ツール・ド・フランス2024とは、2024年6月29日から7月21日までの日程で開催された、世界最大の自転車ロードレースであるツール・ド・フランスの第111回大会である。全21ステージ。
概要
第111回目となる今年は、例年と比べて特殊なツールとなった。
・史上初めてイタリアがスタート地点(グランデパール)となる。
→フランス国外がスタート地点になること自体は近年の潮流通り。ただアルプス山脈に近いイタリア北部フィレンツェからのスタートということで、厳しい山岳ステージが序盤から選手を襲うこととなった。
・史上初めて最終ゴール地点がパリでなく南仏のニースとなる。
→2024年パリオリンピックの影響。最終日からパリ五輪開会式までに5日しかなく、最終日をパリにしてしまうとオリンピックの設営に重大な影響が及ぶため。
・35年ぶりに最終日が個人タイムトライアルとなる。
→1989年大会でグレッグ・レモンがローラン・フィニョンとの50秒差をひっくり返し大逆転での総合優勝を決めて以降、最終日の個人タイムトライアルは封印されていた。
参加チーム(選手No.順)
スポンサーの事情によるチーム名の変更こそあれ、参加チーム自体は2023年からの変更はない。
これ以降の記事において選手名のあとに括弧がある場合は全て所属チーム。
Team Visma | Lease a Bike / ヴィスマ・リースアバイク
UAE - Team Emirates / UAEチームエミレーツ
Team Jayco AlUla / ジェイコ・アルウラー
INEOS Grenadiers / イネオス・グレナディアーズ
Lidl - Trek / リドル・トレック
Decathlon AG2R La Mondiale Team / デカトロン・AG2Rラモンディアル
Bahrain - Victorious / バーレーン・ヴィクトリアス
Soudal-Quick Step / スーダル・クイックステップ
RED BULL - BORA - HANSGROHE / レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
Groupama-FDJ / グルパマ・FDJ
Alpecin-Deceuninck / アルペシン・ドゥクーニンク
EF Education - EasyPost / EFエデュケーション・イージーポスト
Lotto Dstny / ロット・デスティニー
Israel - Premier Tech / イスラエル・プレミアテック
Cofidis/ コフィディス
Movistar Team / モビスター
Arkéa-B&B Hotels /アルケア・B&Bホテルズ
Intermarché - Wanty / アンテルマルシェ・ワンティ
Team dsm-firmenich PostNL / dsmフィルメニッヒ・ポストNL
Astana Qazaqstan Team / アスタナカザクスタン
Uno-X Mobility / ウノエックスモビリティ
TotalEnergies /トタルエネルジー
大会前の動向・下馬評など
総合優勝のマイヨ・ジョーヌ争いの中心になるのは、3連覇を狙うヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ)と彼からの総合奪還を誓うタデイ・ポガチャル(UAE)。なんたって2020年以降の総合優勝争いは、
年 | 総合優勝 | 総合2位 | 備考 |
---|---|---|---|
2020年 | タデイ・ポガチャル | プリモシュ・ログリッチ | ヴィンゲゴーは不参加 |
2021年 | タデイ・ポガチャル | ヨナス・ヴィンゲゴー | |
2022年 | ヨナス・ヴィンゲゴー | タデイ・ポガチャル | |
2023年 | ヨナス・ヴィンゲゴー | タデイ・ポガチャル |
といった具合であり、宿命のライバル対決第4章の行方に注目が集まるのも無理からぬことだった。しかしながら今年はそれぞれに不安要素があり、その隙をグランツール完全制覇を狙う表にも出てきたプリモシュ・ログリッチ(ボーラ)と新進気鋭の若手実力者レムコ・エヴェネプール(クイックステップ)が虎視眈々と狙う。マイヨ・ジョーヌ争いはほとんどこの4人に絞られ、海外メディアでも「ビッグ4」と見なされ動向が注目されていた。日本メディアでは「四皇」なんて表現するところも。この4人の他にも、総合優勝の可能性がある選手としてカルロス・ロドリゲス(イネオス)、リチャル・カラパス(EFエデュケーション)などの名前が挙がっていた。
ビッグ4の動向
ディフェンディングチャンピオンのヨナス・ヴィンゲゴーは、4月のレースで落車に巻き込まれ、鎖骨・肋骨の骨折、肺挫傷、気胸とかなりの重傷で長期離脱。一時は出場すら危ぶまれたが、驚異的な回復によりツール出場にこぎつけた。圧倒的な実力者とはいえ、贔屓目に見ても万全とはいえない。昨年の総合優勝を支えたセップ・クスが新型コロナからの回復が間に合わず出場断念したこともマイナスとされた。
タデイ・ポガチャルは2023年末、2024年シーズンにジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの2冠、いわゆる「ダブルツール」を目指すことを宣言。5月に行われたそのジロ・デ・イタリアではここ数十年で一番の圧倒的大差で総合優勝。達成されれば26年ぶりとなる困難な記録への挑戦資格を得たが、その疲れはまだ残っている。疲れが招くバッドデイは昨年の大会でも彼を襲っており、不安視されていた。
