ディリータ・ハイラルとは、ファイナルファンタジータクティクスの登場人物。
主人公ラムザと対をなす、もうひとりの主人公的存在。
声優は日本語版では無し。PSP版の英語版では声が付いており、Robin Atkin Downes氏が担当している。
概要
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ディリータ・ハイラル |
ガリランド王立士官アカデミー騎士見習い(見習い戦士)
⇒黒羊騎士団副官のち団長(ホーリーナイト)
⇒南天騎士団長代理(聖騎士に昇格、アークナイト)
⇒畏国王(英雄王、梟雄ハイラル)
来歴
ベオルブ家に仕える農民の息子で、妹にティータがいる。
両親を黒死病で失い、孤児となったところを、ベオルブ家当主バルバネスが引き取り、猶子として養育される。
バルバネスの三子であるラムザとは同い年で仲が良く、兄弟同然に育つ。
バルバネスは、ディリータの騎士としての素質を高く評価していたようであり、ラムザの片腕としての期待をかけ、王立ガリランド士官アカデミーにラムザ共々入学させる。
こうして家業の馬飼いではなく、騎士としての道を歩む事となる。本来アカデミーは貴族の子弟しか入学を許されないのだが、バルバネスの肝いりで許可され、騎士見習いとしての高等教育を受ける事となった。
又、ティータもラムザの妹アルマと共にイグーロス貴族学院に通学する等、バルバネスの厚意は深いものがあった。
遺言の際にも言及している。
「ディリータはいい子だ。身分は違うがおまえの片腕として役に立とう…。
士官アカデミーへの編入の手続きをとっておいた…。ふふふ…、学長は目を丸くしていたがな……。
おまえに生涯仕える味方となろう…。仲良くな……。」
THE MEAGER 持たざる者
ディリータの名が歴史上に登場するのは獅子戦争の一年前。
当時の畏国(イヴァリース)は、五十年戦争の敗戦により統治能力が低下し、凶賊、逆賊が跋扈した、と同時に英雄、魔道士を輩出する土壌も形成されていた。
五十年戦争時に活躍した骸騎士団も、現体制に失望を抱き、骸旅団として反体制に回り、盗賊としてガリオンヌ地方を荒らしまわっていた。
骸旅団を殲滅すべく、北天騎士団を中心とした作戦が展開される事となり、後方支援としてアカデミーの士官候補生を学徒動員。 ラムザとディリータもこの作戦に参加し、初陣を勝利で飾るのであった。
以後もエルムドア侯爵を救出し、旅団との小競り合いで勝利を収めてラムザの活躍に貢献。
しかし、平民階級が占める骸旅団との接触は、被支配者側の窮地を伺う事にもなり、モンスター貴族であるアルガスの暴挙も重なり、ディリータは自身の境遇に疑問を抱き始める。
致命的となったのは、たった一人の肉親であるティータが貴族側の都合で無残に殺された事である。
旅団の人質となったティータを省みる事無く、北天騎士団長であるザルバッグ・ベオルブは攻撃を指示。
平民を家畜と心得るアルガスの放った矢がティータを射殺する。
怒り狂ったディリータは、ラムザと共にアルガス以下北天騎士数名を皆殺しにしてベオルブ家を出奔。
利用される者から、利用する者へとなるべく腹を据える事となった。
「アルガスッ! よくもティータをッ! 殺してやるぞ、殺してやるーッ!!」
「大丈夫か、ディリータ?」
「俺に構うな、ラムザ! アルガスの次は、おまえの番だッ!!」
「ディリータ……。」
THE MANIPULATOR & THE SUBSERVIENT 利用する者される者
現体制の転覆を目論むディリータが帰属したのはグレバトス教会であった。
洗礼を受けて聖騎士となり、黒羊騎士団副官という身分を与えられる事となった。
教会の密名を受け、ゴルターナ公の旗頭として、ラーグ公から危害を加えられる恐れのある、王女オヴェリアを誘拐(保護)すべくオーボンヌ修道院を襲撃。
王女護衛の傭兵となっていたラムザと再会し、当ても無く剣を振るっていたラムザの再起のきっかけとなった。
ラムザとは袂を分かったものの、この頃にはやや態度を軟化させて、イグーロスに戻るよう忠告している。
真意をいぶかしむラムザに、王女を救えるのは自分のみとし、大きな流れに逆らいうるのは己のみと、抽象的な言葉で煙に巻いている。
