トヨタ・カリーナとは、トヨタ自動車が1970年~2001年に生産をしていた小型乗用車である。
概要
車名の由来は、英語で「りゅうこつ座」の意味。初代から三代目までは、セリカとシャーシを共有をしていたので、 スポーティーなファミリーカーという存在であった。三代目以後は、コロナとシャーシを共用をするようになり、 四代目以後は姉妹車となる。コロナと同クラスのミドルセダンとして、またカリーナを取り扱うトヨタ店では、同店最小のモデルとしてクラウンユーザーのセカンドカーとしての役割も担っていた。基本は4ドアセダンであるが、初代から三代目モデルまでは、2ドアや3ドアのモデルも存在をしていた。初代から三代目と五代目にはライトバンとステーションワゴン仕様もあった。
駆動方式は、初代から三代目まではFRで四代目以後がFF駆動となる。1988年に登場をした五代目モデルからは4WD仕様も登場をしている。
初代・A10系&A30系(1970年~1977年)
1970年に登場。当初は4ドアセダンと2ドアセダンの二種類が用意をされ、独特のスタイリングで大人気モデルとなり、
当時では異例のモデルサイクルが7年と比較的長期間販売されていた。エンジンはガソリンの1400ccのみであった。
1971年に2ドアセダンにセリカと同じ1600ccのスポーツエンジンを追加。この時から「走りのカリーナ」の
イメージが付くようになる。
1972年にマイナーチェンジ。その後すぐに2ドアハードトップも登場するようになる。同時期には4ドアにもスポーツ
エンジン搭載車が登場する。
1974年にマイナーチェンジ。今までは4ドアセダンと2ドアハードトップのフロントデザインは別物であったが、
このマイナーでは2ドアハードトップと同じ形状に統一される。また2000ccエンジン搭載車も登場。
1975年に排ガス規制によるマイナーチェンジで形式がA30系となる。エンジンも1400ccが廃止となり、代わりに
1800ccエンジンが搭載される。同年には5ドアのライトバン仕様も登場。
イメージキャラクターには、俳優・千葉真一を起用。長期に渡ってイメージキャラクターを勤めたことにより、
カリーナ=千葉真一のイメージが強烈となった。
二代目・A40系(1977年~1981年)
1977年に初のモデルチェンジ。スタイルも大ヒットをした先代のイメージを残したデザインとなる。
エンジンとボディの種類は従来通りだが、廉価版の1400cc車が復活。
1978年にスポーツグレードとバン以外に1600ccエンジン車に3速AT仕様も追加される。衝撃吸収ウレタンバンパーも
メーカーオプションで設定される。
1979年に特別仕様車を登場。4ドアが「マイライフ」、2ドアクーペが「マイロード」が登場。この「マイロード」の
名称は、歴代カリーナの特別仕様車の名称として定番化をするようになる。
同年にマイナーチェンジ。ヘッドライトが従来の丸目から角目となる。リアデザインも変更され1800ccのATが3速から
4速化がされる。またバンも1400ccが廃止されたが、その代わりAT仕様も登場する。
イメージキャラクターも先代同様、俳優・千葉真一を起用。これもまた千葉真一=カリーナの印象が強くなる。
三代目・A60系(1981年~1988年)
1981年にモデルチェンジ。シャーシもコロナと共有化がされた。FR駆動では最後のモデルとなる。エンジンはガソリンの1500cc、1800cc、2000cc、スポーツエンジンの1600ccが用意されていた。スタイリングも後に登場をするコロナと同様に直線的なデザインとなる。
1982年に5ドアステーションワゴンの「サーフ」が登場。同時に初のディーゼルの1800ccエンジン搭載車も追加される。同年には、日本初のDOHCガソリンターボエンジン車を追加。排気量は1800ccであった。この時2000ccのスポーツグレードが廃止となる。
1983年にマイナーチェンジ。前後デザインが変更をされる。また当時認可されたばかりのドアミラー仕様も選択可能と
なった。後にバンもマイナーチェンジをし、ガソリンの1600ccから1500ccに変更された。
1984年にFF駆動のT150系が登場。そのため4ドアセダンのバリエーションが整理をされた。上級グレードには、カラードの樹脂バンパーが追加される。
1985年さらにバリエーションの整理が行われ、1600ccのスポーツグレードがFF化をされT160系として移行。セダンは1500ccと1800ccのみとなり、2ドアクーペも廃止される。クーペの後継車種が4ドアハードトップの「ED」となる。
イメージキャラクターには引き続き、千葉真一を起用をしていたが、途中で女優・岸本加世子も登場している。
四代目・T150系&T160系(1984年~1988年)
1984年に登場。当時のトヨタではすでに存在をしている小型車をFF駆動化を移行させている時期であったために、
FRとFFの併売を行っていたが、カリーナも例外ではない。4ドアセダンのみのラインアップでバンとサーフは従来
通りであった。
エンジンは新開発のガソリンの1500cc、1800cc、ガソリンでも日本初のリーンバーンエンジンの1600ccも登場を
している。またディーゼルも2000ccと排気量をアップさせている。
1985年にスポーツモデルが登場。1600ccと2000ccとなり、形式も専用のT160系となる。
FF化をされたモデルでも、千葉真一と岸本加世子のコンビが起用された。この代でこのコンビは終了をした。
五代目・T170系(1988年~1992年)
