ツキヨタケ(学名:Omphalotus japonics)とは、ハラタケ目ホウライタケ科ツキヨタケ属に属するキノコの一種である。
特徴
夏から秋にかけてブナやナラ等の広葉樹の枯れ木に群生する事が多い。
有毒のキノコだが、外観が一見食用のムキタケやヒラタケ、シイタケに似ているため、毎年秋になると、誤って採取し誤食するケースが後を絶たない。カキシメジ、クサウラベニタケと並んで日本三大毒キノコなどと呼ばれている。
ツキヨタケを裂くと、柄の根元に紫褐色もしくは青黒色のシミが出るので、これで他のキノコと見分けることが出来る。ただし、シミが薄い、もしくは全くでない個体もあるので、注意が必要である。
中毒症状
主要毒成分は、セスキテルペンのイルジンSとされるが、他にも毒成分がある可能性があり、今現在、研究がなされている。
万が一摂取してしまった場合、食後30分から3時間ほどで、下痢、嘔吐などの症状が出てくる。まれに幻覚などの症状も見られることがある。
重症の場合、痙攣や脱水症状、アシドーシスショックを引き起こすこともあり、死亡例もいくつか報告されている。
主な治療方法は、消化器系症状に対しては催吐、胃洗浄、吸着剤投与など。脱水症状がみられることもあるので、点滴などで輸液が行われることもある。更に重症の患者に対しては、血液吸着 DHP(Direct Hemoperfusion、直接血液灌流法)による毒素の吸着が行われる。
発光現象
ツキヨタケの最大の特徴は、暗所で蛍光色に発光することである。
主な発光成分はランプテロフラビンで、これによって白いヒダが発光する。ただし、発光するのは若い成菌に限られ、幼菌や胞子を撒き終えた老菌は発光しない。
また、たいていの発光現象は弱々しいものであるため、肉眼で確認できることはあまりない。
ちなみに、ツキヨタケの仲間はアメリカやオーストラリアで発見されており、同様に光ることから「ジャコランタン」、「幽霊キノコ」などと呼ばれている。毒性も同様にある。
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