トヨタ・カローラとは、トヨタ自動車が1966年より製造・販売しているスタンダードクラスの乗用車。日本仕様は11代目まではコンパクトセダンに分類されていたが、2019年8月に登場した12代目より3ナンバーサイズのミドルクラスへ移行した。世界中で大衆車=カローラと言われる程の定番の乗用車である。
概要
車名である「カローラ」の由来はラテン語で「花冠(花で作った冠(初春飾利が頭にかぶってるアレを想像してくれれば差し支えない)・若しくは花弁の集合体)」を意味。その時代毎の基準から見て常に手堅く中庸な設計を用いつつ、ユーザーの上位志向に応えた装備類の充実、派生モデルの開発などで、日本国内市場、輸出市場の両面で成功を収めた。
販売に関しては現在は全チャネル販売となっているが、かつてはカローラ店専売であった。
海外では本来の発音である「コローラ」、あるいは「コロラ」と言われる。
初代・E10系(1966年~1970年)
1966年に登場。当初は1100ccの排気量で2ドア&4ドアセダンのラインアップで登場。開発陣のトップである主査の長谷川龍雄は、機能主義に徹したパブリカが商業的に成功を収められなかったことへの反省から、大衆ユーザーの上位志向に応じた「デラックス感」のある内外装を備えつつ、高速道路整備進展に伴う、十分な高速巡航性能を備える小型大衆車の開発を目論んだ。この開発で、様々な面での評価において一定以上の水準を満たし、トータルでの高い完成度を追求する「80点主義」が標榜されたことは有名である。これがトヨタの車造りの基本となる。
1968年のマイナーチェンジで2ドアクーペの「カローラ・スプリンター」が登場し、新たに販売会社のトヨタ・オート店(現・ネッツ店)が開設される。なお、2代目以後は姉妹車・スプリンターに分離するようになり、2000年まで存在するようになる。
1969年に排気量を100ccアップして1200ccとなる。
当初のイメージキャラクターは俳優・竜雷太。竜はこのギャラでクラウンを買ったという逸話が残っている。
2代目・E20系(1970年~1974年)
1970年5月に登場。当初は1200ccのみだったが、同年9月に1400cc搭載車が登場。1972年にはスポーツカーセリカの1600ccのエンジンを搭載した稲妻の名前を持つ「レビン」が登場する。ライトバンは1977年まで生産されている。
1972年のマイナーチェンジでイメージキャラクターを歌手・マイク真木と女優・前田美波里が担当するようになり、キャッチコピーも「ちょっとうれしいカローラ」となる。イメージソングの『ちょっとうれしいカローラ』は、作詞・阿久悠、作曲・小林亜星の作品でもある。
3代目・E30・E50系(1974年~1979年)
1974年4月に登場。時は第一次オイルショックで自動車のモデルチェンジが議論されていたため、旧型を「にーまる」として併売しこの新型は「さんまる」として売り出される。歴代のカローラの中で一番のバリエーション数を持ち、30系が最多販売の記録を持っている。1975年に一度レビンの生産が中止される。
1977年1月にマイナーチェンジ。このマイナーチェンジの時点で形式がE50系となる。これは当時世界で一番厳しい排ガス規制である昭和51年排出ガス規制適合をするために形式が変わったため。レビンも電子制御化をされて復活をする。
4代目・E70系(1979年~1983年・バン1987年まで)
1979年3月に登場。歴代最後のFR駆動方式となる。エンジンも現在でも主力となる1500ccが登場したり、現在の売れ筋モデルである、ステーションワゴンもこの型から登場するようになる。1979年8月には1800ccも登場するが1981年のマイナーチェンジで廃止される。
1982年2月に1800ccのディーゼル車が登場。同時に2ドア&4ドアセダン、2ドアハードトップに1600ccエンジン搭載のGTモデルが登場する。
1983年にセダンとクーペの販売が終了。1987年までワゴンとバンは細々と改良を続けながら販売されている。レビンと共にカローラシリーズでは最後までFR駆動であったため、ハチロクほどではないがドリ車ベースになる事も多かったらしい。
イメージキャラクターは当初は先代でイメージキャラクターだったジェリー藤尾一家が担当し、末期は俳優・伊武雅刀が担当した。
5代目・E80系(1983年~1987年)
1983年5月に登場。2ドア&3ドアクーペ以外は、駆動方式がFF化される。この型より売れ筋モデルはドアミラー化をされる。このクーペモデルが通称・ハチゴー&ハチロクと言われるモデルである。新開発の4A-GEエンジンを搭載したモデルがハチロクとなる。また、3ドアor5ドアハッチバックのFXもこの型から登場する。この他、5ドアリフトバックが設定されるなど、非常にバラエティにに富んだモデルとなっていた。