「生きていたら、また会おう。」
オヴェリアの身柄を一時ラムザに預けたものの、ラムザは王女の庇護を確実なものにする為、ドラクロワ枢機卿を頼る。
結果、オヴェリアは教会の(正確には神殿騎士団を隠れ蓑とするルカヴィの)手に落ちる。
神殿騎士団からオヴェリアの身を預かり、 紆余曲折があったものの(当初の予定通り?)オヴェリアを救出した者として、ゴルターナ公に謁見、グルワンヌ大臣を王女誘拐犯に仕立て上げて粛清。
ゴルターナ公に、上洛してラーグ公と王妃を排斥すべしと進言する。ゴルターナ公は進言を容れ上洛。
公はオヴェリアを女王に進め、その摂政に就任して、王妃をベスラ要塞に監禁。ラーグ公も甥であるオリナス王子を玉座に就けて後見。
双方、対抗者を排除するのに武力を用い、世に獅子戦争と呼ばれる大乱が勃発する事となった。
THE VALIANT 偽らざる者
王女救出とラーグ公の陰謀を看破して、上洛を果たさせた功績により、黒羊騎士団団長に昇進、ゴルターナ公の信任を得る。
女王となったオヴェリアだったが、自分が王女の身代わりとして元老院がつくり出した人間と知り、深く傷ついていた。
そんな彼女をディリータは偽りの生を受けた同類として省み、輝かしい将来と王国を用意すると慰める。
信用に躊躇するオヴェリアに、亡き妹ティータに誓ってと約束する。
「オレはおまえを裏切ったりはしない。死んだ妹…、ティータに誓おう…。だから、もう、泣くな…。」
SOMEBODY TO LOVE 愛にすべてを
異端者の烙印を押され、妹アルマ救出の為に各地を転戦するラムザは真相を知るべく、ディリータとの接触を図る。
ラムザに利用価値を見出していたディリータは、教会が主謀した計画を暴露。
自身の任務はゴルターナ公とオルランドゥ伯の暗殺と打ち明ける。
指導者を無くして戦争を膠着させ、王家貴族から人心を奪い、伝説のゾディアックブレイブを手土産に仲介者として和平を実現させ、教会の権威を高める陰謀、自身も噛んでいるが犬では無く、己の判断で動き、目指しているものが同じである限りラムザと敵対はしないと告げる。
共に行こうと誘うラムザに、オヴェリアには自分が必要として断る。
オヴェリアを利用するのか?というラムザの問いかけに対しては明言を避けた。
「…さあ、オレにもよくわからん。ただ…、」
「ただ?」
「彼女のためならこの命…、失っても惜しくない…。」
「ディリータ…。」
「おかしいか…?」
「いや、その言葉を信じるよ。」
ラムザを追討していた異端審問官ザルモゥに、ラムザとの会合を目撃され、口封じの為これを殺害。
オルランドゥ伯の助力を得るべく、ベスラ要塞に向かうラムザと互いの身を案じ、握手を交わし別れる。
これが今生の別れとなった。
ラムザが、教会の謀略を阻止する抑止力となる事も計算にあり、親友すらも利用していると手厳しく指摘するバルマウフラに何が分かると激怒。
後にラムザは、栄光亡き死闘の果てに行方を晦まし、国賊として四百年の悪名を残す事となった。
ベスラ要塞に戻ったディリータは表面上、教会のシナリオに乗り、オルランドゥ伯に謀反の嫌疑を着せて失脚させる。
教会を通じて、伯の裏切りを注進したディリータをゴルターナ公はさらに信頼し、聖騎士に叙任して南天騎士団の指揮権を授ける。
(ここでの聖騎士とは、職業ではなく官爵を指すものと推測される。北天騎士団団長ザルバッグも聖騎士の称号者)
ラムザの暗躍もあって、ベスラ要塞での両軍の決戦は回避される。
決戦を焦るゴルターナ公を用済みとして暗殺し、犯人に仕立てたオルランドゥ伯(に化けさせた教会の用意した影武者)も殺害して、伯による公の暗殺を演出。 ゼルテニア軍の実権を掌握する事となった。
バルマウフラを派遣して、本物のオルランドゥ伯を解放させてラムザと合流させる。
後はラムザが上手くやるだろうと期待を込めていたが、 ラムザは頑張りすぎて、結果的にエルムドア、ダイスダーグ、ザルバッグ、神殿騎士団、ルカヴィを潰してしまうのだった。
主君殺しの汚名を着せられた養父の名誉を晴らすべく、オルランドゥ伯の養子オーランはオヴェリアにまみえるべく脱獄。
オーランから真相を知ったオヴェリアは、冷酷な態度を示すディリータに不信を抱き始める。