プリモシュ・ログリッチはツールを制すると史上8人目のグランツール完全制覇となる。実は去年までヴィスマに所属していたが、ヴィンゲゴーらとの複数エース体制ではツールは勝てないとし、違約金を支払ってまでヴィスマを出奔。どうしてもツールを勝ちたい男は、直前の前哨戦を総合優勝し勢いに乗る。
ツール初参戦となるレムコ・エヴェネプールはタイムトライアルを最も得意とする。2022年のブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝などが示すように山岳ステージもこなすものの、圧倒的な山岳力を持つポガチャルらの前にどう耐え忍ぶかが鍵。2023年のタイムトライアル世界選手権優勝の証である虹色のジャージ、アルカンシェルを着る。
総合優勝以外の有力選手たち
山岳賞を意味する赤い水玉ジャージ、マイヨ・アポワ争いは、ポガチャルやヴィンゲゴーといった総合優勝候補が山岳を得意とすることや、総合上位争いから脱落した有力候補が次点の目標とする可能性が高いことなどから予想は困難とされたが、昨年熾烈な山岳賞争いを繰り広げたジュリオ・チッコーネ(トレック)やニールソン・パウレス(EFエデュケーション)は今年も狙ってくるだろうと予想されていた。
ポイント賞ジャージであるマイヨ・ヴェールは、平坦ステージでハイスピードバトルを繰り広げるスプリンターたちが狙う。昨年の獲得者ヤスペル・フィリプセン(アルペシン)やさらに前年の獲得者ワウト・ファンアールト(ヴィスマ)のほか、前哨戦で好成績を残したビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ)や、ツールステージ優勝数で史上最多タイ34勝の記録を持つマーク・カヴェンディッシュなどが注目された。
25歳以下で最も総合順位の高い者が着用するヤングライダー賞マイヨ・ブランのジャージは、4年連続でこの賞を獲得したポガチャルがようやく資格を失ったので新たな着用者に注目が集まる。総合上位を争う中でこの資格を持つのはレムコ・エヴェネプール(クイックステップ)とカルロス・ロドリゲス(イネオス)、サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン)などだ。
大会経過
黒三角を押下すると結果の詳細が出てきます。四賞該当者の変化があった場合はその旨記載。
第1ステージ フィレンツェ〜リミニ 206km(丘陵)
2級山岳3ヶ所、3級山岳4ヶ所ステージ優勝 | ロマン・バルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL) |
マイヨ・ジョーヌ | ロマン・バルデ |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | フランク・ファンデンブルーク |
マイヨ・ブラン | フランク・ファンデンブルーク |
第2ステージ チェゼナーティコ〜ボローニャ 199.2km(丘陵)
3級山岳5ヶ所、4級山岳1ヶ所ステージ優勝 | ケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ) |
マイヨ・ジョーヌ | バルデ→タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ファンデンブルーク→ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ブラン | ファンデンブルーク→レムコ・エヴェネプール |
第3ステージ ピアチェンツァ〜トリノ 230.8km(平坦)
4級山岳3ヶ所ステージ優勝 | ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ) |
マイヨ・ジョーヌ | ポガチャル→リチャル・カラパス |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第4ステージ ピネローロ〜ヴァロワール 139.6km(山岳)
超級山岳1ヶ所、2級山岳2ヶ所ステージ優勝 | タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) |
マイヨ・ジョーヌ | カラパス→タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第5ステージ サンジャン・ド・モーリエンヌ〜サン・ヴルバ 177.4km(平坦)
4級山岳2ヶ所ステージ優勝 | マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | アブラハムセン→ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第6ステージ マコン〜ディジョン 163.5km(平坦)
