デジタルカメラとは、写真として撮影した静止画をデジタルデータとして記録するカメラ装置である。
概要
主に静止画で記録するカメラの事を指す傾向があるが、現在では動画撮影機能を搭載したデジタルカメラが一般的となってきている。その動画機能も今では解像度がHD対応してる物が多く、コンパクトデジタルカメラでも一昔前のビデオカメラを超える映像を撮ることも可能となっている。
※撮影機能が劣っている場合もあるので一概には言えないが
携帯電話では1990年後半にカメラ機能が搭載されて以来、ほぼ標準的な機能として搭載されるようになった。カシオは「EXILIMケータイ」とデジタルカメラのブランド名を付けて出すなど、デジタルカメラをメインコンセプトとしている機種も存在する。ゲーム機では1998年にゲームボーイ用の周辺機器として、「ポケットカメラ」というデジタルカメラも発売されたほか、PSP用の「ちょっとショット」やニンテンドーDSiに標準搭載されるなどしている。
一昔前はメーカーの戦略でデジタルカメラの性能=画素数というイメージを生み出した。しかし、同じ画素数でもセンサーの大きさ・性質やレンズにより画質に差が出る。その為に同じ1000万画素でも携帯電話のカメラよりもデジタルカメラの方が、より良質・大きなセンサーを載せられる為に後者のほうが画質が良好な場合が多い。また、デジタル一眼レフ(デジタル一眼も含む)においても同様で、コンパクトデジタルカメラよりもデジタル一眼レフの方が同じ画素数でも高画質で撮影できる。他にはコンパクトデジタルカメラはそのコンパクトな性質ゆえ、三脚など使う場合に記録メディアやバッテリーの蓋を押さえてしまう構造の物が多い。
ちなみに“デジカメ”という名前は三洋電機の登録商標のため、単品で使う分には文句ないけど、「他社のデジカメ」って感じの表記だとNG。
簡単な分類
便宜上の分類で、どのような呼び方をするか意見が分かれる。
コンパクトデジタルカメラ
略して「コンデジ」などとも呼ばれる。名前の通り小型で持ち運びしやすい。レンズは交換できず、ファインダーも付いていないモデルが多いが、一部にはフィルム時代同様に光学ファインダーを搭載したモデルも存在する。
近年ではスマートフォンに搭載されたカメラの性能がハードウェア・ソフトウェアの両面で向上したこともあり、製品ジャンルとしては非常に縮小した分野。それに伴い、この領域を主戦場としていたカシオ計算機は2018年5月に撤退を表明したほか、他メーカーでも2000年代前半に隆盛を誇った小型・薄型のものはほぼラインナップから外れた。現在は「ネオ一眼(後述)」、もしくは「一眼レフ・ミラーレス並みに画像センサーの大きいもの」のいずれかに類するものがメインとなる。
ネオ一眼
カメラメーカーなどはコンデジに分類することも多いが、「余裕のある大きさのボディに交換できない高倍率レンズ」のコンビネーションのものを指す。レンズ交換を考慮せず、特定のレンズとセンサの組み合わせのみを考えればよいという設計の自由度で、コンデジとも一眼とも一味違うものがあったりする。ただし高倍率のレンズを搭載していることから、価格帯は15万前後とコンデジにしては高額になる。
多くはコンデジ向けの小型センサに大型ズームレンズを組み合わせることによる超高倍率ズーム(一眼レフの大きなセンサーを搭載した機種では、同様の倍率を実現しようとすると大砲のようなレンズになる)や、EX-F1などのように動画撮影をウリにすることが多い。また、一眼レフを用いた場合は大規模なレンズを要することになるため、「スポーツ観戦の際に観客席から選手を手軽に撮影する」などの用途にはうってつけである。
ミラーレス一眼
通常の一眼レフに存在するミラーを省き、背面モニターや電子ビューファインダーを使って本体を小型化したことで携帯しやすく、手軽にレンズ交換式カメラを楽しむことができるデジタルカメラならではのジャンル。小型なことから動画撮影にも適しており、2010年代に入って大手各社が一気に参入した結果、初心者~ライト層へは後述のデジタル一眼レフに取って代わる存在となりつつある。
かつては、コンデジ・ネオ一眼同等のセンサーとデジタル一眼レフと同じセンサー(主にAPS-Cサイズ)の製品が混在していたが、ソニーが発売した「α7」のブームに伴い、大手各社はフルサイズセンサー(横36mm×縦24mm)を搭載した機種がフラグシップモデルに置かれている。
デジタル一眼レフ
本格的なカメラといえばこれという形式。子供が生まれたパパや趣味で始めたママ向けのようなお手軽エントリー向けから、スタジオでの撮影や大砲のようなレンズをつけてフィールドで撮影するハイアマチュア/プロ向けまで様々。ミラーレス一眼の登場で徐々にラインナップを減らしつつあるため、現在はニコン、キヤノン、ペンタックスなどの一部メーカーが販売するのみとなった。
レンジファインダーデジタルカメラ
昔からある方式でデジタルカメラ化したモデルが少数ながら存在する。コンパクトな本体でありながらピント合わせができる、レンズも交換できるなど、小さくてもこだわりの撮影がしたい人向き。ただし値段も高い。
センサーによる違い
受光素子と情報の読み出し回路からなるカメラの心臓部。センサーのサイズや画素数の他、センサー自体の方式などにより違いが出る。現在主流の方式はBayer配列CMOSセンサーであるが、特殊な方式としては富士フイルムのX-Trans CMOS、シグマのFoveon等がある。
センサーが大きいと1画素あたりの受光面積(画素ピッチ)を大きくする事ができ、ノイズが少なく高感度に有利になるとされる。一方でセンサーが小さい程レンズの設計の自由度は高くなり、大きなセンサーでは大型化し過ぎて現実的でない様な仕様のレンズも作る事ができる。
関連動画
関連項目
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