自身に仕える事を、一命をもって拒絶するオーランの前で、自身の野望を語り、その為には全てを利用すると放言。
「オレの正しさをおまえなら認識できるはずだ。オレのやろうとしていることは圧倒的に正しい。
平民出の騎士見習いが騎士団を動かすようになり乱世を平定する…。
わかりやすいじゃないか…。民が求めてる“英雄”なんて所詮、そんなものだ。」
「そのために、おまえはすべてを利用する…?」
「いけないのか?」
この時の会話を盗み聞いたオヴェリアは、裏切られたと思い動揺する。
教会への叛旗を明らかにしたディリータを、監視していたバルマウフラは刺殺しようとするが、ディリータの思想に傾倒しつつあった彼女は実行を躊躇。
又、ディリータの方でも、バルマウフラにかつての自分を重ね、情けをかけて見逃す。
以後、獅子戦争を終結に導き、畏国を平定し、オヴェリアを娶り、国王として即位。数百年間語られる英雄譚の主役として語り継がれる事となった。
ただし、戦争終結の数ヶ月後のオヴェリアの誕生日に彼女に刺されてしまう。
「…ラムザのように、いつか私も見殺しにするのね……!」
その次の瞬間、ディリータは自らを貫いた剣によってオヴェリアを刺し返す。
そしてオヴェリアは崩れ落ち、ディリータは独りで以下の一言を呟き、物語は終わる。
「…ラムザ おまえは何を手に入れた?オレは……」
ユーザーの間ではこの後のディリータの生死について解釈が分かれる向きもあった。
しかしその後の半生については長く施政を続けたとされており、また本ゲームのクリエイターである松野泰己氏もツイートで「アレでは死んでいません」と明言している。
ちなみにその発言の直前のツイートによると、この最終章のタイトルの元ネタであるロックバンド「Queen」の楽曲「Somebody To Love」の歌詞は、ディリータの想いを知るためのヒントになるとのこと。
人物
元々は好男子と言ってもいい人物である。しかし荒んだ社会にあって変節し、エゴイストとしての変貌を遂げる事となった。ただ、善人という由来を持っていたので易々と悪人に韜晦できず、特にラムザとオヴェリアに対しては虚心でいる事が困難であった。
平民階級出身だが、平民にも肩入れしているとも言い難く、身分制度を無くすような世直しを考えていたかは不明。
オーランに語ったように、民の求めている英雄を所詮呼ばわりして突き放しているようにも見える。
自身を、利用される側として偽りの生を与えられた存在とし、ならば利用する側にまわって、自分を利用してきた者達に復讐すると語り、 野心の動機は非常に個人的、利己的である。後にオヴェリアの国をつくる事を標榜するが……。
後世、英雄王として讃えられているが、アラズラム以後の時代ではデュライ白書の解禁もあって、ネガティブな面も明らかにされて梟雄という評価も加わっている。(ベイグラントストーリーで梟雄石が伝わっている)
一人の青年としてはともかく、英雄としては運気に恵まれており、群雄の中では最も若く、声望、実績、経験に不足しながらも、対抗者が潰し合った結果、玉座に至る事となった。智勇が一頭地を抜いていたのもあっただろうし、他者を利用する事にかけては天才的な人物。
早い段階から時代の確変を見抜き、動乱の中を巧みに処世して畏国史に名を残す事となった。
「ラーグ公もゴルターナ公もおまえの兄キたちも、皆…ひとつの大きな流れの中にいることに気付いていない…。そう、気付いていないんだ。オレはその流れに逆らおうとしているだけ。それだけさ……。」
読み物
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下記の文章は本記事の初版作成者によって歴史書風に書かれた読み物です。 ネタ的な要素を含んでいます。 独自研究、かなり主観的な観点で書かれているので注意。 |
とある草稿より
ディリータとは中世の畏国(イヴァリース)の英雄。 無名の平民から身を興し、騎士団を率いて獅子戦争を終結させ、プリンセスと結ばれて国王として即位する。
当時の畏国は、貴族が強大な権力を握り、平民の上に暴君として君臨していた。そんな貴族社会にあって、平民の身上で歴史上に頭角を現し、五十年戦争以来の畏国の動乱を収めた。
