それは28年前の事であった
デスクリムゾンとは、エコールソフトウェアが1996年8月9日にセガサターンで発売したガンシューティングゲームである。サードパーティーがセガサターンで発売した、最初のガンシューティングゲーム。
ファンからはデス様の愛称で呼ばれる事もある。
なんだこの概要わぁ?
サターンクソゲー四天王の筆頭。ほとんどのユーザーが見ても理不尽で意味不明な内容の為、クソゲーとして知られている。コンバット越前の台詞のほとんどは、ファンの間で有名であり暗誦できて当然とされる。
某ゲーム雑誌のレビューをして「本当に発売するのか」と言わしめ、セガサターン販売終了までのランキングで読者評価最下位の座をほしいままにし、セガファンから『デス様』(ですさま)の称号を贈られた。紙面において毎号『今週のデス様』の記事があり、最下位の座を守り通せるかが注目された。
今では、あまりに有名になったことから中古屋においては定価前後のプレミア価格が付けられている所もある。
せっかくだからゲームの不可解な点の列挙をするぜ!
- メーカーロゴの時点で子供マジ泣き
- しかもこのメーカーロゴ、スキップできない
- さらにこのメーカーロゴ、ゲームオーバーになってタイトル画面に戻されるたび毎回見させられる、もちろん飛ばせない
- オプション画面が存在するが、、サウンドのステレオ/モノラルの切り替えしか項目がない
- バーチャガンのアジャスト(照準調整)ができるが、一発撃つと画面が終了するため、
本当に照準が合ったか調整画面で確認できない - がんばって照準を合わせたつもりでも、なぜか左方向にずれる
- Stege1、Stege2、Stege3…
- パワーアップすると右上に出るレーダーのありがたみが分からない
- パワーアップすると「溜め撃ち」ができるようになるが、飛んでいく弾?に謎の文字「BS」が刻まれている。
- あるステージではゴールが目の前にあるのにいつまでも入らず周りをウロウロしている。
- ステージクリアするたびに銃の強化状態が初期まで戻る
- 敵にしかみえないムササビ(ムサピィという名前まである)を撃つとなぜかダメージ
- 撃つと破壊出来るエコール噴水なるものが存在し、なぜか5UPする
- 視点がさまざま切り替わるが、どう見ても空中を飛んでいるとしか思えない動きをする
- 民間人が敵と一緒に出てきたり、突然空中に現れる。間違えて撃つと「おーのー」という声と共にライフが減る
- ダメージを受けた後の無敵時間がコンマ1秒さえない
- 開発元がCAD(コンピューターを使い、建物などの設計を支援するプログラム)制作会社であるにもかかわらず、建物などなにもかもが歪んでいる
- 最終ステージでなぜか越前が側転…というより勝手に転げまわる
- スタッフロールが「Stuff Roll」(stuff:略式で「ガラクタ」「クズ」などの意味がある)
- 何故つけたのか分からない停電対応機能
- 何故つけなかったのか分からないコンティニュー機能
- 取扱説明書が日本語で書かれているが、レイアウトまで含めてなにもかも理解できない
- そもそも列挙し切れない
- ゲーム中、2PコントローラでR+Z+STARTを押すと…。
有名なセリフの例
「上から来るぞ!気をつけろ!」
「なんだこの階段は!?」
「せっかくだから、俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」
クソゲーとしてのレベル
クソゲーといえばニコニコ動画では「チーターマン2」が有名であるが、これは1992年にアメリカでNES(海外のファミコン)用ソフトとして開発されたものである。そして、あまりに完成のレベルが低かったため発売に至らなかった(のちにチーターマンを開発した会社が倒産した後、同社の倉庫跡からチーターマン2のROMカセット1500本が発掘され非公式に発売に至るのであるが…)。つまり、本来世に出てくるはずのないゲームであったのである。これは当然、売り物にできないレベル(伝説のクソゲーレベル)であったから発売中止になったのであり、それを知ってしまうとあまり衝撃はない。
それに対して、このデス様はどうだろう。
- セガサターン専用という名目の開発で、様々な表現や綺麗な3Dグラフィック(当時としては)でゲームを作成できたはずなのに、全てが歪んでいておかしい。(いい比較対象は同ハードの「バーチャコップ」)
- 説明書・操作性・ストーリー・ゲーム設定、全てにおいておかしい。(上の項にもあるが、列挙しきれない。)
- 一応、日本製。
そして最大の問題点は、上の不可解な点からも読み取れるとおり、誰が見ても明らかにおかしいのに公式にこれを世に送り出してしまったことである。チーターマンでさえ公式では世に出なかったものが、これは出てしまっている。ここまでくると、某ゲーム雑誌のレビューが「本当に発売するのか」と言った心情も深々と理解できる。
しかし、勘違いしてはいけないのは、決して手を抜いて作られたゲームではなく、その当時のエコールソフトウェアが本気で作り上げたゲームである点である。ただのクソゲーではなく、製作者の熱意の塊とも言える作品だったからこそ、今でも伝説のクソゲーとして愛されている理由なのかもしれない。
その後を書くぞ!気をつけろよぉ!
