概要
ディプスファンタジア(Depth Fantasia)とは、かつて存在した国産のWindows用MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)で開発はHEADLOCK(株式会社ヘッドロック)、販売・運営はエニックス(現:スクウェア・エニックス)が担当していた。
2001年12月6日に発売された本作はMMORPGとしては非常に斬新なシステムと独特な雰囲気を持っていた。キャラクターデザインはイラストレーターの山下しゅんやが担当。
歴史
日本に於いてオンラインゲームが脚光を浴び始めたのは1997年で、ハックアンドスラッシュ系アクションRPGの代表作にしてMORPGの先駆けと言われた「DIABLO」、リアルタイムストラテジーゲームとして大ヒットを記録した「Age of Empires」等がこの年である。翌年の1998年になるとウルティマオンラインの日本サーバーが運用開始、1999年には国産初のMMORPG「DARK EYES(ダークアイズ)」が発売される事になる。
当時はインターネットと言ってもWindows95の発売によるインターフェースの向上やアナログ回線・ISDN回線による高速化通信(64kbps)にダイヤルアップ接続する方式(常時接続なんてありません)・テレホーダイサービス(電話回線が深夜23時~8時まで一定料金のサービス、この時間じゃないオンラインゲームは凄い金額になった。)と言った要素で普及が始まったばかりであった。
徐々にではあるがオンラインゲームが普及し、国産ゲームも増える中で2001年12月6日に発売されたのが本作「ディプスファンタジア」となる。
その後は2002年5月30日に「ディプスファンタジア パワーアップキット ~黄昏の王国~」、2003年5月23日には「ディプスファンタジア パワーアップキット2 ~ダロスへの帰還~」とふたつの拡張版を出した。
2002年5月16日にスクウェア・エニックスにより開発・運営が開始された「ファイナルファンタジーXI」や他メーカーの多種多様なオンラインゲームが増えるなか、2005年7月11日に「ディプスファンタジア」はサービス終了決定を告知、2005年11月13日の24時をもってサービスを終了する事になった。
・・・サービスを終了してかなりの歳月が流れたのだが、いまだに「らぶでぃぷす」と惜しまれる声がささやかれ、「エミュ鯖まだ~」とかRPGツクールでディプスファンタジアモドキを作ったりと愛されている。
システム
本作がMMORPGとして特筆すべきシステムは、コンシューマー機のRPGでは一般的であったシステムを多く取り入れた事にある。
それもそのはずで、「次はネットワークゲームがくるだろう」と考えていたエニックスが
『ディアブロ』や『ウルティマ』等のコッテリしたゲームが多い中で、いかに日本人のコンシューマーユーザーに受け入れてもらうか、ネットワークゲームをやった事がない人でも楽しめるものを作ろう
との基本コンセプトのもとに、コンシューマーゲームを制作していたスタッフを集めてディプスファンタジアの為の開発会社「HEADLOCK」を作り、開発したからである。
シナリオ重視
当時のオンラインRPGとしては珍しく、シナリオ重視のシステムになっていた。メインシナリオとサブシナリオがあり、転生を行う事により繰り返し見る事も出来た。
エンカウント制
フィールド画面を歩き回っているとエンカウントして戦闘に突入する。
「DIABLO」や「ウルティマオンライン」と言った2D見下ろし視点のアクションRPGに始まったオンラインRPGは、敵がフィールドを動きまわっており直接戦闘を行うシステムであった。そして当たり前の流れとして「そのシステムを拡張したRPG」を開発するのが一般的であったのだが、本作はエンカウント制を導入したのである。
開発者インタビューでも語られているが、広報でまわった先で「ネットワークゲームでエンカウント制というのは流行らないよ」と言われていたとの事である。
しかし実際に運営を始めると、この「動かなければエンカウントしないシステム」は「自由に席を離れることが出来るシステム」としてライトユーザーに受け入れられたのである。
パーティー移動
普通のコンシューマーRPGの様に、プレイヤーキャラクターが連なって移動するシステム。
4人パーティーを組めるのだが、フィールドマップでの操作は先頭のリーダーが担当して他の3人は完全にフリーになる。このシステムにより自由にチャットで相談が行えるようになった。
他のMMORPGには「継続移動」や「メンバー追従」と言った機能が搭載されているのだが、「まっすぐに進む以外はプレイヤー操作が必要」、「地形に引っ掛かって置いて行かれる」といったデメリットが存在している。
吹き出しチャット
プレイヤーキャラクターから吹き出しでチャットが表示される。
吹き出しとして表示される事により、発言しているプレイヤーとキャラクターを結びつける効果がある。また全員の発言がひとつのチャットウィンドウに表示される方式にある「発言内容が流される」と言った事もない。
オリジンベルの村の教会前は多くのプレイヤーキャラと吹き出しで溢れ返ったが、吹き出しを出したままで移動も出来たので上手く調整する事が可能であった。
その他のシステム
- オークションシステム・転生システムなど、後のMMORPGに採用されるシステムを初期から採用している。
- PT時には陣形や、スキルの威力を増幅させるリンクシステムなどがあり、これらのシステムは後発の信長の野望ONLINEやアトランティカにも採用されている。
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関連コミュニティ
しかし、ニコニココミュニティにはまだコミュニティが存在しない。
関連項目
関連リンク
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