その偉大な勲功により英雄王とも称され、彼の英雄譚は、400年後の畏国の人々で知らぬ者はいない程有名な物語である。
しかし、長年教会により秘匿され、後に公表された『デュライ白書』によりその人物像に大きな修正が加えられる事となった。
『デュライ白書』によれば、真の英雄と讃えられるべきは、400年後にもグレバトス教会ミュロンド派の聖職者から異端者として、国家転覆の罪ありとの非難を受ける、ラムザ・ベオルブなる若者だという。
さらに王とラムザは幼少の頃からの知己という事実も発覚している。
『デュライ白書』に記された王は、梟雄ともいうべき存在であり、権謀に長け、己の野心の為に、他者を利用し続ける事を省みぬ、人格的に暗さを持った人物とされる。
歴史上の偉人であるが、正史の不備で多くは語る事ができない人物である、私見と考察を加えて再検証を試みたい。
出自
『デュライ白書』を骨子として、歴史家アラズラム・J・Dがあらわした『Brave Story』によれば。 王の出身地は、ガリオンヌに割拠するラーグ公爵領の中に分封された、ベオルブ家の領地であるとされる。
王を輩出したハイラル家は、代々ベオルブ家に奉公している馬飼い(軍馬の調教師)を生業とする農民である。
(なお、ここで指す馬とは、当時騎乗の家畜として運用されていたチョコボを指すものと思われる)
ベオルブ家はラーグ公爵家に仕える重臣の家系で、畏国最強と謳われた北天騎士団の長を世襲する、武門の棟梁の家柄であった。
王の誕生日は11月25日の射手座とされ、1才下の妹にティータ・ハイラルがいた。 両親については不明な点が多いが、当時流行した黒死病に罹り、兄妹が幼少の頃に逝去した。
王の才幹を最初に見出したのは、ラムザの父親である、ベオルブ家当主であるバルバネス・ベオルブであり、両親を失った兄妹を引き取り養育した。そこで王とラムザは16才までの間、兄弟同然に育ち、友情を深め合ったとされる。
バルバネスが王に示した厚意はかなり深いものがあり、門戸を開き、自ら草笛の手ほどきするなど親しみを見せ。 貴族の子弟しか入学出来ないガリランド王立士官アカデミーに入学させ、ラムザと同等の教育を受けさせた。
病に倒れた時には、王を生涯の片腕として重く用い、仲良くするようにと遺言している。
又、妹ティータもラムザの妹アルマと共にイグーロス貴族学院に通学させ優遇を与えた。
騎士として最高位である天騎士の称号を戴く勇者であったバルバネスも人の親であり。 二人の優秀な兄に見劣る末弟が可愛く、忠実で有能な補佐役が必要と考えたのか、嫡子ダイスダーグの酷薄な人為を看破し、自分の死後の庶子ラムザの将来を憂えたのか。
この身分の序を乱す行為は、後々少なくない波紋を兄妹に投げかける事となるが、王はバルバネスを敬愛していたようであり、ラムザの前では「親父さん」と親しみを込めて呼んでいた。
だが皮肉な事に王の天賦が最大限に開花したのは、ベオルブ家を離れてからであった。
経歴
王が歴史上に登場したのは、ガリランド王立士官アカデミーの卒業間際、獅子戦争開戦の一年前と記録され。
当時、逆賊として猖獗していた骸旅団の討滅に征旗を連ね、士官候補生部隊の指揮官であるラムザの側近として、誘拐されたエルムドア侯爵を救出するなど赫たる武勲を挙げたが、
作戦の最終局面で行われたジークデン砦での戦闘で行方不明となる。
将来に富んだベオルブ家の従者としての立場を放棄した経緯については、前後にあった事件が原因とされ、下記の事柄が挙げられる。
骸旅団の将であるミルウーダとの接触で、自身の境遇と社会秩序に疑念を抱いた。
当時行動を共にした、貴族出身の同僚の騎士アルガスから身分の分際を激しく攻撃され、確執を生んだ。
最愛の妹であるティータが骸旅団に誘拐され、ジークデン砦の戦闘に巻き込まれて殺害された。
(本来彼女の身代は、ベオルブ家令嬢であるアルマと間違えられたものであり、当初ベオルブ家は配慮と交渉を約束していたが、後に反故にした。ラムザの次兄ザルバッグの命を受け、直接殺害したのは、前述のアルガスであり、彼女の死因を身分の貴賎に求めた、曰く平民の娘など、人質として考慮に値せぬと、悪態を示した)
