デストロイガンダム単語

デストロイガンダム

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デストロイガンダムとは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する地球連合軍のモビルスーツである。形式番号はGFAS-X1。

概要

全高	56.30m
頭頂高	38.07m
重量	404.93t
形式番号	GFAS-X1

デストロイ発進まだか？敵は1隻だぞ！？何故落とせん！

ユーラシア連邦のアドゥカーフ・メカノインダリストリー社が設計・開発した大型可変MS。その大きさはMSとしては規格外であり、その巨躯はコズミック・イラの世界において他の追随を許さない。1機で複数のMSに対応するというコンセプトで開発がスタートし、地球軍が得意とする大型モビルアーマーの技術や後期GATシリーズのノウハウ、進歩したバッテリー技術を惜しみなく投入・融合させた結果、超大型 MSとして誕生する。

形式番号のGFASはGressorial Fortress Arma ment Strategic（戦略装脚兵装要塞）の略。物騒な略称に見合った数多の重火器を装備しており、コンプトン級陸上戦艦を一撃で葬り去り、ミサイル1発でモビルスーツや建物が消し飛ぶ桁外れの火力を誇る。劇中ではその圧倒的火力で複数の都市をザフト軍駐留部隊ごと殲滅した。主にビーム兵器を主体としているが、大型ミサイルも装備していて状況に応じて使い分ける事が可能。ただビームサーベルのような近接格闘装備は一切装備していない。このため懐に飛び込まれると弱い事が露呈してしまうも、デストロイの超火力を掻い潜って接近出来る腕前のパイロットはそうそうおらず、随伴機を用意すれば簡単に防げるためか特に対策は講じられていない様子(ちなみにゲーム『連合 vsZ.A.F.T.』では膝蹴りによる格闘攻撃が可能だったりする)。巨体故に死角の多さが問題……と思いきや、両腕部分のシュトゥルムファウストを切り離して遠隔操作する事で背後の敵さえも攻撃可能と、死角を完全に潰している。過剰なまでの火力ないし制圧能力を持っている割には味方機を誤射した描写は一切無い。このため火器管制システムも優秀と思われる。

火力面だけでなく防御面も充実。ザムザザーやゲルズゲーが装備しているものと同じ陽電子リフレクターを持ち、ひとたび展開すれば正面からの攻撃をほぼ完全に防ぎ切る。装甲にはトランスフェイズ(資料によってはヴァリアブルフェイズシフトとも言われるが本編中では確認出来ない)が施されていて実体弾を無効化、ビームを曲げて被弾を防ぐ描写からゲシュマイディッヒパンツァーも使われていると思われる。

可変機構を備えており人型の他に飛行型（MA）と言うべき形態がある。背中に背負った円盤状のバックパックを頭から被り、備え付けられた4基のホバースラスターで重力下での飛行・移動を可能とする。このため超大型 MSでありながら一定の機動力を有する。また、この際脚部は腰部を軸に180度回転し、いわゆる逆関節の構造となる。移動の際は飛行型に変形するが、無論、飛行型の状態でも戦闘は可能である(むしろアウフプラール・ドライツェーンは射線の関係で飛行型でしか使用出来ない)。ちなみに変形はボタン1つで出来るようになっている。

その超絶火力は既にMSの範疇を越えており、単機での要塞攻略を可能としている。異常な火力と体躯は連合軍ないしロゴスのコーディネイターに対する怨念の塊と言えよう。しかし、兵装の多さとシステムの複雑化から一般パイロットには扱えない代物になってしまい、エクステンデッド専用の機体となった。地球連合軍（ロゴス）が対ザフト用の切り札として極秘裏に開発が進められていたが、その情報はギルバート・デュランダルに掌握されており筒抜けで、デストロイもまたロゴスの非道性を表すものとしてデュランダルに利用されるのだった。

あまりの大火力・巨体さからワンオフの試作機と思いきや、拠点防衛用にも何機か量産されている。さすがは国力に富む地球連合軍である。ただ巨体・整備の複雑さからデストロイを運用出来るのはヘブンズベースやダイダロス基地といった大規模な拠点に限られ、前線への輸送には陸上戦艦を使用しなければならず、パイロットは量産しにくいエクステンデッドのみと、かなり取り回しが難しい機体となっている。映画『機動戦士ガンダムSEED Freedom』では、大戦が終結した後もブルーコスモス残党がザフト軍への攻撃に使用(少なくとも2機が登場)。アフリカ共和国オルドリン自治区の戦闘では母艦を使用していないとの事らしく、どうやって輸送したのかは不明。

余談だが同じ巨大モビルスーツであり、さらに『強化人間のヒロインが乗せられた』という共通項もある事から、サイコガンダムと並べて描かれたり、戦わされたりする事がある。というか、ステラ搭乗機に関して言えば、その扱いはほぼ“コズミック・イラ版サイコガンダム”と言って差し支えない。ちなみに円盤状のバックパックのおかげで、どちらかと言うとデストロイの方が少し大きい。変形中の姿がビグ・ザムに似ている事から、サイコガンダムと組み合わせてサイコビグ・ザムと呼ばれる場合も。