4級山岳1ヶ所ステージ優勝 | ディラン・フルーネヴェーヘン(ジェイコ・アルウラー) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第7ステージ ニュイ・サン・ジョルジュ〜ジュヴレ・シャンベルタン 25.3km(個人タイムトライアル)
山岳無しステージ優勝 | レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第8ステージ スミュール・アン・オーソワ〜コロンベ・レ・デュー・エグリーズ 183.4km(平坦)
3級山岳2ヶ所、4級山岳3ヶ所ステージ優勝 | ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第9ステージ トロワ〜トロワ 199km(丘陵)
4級山岳4ヶ所ステージ優勝 | アントニー・テュルジス(トタルエネルジー) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第10ステージ オルレアン〜サン・タマン・モンロン 187.3km(平坦)
山岳無しステージ優勝 | ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ヨナス・アブラハムセン |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第11ステージ エヴォー・レ・バン〜ル・リオラン 211km(山岳)
1級山岳1ヶ所、2級山岳2ヶ所、3級山岳2ヶ所、4級山岳1ヶ所ステージ優勝 | ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | アブラハムセン→タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第12ステージ オーリヤック〜ヴィルヌーヴ・シュル・ロット 203.6km(平坦)
4級山岳3ヶ所ステージ優勝 | ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第13ステージ アジャン〜ポー 165.3km(平坦)
4級山岳2ヶ所ステージ優勝 | ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第14ステージ ポー〜サン・ラリー・スーランプラ・ダデ 151.9km(山岳)
超級山岳2ヶ所、2級山岳1ヶ所。超級山岳の山頂フィニッシュステージ優勝 | タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第15ステージ ルーダンヴィエル〜プラトー・ド・ベイユ 197.7km(山岳)
超級山岳1ヶ所、1級山岳4ヶ所。超級山岳の山頂フィニッシュステージ優勝 | タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第16ステージ グリュイッサン〜ニーム 188.6km(平坦)
4級山岳1ヶ所ステージ優勝 | ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第17ステージ サン・ポール・トロワ・シャトー〜シュペルデヴォリュイ 177.8km(山岳)
1級山岳1ヶ所、2級山岳1ヶ所、3級山岳1ヶ所。3級山岳の山頂フィニッシュステージ優勝 | リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第18ステージ ギャップ〜バルスロネット 179.5km(丘陵)
3級山岳5ヶ所ステージ優勝 | ヴィクトル・カンペナールツ(スーダル・クイックステップ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第19ステージ アンブラン〜イゾラ2000 144.6km(山岳)
超級山岳2ヶ所、1級山岳1ヶ所。1級山岳の山頂フィニッシュステージ優勝 | タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | ポガチャル→リチャル・カラパス |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第20ステージ ニース〜コル・ド・ラ・クイヨール 132.8km(山岳)
1級山岳3ヶ所、2級山岳1ヶ所。1級山岳の山頂フィニッシュステージ優勝 | タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | リチャル・カラパス |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
第21ステージ モナコ〜ニース 33.7km(個人タイムトライアル)
2級山岳1ヶ所ステージ優勝 | タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) |
マイヨ・ジョーヌ | タデイ・ポガチャル |
マイヨ・アポワ | リチャル・カラパス |
マイヨ・ヴェール | ビニヤム・ギルマイ |
マイヨ・ブラン | レムコ・エヴェネプール |
実況「そして残すはこのマイヨジョーヌのみ。」
(残り250m。暫定1位ヴィンゲゴーとのタイム差が画面に表示される)
実況「あぁーまだ1分30秒マージンがあります」
解説「うわぁ……これは……」