上記の事柄がトラウマとなり、当時の腐敗した社会に制裁を加え、持たざる者から、利用する者となるべく志を立てたとされる。
ジークデン砦以後の一年間の空白の王の行動は定かでない。 『デュライ白書』にも触れられておらず、アラズラムも追跡を断念している。
行方が判明した時には、グレバトス教会に与し、その走狗(表面上の)として、ゼルテニア系諸侯のひとつ、黒羊騎士団の副官という身分を得ていた。
そしてオヴェリア王女誘拐犯(救出)としてオーボンヌ修道院を襲撃した時に、王女護衛の傭兵に身を落としていたラムザと再会する事となる、 この時の逸話をもって『Brave Story』の冒頭とし、以後はラムザ・ベオルブ主題のサーガとなり、王の行動は断片的に語られるにとどまる。
いくつかを拾い集めれば。
王女救出の功績を持って、ゴルターナ公に近接し上洛を進言、ラーグ公と対峙させ、獅子戦争開戦の口実をつくりあげた。
その功績を持って黒羊騎士団の団長に昇進。 教会とのパイプラインとして公の信頼を得てゴルターナ陣営に埋伏する。(ゴルターナ公とオルランドゥ伯爵の暗殺が目的)
南天騎士団団長であるオルランドゥ伯爵に謀反の嫌疑を着せて失脚させて、団長の座を襲う。
ゴルターナ公を暗殺、罪をオルランドゥに濡れ着させて、同時に殺害。(オルランドゥに似た教会の男を影武者に仕立てていた)
北天騎士団を打倒して、獅子戦争を終結。畏国を平定させて(女王オヴェリアからの禅譲か?)王位に就く。
英雄性の考察
獅子戦争は、五十年戦争と違い、私闘じみた門閥貴族同士の権力争いである、王家ですら傀儡に甘んじるしかなかった。
戦争の連続で荒廃した民衆は明快な英雄を欲しており、元々平民であった王は、その単純さも認識していた、平民出の自分が蜂起すれば諸手が挙がる、と。
カオスフレームという言葉が当時あったのかは不明であるが、表では英雄的に振る舞い、裏では手を汚す、清濁を駆使する様は、当時の社会システムを良く心得ていたといえよう。
王の器局と文武の才は、北天騎士団の幕僚程度で収まるものではなく、一国を宰領できうる程に傑出したものがあった。
騎士(ホーリーナイト)としての技量も相当の練度を修め、後に聖騎士(アークナイト)の領域に達していたとされるが、教会を裏切る事で信仰を失ったのか、聖剣技を用いる事はなかった。
死神ラムザ・ベオルブ[要出典]
かつてラムザは英雄的な働きを成した父兄に比べれば凡庸な質との評価を受け「状貌、少女の如く」と侮りを受ける事もあったが、後に武人の本領に覚醒する。
寡兵を縦横に操り、局地戦に特化した戦術家として各地を転戦、「戰う事、五十以上戰に及び、全てに捷つ」と畏国の名だたる軍事組織、兵(つわもの)を打ち破り、当時顕現した全てのルカヴィを屠ったとされる。
(一説ではリオファネス城での神殿騎士団との戦闘で敗走したという記録も存在する)
ルカヴィとは、それぞれ黄道十二宮(十三の異説)にちなんだ列席に、異形の二つ名を冠する面子で構成される、秘密結社の類と考えられる。
当時の領主、騎士団長位の人物で束ねられ、裏社会で威勢を誇ったという。
本当の悪魔だったという与太話や、ラムザの妹であるベオルブ家令嬢アルマのファンクラブだったというジョーク、オルランドゥ伯爵のように会員証を持ちながら参加していない例もある。
現実主義者であった王が、彼らの存在をどこまで信憑していたは不明である。
ラムザ率いるパルチザンの戦闘能力は、最終的に神をも殺せるレベルに達していたらしい。だが交渉が決裂するや否や、降伏や逃走を許さず、敵を鏖殺して金品身包みを略奪する非道な戦法も多く、
「第二のガフガリオンに率いられた第二の骸旅団」との批判を受ける事もあった。
獅子戦争では、畏国の著名な要人が次々と暴卒しており、その多くが影の戦争犯罪者であった為、ラムザに粛清されたとされる。
そのラムザと敵対すること無く、それどころか彼の行動を計算に入れて処世できた事は大きな幸運であり、五十年戦争時代の英雄達と決戦する労を回避する事が出来た。
家族
現在、王の家族について記録上では二人が確認される。
ひとりは妹のティータ、兄妹の仲は非常に良く、若くして儚い運命を辿った彼女に対する愛惜は相当なものがあった。
もうひとりは伴侶となる、アトカーシャ朝の王女(後に女王)オヴェリアである。