全高（56.30m）を見ると通常のモビルスーツの約3倍程度の大きさなのだが、作画の関係でフリーダムの約7、8倍の大きさがあったり、随伴するウィンダムと比べると100mくらいあったりと設定以上に大きく描かれている。劇中でバクゥを足で踏み潰すシーンがあるが、そのシーンのデストロイはどう見ても200mくらいの高さがある。なにそれこわい。『ガンダムSEED Freedom』でようやく本来の大きさになった。

兵装

総じて大火力の物が多いが、それらの一部は『過去に連合軍が開発したガンダムに搭載されていた武装の発展型』として設定されている。

75mm対空自動バルカン砲塔システムイーゲルシュテルン
『SEED』時代の連合製ガンダムを始めとする機体に装備されていたものと同型のCIWS。頭部に装備されているが、劇中では使用されなかった。
高エネルギー砲アウフプラール・ドライツェーン
MA形態における主砲。4門の長砲身ビーム砲であり、本機の武装としては最大の火力を誇る。一撃で都市を焼き払い、直撃すればコンプトン級さえも粉砕するだけの威力を備えており、本機を戦略兵器たらしめる所以。直撃を受けたMSはどのような装甲であれ“蒸発”している。ドイツ語でアウフプラールは「衝突」、ドライツェーンは「13回」を意味する。
熱プラズマ複合砲ネフェルテム503
フライトユニット側面に装備されるビーム砲。円周状に20門装備されており、敵MSの迎撃及び他の武装の死角を補う目的で使用される。主にMA形態で使用されるがMS形態でも使用可能。自分を中心にビームを撃てるため、敵の包囲下で発射すると効果絶大である。
200mmエネルギー砲ツォーン mk2
頭部に備えられたビーム砲。レイダーの頭部ビーム砲である“100mmエネルギー砲ツォーン”の発展型となる。その構造上、頭部が覆われるMA形態では使用不可能。
1580mm複列位相エネルギー砲スーパースキュラ
胸部に3門備えられた大口径ビーム砲。イージス及びカラミティの“580mm複列位相エネルギー砲スキュラ”の発展型だがその口径は大幅に拡大されている。MS形態においてはこちらが主砲となるが、MA形態ではツォーン mk2と同様使用不可能。威力も絶大で、着弾地点の建物は跡形も無く吹き飛んだ。
マーク62 6連装多目的ミサイルランチャー
フライトユニットに搭載されるミサイルランチャー。ネフェルテム503と同様対MS迎撃が主用途となる。デストロイに合わせて口径も巨大化しており、迎撃用ながらモビルスーツを一撃死させる。
シュトゥルムファウスト
使い捨ての対MS用ロケットランチャー。単純な構造だがそれ故に安価で信頼性に優れ、威力についてもMS用実弾武装としては破格。
本機の腕部は分離可能な遠隔攻撃システムとしての機能を備えており、シュトゥルムファウストはその名称となる。先述の対MS ロケットランチャーと同義だが『シュツルムファウスト』にしなかったのはスタッフの良心だろうか。地上/宇宙いずれの環境においても使用可能となっており、単独での飛行が可能。武装としては手指部を構成する“MJ-1703 5連装スプリットビームガン”を備え、防御システムとして陽電子リフレクター発生器、シュナイドシュッツSX1021を装備する。

劇中での活躍

本格的な登場は第31話からだが、登場自体は2クール目OP(第14話)からと意外に早い。ただし意図的に機体が黒く塗り潰されていて細部まで見えないようになっている。3クール目OP(第25話以降)でしっかり見えるようになった。

強引なやり口を続ける地球軍を糾弾し、ザフト側に付いたユーラシア西側の三都市に鉄拳制裁を加えるためファントムペイン所属のエクステンデッド、ステラ・ルーシェに引き渡されたデストロイ 1号機が最初に登場。陸上戦艦ボナパルトで前線に輸送されていたが、ロアノーク隊と合流する前にザフト軍MS 部隊の襲撃を受けている(余談だが、この襲撃は『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』第2話にて描写されており、ブルデュエルが犬の餌になったのはこの時である)。襲ってきたザフト軍を壊滅させた後、予定通りデストロイはステラに引き渡され、ネオ・ロアノーク専用のウィンダムとスティング・オークレーのカオスガンダムとともに出撃。都市を目指して飛行を開始した。

攻撃目標の都市にはコンプトン級陸上戦艦を基幹とした少なくないザフト軍部隊が駐留しており、地球軍の接近に伴って迎撃に出ていた。が、デストロイはアウフプラール・ドライツェーンでその部隊ごと都市を殲滅。多数のMSと戦車による包囲攻撃を物ともせず三都市を火の海に沈めた。デストロイは進撃を続け、ベルリンに駐留していたザフト軍部隊さえも容易く粉砕、一般市民ごと街並みを焼き払う。あまりの大損害にジブラルタル基地がプラント本国に救援を求め、ミネルバがベルリンに急派される事態となっている。またデストロイが及ぼした被害はターミナルを通じてアークエンジェルにも伝わった。ステラの乗ったデストロイが3都市を焼き払っている時に流れた曲「狂気の果て」はデストロイ無双の場面と相まってトラウマを覚えた諸氏も多いのでは。曲調も曲名もデストロイにピッタリである。