1985年5月にマイナーチェンジ。前期型からユーザーや販売会社に指摘されていた「上級感不足」を補ったモデルとなった。
駆動方式がFFアピール&若々しさを強調するために、モデル末期までタレント・郷ひろみがイメージキャラクターを勤めるようになる。また、漫談家・林家ぺーも郷ひろみに憧れてカローラをこの型から現行モデルまで乗り継いでいるのは有名。カローラの著名人ユーザーでもある。
6代目・E90系(1987年~1991年)
1987年5月にモデルチェンジ。この型ですべてのモデルでFF駆動化が完了する。先代にあった5ドアリフトバックはこの代では設定されなかった。
上級グレードには上級クラスのクラウンやマークⅡに匹敵するほどの内外装の質感と同装備を持たせた。当時、人気だったハイソカーの潮流を取り入れたワインレッドの内装やホワイトの塗装が割合に見られた。なお、エアコンはオプション扱いだったがw
同年8月にワゴン&バンをモデルチェンジ、同年10月にはシリーズ初の4WD仕様車が登場する。
1989年5月にマイナーチェンジ。ディーゼルエンジン+4WDの組み合わせもミッションが5速マニュアルだけだが登場する。同時にガソリンエンジン車は全車電子制御化を果たす。
タイではそのフロントマスクからドラえもんカローラのあだ名で知られている。
7代目・E100系(1991年~1995年・ワゴン2000年・バン2002年まで)
1991年5月にモデルチェンジ。ワゴン&バンは同年9月にモデルチェンジ。この型は開発時期が丁度バブル絶頂期のため惜しみなく開発費が投じられた車種でもあるため、内外装の質感、品質ともに歴代トップクラスの実力を持つ。最上級グレードにはなんと、クラス初の運転席パワーシートが標準装備化をされ、中間グレードから最上級グレードまでエアコンが標準装備となったが、いざ売り出してみると「高いカローラ」と言われて売り上げが落ちてしまった。ちなみに上級グレードは当初はSE‐Lの名称を使っていたが、その当時のメルセデス・ベンツのグレードと被ったことによるクレームによってSE-Limitedの名称となった。
1992年5月には、4ドアハードトップのセレスと3ドアハッチバックのみとなったFX(海外仕様のみ5ドアが存在した)が登場。セレスの車高の低いスタイルは当時人気だった時代のためすごく人気があったが、90年代後半になるとRVブームの到来とともに乗用車にも居住性重視のニーズが高まってきたことから次第に販売が低迷し、1998年に生産は中止となり、わずか一代のみのモデルであった。
1993年5月のマイナーチェンジでコストダウンをして、パワーシートの設定は廃止された。1995年にセダンとレビンの生産は終了して、ワゴン&バンはマイナーチェンジと同時にワゴンモデルに4WD仕様車とディーゼル車を投入して継続販売されていたが、次のE110系が安っぽくなっていたのとステーションワゴン人気で、ワゴンが人気モデルとなり売り上げの半分を稼ぐようになる。その当時の自動車雑誌において先代モデルベースとなったカローラワゴンのセールスポイントを挙げる際にはその質感の高さを第一に挙げるケースがあちこちで散見されるほどであった。1996年にはワゴンにスポーツエンジンの4A-GE型を搭載したモデルが登場する。1997年にワゴンはビッグマイナーチェンジを実施、ホットモデルであったBZツーリングはMTが6速となり、その当時のトレンドであったツーリングワゴン人気にあやかり「カロゴン」のあだ名を引っ提げ、2000年まで販売。バンは2002年まで販売されていた。
当初はイメージキャラクターはいなかったが、イメージソングはさだまさしが担当。マイナーチェンジ後に女優・東ちずると俳優・イッセー尾形が登場する。1995年のワゴンモデルのマイナーチェンジ型では、タレント・永作博美が担当し、1996年にはサッカー選手のストイコビッチ選手と永作博美が担当し、1997年にはタレント・篠原ともえとユーススケサンタマリアが担当するようになる。
8代目・E110系(1995年~2000年)
1995年5月にモデルチェンジ。先代から一転大衆車らしい質素な面立ちで登場する。前後バンパーも一部が樹脂むき出しの無塗装バンパーとなるが、逆にユーザーからは「安っぽい」と叩かれて売り上げも落ちる。1996年5月に樹脂むき出しの部分が塗装されるようになるが、安っぽさは否めなかった。この時よりFXは廃止となったが、ヨーロッパ仕様はモデルチェンジして2001年まで生産されていた。
