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ディー・ゴードン(Devaris "Dee" Gordon、1988年4月22日-)とは、アメリカ合衆国出身のメジャーリーガー(内野手)である。
概要
ワシントン・ナショナルズ マイナー | |
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ディー・ゴードン Dee Gordon |
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基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | フロリダ州オレンジ郡ディンダミア |
生年月日 | 1988年4月22日 |
身長 体重 |
180cm 77kg |
選手情報 | |
投球・打撃 | 右投左打 |
守備位置 | 二塁手、遊撃手、外野手 |
プロ入り | 2008年 |
経歴 | |
メジャーリーガーテンプレート |
MLB史上初の100勝100セーブ100ホールドを達成し「フラッシュ」の異名で呼ばれた名投手トム・ゴードンを父に持ち、兄のニックもミネソタ・ツインズ傘下マイナーに所属するサラブレッド。しかし幼少期は野球にあまり興味を持たず、バスケットボールに熱中していた。
野球を始めたのは高校に入学した2005年と遅かったが、すぐに才能が開花。俊足巧打で注目を集めるようになり、大学、短大を経て2008年にロサンゼルス・ドジャースに4巡目(全体127位)で指名を受け入団する。
ドジャース時代
期待通り、俊足を武器に2008年はルーキーリーグ、2009年は1A、2010年は2Aとステップアップ。2011年にメジャー初出場を果たす。最初は数字が伸びなかったが、故障から復帰した9月に月間打率.372と爆発。ルーキー・オブ・ザ・マンスを獲得する。
2012年、2013年は故障もあり結果を残せなかったが、二塁手にコンバートされた2014年は序盤から好調で、オールスターにも初めて選出される。この年64盗塁で自身初となる盗塁王のタイトルを獲得した。
マーリンズ時代
2015年、大型トレードでマイアミ・マーリンズに移籍。この年は前年を上回る活躍を見せ、打率.333、58盗塁、205安打で首位打者、盗塁王に加えゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞を受賞し、MLB屈指のスピードスターとなった。
2016年に大型の5年契約を結ぶが、直後に禁止薬物の陽性反応で80試合の出場停止処分を受ける。79試合で30盗塁を記録した。
2017年は持ち直し、2度目の200安打を達成。60盗塁で自身3度目の盗塁王のタイトルを獲得した。
マリナーズ時代
2018年に新体制となったマーリンズのファイアーセールでシアトル・マリナーズに移籍。同球団には正二塁手としてロビンソン・カノが在籍したため外野手にコンバートされる予定だったが、そのカノが薬物陽性反応で出場停止となったため、結局本職の二塁でプレーした。
2019年はカノが移籍したことで二塁手として出場したが、度重なる故障で117試合の出場に留まった。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で60試合に短縮。33試合の出場に留まり、オフに球団が延長オプションを破棄したためFAとなった。
レッズ傘下時代
2021年2月8日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだが、レッズへの昇格はなかった。
ナショナルズ傘下時代
2021年12月11日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ。
プレースタイル
MLBの中では非常に軽量な選手。それゆえパワーには欠けるが、3度の盗塁王、2度の200安打が示す通り俊足とバットコントロールには定評がある。一方で選球眼には難があり、四球も非常に少ない。
遊撃手時代は身体能力が高すぎるゆえに守備に粗さが目立った。マイナー時代に山下大輔の教えを受け、二塁手に転向してからは守備も幾分安定し、2015年にはゴールドグラブ賞も受賞している。
イチローとゴードン
イチローを非常に尊敬していることで知られる。イチローとゴードンは非常に体格が似ており、俊足巧打強肩を武器とすることも共通している。また、ゴードンは2015年に首位打者と盗塁王を同時に獲得しているが、これは2001年のイチロー以来だったという巡り合わせもあった。
ゴードンは野球を始める前からイチローに憧れていたと語っており、2004年には父が出場したオールスターでイチローのプレーを目の当たりにして大きな感銘を受けた。
ゴードンがドジャースからマーリンズにトレードされた2015年、イチローもヤンキースからマーリンズに移籍し二人はチームメイトとなった。将来有望な若手野手が多かった当時のマーリンズでベテランのイチローは多くの尊敬を集めたが、ことゴードンはイチローを慕い、師と仰いだ。イチローがメジャー3000本安打を達成した際に真っ先に飛び出してきたのもゴードンである。
イチローも自身と似たタイプのゴードンを気にかけていた。イチローが持っていた特注のバットケース(約30万円)を気に入ったゴードンに同じものをプレゼントし、ゴードンが現在まで宝物のように大切にしていることは有名なエピソードである。
