トヨタ・bBとは、トヨタ自動車がかつて販売していたトールワゴン型の乗用車である。北米においてはサイオンブランドで初代がxBという名前で販売された。
概要
主に若者向けに設計された車であり、市販車としては珍しいカスタマイズを前提としているモデルである。アフターパーツの豊富さには定評があり、純正社外問わず数多くのパーツが発売されている。
現モデルにいたるまで、トヨタの中でもコンスタントに売れているモデルである。というのもこの車は若者向けという印象が非常に強いが、四角いデザインで見切りが良いので高齢者のドライバーも多い。初代のベースはヴィッツであるが、2代目はパッソ/ブーンがベースである。いわゆるDQN車として、名前があげられる事も多い。
命名の由来はブラックボックス(black Box)であり、大文字小文字なんてこまけぇこたぁいいんだよ!!的なノリの、まさに感覚で楽しむ車である。
初代(NCP3#型)
2000年登場。改造車の見本市である東京オートサロンで発表されたところから見ても、その方向性は推して図るべし。見事なぐらいカクカクシカジカな四角いデザインであり、前述の通りカスタマイズ前提であるため、エアロパーツ無しで乗るといささかそっけないデザインである。また、設計に当たっては試作車がない「フルデジタル設計」で製作されている。ヴィッツ系のコンポーネンツを使用しているため、形式がCP系となっている。1.5Lと1.3Lの排気量で、4WDの設定もある。面白い点として、初代の排気音は標準であってもヴィッツ系コンポーネンツを使用する他の車と比べても太くなっているのが特徴である。
車内はコラムシフトでカップホルダーなどにLEDを採用し、ムーディーな雰囲気を作る事も出来る。メーターも置時計のようなデザインであり、いかにもという雰囲気を醸し出している。
2001年にピックアップモデルのオープンデッキ追加。後ろドア半分から先を荷台としていたが、4ナンバーではなく5ナンバーでのラインナップであった。フロントグリルには通常の「bB」ではなく「OD(オープンデッキ)」となっていることも特徴である。
2003年マイナーチェンジ。比較的大がかりなマイナーチェンジとなっている。
の変化が行われた。これにより、素の状態で乗っても素っ気なさを感じる事が少なくなった。
下のニコニコ市場の商品を見て分かる通り、玩具展開は初代は割合に多い。ミニカーを始め、プラモデル、ラジコンなどの商品が見られる。中にはトランスフォーマーのサイバトロン戦士になった物もある。バイナルテックではロボット昆虫殺虫剤でおなじみのスキッズ、バイナルテックアシタリスクではイカレサウンドことブロードキャスト(ブロードブラスト)の自動車モードとなっている。
サイオンxB
北米において、トヨタブランドとは別に若者向けのサイオンブランドが設立された際に投入された。概ねbBと一緒のデザインであるが、灯火類が北米の規格に合わせたものとなったほか、ロゴなどがサイオン向けになってるほか、コラムシフトからフロアシフトになっており、5速マニュアルが設定されている。パーキングブレーキもそれに合わせて足踏み式からサイド式になっている。
このモデルはアメリカの自動車番組「Pimp My Ride」でベース車として使われた。この番組のベース車は通常は持ち主の車をベースとしているが、この車が登場した回でのベース車はニコイチな上、溶接もいい加減であり、安全性を確保できないため、xBの登場となった。
2代目(QNC2#型)
2005年モデルチェンジ。このモデルはダイハツとの共同開発であり、生産もダイハツが行う。そのため、形式の付番も先代とは関係なくなっている。ダイハツ向けにはクー(Coo)となっており、ターゲットもまったく異なっている。クーはスバルにもOEM供給されてデックス(DEX)となっている。なお、デックスはトレジアの登場と入れ替わるようにモデル廃止となっている。
先代の箱のようなデザインから比べるとややうねりを効かせたデザインになっているが、それでも見切りの良いボディのため、先代に引き続き、若者だけではなく、高齢のドライバーからの支持を得ている。なお、先代のbBは非常にハンドルが重く、停車時などではハンドルを切るのに若干労力が必要であったが、2代目は軽くなっており負担が軽減されている。
無論、カスタマイズパーツも先代と同様に純正・社外を問わずに非常に多数設定されている。既に登場から8年目にさしかかろうとしているが、登場以来デザインの大きな変化がない。
車内を見ると、このクラスには異例といえる11スピーカー(マイナーチェンジ前は9スピーカー)の設定がある。また、座席も停車時に沈み込むカーセックスモードマッタリモード付シート(マイナーチェンジ後は「リラックスモード付シート」の名称に変更)が採用されている。現在ではリラックスモード付きのシートが廃止となり、その代わりとしてリアシートのスライド機能が取り付けられ、またリアシートの中間にヘッドレストと3点式シートベルトが設置された。LEDの配置も広がり、あちこちに見られるようになった。
塗装は当初は黄色やホワイトパープルなど特色のある色が多かったが、現在では割合に普通の色が多い。
一方、サイオンxBについては2代目は日本のbBとは全く別のモデルとなっているが、これはその後カローラルミオンとしてデビューをしている。
2013年2月21日にモデル体系の変更が行われ、従来のエアロシリーズを統合する格好で煌シリーズの拡充が行われた。
2016年に11年にわたる生産を終了、近年モデルチェンジのスパンが伸びているとはいえ、非常に長寿なモデルとなった。後継車はトヨタ・ルーミーとタンクである。
カスタマイズ
カスタマイズ前提で作られた事もあり、その展開も非常に多岐にわたる。
特に初代はその四角さがシボレー・アストロのようなアメ車を彷彿とさせ、アメリカンなスタイルにするものも多く、またウーハーなどを積んで、重低音を流す方向性も多い。面白いものではリムジンに仕立てたツワモノもいる。なお、元々の全長が長くないのでドア一枚分増やしても5ナンバーで収まる事が多いとか。
意外にも痛車のベースとしてもしばしば見受けられる。DQNに人気(と言われる)車種であるが、おおよそ対極にある(と言われる)ヲタ層にも使用される皮肉でもある。
関連動画
初代のCM。
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関連項目
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