ゲームが有名になった事により、聖地巡礼として開発元のエコールソフトウェアには多くのファンが訪れる事になる。最初はそれに応じていなかった会社側も、徐々に態度を軟化しファンとの交流が始まった。2001年には、入手困難となっていた本ソフトを再販、社長自ら新幹線に乗り全国を横断、直接手渡しで発売する、デストレインというイベントが開催された。その後、続編である「デスクリムゾン2」、不思議なガンシューと名を打たれACでも稼働された「デスクリムゾンOX」が輩出されている。
なお、本作は1999年に国立国会図書館に新品が有志によって寄贈されているので、国の管理下において温度約22℃、湿度55%程度相当の環境下で恒久的に厳重な体制で保管される事となっている。これは、この年からゲームCDも国会図書館の納本及び収蔵対象となったためで、後にNHKにおいてもこの寄贈品が放送されている。(寄贈の時期を勘案すると、最初期のゲーム寄贈品となると思われる)
ちなみに、この寄贈計画には続きがあり、2021年12月24日には(直接的にデスクリムゾンに関係する本では無いが)コンバット越前名義で出版されたエロコミックの『お姉ちゃん暴走特急』が、さらに2023年6月24日には新録サウンドトラック『Death Crimson Soundtracks』がそれぞれ収蔵となっている。尚、渡辺邦孝名義のCDで国会図書館に収蔵されたものの第一号がこのデスクリサントラである。いいのかそれで?
また2008年には、オープニングのロケ地を真鍋社長やせいじろうと共に巡るデス・クルーズを開催
真鍋社長による当時のデスクリムゾンの開発の舞台裏をつづった書き下ろし小説『フリーズ! ~デスクリムゾン・レゾナンス~』が参加者に手渡された。
さらに2010年ごろには、デスクリムゾンをWindowsに移植して配信する企画が進行していたという。[1]
発売から22年経った2018年には、アニメ『ポプテピピック』においてエコール公認の下でパロディが行われた。
また、作曲を担当した渡辺邦孝による新録サウンドトラック「Death Crimson Soundtracks」も同年に発売された(2001年に発売されたサントラ「Death Crimson -History-」の収録曲は正しい音色で鳴っておらず、このアルバムの曲が本来の「正しい音」になっているという)。上記の通り、新録版は国会図書館に収蔵されているので、現地で試聴することが可能である。渡辺氏はこの収蔵を大変喜び、自身のYouTubeチャンネルで赤の扉ほかの再演動画をアップしている。[2]
(関連動画は)こっちだ!越前!
とにかく関連リンク見てみようぜ
- ECOLE STUFF BLOG
(かつてはデスクリムゾンSSの会社ロゴデータやロゴBGMが公開されていた)
- デスクリムゾンのBGMを担当した渡辺邦孝氏のYoutubeチャンネル(ご本人演奏が聴ける)
関連項目
- 越前康介
- コンバット越前
- せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ
- 上から来るぞ!気をつけろぉ!
- 充実したオプション
- stuff
- デス様
- せいじろう(コンバット越前の声を担当。当初は「(担当声優は)忘れました」として公開されていなかった)
- 大奥記(2008年発売のPS2用ゲーム。ファミ通のクロスレビューでデスクリムゾンと同様に13点だった)
脚注
- *エコールスタッフブログ 2010.10.17
- *「デスクリムゾン」発売から22年を経て新録サウンドトラック発売――そのワケは? せっかくだから俺は作曲家の渡辺邦孝氏にインタビューするぜ!
2018.12.5
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