![]() |
ニコニコ大百科 : 医学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
デスマーチとは、ソフトウェア開発のプロジェクトにおける一つの形態である。
デスマ等と略されて呼ばれることもある。
元来は、戦時における、健康を省みない捕虜を連れての「死の行軍」を指す言葉であったが、ソフトウェア開発における過酷な状況下をこれに例えて、デスマーチと呼称するようになった。これは受発注業全般での劣悪な条件下での活動のことも含む。
概要
一般的に、過酷なプロジェクト環境下であり、尚且つ、失敗に終わる可能性の高いプロジェクトをデスマーチという。
その原因は一般的に
- 期日が足りない(ヤシガニを見れば分かる通り、期日が足りないと期日以外のもの全てが削られていく)
- 工数が足りない(自社部門の許容量以上の仕事を押し付けられる)
- 人手が足りない(人数もそうだがリーダーになりうる高級プログラマが不在だと泥沼に陥りやすい)
- 要求仕様が変更される(その分今まで日数をかけていた物の仕様を変更せねばならず、納期に響く)
など、様々であるが、これは一般的にプロジェクトマネージメントの失敗、つまり物事を計画的に実行することに失敗することに端を発している。
特に下請け丸投げなどの形態を取るとまず納品された物の整合性が取れず、計画的に進められなくなることが多い。
その性質上、デスマーチは管理が甘い限りいかなる会社でも発生しうる可能性があり、また道路工事などと違って「どこんじょー」で物理的にどうこうならないことが多いため、こういうことが発生すると大変な事になる。
帰さない寝かさないは当たり前、社の歯車として歯が折れたがが外れ、文字通りバターンするまで昼も夜もない「精神と時の部屋」でこの行軍に付き合わされるのだ。
誇張ではない
デスマーチという言葉は、決して嘘でも誇張でもなく、本当に過労死が身近であったり、自殺を考えたりする。期限が足りずデバッグ(バグ/不具合修正)時間も割けないため想定外の不具合が発生してしまうなど納品先・発売先にも多大な影響を及ぼす場合がある。
現在のソフトウェア開発環境においても、自殺者や過労死、発狂による退社処分は多い。
次の日に昨日まで一緒に働いていた同僚が、いなくなっても全く不思議ではない環境である。
(→ブラック企業)
「デスマーチは大変な物を盗んでいきました。あなたの心です。」
対策
- 現場の人員・機材・処理能力を把握する。
- 十分な日数時間・人員を確保する。
- 無茶な期限で受注しない。
- 一定時間の睡眠時間・休憩時間は持つ。
- 一切の改善が見られないのであれば転職を視野に入れる。
- 過酷なデスマーチが日常的であり、上層部もそれが当然という解釈。
- 過酷なデスマーチに対して十分な報酬がない、権利を行使できないなど。
- 入社する前、就職活動時に企業の情報をよく調べておく。
- その他、ブラック企業の項目も参照。
「薄給激務で自殺・過労死・燃え尽き症候群になるまで会社の為に働きました」は美徳ではない。
企業側の責任
- 企業には安全配慮義務(従業員が安全かつ健康に労働できるようにする)がある。
- 仕事が円滑に回るよう人材募集や人材の補充・管理するのも企業側の仕事である。
- 前提として、労働基準法違反は犯罪であり、「みんなやってるからOK」ではない。
関連動画
関連商品
関連項目
- ソフトウェア開発
- システムエンジニア
- プログラマー
- 顧客が本当に必要だったもの
- ニコニコ大百科:医学記事一覧
- デスマーチからはじまる異世界狂想曲
- ストレス
- 根性論
- 徹夜 / 寝不足
- ブラック企業
- 転職
- 7
- 0pt