ディプロマシーとは、20世紀初頭のヨーロッパを舞台に、列強諸国が外交交渉と軍隊を駆使して覇権を競うボードゲームである。
概要
ゲームは最大7人のプレイヤーによって競われる。各プレイヤーは帝国主義時代のヨーロッパに存在した列強(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア=ハンガリー、ロシア、オスマン=トルコ)の中から一国を選び、その指導者として外交を展開し、軍隊を動かして、ヨーロッパ全土に点在する拠点都市の制圧を目指す。
最初に34の拠点都市うち18以上を制圧するか、規定のターン(通常は40ターン)が経過した時点、あるいは参加者の間で終了の合意が形成された時(実の所このパターンが最も多い)に最も多くの拠点都市を領有するプレイヤーが勝利者となる。
友情破壊ゲーム
ディプロマシーのルールそのものは非常に単純で、
- 各プレイヤーは毎ターン「命令書」に自国の軍隊をどう行動させるか記入し、同時に公開する。
- 軍隊同士の行動が干渉する場合、戦闘を行って解決する。戦闘に敗北した軍隊は、隣接する地域に撤退するか除去される。
- 拠点都市の数よりも軍隊の数が少ないプレイヤーは、拠点都市と同じ数までの新しい部隊を受け取る。
という3つのステップを繰り返すだけである。
ディプロマシーにおける戦闘は、戦闘地域の隣接地域から受けた支援が多い方が勝つという単純なものだが、ここにディプロマシーの友情破壊ゲームたる所以が存在する。すなわち、自国以外の軍隊から支援を受け取っても構わないのである。
実はディプロマシーでは、毎ターン、プレイヤー同士が交渉を行うための時間が設けられる。ここで各プレイヤーは、戦闘や軍隊の輸送に関する支援の約束を交わすのだが、その約束にどんな条件をつけるか、はたまた実際に約束を履行するかどうかは、プレイヤーの判断に委ねられている。
このため、複数の国から相反する交渉を持ちかけられたり、逆に両方から利益をせしめたり、支援の見返りだけ受け取って反故にする、果ては支援の約束をした方を逆に攻撃する、といった駆け引きが可能である。
さらに、勝利条件の性質上、究極的に「自分以外は全て敵」なのであるが、パワーバランス的に、どの国も、他の国の助力なしに勝利することは不可能なのだ。
よって、裏切りを含む各種交渉の駆け引きは、勝利のために全てのプレイヤーが必ず行わなければならない必須行動となっている。相手を何処まで信用するか、逆にいつ裏切るか、というタイミング見極めも、ゲームの重要なポイントである。
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