トランスフォーマーとは
- TRANSFORMERS - タカラトミー(旧タカラ)より発売されている変形ロボット玩具シリーズの総称。本記事で説明する。
- transformer - 変圧器(トランス)。共通の鉄心に2組のコイルを巻き、その巻数比に比例した交流電圧の変換を行う。
概要
もともと日本で販売されていた『ダイアクロン』『ミクロマン』シリーズをアメリカのハスブロ社が他の変形ロボット玩具シリーズと共に『TRANSFORMERS』として販売したものが米国で大ヒット、それを日本に逆輸入したものが『トランスフォーマー』シリーズである。 また『超時空要塞マクロス』や『特装機兵ドルバック』等、他作品・他シリーズの玩具の流用があり、権利の関係上日本では未発売の物もある。 『トランスフォーマー』には、「トランスフォーマー」と呼ばれるロボット生命体が正義の「サイバトロン(オートボット、マクシマルズ)」と悪の「デストロン(ディセプティコン、プレダコン)」に分かれて戦っており、マーベル・コミックやドリームウェーブ、IDW等によって漫画やアニメも作成されている。
映像作品では「車や飛行機が移動しながら人型に変形して走るシーン」がお約束。「変形必要あった?」は思っても言ってはいけない。
シリーズ
- 海外G-1シリーズ
- 戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー
- トランスフォーマー ザ・ムービー
- 戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー2010
- トランスフォーマー ザ・リバース
- アクションマスター(玩具展開)
- トランスフォーマー オルタネイターズ
- 和製G-1シリーズ
- 戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー スクランブルシティ発動編(OVA作品)
- トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ
- 戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー 英雄伝説(OVA作品)
- トランスフォーマー 超神マスターフォース
- 戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマーV(ビクトリー)
- トランスフォーマーZ(ゾーン)(OVA作品)
- トランスフォーマー リターン・オブ・コンボイ/ザ☆バトルスターズ(玩具展開)
- 戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー 合体大作戦(玩具展開)
- トランスフォーマー マイクロマスター(玩具展開)
- トランスフォーマーカーロボット
- ロボットマスターズ(玩具展開)
- トランスフォーマー バイナルテック/バイナルテックアスタリスク/オルタニティ/GT(玩具展開)
- トランスフォーマー キスぷれ(ラジオドラマ作品)
- 海外ビーストウォーズシリーズ
- 和製ビーストウォーズシリーズ
- ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー
- 超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズネオ
- ビーストウォーズリボーン(玩具展開)
- ビーストウォーズ テレもちゃ(玩具展開)
- マイクロン三部作
- 実写映画シリーズ
- 2010年以降のシリーズ(アラインドコンティニュティ)
- その他
- トランスフォーマーG-2(玩具展開)
- キッズトランスフォーマー ゴーボッツ(日本未放映)
- マシンウォーズ(玩具展開)
- ボットコン(毎年海外(主に米国)でやるTFイベント)
- トランスフォーマー シャッタード・グラス (ボットコン内でのアメコミ作品)
- トランスフォーマーアニメイテッド
- 変形!ヘンケイ!トランスフォーマー(玩具展開)
- トランスフォーマーユナイテッド(玩具展開)
- トランスフォーマーガイアクロス(食玩展開)
- トランスフォーマーガイアガーディアン(食玩展開)
- トランスフォーマーガイアスクランブル(食玩展開)
- トランスフォーマージェネレーションズ(玩具展開)
- トランスフォーマーユニバース(2010年からは米国でジェネレーションズとして展開)
- トランスフォーマークラウド(玩具展開、通販限定)
- トランスフォーマーレジェンズ(玩具展開)
- キュートランスフォーマー(玩具展開、ゲーム(アプリ)、アニメ展開)
- トランスフォーマージェネレーションズ コンバイナーウォーズ(玩具展開 海外のみ)
- トランスフォーマーユナイトウォリアーズ(上記の国内展開)
- トランスフォーマージェネレーションズ タイタンズリターン(玩具展開 海外のみ)
- トランスフォーマーパワーオブザプライム(玩具展開、国内では2018年に展開予定)
シリーズの変遷
G1
初代トランスフォーマー、トランスフォーマー ザ・ムービー、トランスフォーマー2010の2作については、アメリカ人が脚本・絵コンテ・演出を行い、作画作業のみを日本の大手アニメ制作会社「東映動画(現:東映アニメーション)」に委託していた。そのため、日本のロボットアニメにありがちな、放送期間全体のストーリーを練り込んでいく作り方ではなく、基本的には一話完結であり、多数のキャラクターの見せ場を作るために、特定のキャラクターを作品全体の主人公としない群像劇の体裁をとっている。これにより、非常に多彩なストーリーを繰り広げることを可能にした。
