トゥンクとは、
- 「一瞬のときめき」を表現する、日本語の擬態語。本記事の「概要」以下ではこれについて記載する。
- tunku - マレー語における尊号であるテンク(tengku)の方言的異型の一つ。日本語の「王子・王女」に相当し、スルタン国のスルタンや諸外国の王の子女、すなわち王子・王女の名に冠する。ちなみに「陛下・殿下」(尊号・呼称)はトゥアンク(tuanku)、「~さん」はトゥアン(tuan)。
- tunc。ラテン語で「そのとき(から)」という意味の副詞。
- ドイツ語で語幹が「t」で終わる語に抽象名詞接尾辞「-ung」が付いた単語をカタカナ表記する場合に「-tung」の部分を「トゥンク」と表記することがある。Achtung(傾注)ならアハトゥンク、Zeitung(新聞)ならツァイトゥンクなど。「語末では有声子音は無声化する」というドイツ語の基本ルールに引き摺られたものだろうが、標準語では原則的に ng は2文字で1つの子音 /ŋ/ を表すので、「-tung」は /tʊŋ/ となるため表記は「トゥン(グ)」とするべきである。だが地方によっては ng を二重子音として「トゥンク」 /tʊŋk/ と発音することもあるようだ。
概要
「トゥンク」とは、誰かがかっこいい台詞や行動を発したときに、相対した者の心中に突然浮かぶ一種の高揚した感じ、つまり「一瞬のときめき」を表現する擬態語である。主にインターネット上で、特にアニメ・漫画などの二次創作分野で多く使用されている。
「トゥンク」よりも以前からある表現と比較すると「ドキッ」「ドキドキ」に近いかもしれない。しかし、驚愕した時などにも使用される「ドキッ」や「ドキドキ」と比較して、「トゥンク」は「一瞬のときめき」に特化した、より繊細な表現であると言えるだろう。
また、単に「ときめく」「ときめき」と言うと「喜び、期待、好意などから胸が弾み続ける」様子をも含んでしまうが、「トゥンク」では「思わず感じてしまった一瞬の心の動き」を捉えた表現という向きが強い。ところが「トゥンク・・・」「トゥンク…」といったように後に余韻を表す「・・・」あるいは「…」を付加して使用されることも多い。つまり「瞬間的な心の動きではあるが後に余韻を残し、その後の心の動きに影響を与え続ける」という微妙なニュアンスを表現しうる言葉であることがわかる。
元々、恋愛小説や少女漫画等において「トクン」という表現(漫画の場合書き文字)がほぼ同様の用法で使用されることがあったとされ、それを崩す形で派生したものではないかと思われる。
ふざけて崩したような形であるため、コミカルさを込めた表現として使われることが多い。
由来
※本項は不確実で未検証な内容が含まれています。経緯をよく知る方の追記を望みます。
インターネット上で使用され始めた言葉のようだが、この用法で「トゥンク」が使用された例は2010年前後にやっと見られ始め、それ以前の用例はほとんどないようだ。つまり比較的新しい言葉である。
「トゥンク」よりは用例の数が少ないが、「トゥクン」と表記されることもある。上記のように「トクン」と言う擬態語表現が元々あり、それを少し崩して冗談めかした表現として「トゥクン」がインターネット上などで使用されるようになり、さらに「トゥクン」の「ク」と「ン」を入れ替えて「トゥンク」としてふざけた感じを増した、という経緯かとも考えられる。
だが「トゥクン」も「トゥンク」も、「ときめき」の意味でインターネット上で広い使用がみられるのは双方とも2010年前後からであり、ほぼ同時期に使用され始めている。そのため「トクン」→「トゥクン」→「トゥンク」と派生したと言い切るには時系列的に難があるようだ。「トゥンク」の方が主流となっている事から考えても、「トゥンク」という言葉が広まった後に、元ネタの「トクン」が念頭にあって自然と「トゥクン」と書く人が出始めたのかもしれない。
使用され始めた2010年頃の用例を確認すると、女性オタクと推定される人々によって使用されているケースが多い。これは少女漫画での「トクン」から派生したと考えると不自然ではない。
また、当時の用例においては「イナズマイレブン」という作品のファン層が使用しているケースも多めだった。さらに、アニメ「イナズマイレブン」の2009年後半に放映された回において「音村楽也」というキャラが「トゥントゥクトゥントゥク……」と口でリズムをとりながらサッカーするという技を披露し、当時ネタになっていたらしい。これが「トゥンク」の発祥に関連している可能性もある。
そのような由来が影響しているのか、イラストコミュニティサイト「pixiv」に投稿された「トゥンク」タグの付いているイラストの傾向などを振り返ると主に女性ファンの多いジャンルで使用され続けてきていることがわかる。
だが例外的に、アニメ版「アイドルマスターシンデレラガールズ」のファン層の中では、男性が多いと推定されるにも関わらずこの「トゥンク・・・」の知名度がやや高めになっているようだ。これはニコニコ静画およびpixivに2015年1月に投稿された、同アニメの二次創作漫画が影響していると思われる(下記の「関連静画」を参照)。
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関連項目
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