トマゾ・ジョバンニ・アルビノーニ(1671~1751)とは、バロック時代に活躍した作曲家である。
概要
音楽史的にはアルカンジェロ・コレッリやアントニオ・ヴィヴァルディに肩を並べていたバロック時代のイタリアの代表的な作曲家だが、一般的には本人とはほとんど無関係のアルビノーニのアダージョのみが極めて有名である。
音楽家よりも貴族の知り合いの方が多かったような裕福な商人の家庭に生まれた。長男坊であった彼は食っていくためではなく、純粋に自身の快楽のために音楽を作ったようだ。1694年に『3声のソナタ集』を作曲したのを皮切りに、オペラを55曲、コンチェルトを59曲書いたような多作家となった。なお、コンチェルトを常に3楽章という形式で書いた最初の作曲家が彼とされる。
多作家でありつつも、個性的だった彼の音楽は人気があり、ヨハン・ゼバスティアン・バッハも教材として用いたほどである。オペラ歌手のマルゲリータ・ライモンディと結ばれた彼の人生は一点の曇りもなく、1741年に『アルタメーネ』で筆をおくこととなった。
しかし、第二次世界大戦後に彼の『アダージョ』と称する作品がレモ・ジャゾットによって破壊されたドレスデンの図書館から発掘され、トリオ・ソナタの断片からレモ・ジャゾットによって弦楽合奏とオルガン用に編曲されたこの『アダージョ』のみしか、今では演奏されることが無くなってしまった。しかもこの曲は、結局レモ・ジャゾット自身の作曲したものであったことが発覚してしまい、完全な偽作なためほとんどアルビノーニ本人とは無関係だったりする。
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