調和する要素たち
スピードとスタミナは
相反するものではないし
力強さと鋭さが
共存できることもある肝心なのは配分と均衡だ
調和と秩序に目を向けろ
ツルマルボーイとは、1998年生まれの日本の元競走馬・種牡馬である。
主な勝ち鞍
2002年:金鯱賞(GII)、中京記念(GIII)
2004年:安田記念(GI)
概要
父ダンスインザダーク、母ツルマルガール、母父サッカーボーイという血統。父はSS産駒の菊花賞馬でこれが初年度産駒。母はGIII朝日チャレンジCを制し、兄弟や近親にもOP馬が多い、まあまあの良血であった。
母や兄弟も管理した橋口弘次郎厩舎に入厩。2歳(旧3歳)7月、デビュー戦を勝利で飾る。新種牡馬ダンスインザダークにとって、これが中央での産駒初勝利だった。が、その後はそれなりの人気を集めながらなかなか勝てず、やっと2勝目を挙げたのは3歳5月の矢車賞(500万下)。春のGIには完全に乗り遅れてしまう。まあ、この年の3歳牡馬戦線は出たところで相手がアレとソレとコレだし厳しかっただろうが…。
休養して秋に復帰するが条件戦で勝ったり負けたり。翌2002年の初戦で久々の勝利を挙げる。ちなみにこの時の2着はかのハートランドヒリュである。この後昇級戦で上がり最速の3着とし、格上挑戦でGIII中京記念に出走。メンバーが手薄だったこともあり3番人気に支持され、またも最速の末脚で5馬身突き抜け圧勝。大阪杯は5着に敗れるが、メトロポリタンS(OP)では上がり最速の末脚で勝利。ちなみにこのメトロポリタンS、2着はオークス馬レディパステル、3着は後のJC馬タップダンスシチー、他にも後のマイルCS馬トウカイポイントやら春天2着馬ビッグゴールドやら日本馬初の凱旋門賞優勝馬シルヴァコクピットらがいて結構とんでもないメンバーだった。その後のGII金鯱賞も上がり最速の末脚で二冠馬エアシャカールを退け快勝し、4番人気で宝塚記念に挑戦。ここでもよく追い込むが、ダンツフレームの根性の前に2着惜敗。秋は京都大賞典から始動してナリタトップロードの2着とするが天皇賞(秋)では自己最悪の11着。その後蕁麻疹の影響で休養する。
翌2003年、復帰戦の大阪杯で久々ながら3着と好走。天皇賞(春)はさすがに長かったか4着。宝塚記念は前年同様大外から猛然と追い込むがヒシミラクルを捕まえきれずまたも2着。なんだかシルコレ臭が・・・。秋は天皇賞(秋)に直行するがシンボリクリスエスの2着。JCはタップダンスシチーの逃げ切りを眺めるだけの15着。有馬記念もシンボリクリスエスを眺めるだけの4着。年間通して善戦するが、勝ち星のないまま1年を終える。そんなこんなをしているうちに同じダンスインザダーク産駒のザッツザプレンティが菊花賞を勝ち、ダンスインザダーク産駒の初GI勝利も掻っ攫われてしまった。
2004年、3年連続で大阪杯から復帰するが6着。6歳になり、中距離では体力的に厳しいと判断したのか、3歳冬以来のマイル戦となる安田記念に駒を進める。単勝は11.3倍の6番人気。3年以上ずっと中距離を走ってた馬だし、血統的にもマイル要素が見当たらない。確かに人気は割れていたが、それでも買えるかどうか微妙な感じだった。
しかし初コンビの安藤勝己はいつにない意気込みで臨んでいた。というのも、安田記念の前の週、安藤はキングカメハメハでダービーを勝ったのだが、この時2着だった橋口厩舎のハーツクライも安藤のお手馬だった。安藤は、中央移籍前から世話になっていた橋口師の悲願だったダービーで騎乗依頼を断ったことが心残りで、なんとか借りを返したいと思っていたという。するとそれまでツルマルボーイに騎乗していた横山典弘(ダービーでハーツクライの手綱を引き継いだのも彼)がローエングリンの先約で乗れなくなり、手が空いていた安藤に依頼が舞い込んだのである。
灼熱だった前週のダービーから打って変わって、雨が降りしきり、稍重発表とはいえかなり重い馬場になった安田記念。安藤はこの馬の戦法に逆らわず後方に控える。前はメジロマイヤーが1000m57.5秒という、この馬場では暴走でしかないペースで逃げていく。誤ってゴーグルを全部外して迎えた直線。普段は大外を突っ込んでいたツルマルボーイだが、今回はタイミングよく開いた馬群の間をすり抜け、馬場の真ん中を突いて末脚を伸ばす。先行勢はハイペースに付き合わされて疲弊しきっていた。最後はやはり後方に控えていたテレグノシスに詰め寄られるがクビ差振り切って勝利。馬と馬主にとって悲願のGI勝利を成し遂げ、安藤はわずか1週間で橋口師に借りを返した。
その後、ツルマルボーイは中距離戦線に戻るが宝塚記念6着、天皇賞(秋)4着と善戦するも勝ち星は挙げられず、有馬記念8着を最後に引退した。種牡馬としてアロースタッドに繋養されたが、父ダンスインザダークが現役バリバリだったこともあって人気は集まらず早々にスタッドを後にした。種牡馬引退の際に去勢され、福島のノーザンファーム天栄にてスタッフの乗馬の練習馬として繋養されていたが、2019年より駿ホースクラブに移り余生を過ごしている。関連リンクにある牧場スタッフの動画では未知の味(果物)を堪能する姿を見ることが出来る。
ツルマルボーイ、ザッツザプレンティが早々に種牡馬を引退。ダイタクバートラムやタガノマイバッハ、ザサンデーフサイチも結果は残せず、デルタブルースが種牡馬になれなかったこともあってダンスインザダークの血統は途絶えつつある。
血統表
ダンスインザダーク 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ダンシングキイ 1983 鹿毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer | |
Flaming Page | |||
Key Partner | Key to the Mint | ||
Native Partner | |||
ツルマルガール 1991 栃栗毛 FNo.6-a |
サッカーボーイ 1985 栃栗毛 |
*ディクタス | Sanctus |
Doronic | |||
ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
*ロイヤルサッシュ | |||
エプソムガール 1978 黒鹿毛 |
アローエクスプレス | *スパニッシュイクスプレス | |
*ソーダストリーム | |||
ゲシー | *ダイハード | ||
ジヤヌワ | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 4×5(9.38%)
関連動画
関連コミュニティ
関連リンク
- しりある【ツルマル様のシモベ】 - YouTube …繋養先のスタッフが運営しているyoutubeチャンネル
関連項目
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