トウホクビジン単語

• 概要
• 地方競馬平地開催全場出走達成
• 過密ローテーションの理由
• 血統表
• 関連動画
• 関連項目
• 脚注
• 掲示板

トウホクビジンとは、2006年生まれの日本の元競走馬である。牝・鹿毛。

2008年9月デビューから2015年1月9日の白銀争覇までなんと163戦も（一度だけ3ヵ月放牧しただけで）走り続けた。交流重賞にしょっちゅう名を連ねて常に大敗するが時々地方重賞を制覇、そして一度だけJpnIIIで3着するなどしてただ走るだけのレースも多い中で実績もしっかりと残したまさに無事之名馬である。主な成績は2009年若草賞、岐阜金賞、2012年姫路チャレンジC、絆カップ、2013年シアンモア記念の地方重賞5勝。他に2010年クイーン賞(JpnIII)3着など。

概要

トウホクビジンは父スマートボーイ、母ミリョクという地味な血統。デビューは2008年9月の盛岡競馬。この当時はホースケアではなく生産者のグランド牧場が馬主だったが、12月にホースケアに馬主が変わったことで運命が大きく変わる。1月に笠松競馬に移籍してから過密ローテが始まった。どれぐらい過密かというと……

• 基本的に月2走か月3走、時には月4走もする。
• 地方交流重賞、交流グレードも北海道だろうが九州だろうがG1だろうが関係なく出られるなら出る。
• 連闘は当たり前、時には中4日で出走。
• グランダム・ジャパン2010,2011(地方牝馬重賞のシリーズ)は出走できないトゥインクルレディー賞(南関東の牝馬のみのレース)を除き皆勤賞。

などなど予後不良になってもおかしくないすさまじいローテーションで走り続けてきた。2008年7戦2勝、2009年28戦4勝、2010年29戦1勝、2011年24戦2勝、2012年20戦2勝(3ヵ月の休養あり)、2013年27戦2勝、2014年27戦0勝といつか予後るのではと心配されたが、2014年末に引退発表、2015年1月9日の白銀争覇では逃げて見せ場を作るも力及ばず6着としたが無事にラストランを終えて引退。引退後はビッグレッドファーム入りし繁殖牝馬になることが発表され、ファンを安堵させた。

地方競馬平地開催全場出走達成

JRAの馬と違い、地方競馬所属馬は所属場での出走が中心となり、交流関係のある競馬場（笠松の場合は名古屋競馬場）か交流競走くらいしか他場で走るチャンスはない。ところが、トウホクビジンの出走履歴が積み上がった結果、旅打ち馬券師もビックリの19競馬場での出走歴を持つに至り^[1]、平地競走のない帯広競馬場を除いた現在開催する地方競馬全14場出走を2013年の高知競馬場「黒船賞(JpnIII)」への出走で達成した。

※福山競馬場は2013年3月廃止。

特筆すべきはファンにとっても全場制覇の最大の難関である近年では開催すらない姫路競馬場にも出走があることで、たまたま2012年は園田競馬場のナイター設置工事中がすべて姫路競馬場での開催となり、北陸・東海・近畿交流重賞の「園田チャレンジカップ」も姫路開催の「姫路チャレンジカップ」に変更されたため姫路での出走が実現。しかもこのときは勝ってしまった。
余談ながら、これにより姫路競馬場休止前の最後の重賞勝ち馬がトウホクビジンとなり、2020年の再開初日には娘のユノートルベル（父アイルハヴアナザー）が勝利を挙げている。

なお、この馬の現役時代にはほかに旭川、札幌、荒尾の３場も地方競馬を開催していたが旭川はデビュー翌月に廃止、札幌は2010年以降未開催（ただし権利は残存）、荒尾は2011年に廃止されている（荒尾は九州産馬以外での地方交流がなかったため、存続していればこの記録は生まれなかった）。

ちなみに、残る4場はJRAの新潟、中京、京都（2回）、阪神でいずれも2009年の3歳時にJRAに遠征してのもの。これは岩手在籍の2歳時にJRA認定未勝利競走に勝利してJRA認定馬になっており、その権利をフル活用して特別指定交流競走に出走したものである。

過密ローテーションの理由

Wikipediaのホースケアの項目にも書かれているが、基本的に地方競馬は南関東を除き賞金がとても安く、笠松競馬の賞金も1着13万円程度、上位クラスで80万円しかなく(しかも2着以下は20%,10%、4着以下は賞金なしの雀の涙レベル)、勝算の少ない馬で少ない賞金を狙うより、確実に出る出走手当を目当てに多く出走させたほうが儲かるとも言われている。とにかくレースに出しまくるため成績、ローテは酷いことになるし、下級クラスの馬だと二ケタ連闘もざらにある。

またトウホクビジンに限らず多くの勝てそうもない地方馬は絶対届かないような後方からレースを進めて、最後展開が向けば掲示板までいくこともあるが基本的に着外。わざとなのか実力なのかは馬によるが、そのような走りのほうが負担の少ないらしい（勝てそうなレースだと好位にレースを進めることもある）。

当然予後不良の馬も出るし、エレーヌのような悲劇もあるし、敢闘精神のないレースぶりに批判も多いが、ビジネスとしては成功しており、また地方競馬にとっても馬不足の問題も少なくなりこのようなスタイルの馬主は現在の地方競馬にとって切っても切り離せない存在となっている。ファンにとっては批判的な意見が多いが複雑な問題である。

血統表

クロス：Northern Dancer 4×4×5、Ribot 4×5

繁殖牝馬として　

繁殖牝馬としては地味な血統が幸いして、逆にサンデー系などの流行の血統の配合に困らなかった。

二番目の子、マイネルコロンブス(父ゴールドシップ)が2020年に中央での勝利を挙げ、準オープンまで進んでいる。

2021年6月10日死亡(15歳没)。産駒は5頭(うち3頭は父ゴールドシップ)いる。

関連動画

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• 地方競馬
• 笠松競馬

脚注

1. *日本記録はスノーエンデバーの20競馬場出走

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