1997年4月にビックマイナーチェンジが行われる。フロントとリア、そして内装にいたるまでモデルチェンジ級の変更となり、先代の100系並みの質感を取り戻すようになる。またバリエーションとして、カローラ初のミニバン・スパシオが登場する。セダンに4A-GEエンジンを搭載し、同時にレビン、継続生産していたワゴン、セレスの4A-GE搭載車のMT車は5速から6速化をする。
1998年4月の一部改良で、ディーゼルエンジンが2000ccから2200ccとなり、1300cc車のMT車も4速から5速化をされる。
イメージキャラクターは当初、『刑事コロンボ』で主人公・コロンボ警部補役の俳優・ピーター・フォークを起用。日本語の吹き替えを担当したのが声優・銀河万丈であった。後期型は作家・藤本義一が担当した。スパシオは、ナレーションを漫才コンビ・爆笑問題が担当をしていた。
9代目・E120系(2000年~2006年)
2000年8月にモデルチェンジ。エンジンからシャーシまですべて一新をする。「過去の大衆車枠から脱却した」新時代のカローラを宣言すべくNew Century Valueというコンセプトを掲げた。 この代で、姉妹車のスプリンター、クーペモデルのレビンが廃止される。バンはE100系を2002年まで継続生産されて、後継車のプロボックスになる。ワゴンの名称がツーリングワゴンから、フィールダーと名称となる。この型からE70系以来のガソリンの1800ccモデルが登場。
2001年5月にはレビンの後継として、5ドアハッチバックのランクスが設定される。2001年5月にスパシオもモデルチェンジをする。
2002年のマイナーチェンジでは排ガス規制をクリアをする。この時最上級モデルには、E100系以来のパワーシートが標準装備化された。
2004年の2度目のマイナーチェンジでは前部が直線的な、少々角ばった形となる。メーター周りの形状もスピードメーターをメインに据えたものから、タコメーターとスピードメーターの大きさが等しいコンサバティブな形状となった。また、このモデルでディーゼルエンジン車は廃止される。
イメージキャラクターは当初はビートたけしが担当し、後にフィールダーを前面に押し出す形で木村拓哉が担当するようになる。スパシオは当初、歌手・森高千里が担当していた。ランクスは前期型がプロデューサー・つんくが、後期型は女優・柴崎コウが担当した。
10代目・E140系(2006年~2012年)
2006年10月にモデルチェンジ。スパシオとランクスが廃止され、後継車種としてそれぞれカローラルミオン・オーリス/ブレイドが発売される。後継車種は全幅が拡大された3ナンバー車となり、特にカローラルミオンはカローラシリーズ唯一の3ナンバー車として販売されることとなった。また、セダンの名称もアクシオと名づけられた。アクシオの意味は「品質」「価値」を意味するギリシア語の「AXIA(アクシア)」に由来する。 エンジンも1800ccと1500ccの2種類となった。
アクシオには現在トヨタ車で見られるディスプレイオーディオに似たオーディオ機能・バックモニター付き液晶ディスプレイの標準装備化がされた。ATもカローラシリーズで初のCVTが全グレードに採用。1500cc車にはMT仕様も存在する。
セダン及びワゴンタイプのカローラフィールダーのボディサイズは9代目後期型の時点で全長4,410mm×全幅1,695mmとミドルセダンの下限値に達してしまい、大衆小型車と言うには限界と言えるサイズにまで大きくなっていたことから、日本国内仕様はキープコンセプトとされ、全長・全幅とも9代目後期型と同じ寸法に据え置かれている。一方海外仕様はサイズがさらに拡大され、日本では3ナンバーに当たるボディサイズのものが輸出されている。
2008年10月マイナーチェンジ。装備も一部削られバックモニターが最上級グレードに標準で後はオプション化がされ、7万円ほど価格が安くなった。
なお、130系が無いのは2002年~2004年まで日本で発売されていた、トヨタとGMが共同開発した車種・ヴォルツ(アメリカ名・マトリックス)で130系の形式を使用したため。
イメージキャラクターはアクシオにのみ、明石家さんまと女優・浅田美代子が。フィールダーは120系に引き続き木村拓哉を起用していた。2008年のマイナーチェンジ版のアクシオのみのイメージキャラクターはファッションデザイナー・山本寛斎、女優・未來親子が担当している。フィールダーは前期型と同じである。
