「寄生するなら、もうこの人しかいないと思ったんだ!!」
デート〜恋とはどんなものかしら~とは、フジテレビ系列の月9枠で放送されていた婚活ラブコメディである。
概要
「HERO」「信長協奏曲」とイケメン俳優を主人公にしたスタイリッシュ且つ殺伐とした作品が続いていた2014年~2015年の月9作品の中では久々の恋愛ドラマ。
だがその実態は、脚本家本人がツイッターで『一生懸命「月9」のフリして書いてます』と言う通り、35歳リアルガチニートオタクDTの主人公が、母親に代わる新たな寄生先として29歳東大卒エリート公務員のヒロインに求婚するという内容で、月9どころかドラマ史上でも類を見ないラブコメディとなっている。というか脚本の古沢良太は2話の台本を書き終えたタイミングで、このドラマを月9で行うと知らされたのだとか。後にも先にも、主人公がお見合いパーティーで有名漫画家の同人誌時代の作品の知識をひけらかしたり、母親にサイボーグ009のコスプレ衣装を作って貰うドラマはこのドラマの他に無いだろう。
主人公とそのヒロインを演じる長谷川博己と杏は月9初出演ながら恋愛不適合者を怪演しており、その台詞の応酬は、ほぼ同じスタッフにより手掛けられたどこぞの法廷ブラックコメディドラマを彷彿とさせる。
視聴率的には大きくヒットとは言えなかったが、視聴者ウケは抜群だったらしく、最終回の僅か半年後にスペシャル版が放送された。
あらすじ
内閣府の研究所で働く藪下依子は、30歳を目前にして父親から見合いを勧められる。
しかし、恋愛経験が無く、結婚は相手との「契約」と捉える依子は、ことごとく見合いに失敗し、結婚相談所に登録。
一方、自身を高等遊民と自称する谷口巧は、女性と新しく出会うことで働く意欲を持って欲しいと願う幼馴染の島田宗太郎によって、勝手に知り合いの結婚相談所に登録させられる。
依子は巧のプロフィールに記載してある身長や生年月日などの数字が全て素数で構成していることに興味を持ち、デートをすることになる。
登場人物
主要人物
- 谷口巧(タニグチ タクミ) 35歳
この物語の主人公。
美術教室を営む母の稼ぎで生活する引きこもりのニート。
しかし、本人はニートであることを否定し、曰く『明治時代から昭和初期にしたとされる
高等教育を受けながら職に就かず、日々読書などをして教養を深める高等遊民』であるとのこと。
自室には、映画や小説、アニメのフィギュアが山積みになっており、理想のタイプは
「オードリー・ヘプバーン、原節子、峰不二子、メーテルをたして4で割った女性」
友人の助けもあり、原因不明の体調不良を引き起こす母に代わる
新たな寄生先として妻を手に入れるべく 依子に求婚する。
かといって、依子に対して好意を抱いてるわけではなく、求婚理由はあくまで
依子が結婚後も働くことを望んでおり、国家公務員なので福利厚生もしっかりしているからである。
むしろ、出会った当初から依子の合理的すぎる性格には辟易していたが、
デートを重ねる内に、依子の不器用な優しさに気づいていき、少しずつ惹かれていく。
香織によると、子どもの頃は人気者でみんなのヒーローみたいな存在だったが
作家を志した結果、自身に才能を見いだせず、就職活動にも失敗して現在に至る。最終回ではついに念願の正式なお付き合いに発展し、続編のスペシャル版では浮気(未遂)を咎められるほどの立派なカップル(?)と化した。
- 藪下依子(ヤブシタ ヨリコ) 29歳
この物語のヒロイン。
東大卒でミレニアム問題を研究した後、横浜研究所で働くエリート国家公務員。
幼いころに数学者の母を病気で亡くしており、亡き母の幻影と対話する形で一人事を喋る癖がある。
毎日の食事は曜日によって決めたものを摂取し、道路の法定速度もきっちり守る程、
データやマニュアルに基づいて行動する合理的な思考の持ち主。
デートにおいてもそれは顕著で、彼女の繰り出すアヒル口は必見である。
結婚に関して『お互いが有益な共同生活を送る上での契約に過ぎないのではないか』
『愛情などという数値化できない不確定要素を基盤に人生を設計するのは非合理的』と考えており
勿論、巧のことは好きでは無い。だが、巧の正義感や思いやりを垣間見て、
巧に対して冗談を言ったりするなど、徐々にではあるが依子自身に変化の兆しが表れている。スペシャル版において、宗太郎を恐怖させるほどの策略で巧の浮気調査を行い、現場を取り押さえた際には包丁一本片手に持って殺害すら仄めかすほどになっていた。何やかんや言っても、つまりは単純に巧のこと好きなだけじゃないですか~、やだー。
依子の関係者
- 藪下俊雄(ヤブシタ トシオ)
依子の父。依子にお見合いを勧めたのは彼。
区役所の職員をしており、依子のことを溺愛している。
また剣術にも長けており、よく鷲尾と一緒に1本交えている。
鷲尾に好印象を持っており、依子の婿最有力候補として見ているが、逆に巧のことはあまり快く思っていない。 - 藪下小夜子(ヤブシタ サヨコ)
依子の母。既に故人。
生前は数学者。彼女の存在は依子の中で大きく残っており、
彼女が何かをする度に幽霊として依子の前に現れては手痛い嫌味混じりの助言をしている。 - 鷲尾豊(ワシオ ユタカ)
本作のもう一人の主人公とも言える人物。
スポーツメーカー店に勤めるエリートマン。
依子に好意を寄せているため谷口とは恋のライバルである。
谷口と違って高収入な上にイケメン、あらゆることに精通しているなど完璧超人。
だがどこか間が悪いようで谷口よりも依子へ距離を詰めることができない。
依子のファーストキッスの相手。
宗太郎と関わってからは彼と奇妙な師弟関係となり、依子を落とすために奮闘している。
巧の関係者
- 谷口留美(タニグチ ルミ)
巧の母親で巧の現時点の唯一の収入源。
美術教室を営んでいるが、老いにより体が日に日に弱くなっているため巧を養っていけなくなる。
巧は表面上は依子に寄生対象を移そうとしているが、留美のことを心から心配している。
変わった趣向を持つ明るい人物。
巧が何か言うたびに彼がニートであることをこき下ろすのがお約束。 - 谷口努(タニグチ ツトム)
物語後半で登場した巧の父。「今更その面下げて」が口癖。
巧が今の生き方になった際に激怒し家を出た。
しかし偶然留美と再会して以降愛を取り戻し、巧に黙って愛を紡ぎ合っていた。
その後は依子達の計らいで行っていなかった結婚式を留美と行い正式に結婚した。 - 島田宗太郎(シマダ ソウタロウ)
巧の友人の動けるデブ。町内会会長。
あらゆる場所に人脈が聞く等外見・比喩込みで物凄く顔が広い。
巧のことも鷲尾のことも応援しているフェアな人物。 - 島田香織(シマダ カオリ)
巧の友人で宗太郎の妹。
巧に好意を寄せている依子の恋のライバルだが、依子は香織が巧を好きだと知らない。
好意をあまり表に出さず、巧のことを気にかけ依子との恋が成就するように奮闘する。
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