曖昧さ回避
ディアドラとは、
のいずれかを指す。
また、それらを元ネタとして複数のものに「ディアドラ」という名前が付けられている。
- ディアドラ(競走馬) - 日本の競走馬。ケルト神話に由来。この記事で記述。
- ディアドラ(スポーツ用品メーカー) - イタリアのスポーツ用品メーカー。古代ギリシャ語に由来。
- ディアドラ(ファイアーエムブレム) - シミュレーションRPG『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』のキャラクター。ケルト神話に由来。該当記事参照。
- ディアドラ(グランブルーファンタジー) - ソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』のキャラクター。ケルト神話に由来。
主な勝ち鞍
2017年:秋華賞(GⅠ)、紫苑S(GⅢ)
2018年:府中牝馬S(GⅡ)、クイーンS(GⅢ)
2019年:ナッソーS(英GⅠ)
概要
~3歳春
父*ハービンジャー、母ライツェント、母父スペシャルウィークという血統。父は英国馬でキングジョージを大差勝ちしたことで知られる。母は4戦未勝利だが、祖母*ソニンクの牝系からダービー馬ロジユニヴァースやダート戦線で活躍したランフォルセ、ノーザンリバーを輩出しており活気のある一族。母父は言わずと知れたダービー馬。なかなか欧州色の強い重厚な血統である。
2歳7月の中京でデビューするが勝ち切れず、一休みして10月の新潟で初勝利を挙げる。続くGⅢファンタジーSは上がり最速を出しながら3着、自己条件に戻っても2戦連敗。勝ち切れないまま2歳を終える。
3歳になっても初戦の自己条件で3着、桜花賞トライアルのOPアネモネSでも2着と敗れる。これで桜花賞の優先出走権を得たので出走、14番人気ながら上がり最速の末脚を繰り出す。しかしほぼ最後方の位置からでは流石に厳しく6着。
自己条件に戻った矢車賞では中団から一気に抜け出し完勝。これでオークスに滑り込み、3戦連続となる上がり最速で4着に突っ込む。
3歳夏~秋
500万下の賞金しかなく秋戦線が心許ないこともあり、北海道で自己条件(1000万下)のHTB賞に出走。古馬の牡馬も相手となるレースだったが、52kgの軽量にも助けられ、追い比べを制して勝利。4戦連続の上がり最速を記録する。
続いて秋華賞トライアルの紫苑Sに出走。今度は上がりこそ2位だったが大外から力強い伸び脚を見せ、ゴール板で3頭が並ぶ大接戦を制し重賞初制覇を挙げる。
本番の秋華賞はオークス馬ソウルスターリングが不在ということもあり1番人気で迎える。
折からの豪雨でドロドロの重馬場となった当日。ディアドラは出遅れて後方からの競馬になってしまうが、直線では1頭だけ35秒台というすんごい末脚で大外を差し切り完勝。GⅠ初勝利を挙げる。これが父ハービンジャーにとっても産駒GⅠ初勝利。名門の橋田厩舎は10年ぶりのGⅠ勝利となった。
エリザベス女王杯は激走の反動か全く動かず12着と惨敗し3歳シーズンを終える。
4歳
4歳初戦は京都記念から始動。しかし直線で脚が止まり6番人気6着と案外な結果に終わる。
その後陣営はドバイミーティングから招待を受け、ドバイターフに出走。日本馬が5頭も揃ったレースで7番人気にとどまるが、後方待機から鋭く差しリアルスティールと同着の3着に健闘する。
帰国後は夏まで自重し、夏の北海道GⅢクイーンSに出走。同期のオークス馬ソウルスターリングとの対決になったがディアドラが1番人気に支持され、期待通り上がり最速でちぎり3馬身差の圧勝。北海道との相性の良さを見せつける。
そのまま札幌記念に向かうプランもあったが府中牝馬Sを選択。ソウルスターリングに加えリスグラシュー、ジュールポレールなどの実力馬が揃うが、上がり32秒3というえげつない末脚でリスグラシューをクビ差かわして勝利。重賞2連勝を挙げる。
前年惨敗したエリザベス女王杯は回避し香港カップに遠征。1番人気に支持されたが、直線の短いシャティン競馬場でスローペースになっては後方待機が身上のディアドラには厳しく、直線で差を詰めるが1馬身差の2着に惜敗する。
5歳
5歳初戦はドバイターフを見据え中山記念に出走。斤量にも恵まれ1番人気に支持されたが、いつもの切れ味が鳴りを潜め6着。ドバイターフも前残りに祟られ4着に敗れる。
今度は日本に帰らず香港に転戦、武豊を鞍上に迎えGⅠクイーンエリザベスⅡ世Sに出走。しかし今度はハイペースでついていけなくなり、中山記念に続いてウインブライトに全く敵わず6着と惨敗。