2009年2月に廉価グレード「1・5X」のFFの5速マニュアル車をベースに専用チューニングとターボチャージャーを追加した”カローラアクシオGT”が登場する。カローラシリーズ初のターボエンジン装着車となる。8代目・E110系以来のスポーツグレードの復活となった。
2010年4月に一部改良。廉価版で残っていたタイヤサイズが14インチから15インチとなる。また排気系統の改良を施し、燃費向上をした。
なお、海外市場では形式がE150系となるが、特に2010年にアメリカ仕様でのTVCMに初音ミクを起用をし、ネット界隈では話題となった。なお、同時期の日本仕様のTVCMでは、初音ミク起用版をオマージュをし、木村拓哉が出演をしていた。
11代目・E160系(2012年~)
9代目後期型までボディサイズが大きくなる一方であったが、11代目では全長が50mm短くなり4,360mmとなり(全幅は1,695mmのまま据え置き)、カローラ史上初めてダウンサイジングが行われた。
エンジンも1.5lが主力であるものの、1.8lが廃止され、新たに1.3lが追加される。これはサイズが近いベルタが同年6月末日で販売終了となり、E160系カローラが統合後継車種となった影響が関係すると思われる。ちなみに使用されているコンポーネンツはヴィッツのシャーシである。
ボディサイズは小さくなるものの、ホイールベースは2600mmを維持し、室内の広さは先代を凌ぐという。
2013年には海外仕様のE170系が販売開始されたが、こちらは逆にサイズがさらに大きくなった。カローラアクシオと海外仕様カローラの寸法差は全長280mm、全幅85mm差にまで拡がってしまい、もはや別物となってしまっている…いや確かに別物といえば別物であるのだが。海外仕様のカローラを日本人が目にすると、恐らく「かつてのカムリかマークIIくらいの車?」と思ってしまい、それがカローラだと知ると、カローラという名前の先入観からくる車格のイメージとのギャップに驚く人も多いであろう。しかし、見た目は国産仕様よりも海外仕様の方がカッコいい、という声も少なくない。
2013年8月には日本国内仕様にシリーズ初のハイブリッド仕様がセダンのアクシオとワゴンのフィールダーに設定された。ハイブリッドシステム搭載に伴い、車体強化がなされている。イメージキャラクターも再び木村拓哉が起用された。
2015年、マイナーチェンジ。安全装備の向上やフロントの形状変更などが行われる。これに伴い車体寸法が再び若干大きくなり、全長は4,400mmとなった。エンジンは2WDのCVT車は新開発の2NR-FKE型エンジンを搭載、アイドリングストップ機構とアトキンソンサイクルを採用し、低燃費低公害を実現した。
2019年8月のモデルチェンジ後、グレード整理を受けながらもビジネス用途や5ナンバーサイズを支持する層向けに継続生産がおこなわれている。グレードは従来のX相当となるEXグレードのみとなっており、エンジンも1500ccとハイブリッドに絞られた。ギアは5速MTとCVTのみである。
2022年8月一部改良。騒音関係の法規対応であるが、ヘッドライトにLEDを採用、エアコンもナノイーXを装備し、充電用USB端子(Type-C)を採用するなど商品力をあげている。
12代目・E210型(2019年~)
2019年8月にモデルチェンジを実施。TNGAを採用したことで車幅が1700mmを超えて3ナンバーサイズとなった。コンポーネンツはグローバルモデルと合わせながらも日本の道路事情に合わせて全長・ホイールベースや全幅を切り詰めており、全幅は先代アクシオより5cm拡大したが対しドアミラーを展開した際のドアミラーを含めた幅はアクシオと比べて1cmの拡大に留めたことや、最小回転半径も15インチタイヤ装着の場合アクシオと0.1mしか変わらない5.0mという小型車並みの数値に抑えており、従来のユーザーが極力違和感を持たないような専用設計がなされている。なお国内仕様のボディサイズについては、2010年代を代表する大ヒット作となった3代目プリウスを参考にしたとのこと。
エンジンは1200ccターボ・1800ccとハイブリッドが設定され、4WDはハイブリッドのみの設定となっている。ギアは1200ccターボに6速MTが設定されており、それ以外はCVTとなっている。
グレードは最上級グレードのW/B、中間グレードのS。エントリーグレードのG-Xとなっている。それぞれに1800ccとハイブリッドが設定されているが、1200ccターボ+MTはW/Bのみである。これはワゴンモデルも同様である。
なお形式が大きく飛んでいるが…
E170型→11代目と同時期に生産されていた海外仕様カローラ
E180型→2代目トヨタ・オーリス
E190/200型→不明(欠番?)
