![]() |
ニコニコ大百科 : 医学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
デング熱とは、フラビウイルス科のデングウイルスによって起きる病気である。
概要
デング熱は、熱帯や亜熱帯地域に流行する病気であり、原因となるデングウイルスは通常は人から人へは直接感染せず、蚊によって媒介される。
このウイルスに感染して発症すると、頭痛や高熱、発疹、筋肉痛、激しい関節の痛みなどの症状が起きる。その後は体に免疫ができてしまい、二回目に同じ型のウイルスが入ってきても速やかに排除する。そのため一度感染すると二度と同じ型のウイルスには感染しない。ただしデングウイルスはこれまで4種類の型が見つかっている。
死亡率は極めて低いが、まれに「デング出血熱」という出血しやすくなる状態や、「デングショック症候群」という血圧が急激に低下する状態に進んでしまい、死に至る事もある。2つの違うウイルス型に続けて感染したときに特にその危険が高くなるという。先に述べた免疫が、型が違うせいで中途半端に活動するためなんじゃないかしら?と言われている。
日本とデング熱
日本でも太平洋戦争中に戦地からウイルスが運ばれたことで国内感染が起き、西日本を中心に流行したことがあった。
その後は旅行などで「海外で感染し、国内で発症」するケースは毎年数百件確認されていたが、2014年8月に原宿の代々木公園と明治神宮にて69年ぶりに「国内での感染」が確認され、代々木公園を閉鎖するなどの対応に追われた。
日本でもデング熱が流行する余地がある理由としては、日本でも一般的な「やぶ蚊」として知られている「ヒトスジシマカ」がデングウイルスを媒介することができるため。2014年の日本での感染の場合も、公園のやぶ蚊がデングウイルスを媒介した。
日本の感染症法では四類感染症となっているため、デング熱の患者を診察した医師は最寄りの保健所に報告する義務がある。また、検疫法による検疫感染症でもある。
語源
気取った装いや身振りをする男を指す言葉「ダンディ」が語源だという説。「1920年代の西インド諸島の黒人奴隷が、この病気にかかると妙な姿勢になるので「dandy fever(ダンディ熱)」と呼んでいた。その言葉がスペイン語に伝わる時に「dengue」になまった」とされる。この説は少なくとも1870年代以前には医学雑誌に書かれているっぽい。
「スワヒリ語が語源なのかも」という説。「1870年にザンジバルでデング熱が流行した。ザンジバルではこの病気のことをスワヒリ語で「ka dinga pepo(「悪霊による発作」と言う意味)」と呼んでいた」とされる。でもこの話は1880年代になってから初めて医学雑誌で紹介されたっぽい。
関連動画
外部リンク
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 4
- 0pt