当初は、立身出世の為の存在としてしか見ていなかったが、彼女の薄幸に同情してしまい恋仲になったとされる。
しかし、恋愛と政略の境界が不明確な王の態度は、次第に彼女の不信を買う事となった。
いずれにしても王は彼女と配偶する事で、公武合体の名分を得た。
又、王女を篭絡していたからこそ、勤王に厚いラムザとの対立を回避できた。
家臣
ゼルテニア陣営時代の王には、教会から何人かの補佐役が付けられた。
が、その実、王が叛意を見せれば、即座に刺客に切り替わる、信用から遠い連中であり、 唯一の例外は、
バルマウフラ・ラナンドゥという魔道士だけであった。
彼女も王と同じく、教会に対する忠誠と信仰は希薄で通じるものあったらしい。
ラムザの従者時代には、各地の情勢に詳しい参謀めいた資質も見せていたが、
後に南天騎士団の 軍師として令名があったオーラン・デュライを旗下に招聘した、しかし、著しく三顧を欠いた勧誘であったので、受諾されたかは不明。
玉座を支えうるだけの功臣が、幾人か存在したと推測されるが、外様の連合体であり、譜代にも恵まれない。徒手空拳の生まれであるハイラル朝(後アトカーシャ朝?)の権力基盤の脆弱を想像するのは容易である。修道院で半生を過ごしたオヴェリアに威光を期待するのは難しく、彼女の秘密を知る元老院にも対処せねばならなかった。
人物像
直接面識のあった、『デュライ白書』の著者でもあるオーランは、自身の行いは圧倒的に正しいと嘯き、その為に他者を利用する王の姿勢を強く糾弾する一方。
不器用に温情を見せる偽悪的な面を見て、本来は善人ではとの見解も示している。
王の人物像をさらに複雑怪奇にしているのは、ラムザが、王に対して一切の悪感情を抱いていない事である。
ラムザが王に向ける感情は、「我が友」として好意に満ちてあり、王から憎悪を向けられてもその友情が変節する事はなかった。ラムザが語るところによれば、王の趣味は、おまじないだったという、人間味を感じさせる証言も残されている。
従者時代には、ラムザの軍規違反を庇う為、自身が泥を被ろうとしたりと献身的であり。この時点では素直にバルバネスとラムザの知遇に応えようと真摯であった。
諸説と異聞(信憑性に欠けるので注意)
即位以後の王の生涯については、長きに渡って国家安寧の功があったされる。
しかし近年発見された最新の文献、『Final Fantasy Tactics』では、王の人格に失望を抱いた王妃に刺され、「つがい相討ち、その終わりを知らず」という衝撃的な事件が記載されている。
この事から『Final Fantasy Tactics』は蛇足を加えた奇書なりとの指摘を受ける、
他にも神殿騎士のウィー何某(骸旅団頭目のウィーグラフと同一人物か?)や、雷神シド(オルランドゥ伯爵がモデル)が超人的な人物として描写されたり、特定の人物の毀誉褒貶が激しい。
鉄巨人に殺された仲間が生き返ったり、別の文献の内容が混じっていたりと荒唐無稽な部分が目立ち、『Brave Story』の演義本と言われる所以である。
しかし通俗歴史小説として娯楽性の高さから大衆からは喜ばれた。
だが人気に便乗した『Nightmare Story』という焚書級の偽書が出回り、社会問題になった事は記憶に新しい。
(現在、検閲の結果、装丁が黒く塗りつぶされている)
後世、『梟雄石』という星青石(スターサファイア)が伝わり、梟雄ハイラルの力を封じたる秘石として知られる。
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上記の文章は本記事の初版作成者によって歴史書風に書かれた読み物です。 ネタ的な要素を含んでいます。 独自研究、かなり主観的な観点で書かれているので注意。 |
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関連項目
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- シドルファス・オルランドゥ
- ラムザ・ベオルブ
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