となっている。
海外仕様のカローラ
日本ではごくごく普通の乗用車であるが、海外では場所によっては若者向けであったり、日本でいうところのマークXやクラウンコンフォートに近い立ち位置となったりする。いずれにせよ、過不足ない質感・性能と高い耐久性で人気を博している。
地域によっては日本ではスプリンターとして売られているモデルがカローラとして販売されているケースがあった。例として、E90型スプリンターカリブは欧米ではカローラとしてラインナップされていた。とりわけ北米では日本のカローラワゴンと並行して、4WDモデルとしてラインナップされていた(当地ではAll-tracの名称)
また、フロントマスクがスプリンターでリアがカローラとなっているモデルをカローラとして販売するケースがあった。
いずれにせよ8代目まではそこまで大きな変化はなかったが、8代目の途中で日本では見られないフロントフェイスとリアデザインが見られるようになり、9代目となった段階で完全にフロントとリアの設計が別物となった。以降は設計が徐々に分化され、11代目に至って完全に別物となった。いずれのモデルも総じて日本仕様よりも大きくなっている。
なお最新の12代目では再びグローバルモデルと共用のコンポーネンツ採用となっている。
E110型(日本における8代目)
北米仕様は日本より2年遅れて1997年に登場している。先代まで存在したステーションワゴンは存在せず、4ドアセダンのみのラインナップである。外観の設計自体が日本仕様と大きく異なっており、一見すればカローラである事を見出だしづらい。
ヨーロッパ仕様は日本仕様と共用しているところは多いが、フロントライトが丸目となっているなど微妙に異なる点が多い。なお、日本でこの丸目をスプリンターカリブに導入し、「スプリンターカリブ・ロッソ」として販売した事もある。また、カローラFX相当のハッチバックもモデルチェンジの上で生産継続されており、またリフトバック5ドアも生産されていた。
アジア地域では日本のモデルチェンジと同じ1995年に登場している。当初は日本と同じモデルでフロントグリルにあるカローラのマークがトヨタのコーポレートマークになっている程度の違いであった。日本のマイナーチェンジと合わせていったが、フロントグリルに若干の変化がみられ、2000年式あたりからヨーロッパやオセアニア仕様のテールランプを取り入れたモデルも存在する。また、この頃よりサブネームの「アルティス」が登場した。
E130型(日本では9代目相当)
2002年に登場。アメリカと東南アジア仕様は日本仕様と大きく異なるフロントフェイスで、全幅も1700mmを超えるため、日本では3ナンバーサイズとなる。北米仕様のモデルでは日本には設定のないセダンモデルの2ZZ-GE型エンジン搭載のモデル(XRSの名称)がある。東南アジアでは税制の絡みか、日本には設定のない1600ccモデルが設定されている。
東南アジアのいくつかの国ではタクシー用のモデルとしての需要が多く、LIMOというタクシー仕様に特化した装備がされたモデルが設定されていた。なお、これらの国ではアルティスのサブネームが設定されており、エンブレムはダイハツ・アルティスのものと同一になっている。
E140/150型(日本では10代目相当)
2006年に登場、イメージとしては日本におけるカローラ・アクシオをよりシャープにしたイメージであり、コンポーネンツの違いで形式に違いが出ている。
北米ではハイスペックモデルとなるXRSグレードに2400ccのエンジンがあり、またコマーシャルに初音ミクを起用するといった具合に若者向けの傾向を強めている。
東南アジア向けは相変わらずアルティスの名称で販売がなされているが、この地域で多く産出されるCNG燃料に対応したモデルが発売されており、また途中よりMTが6速化されている。
E170型(日本では11代目相当)