ベルリンでの戦いでは、ミネルバ隊に加えてアークエンジェルとフリーダムも介入。街を破壊しながら混沌とした戦闘が勃発する。死の危険を感じたステラはデストロイの火力に物を言わせて暴れ回るも、インパルスのパイロットが前々から交流のあったシンだと気付き、落ち着きを取り戻した。ところがフリーダムのビームサーベルがスーパースキュラのある胸部に突き刺さり、断末魔のツォーンを天に向けて放ちながら撃破されてしまう。この際ステラの体に数多の破片が刺さって致命傷を負い間もなく死亡。死を嘆くシンによって水葬に処されることとなる。

次に登場したのは地球軍最高司令部ヘブンズベースを巡る攻防戦であった。なんとデストロイは量産されており、ヘブンズベースへと侵攻したザフト・反ロゴス同盟軍を迎撃するため5機が同時に出現した。うち1機はスティングがパイロットを務めている。挨拶代わりのアウフプラール・ドライツェーンの一斉射で反ロゴス同盟軍の艦艇を粉砕。以降反ロゴス同盟軍が出てこない事から殲滅されたと思われる。続いてディン、バビ、ザク、グフ、ボズゴロフ級潜水空母と交戦し、圧倒的火力で片端から叩き落としていく。ザフト軍が頼りにしていた降下揚陸隊も対空掃討砲ニーベルングの照射で壊滅し、デストロイの蹂躙も手伝って、小説版ではタリア・グラディスに「撤退すべきだ」と思わせている。戦局は地球軍有利に傾いていた。ところがデスティニー、レジェンド、インパルスが出撃すると戦況は一変。懐に飛び込まれると弱いというデストロイの弱点を看破され、まず最初に2号機がレジェンドによって撃墜。その際司令部にどよめきが走っていた事から撃墜は予想外だった模様。3号機が大破したのを機にジブリールが脱出を決断、他の機体も時同じくして次々に撃墜されていった。ヘブンズベース降伏後も生き残っていた最後の1機が戦闘を継続していたものの、シンたちの連携により撃破。最終的に5機全てが撃破された。

戦場は宇宙へと移り、月面のダイダロス基地に侵攻したミネルバ隊を迎撃するため拠点防衛用の3機が出撃。しかし、この頃になると往時のような破壊力を見せつける前にデスティニーやレジェンドに撃墜されるようになり、かませ犬的なポジションに落ちぶれてしまっている(相手がスーパーエース機なので分が悪すぎるのもあるが)。本編におけるデストロイの出番はダイダロス基地攻防戦が最後。

本編から2年後を描いた映画『機動戦士ガンダムSEED Freedom』ではブルーコスモス残党が運用する機体が登場。オルドリン自治区を襲撃したMS 部隊の中に1機が混じっており、アウフプラール・ドライツェーンでザフト軍MSを街並みをごと薙ぎ払った。世界平和監視機構コンパスのMSが戦闘に介入してきた時には真っ先に気付いてスーパースキュラとツォーンを撃ちかけている。キラは、デストロイを見るなり「またこんなものを！」と発しているため、デストロイの出現は2年ぶりと思われる。シュトゥルムファウストを飛ばしてライジングフリーダムと交戦するが、幾条ものビームを掻い潜られて2つとも撃墜。スーパースキュラとツォーンの一斉射を行おうとしたところでライジングフリーダムのハイマットフルバーストを受けて撃破された。戦闘後にデストロイの残骸が倒れているのが確認出来る。扱い的には開幕数分以内にやられるチュートリアルのボス敵のようなものだったが、相変わらずザフト軍の量産型 MSには手に余る脅威であり、ライジングフリーダムに撃墜されるまでジン7機とザウート2機を撃破した。

ファウンデーション王国での戦闘では逆にブルーコスモス残党の拠点が攻撃され、左腕と背部ユニットを欠損した修理中と思われるデストロイが迎撃。だがライジングフリーダムとイモータルジャスティスの連携攻撃の前に敗れた。

ゲームでの扱い

デストロイガンダムは『スーパーロボット大戦Z』、『連合 vs ZAFT2』、『EXTREME VS』など様々なタイトルに顔を出している。その際はステラ専用機となっている場合が多い。連ザ2ではスライディングや膝蹴りというアニメでは見せなかった格闘技を行ったり、ビグ・ザムより受け継がれたゲロビを放てる。防御に関しては、MA形態に変形すると実弾もビームも効かなくなるというサイコガンダムもびっくりな防御力を見せ付ける。しかし懐からの格闘攻撃に弱く一度取り付かれると、かなりのダメージを受ける。懐に飛び込まれると弱いという原作を忠実に再現している。巨体に見合った体力を持つが、コストも最大級で撃墜されると一気にゲージが減る。

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