1988年にモデルチェンジ。この代で駆動方式がすべてFF化に移行をし、サーフとバンもFF駆動化がされる。スタイリングも丸みを帯びたデザインとなる。エンジンはセダンとサーフがガソリンの1500cc、1600cc、1800cc、2000ccとディーゼルの2000ccがセダンのみ用意され、バンは、1500ccガソリンと2000ccディーゼルとなる。
1988年に初の4WD車が登場。エンジンはガソリンの1600ccの専用となる。
1989年にスポーツモデルがパワーアップ化がなされる。同年には4ドアハードトップのEDが二代目に移行。
1990年にマイナーチェンジ。前後デザインがバンを除き変更をされ、ガソリンエンジン車がすべて、電子制御噴射の
EFI化がされ、パワーアップがされる。サーフに2000ccのディーゼル車も登場。運転席エアバッグがメーカーオプションで選択可能となった。
1992年にワゴン&バン仕様は廃止され、カルディナが後継となる。
イメージキャラクターには、当初女優・松本孝美、俳優・瀬川博が夫婦役の設定として登場をしていたが、1990年のマイナーチェンジでは、女優・山口智子、俳優・富家規政を起用。これも夫婦役の設定となる。
六代目・T190系(1992年~1996年)
1992年にモデルチェンジ。ボディも大型化をされ、ますます曲線が強いデザインとなる。またワゴン&バンがカルディナ
に移行をしたために、4ドアセダンのみとなる。
六代目のみスポーツモデルが存在しない。(正確には「S-Limited」というスポーティグレードは設定されていたものの、エンジンは後述の1800ccが搭載されていた)
エンジンは、スポーツエンジン仕様が廃止をされる。そのため、ガソリンが1800cc、1500cc、省燃費仕様の1600cc、ディーゼルの2000ccとなる。4WD仕様はガソリンの2000ccにパワーアップ化がされる。
1993年にEDもモデルチェンジ。3ナンバーボディとなり別モデルとなる。1998年で生産終了となる。
1994年にマイナーチェンジ。1800cc省燃費仕様のタイプとなる。またディーゼルもターボが装着されてパワーアップが
なされる。
キャッチコピーは「丘の上のカリーナ」とかなりおとなしい感じとなる。前期型のみ女優・富田靖子を起用。
前期型のCMソングにサザンオールスターズの曲『君だけに夢をもう一度』が起用された。
七代目・T210系(1996年~2001年)
1996年にモデルチェンジ。この代も4ドアセダンのみとなる。先代モデルとは一転して、直線的なデザインとなる。
コロナと共に衝撃安全ボディや安全装備が標準装備化がされる。またスポーツモデルも復活。1600ccのエンジンを搭載をし、コロナよりも若々しさをアピール。通常のエンジンは先代モデル同様である。
翌年には特別仕様車「マイロード」シリーズを追加、GTには唯一の特別仕様車「GTピエルナ」が追加された。
1998年にマイナーチェンジ。
外装/内装デザインの各所が変更され、全モデルにセンターシートヘッドレストが標準化された。
1600ccのマニュアルミッションが5速から6速に変更をし、走りの性能をアップさせた。
またディーゼルエンジンも2000ccから2200ccに変更される。
従来モデルでは数ヵ月後に追加されていた特別仕様車「マイロード」が、このモデルではマイナーチェンジと同時に設定されている。
2001年1月には特別仕様車「マイロード "プレミアム21"」シリーズが追加された。
このモデルはマイロードをベースにドアハンドルのメッキ化、オーディオ/ナビの標準化などが行われたモデルであった。
(余談ではあるが、1.8Siマイロード "プレミアム21"の場合、ベースモデルには標準で装着されているフォグランプが省略されている。)
2001年12月販売終了。実に七代31年の歴史に幕を下ろした。後継はアリオンとなる。
イメージキャラクターには、前期型のみ俳優・役所広司、女優・中村久美を起用し、キャッチコピーも「アイ・ラヴ・ラン」
210系についての余談
AT190系ではリーンバーンエンジンの採用を大々的に宣伝していたが、AT210系でもリーンバーンエンジンが採用されていた。
実際の筆者の経験として、後期型のAT211は燃費性能がライバル車よりも優れていたように思われる。
筆者が実際に所有していたのはリーンバーンエンジン(7A-FE)搭載の1.8Siマイロード(オートマ車)であったが、カタログ値での平均燃費(10・15モード)が15.6km/Lであったのだが、これは1.5リッターモデルよりも高い数値であった。(1.5Tiマイロードのオートマ車の10・15モード燃費が14.0km/L)
実際の保有期間の平均燃費は10~11km/L前後と高水準で推移していた。恐らく実際の値でも1.5リッターモデルよりも低燃費であったと思われる。(ただし税金面で若干不利になるので、実際に保有する上では1.5リッターのほうが維持費面で有利かもしれない)
保有する上で、ランニングコストの安さも魅力のひとつである。
実際に筆者は約1年半ほど保有していたが、大きな故障で入庫とすることなく、定期的な整備を行うだけで乗り続けることができた。
よって、日常生活での足としては最高の車であるといえる。
「オッサンしか乗ってない車」ということを気にする以外で不満もなく、先の点を気にしなければ学生でも長くしっかり乗れる車である、と思う。(GT系を除く)
関連動画
関連商品
関連項目
- トヨタ自動車
- トヨタ・セリカ(初代から三代目まではシャーシを共用)
- トヨタ・コロナ(三代目から七代目までシャーシを共用)
- トヨタ・カリーナED(派生車種)
- トヨタ・アリオン(後継車種)
- トヨタ自動車の車種一覧
- 0
- 0pt