2013年に登場。アメリカでは先駆けて、デトロイトモーターショーでカローラ・フーリアという名称で登場していた。年々大型化していた車体はついに4640mmとなり、日本におけるトヨタ・アリオンよりも大型のモデルと化していた。
海外モデルは北米仕様を基準とするも、メッキを多様しており、デザインは少々異なっている。東南アジアでは引き続きアルティスの名称であるが、中国仕様ではハイブリッド仕様車の名称として「レビン」と名付けられた。
なお、内装に関してはトヨタ・オーリスのものと概ね同一のものとなっている。
E210型(日本では12代目相当)
2019年に登場。日本仕様とコンポーネンツの多くが共有となりながら、割合に大きさの制約を受けないので日本よりも大型のものとなっている。
トヨタ・教習車
従来、トヨタ・コンフォートが担っていた教習車モデルの新型として2018年に登場した。カローラアクシオをベースとしており、Xグレード相当となっているが、いくつかの点で異なっている。
- カローラの名称では無いため、車名のエンブレムはない
- Xグレードには存在しないタコメーターが設置
- 指導員用の補助ブレーキやミラーと言った教習車専用の架装がある
- フロントグリルはカローラのエンブレムではなく、トヨタのコーポレートマークとなっている
- CVT車のエンジンがMT車と同じ1NZ-FE型(2015年のマイナーチェンジ以前のエンジン)となっている。このため、アイドリングストップ機構がない
といった点が異なっている。全店販売以前におけるディーラーはコンフォートと同じトヨペット店扱いとなっていた。
なお、このモデル以前にも社外の業者が改造扱いで教習車仕様が登場している。
派生車種
カローラと言えば派生車種の多さに定評があるが、日本国内における現行の派生車種は下記の通りになっている。
- カローラツーリング
現行カローラのステーションワゴンモデルであり、売れ筋でもあるが、スタイル重視のシューティングブレークとなっている。このため、3ナンバーボディでありながらカローラフィールダーよりも荷室容量が小さい。ニュージーランド向けにはヨーロッパ向けのフルサイズモデルではなく、ナロー&ショートボディのツーリングが日本より輸出される。 - カローラスポーツ
現行カローラのハッチバックモデルであり、カローラセダンやカローラツーリングが全長や幅を切り詰めているのに対して、こちらは手を加えていない。このため、車幅が1.8m近くなっている。 - カローラクロス
カローラのSUV版であり、パッと見でカローラの派生車種であることを感じさせない。C-HRよりはコンサバでRAV4よりはコンパクトとなっている。国内と国外でフロントデザインが著しく異なっているのが特徴。 - カローラアクシオ
現行カローラの1世代前のモデルであるが、5ナンバーということで営業用であったり、3ナンバー化を嫌う層、MTが設定されていることで根強い支持をもつ。 - カローラフィールダー
カローラツーリングの1世代前に当たるモデルである。こちらも5ナンバーである。カローラツーリング以上の荷室容量があり、プロボックスが4ナンバーである為に初年度車検以降の毎年車検を嫌う層、MTを好む層などアクシオ共々特に法人需要に強固な支持がある。→詳しくはトヨタ・カローラフィールダーを参照
関連動画
関連リンク
関連項目
- トヨタ自動車
- トヨタ・スプリンター(姉妹車)
- トヨタ・カローラFX
- トヨタ・カローラスポーツ
- トヨタ・カローラランクス
- トヨタ・カローラセレス
- トヨタ・スプリンターマリノ
- トヨタ・カローラII
- トヨタ・カローラスパシオ
- トヨタ・カローラフィールダー
- トヨタ・カローラツーリング
- トヨタ・カローラクロス
- トヨタ自動車の車種一覧
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