ |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
過去に所属したおもな選手
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歴代監督
国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
小川雅巳 | 2006年 | 選手兼監督 | |
池田司信 | 2007年~2008年 | ||
上野展裕 | 2009年~2011年 | JFL昇格(2010年) | |
森下仁祐 | 2012年~2016年 | ・J3リーグ参入(2014年) ・J3優勝&J2昇格(2014年) |
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柳下正明 | 2017年~2023年 | J3降格(2023年) |
ゲンゾイヤーとヤサガラス
チームのマスコットはゲンゾー。石川県の県鳥である犬鷲をモチーフとしたキャラで誕生日は2月8日、好物は石川県産米、得意技はY字バランス。可愛い系のマスコットだったのだが、2017年5月28日の松本戦を境に彼の運命は大きく変わっていくこととなる。
そう、ツエーゲン金沢とそのサポーターを絶望に染めるべく金沢に降臨したツンデレ、もとい、悪の化身ヤサガラスが登場である。
その次のホームゲームの山口戦でゲンゾーはヤサガラスに敗北。拉致されて、一時消息不明となる。
そして、その後の横浜FCでゲンゾーは帰ってきた。
正義のヒーロー、ゲンゾイヤーとして。
可愛いマスコットだったのが、特撮系ヒーローとして魔改造復活。金沢のホームゲームのたびに日夜、ヤサガラスとバトルを繰り広げるのであった。
……つまり、ツエーゲン金沢というクラブはハーフタイムにヒーローショーを行っているのである。。ピッチで黙々とウォーミングアップをする選手の横でのヒーローショーというのは実にシュールな光景なのだが、悪の化身と自称しつつも紳士でツンデレなヤサガラスのキャラクターや、ハーフタイムの余興にしては本気過ぎるストーリーの練り込みぶりが子供や大きな子供たちからの好評を拍しており、今ではツエーゲンのゲームではなくてはならない風物詩となっている。
ただし、敢えて苦言を言わせてもらうとするならば、ハーフタイムショーは本業ではなく、副職なはずなのに逆転してしまう危険性がある。つまり、ゲンゾイヤーとヤサガラスについでにJ2の試合を行っているのではないのか、という事である。ただでさえ、成績がいいとはいえないので火種になる可能性がある。
なお、ツエーゲンが今後も存在し続けるとするならば、このネタを延々と続けられないのは言うまでもないので、楽しむなら今だろう。
と、色々と書いてみたが、結局のところは。
日曜テレ朝のヒーロータイムで2人の姿を見たいんだーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっ
関連動画
関連リンク
関連項目
- Jリーグ - Jリーグチーム一覧
- J2リーグ(2015年 - 2023年)
- J3リーグ(2014年、2024年 - )
- JFL(2010年 - 2013年)
- 石川県 - 金沢市
- 北陸
- ヤサガラス
- 金沢スタジアム(金沢ゴーゴーカレースタジアム)
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