ゴードンは2017年オフにマリナーズに移籍し、一度は別球団となったが、数か月後にイチローもマリナーズに復帰。再びチームメイトとなった。この時もゴードンは記者側に紛れ込んで入団会見の会場に来るほど歓喜している。マリナーズでは一時センターにコンバートされていたが、これについては「イチローと外野守備の話ができて嬉しい」とコメントしたこともあった。
2019年3月、イチローが引退を表明。直後の試合ではベンチに下がったイチローと抱擁し号泣した。
そして、それから1週間後のシアトル地元紙に全面広告の形でイチローへのメッセージを掲載。多くの思い出と心からの感謝に溢れたメッセージが大きな感動を呼んだ。非常に長文なので、全文についてはこちらを参照されたい。
成績
年度別打撃成績
年 度 Year |
球 団 Team |
試 合 G |
打 席 PA |
打 数 AB |
得 点 R |
安 打 H |
二 塁 打 2B |
三 塁 打 3B |
本 塁 打 HR |
打 点 RBI |
盗 塁 SB |
犠 打 SH |
犠 飛 SF |
四 球 BB |
死 球 HB |
三 振 SO |
併 殺 打 GDP |
打 率 AVG |
出 塁 率 OBP |
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2011年 | LAD | 56 | 233 | 224 | 34 | 68 | 9 | 2 | 0 | 11 | 24 | 2 | 0 | 7 | 0 | 27 | 1 | .304 | .325 |
2012年 | 87 | 330 | 303 | 38 | 69 | 9 | 2 | 1 | 17 | 32 | 2 | 2 | 20 | 3 | 62 | 5 | .228 | .280 | |
2013年 | 38 | 106 | 94 | 9 | 22 | 1 | 1 | 1 | 6 | 10 | 1 | 0 | 10 | 1 | 21 | 0 | .234 | .314 | |
2014年 | 148 | 650 | 609 | 92 | 176 | 24 | 12 | 2 | 34 | 64 | 3 | 3 | 31 | 4 | 107 | 3 | .289 | .326 | |
2015年 | MIA | 145 | 653 | 615 | 88 | 205 | 24 | 8 | 4 | 46 | 58 | 6 | 5 | 25 | 2 | 91 | 6 | .333 | .359 |
2016年 | 79 | 346 | 325 | 47 | 87 | 7 | 6 | 1 | 14 | 30 | 1 | 1 | 18 | 0 | 55 | 4 | .268 | .305 | |
2017年 | 158 | 695 | 653 | 114 | 201 | 20 | 9 | 2 | 33 | 60 | 2 | 4 | 25 | 10 | 93 | 7 | .308 | .341 | |
2018年 | SEA | 141 | 588 | 556 | 62 | 149 | 17 | 8 | 4 | 36 | 30 | 9 | 5 | 9 | 9 | 80 | 10 | .268 | .288 |
2019年 | 117 | 421 | 393 | 36 | 108 | 12 | 6 | 3 | 34 | 22 | 3 | 6 | 18 | 1 | 61 | 8 | .275 | .304 | |
2020年 | 33 | 82 | 75 | 12 | 15 | 1 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 0 | 5 | 2 | 13 | 1 | .200 | .268 | |
MLB:10年 | 1002 | 4103 | 3847 | 532 | 1100 | 124 | 54 | 18 | 234 | 333 | 29 | 26 | 168 | 32 | 610 | 45 | .286 | .319 |
通算守備成績
機構 | 守備位置 Pos |
試合 G |
刺殺 PO |
補殺 A |
失策 E |
併殺 DP |
守備率 Fld% |
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MLB | 二塁手 | 728 | 1335 | 1845 | 58 | 471 | .982 |
遊撃手 | 176 | 254 | 422 | 36 | 78 | .949 | |
中堅手 | 53 | 129 | 2 | 5 | 0 | .963 | |
左翼手 | 13 | 20 | 1 | 0 | 0 | 1.000 |
タイトル・表彰・その他
タイトル | ||
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盗塁王 | 3回 | 2014年、2015年、2017年 |
首位打者 | 1回 | 2015年 |
表彰 | ||
ルーキー・オブ・ザ・マンス | 1回 | 2011年9月 |
ゴールドグラブ賞 | 1回 | 2015年 |
シルバースラッガー賞 | 1回 | 2015年 |
その他 | ||
オールスターゲーム出場 | 2回 | 2014年、2015年 |
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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