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デパスとは、田辺三菱製薬より販売されているチエノジアゼピン系の神経系用剤(含む別用途)/精神安定剤である。
一般名はエチゾラム。
概要
おそらく日本においてもっとも有名かつ処方量の多い抗不安薬。
精神化や心療内科といった精神医療を主とする科に限らず、内科や整形外科においても処方される事がある。
鎮静作用と筋弛緩作用を有し、精神疾患の諸症状や不眠に対する使用、筋肉の緊張を解す為などに利用される。
チエノジアゼピン系の薬は、ベンゾジアゼピンのベンゼン環をチオフェン環に置換しただけであり、ベンゾジアゼピン系と比して特別優れた系統というわけではない、従ってデパスにもベンゾジアゼピン系の薬と似た副作用が生じうる。
筋弛緩作用による転倒の危険などもある為、特に高齢者への使用は慎重に行われる。
作用の特徴
抗不安薬としてのデパスの特徴として、切れ味の良さが挙げられる。
血中濃度の立ち上がりが早く、作用も比較的強いので、飲んですぐに効き目を感じる事が出来る。この特徴から緊急時の頓服での人気が高い。
短時間型の薬なので半減期が短く、4 時間~6時間程度が半減期となっている。
体内での代謝は主にCYP3A4によって行われる。
法規制
海外においては殆ど認可されておらず、日本を除くと、インド、韓国、イタリアの三ヶ国でしかエチゾラム製剤は発売されていない。
日本における「向精神薬」はアメリカのFDAによるCSA(Controlled Substances Act)の規制を参考にして、法律「麻薬及び向精神薬取締法」において1990年に規定された。しかし参考元となるアメリカにおいてエチゾラム製剤が発売されていなかったせいか、日本においてもエチゾラムは向精神薬指定されなかった。その後も2016年まで向精神薬指定を受けず、そのため他の多くの抗不安薬とは違い、デパスには処方日数の制限はなかった。
だが2016年に向精神薬指定を受けることとなり、その後は処方日数制限、個人輸入や譲渡の禁止など、制限が厳重化された。
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関連項目
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