実況「最終日も、この人がすべてを持って行ってしまう。文字通り、今大会を制圧した男、タデイ・ポガチャル!」
解説「もう流してますね」
実況「マルコ・パンターニ以来の、26年ぶりの、ダブルツールに花を添える、今大会6勝目! 総合優勝です!!」
(流しながら両手を挙げてゴールイン。タイム45分25秒はヴィンゲゴーより1分3秒早かった。)
結果
マイヨ・ジョーヌ(総合優勝)
1位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 83時間38分56秒
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) +6分17秒
3位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +9分18秒
4位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) +19分03秒
5位 ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) +20分06秒
マイヨ・ヴェール(ポイント賞)
1位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ) 387pts
2位 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) 354pts
3位 ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) 208pts
マイヨ・アポワ(山岳賞)
1位 リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) 127pts
2位 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) 102pts
3位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 70pts
マイヨ・ブラン(ヤングライダー賞)
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 83時間48分14秒
2位 カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) +15分46秒
3位 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +17分16秒
選手たちのその後の動向
26年ぶりのダブルツールを達成したタデイ・ポガチャルは、一時期はパリオリンピックや史上初となるトリプルツールを狙いブエルタに出場するという噂も囁かれたがいずれも回避。9月末の世界選手権ロードレースに狙いを絞り、ジロ、ツール、世界選手権の同一年制覇「トリプルクラウン」達成を目指した。ここでは残り100kmという常識外れのタイミングで仕掛けプロトンを脱するとすぐ逃げ集団に追いつき、50kmからは一人旅のまま悠々とゴールイン。37年ぶり3人目の偉業を衝撃のパフォーマンスとともに見せつけた。
怪我の不安を跳ね除けて総合2位に輝いたヨナス・ヴィンゲゴーも五輪やブエルタには向かわず、8月にポーランドで行われる7日間のステージレース、ツール・ド・ポローニュに出場。ここで総合優勝を飾り、「もう2度とバイクに乗れないとすら思っていた」と語るほどの怪我からの完全復活を示した。今シーズンの残りのワンデイレースや世界選手権には向かわず、ポローニュをもってシーズンを終えた。なんでも奥さんの第二子の出産が近いのだとか。仲間と家族のサポートのもと見事に這い上がってきた復活のエースは、こんどはサポートに回り新しい命の誕生に備える。
総合3位のレムコ・エヴェネプールは「総合争いのレベルがいかに高いかを思い知らされた」と語ったが、ポガチャルとヴィンゲゴーが自転車星人なだけなのでネットではツッコミが集まった。パリオリンピックでタイムトライアルとロードレースに出場し、なんと両方で金メダルを獲得。オリンピックでの個人TTとロードレースの2冠は、男子では同一年はおろか通算でも例がなく、ファビアン・カンチェラーラが2008年北京オリンピックにロード銀、TT金があるくらいである。世界選手権にも出場し個人TTを快勝、連覇を達成。前代未聞の五輪・世界選手権両方での2冠に王手をかけたが、ロードレースでは自転車星人ポガチャルの前に敗れた。
上位を期待されながら惜しくも骨折で途中離脱となったプリモシュ・ログリッチは、オリンピックも回避し治療に専念。8月17日に開幕したブエルタ・ア・エスパーニャに出場した。連覇のかかるクスや、ジロ総合4位のベン・オコーナーなどと勝負を繰り広げ、区間3勝を含む総合優勝を達成。ブエルタ総合優勝4回は史上最多タイとなる。
上述のエヴェネプールのほか、パリ五輪ロードレースで銀メダルを総合25位のヴァランタン・マドゥアスが、銅メダルを同84位のクリストフ・ラポルトが獲得した。この二人はいずれもフランス人で、この種目68年ぶりのメダルを母国フランスにもたらした。
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