今一つ大舞台で勝ち切れない状況に業を煮やした陣営はなんと欧州遠征を決定。父と祖母の故郷である英国へ飛ぶ。初戦に選んだGⅠプリンスオブウェールズSはEnableと接戦を演じたMagicalやSea of Class、Waldgeistなど強豪が揃い、さらにただでさえタフなアスコットで直前の降雨とあっては欧州色の強い血統を持つディアドラにも厳しく6着に敗れる。
引き続き英国にとどまり、牝馬GⅠナッソーSに出走。鞍上には同年冬に日本で活躍した期待の若手オイシン・マーフィーを迎えるが、斤量設定で133ポンド≒60.3kgという酷量を背負わされたこともあり9頭立て7番人気にとどまる。いつも通り後方に構えると、直線で内を突き、進路が開けるや外の各馬を差し切り1馬身1/4差で勝利。日本馬としてはアグネスワールド以来2頭目の英国GⅠ勝利、シーキングザパール以来の牝馬による欧州GⅠ勝利を果たした。勝ち時計はOuija Boardの記録を13年ぶりに塗り替えるレースレコード。トリッキーでタフなコースとして知られるグッドウッド競馬場としては異例の高速決着となった。
陣営は日本馬として初となるアイルランドへ転戦。欧州中距離戦線では最大級のレースとなる愛チャンピオンSに出走する。前述のMagicalに加え当年の英ダービー馬Anthony Van Dyckなど強力なメンツが揃った。ディアドラは後方2番手からレースを進めるが、直線で前が開かず大きなロスを強いられる。直線では豪脚を見せたが最後までロスが響き4着。鞍上のマーフィーも「上手くさばけていれば。勝てなくてごめんなさい」と謝罪した。しかしAnthony Van Dyckには半馬身差まで迫り、牡馬相手にも通用することを証明した。勝ったのは惜敗の辛酸をなめ続けたMagical。
一時は凱旋門賞というプランもあったが、適性距離や遠征の負担も考えて英チャンピオンSに出走。こちらも英国中距離戦線のシーズン総決算というべき大レースである。
レース前から3走前のプリンスオブウェールズS以上の大雨で一時は回避も匂わせたが出走を決定。後方から馬場にもめげずに追走し、直線も外から追い込む。先頭のMagical(またかよ)には3馬身差をつけられたが、最後の最後で3着に浮上する大健闘で欧州での半年間を締めた。年末には香港に遠征し、香港ヴァーズで4着。
6歳
6歳時にも引き続き世界を転戦。緒戦はサウジアラビアへと遠征し、モハメドユスフナギモーターズカップで2着と好走した。
しかしここでコロナ禍が直撃。遠征が制限された結果、アイルランドやフランスへの遠征が取りやめになるなど大きな影響を受けた。
レースに出走できたのは前走から約4か月後のエクリプスステークス。元来レース間隔を詰めたほうがいいタイプのディアドラにとって厳しい条件のレースとなり5着。連覇を狙ったナッソーステークスでは終始手応えの悪いまま最下位の7着に敗れた。続いてフランスの凱旋門賞へと出走したが、雨でぬかるんだ馬場に対応できずに8着。
その後は日本調教馬として初めてバーレーンへと遠征。これが日本も含めて8か国目の遠征であった。バーレーンインターナショナルトロフィーで8着に敗れ、これを最後に引退。日本には戻らず、アイルランドのクールモアスタッドで繁殖牝馬となった。
血統表
ハービンジャー 2006 鹿毛 |
Dansili 1996 鹿毛 |
デインヒル | Danzig |
Razyana | |||
Hasili | Kahyasi | ||
Kerali | |||
Penang Pearl 1996 鹿毛 |
Bering | Arctic Tern | |
Beaune | |||
Guapa | Shareef Dancer | ||
Sauceboat | |||
ライツェント 2007 青鹿毛 FNo.B3(ブリティッシュ・ ハーフブレッド) |
スペシャルウィーク 1995 黒鹿毛 |
サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
キャンペンガール | マルゼンスキー | ||
レディーシラオキ | |||
ソニンク 1996 黒鹿毛 |
Machiavellian | Mr. Prospector | |
Coup de Folie | |||
Sonic Lady | Nureyev | ||
Stumped |
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関連項目
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