データイースト株式会社(Data East Corporation)とは、かつて存在したアーケード・コンシュマーゲームのメーカーである。
概要
省略形はDECO(Data East COrporation)。このため同社製のビデオゲームは『デコゲー』と称されることが多い。アメリカを拠点とするピンボール筐体の企画・製造メーカーとしても有名であり、現存する最古のピンボールメーカーであるスターン・ピンボール社の前身となった。
デコゲーの魅力はその独自性にあり、「ヘンなゲームならまかせとけ!」という桝田省治の希代の名文句に集約される。開発担当者達にはそんな自覚は無く、このコピーを見て憤慨したという逸話が残る。
ゲームだけではなく、画像電送装置、DOCOMOの衛星電話用データ通信アダプター、救急車用心電図電送装置なども開発していた。
海外および日本国内における「データウエスト」社は名前の由来ではあるが、一切無関係である。
事業失敗によりアーケードから撤退し、コンシューマーに的を絞るが負債33億円で99年11月に和議を申請、2000年7月和議認可となった。和議をするちょっと前にしいたけ栽培に多額の投資をし失敗をおかしていた。さらにマイナスイオン発生器に手を出すが、当然のことながら失敗に終わり、2003年4月倒産してしまった。
データイーストのちょっといい話
都市伝説を多く含むが、このような逸話が伝わっている。
- 1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の直後(2年後)に発売された、「チェルノブ」の名称の件で突き上げ・・・あわわ、取材に来た朝日新聞記者に、名前の由来を「カルノフ」の話から懇々と説明し続け、記事にするのを結局諦めさせた。
- コンピューター関連企業でありながら、なぜか椎茸栽培に巨額の投資を行った。
- 最初の倒産の際、倒産から3時間ほどで資金繰りのめどがつき、復活(3時間だけ倒産事件)。
- カプコンとの間で『ストリートファイター2』と『ファイターズヒストリー』の類似性と販売停止を争った裁判で、カ社の訴状内容に対し「対戦格闘ゲームの始祖はデータイーストの『対戦空手道』であり、むしろ『ストリートファイター』シリーズが類似」と切り返し、最終的に両社は和解した。
※以下は「アーケードゲーマー vol.1」(2012 ホビージャパン)に掲載された当時のスタッフへのインタビューより。
- 椎茸については、椎茸会社の人が「松茸の味がする椎茸」を売り込み、社長が金を出して大損したとか、社長の実家が椎茸栽培をしていたという噂もあった。社内で何かやってはいたようだがよくわからない。ただ椎茸で倒産したわけではない。
- 技術屋が多く、技術力は高かったのだが、ゲームには活かせなかった感じ。車載FAXやタッチパネルも開発していた。
- 3Dポリゴンのレースゲームを開発していたが品評会でグラフィックがしょぼいということでお蔵入りに。しかしその半年後にバーチャレーシングが出てヒットした。
- ゲーム業界は当時まだ新しかったので全然違う業種から転職してきた人も多かった。
- 小さい会社なので上司と部下の関係がいい意味で近い。そのために企画者の趣味趣向がそのままゲームに反映されたのではないか。「差別化を図れ」とはよく言われた。
- 「チェルノブ」という名前は開発終盤に単に語感が良かったので採用したと聞いている。発売後にニュース番組のテレビ取材の申し込みがあり、「実物を確認したいから設置しているゲームセンターを教えてくれ」というので教えたらその後連絡が来なかったとか。ゲーム内容が事故と関係ないのが分かったのだろう。
- 「ファイターズヒストリー」の件は、似ている部分はたくさんあるが、特許的な面では6ボタンと操作系が一番の問題になっていたようだ。
データイースト社の有名なゲーム
ニコニコ大百科に記事のあるゲームタイトル
記事の無い(同名記事に記述が無い)タイトル
ライセンス
データイーストのゲームのライセンスは数社に引き継がれ、各種プラットフォームへの移植、配信が行われている。
- ジー・モード … データイーストのゲームのほとんどのライセンスを取得。[1]
https://gmodecorp.com/dataeast/ - アークシステムワークス … 神宮寺三郎
- パオン … ヘラクレスの栄光、チェルノブ、カルノフ、空牙、ウルフファング、スカルファング、フライングパワーディスク
- エムツー … 『ザビガ』(1984年)『B-WING』(1984年)『メタルクラッシュ』(1985年)『ラストミッション』(1986年)『サイコニクスオスカー』(1987年)[2]
復刻
- <News>レトロゲーム配信サービス『プロジェクトEGG』2021年12月28日に『空牙(アーケード版)』をリリース
2021.12.28
- デコゲー『戦え原始人』シリーズの復活が発表!『Joe & Mac: Caveman Ninja』が2022年に発売予定
2021.10.16
- レトロンバーガー Order 57:データイースト死すともデコゲーは死なず。移植も新作も北米版PCエンジンおじさんもあるんだよ編
2021.3.13
- 『スーパーバーガータイム』などDECOゲー8作品が“Retro Classix”としてSteamストアページに登場
2021.2.16
- 「バーガータイム」など、データイースト作品34タイトルを収録! 「データイースト クラシックコレクション」本日より順次発売
2020.5.14
- ジェネレーション4
- 慟哭そして...
PS4/PS VITA対応で2018年4月26日発売
- フライングパワーディスク
PS4対応(DL専用ゲーム)
- 株式会社JNNEX レトロデュオ用カートリッジ 16ビットコレクション データイーストVol.01-03
- 懐かしのデータイースト名作がWiiで復刻!『Data East Arcade Classics』発表
2009.10 ※海外向け
関連動画
関連項目
関連リンク
- 「空手道」、「シャドウラン」などを輩出した データイーストが東京地裁から破産宣告 2003.7.7
- DATAEASTGAMES
(G-modeのyoutubeチャンネル)
- ジー・モード
- データイースト グッズ販売開始(BOOTH)
2023.8.14
- データイースト グッズ販売開始(BOOTH)
- ワークジャム
※2014年の時点でリンク切れになっており会社の状態も不明。
- パオン・ディーピーが所持しているライセンス一覧
- データイーストのゲームリスト - ゲームソフト情報局 -
※アーカイブ
脚注
- *ジー・モード、データイーストのゲームの権利を取得2004.2.3
- *エムツーがデータイースト5作品の版権獲得を発表。『ザビガ』『B-WING』『メタルクラッシュ』『ラストミッション』『サイコニクスオスカー』が令和の世に蘇るか!?
2020.9.16
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