トマ・ピケティ(Thomas Piketty,1971年~)とは、フランスの経済学者である。
概要
経済的不平等についての専門家であり、資本主義と格差拡大の関係について論証した「21世紀の資本」で一躍世界から注目を集めた。
「21世紀の資本」は2013年にフランスで公刊され、2014年4月に英訳版が発売されるとAmazon.comの書籍売上総合1位を獲得、発売後半年で50万部のベストセラーとなるなど大ヒットした。 日本でも翻訳版がみすず書房から2014年12月に発売された。700ページ以上の経済書であるにもかかわらず10万部以上のヒットとなっている。
リベラル派で知られるポール・クルーグマンは、本書を「この10年間で最も重要な経済書」であると評価している。一方、ローレンス・サマーズは本書を株式市場への信任という立場から批判している。
アベノミクスには懐疑的な立場をとっており、アベノミクスのトリクルダウン理論について上手くいく保証はないと述べている。(ちなみにクルーグマンはアベノミクスについても評価している。経済においてアメリカと日本の「リベラル」は多少考え方が異なる。)
日本でも様々な解説本、要約本が出版されているが、ピケティの意図しないところで、右派、左派それぞれの立場から正当化、または批判の材料ともなっている。
ちなみに「21世紀の資本」というタイトルはカール・マルクスの「資本論」を思い起こさせるが、本人は「マルクスは一度もきちんと読んだことがない」と語っている。
「21世紀の資本」においての主張
長期的にみると、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも常に大きい。(r>g)
つまり、資産によって得られる富は、労働によって得られる富よりも大きい。
その結果、富の集中が起こり、持てる者(富裕層)と持たざる者(貧困層)の格差は徐々に広がっていく。
1930年代~70年代の格差縮小は世界恐慌や戦争による一時的現象であった。
不平等を是正するためには富裕層の所得や資産に対する累進課税を強化すべきである。
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