トカゲとは、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目に属する生物の総称である。
概要
一口にトカゲと言ってもその種数は多く、生態も様々である。
一般的に全てのトカゲが変温動物であるとされるが、コモドオオトカゲは恒温動物に似た体機能を備えているのではないか、といった意見もある。
特徴ごとに大きく分けてみると、次のように区分できる。
(細分化するとあまりに多すぎるため、ポピュラーな科を取り上げて記載する)
スキンク(トカゲ)科
ニホントカゲ、アオジタトカゲ、サンドフィッシュスキンクなどを含むグループ。
一部例外はあるものの、全体的にツルツルとした質感をしている。
日本にはニホントカゲ、オカダトカゲ、キシノウエトカゲ等が生息する。
おそらく日本人の思い描く最も一般的なトカゲの姿はこの科のものだろう。
食性は動物食のものが多く、昆虫や小動物を食す。ただし、オマキトカゲを含む数種は植物食性。
ニホントカゲの場合だが、敵に発見されると一目散に物陰や土中に逃げ込もうとする。
比較的臆病な種類が多いように見受けられる。
カナヘビ科
ニホンカナヘビ、ホウセキカナヘビ、カナリアカナヘビなどを含むグループ。
日本にはニホンカナヘビ、アオカナヘビ、コモチカナヘビ等が生息する。
名前の由来は不明だそうだが、一説には、愛らしい蛇と書いてカナヘビと読ませたとか何とか。
スキンク科とは異なり、体表はざらざらとしている。
これもニホンカナヘビの場合だが、敵から逃げるときは、走っては止まり、また走っては止まるといった具合に
こちらの様子をうかがいながら草影などに潜むことが多い。それってむしろ捕まりやすいんじゃ・・・
イグアナ科(タテガミトカゲ科)
グリーンイグアナ、バシリスク、ツノトカゲなどを含むグループ。
かなり大規模なグループであり、巨大なグリーンイグアナから小型のツノトカゲまで様々な種が属している。
食性は動物食から植物食まで幅広い、海藻を食べる種類までいる。
中~大型の種類になると、科名の通り背中に立派なタテガミが見られる場合が多い。
ペットとしては後述のアガマ科と並んで人気の高い種類であり、特にグリーンイグアナは人によく慣れるので
世界中で飼育されている。ただし、2m近い巨体を持つため扱いには注意が必要。
アガマ科(キノボリトカゲ科)
フトアゴヒゲトカゲ、エリマキトカゲ、トゲオアガマなどを含むグループ。
南北アメリカ大陸を除く世界中に分布。日本には沖縄周辺にキノボリトカゲが生息する。
新大陸のイグアナと似たようなニッチを獲得しており、体構造も似通っている。
これは収斂進化によるものであると推測されている。
ニコニコ動画では、オーストラリア原産のフトアゴヒゲトカゲが特に有名だろう。
イグアナと並びペットとして人気のある種類であり、フトアゴヒゲトカゲはその飼育のしやすさと可愛さから、
オオトカゲ科
ハナブトオオトカゲ、コモドオオトカゲ、ヒメオオトカゲなどを含むグループ。
最大種はコモドオオトカゲ(3m前後)
全長ではハナブトオオトカゲが最大ではあるが、4mという計測記録が残っていないこと、細身なトカゲであり、
もし同体長で測定した場合はコモドオオトカゲの方が体重が重くなるため、最大種はコモドオオトカゲとされる。
食性はほぼ完全な肉食であり、昆虫、哺乳類、小動物など様々なものを捕食する。
科名が示すように、現在生息する全トカゲの中でもずば抜けて巨大になるグループである。
・・・のだが、ドワーフモニターと呼ばれるグループがあり、その中でもヒメオオトカゲなどは体長20cmほどにしかならない。かわいい。
舌先がヘビと同じく二股に分かれており、チロチロと出し入れして匂いを嗅ぐ。
もちろんペットとして人気であり、ミズオオトカゲなどは名前を呼ぶと寄ってくるほどには頭が良いそうだ。かわいい。
近年、コモドオオトカゲやレースモニター等が毒腺を持ち、単為生殖をするなどといった発見が相次いでいる。
過去には体長10mにもなるオオトカゲ「メガラニア」が存在しており、今もなおオセアニアのどこかで生き残っているのではと噂されている。
カメレオン科
エボシカメレオン、ナマクワカメレオン、コノハカメレオンなどを含むグループ
食性は動物食だが、エボシカメレオンなどは時たま植物も口にする。
前述の通りアガマ科に近しい種類である。
アガマ科がより樹上へ適応しようとして進化した結果がカメレオンなのかもしれない。
脚先がVの字型になっており、これで枝を握って歩く。またほとんどの種が尻尾を枝に巻きつけることで体を支える。
さらに、ほぼ全方位を見渡せるよう左右独立して動く目も樹上への適応が生み出したものである。
野生下では樹上で滴る水を飲むからか、飼育下では動きのある水しか飲まない種類が多い。
さらに、カメレオンと言えば変色能力と舌を使った捕食行動が有名である。
しかし、変色は何もカメレオンだけの専売特許ではない。トカゲには自身の体色を変化させられる者など数多く存在している。また、フィクション作品のように光学迷彩のごとく変色できるわけではない。そのような変色能力のある生物などイカぐらいなものである。
舌は口の中にルーズソックスのようにしまわれており、骨と筋肉の力で伸ばして捕食する。
舌先に粘性があり、さらに獲物を掴めるような構造になっている。
よくある間違いだが、舌は口内でくるくると丸まっているワケではない。
ほとんどが樹上で生活する一方、砂漠に進出したナマクワカメレオンという種類がいる。
樹上生活に特化した体を持ちながら、何故木の無い砂漠へ進出したのか。研究結果に期待したい。
ヤモリ科
ニホンヤモリ、オウカンミカドヤモリ、トッケイなどを含むグループ。イモリじゃないよ。
ヤモリも大きく見ればトカゲの仲間であり、トカゲ亜目に含まれる。
食性は動物食であり、昆虫や小動物を食す。動物質とともに果物などを食べる種類もいる。
バクチヤモリやマツカサヤモリと言った例外はあれど、全体的にウロコが少なく、すべすべモチモチした質感である。
樹上性の種には、脚に指下板と呼ばれるものが発達しており、これを目に見えないような凹凸に引っかけることでガラス面などもスイスイ登ってゆく。リアルスパイダーマン(この場合ゲッコーマンであるが)。
(ファンデルワールス力がどうとかこうとか、長くなるので割愛)
また、目に瞼が無く、代わりに瞼が変化した透明なウロコで覆われている。
眼球が汚れた場合は、舌で舐めて綺麗にする。
その他
他にもテュー科、トカゲモドキ科、ヨロイトカゲ科、などさまざま存在するが、全て書き起こすと記事が大変なことになるため割愛させていただく。
関連動画
関連項目
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