しかし、一話完結であるが故に放送時間が足りず、日本のアニメでは考えられないようなハイペースで強引なストーリーが展開された。強引なストーリーを象徴する存在として政宗一成によるナレーションが知られ、「さて、今日のトランスフォーマーは(地名)から物語を始めよう」とナレーションが入ったあといきなりデストロンの破壊が始まると言った光景も珍しくなかった。
また、東映から韓国・フィリピンに作画作業が丸投げされることも多く、「サウンドウェーブがいきなりサイバトロンに寝返る(作画ミスで胸のエンブレムがサイバトロンの物になる)」「スタースクリームが分身の術を使う(色指定ミスで同型のスカイワープ(色は白・黒・紫)がスタースクリームと同じ白・赤・青になってしまう)」「コンボイが恐怖のあまり真っ青になる(色指定ミスで赤くなければいけない胴体まで青く描かれる)」といった、国際映画社でもやらないような初歩的な作画ミスが非常に多く、ファンの間ではネタアニメとしても楽しまれた(普通なら糾弾されてもおかしくないが、TFの場合は日常茶飯事と化していたため、作風として受け入れられたのも理由の一つである。また、作画ミスを補って余りあるほどの破天荒なストーリーが展開できたのも大きい)。
また、正義の味方であるはずのサイバトロンの「デストロンの連中を2〜3人血祭りに上げてきますよ」といった過激な言動や、「敵を捕まえて自分たちがその敵に変装する」「敵にコンピュータを打ち込み洗脳する」「デストロンを生き埋めにするために崖を破壊する」等のあまり人道的とは言えない作戦も話題を呼んだ。
この独特なカオスな雰囲気を気に入り、「トランスフォーマーは海外産に限る!」と言うファンも多い。しかし海外産か和製かの論争をニコニコ動画のコメントで行うのは避けるべきであることは言うまでもない。
「ヘッドマスターズ」「マスターフォース」「V(ビクトリー)」「Z(ゾーン)」の4作は、東映で脚本・演出を含めたすべての行程を行ったいわゆる「和製TF」である。それまでの2010から打って変わって、総司令官の「必殺技」の使用、キャラクターを少数に絞った(それでも従来の日本製ロボットアニメよりは多い)ストーリー路線、変形・合体における「バンク」の使用など、日本製ロボットアニメの路線に近づけられた。
玩具面に関しては、マスターフォースのあたりから後の「勇者シリーズ」の匂いが漂い始め(スーパージンライとゴッドボンバーによるゴッドジンライへの合体など)、Vの時点では総司令官スターセイバーの容姿や色使い、「下駄」と言われたパワーアップ方法、また、ライオカイザーの容姿など、トランスフォーマーではあるものの勇者シリーズに非常に近い玩具のラインナップが行われていた。
この時期、ヘッドマスターズの代わりに海外では「リバース」が制作され、マスターフォースの玩具の内、日本ではさっぱり売れなかった「プリテンダー」が海外では大ヒットし、それを基に、変形しないアクションフィギュア「アクションマスター」が展開されるなど、日本と海外で路線の違いが明らかになった。
Vの放送終了を機に、日本とアメリカの両方でトランスフォーマーはいったん衰退期に入り、1995年のトランスフォーマーG2を最後にG1の時代は幕を閉じる。それと入れ替わるかの如く、1990年からはサンライズ制作の「勇者シリーズ」が展開されることになった。
ビーストウォーズ時代
1997年に入り、勇者シリーズの売り上げが低下してくると、タカラは玩具市場を維持すべく、すでにアメリカで展開していた新たなトランスフォーマーを日本に導入する。かつての機械(ビークル)に変形するのではなく、動物(ビースト)に「変身」すると言うコンセプトは、日本に大きな衝撃を与え、その玩具の出来の良さと相まって大ヒットし、再びトランスフォーマーの市場を築くことに成功した。これが「ビーストウォーズ」シリーズである。
初代ビーストウォーズは当時最新鋭の3DCGで展開され、世界中の視聴者の度肝を抜いた。また、日本に輸入された際には複雑なストーリーを子供向けに分かりやすく展開するために独自の脚本、そして大規模なアドリブが行われている。特にアドリブは視聴者の笑いを誘い、この作品がきっかけで子安武人や高木渉などを知ったという人も多い。
「初代ビーストウォーズ」「メタルス」は本来一繋がりであったが、アメリカの放送習慣により初代とメタルスの間に間が出来てしまうことになり、その間穴埋めとして「II(セカンド)」「ネオ」のいわゆる「和製ビーストウォーズ」が葦プロダクションの手によって制作された。初代と違いスケジュールに追われての制作であり、作画に乱れが出ることもあったが、人気は一応持続した。また、「和製ビーストウォーズ」及び「カーロボット」 は本来声優ではなく俳優のプロデューズを行う「ネルケプランニング」がキャスティングを行っており、声優の当たり外れが大きいことも特徴である。この2作品は昔ながらのセルアニメであり、初代の3DCGからいきなりセル画に代わったことでとまどいを覚える視聴者も多かったが、セルアニメである和製ビーストウォーズの方を好む視聴者も多い。
「ネオ」の放送終了後は「メタルス」に移り、再び3DCGとアドリブ満載のストーリーが展開される。玩具方面ではメッキを大胆に使った玩具が話題を呼ぶ。しかし売り上げは低下傾向にあり、2000年にはトランスフォーマーの新展開を迎える。
マイクロン三部作
2000年には、ビーストからビークルへの回帰路線となる「カーロボット」が放送された。そのストーリーについては、ギャグ主体であるために賛否両論も多く、1年間の放送を全うできなかったが、玩具に関しては「最高傑作」との呼び名も高い。また、一部ビーストウォーズの設定も引き継いでおり、デストロンの中にはゲルシャークを筆頭として「変身」するものも多かった。
日本では余り成功しなかった本作だが、アメリカでは大きな影響を与えた。海外では、「メタルス」の後に続いた「リターンズ(海外名ビーストマシーンズ)」が大失敗に終わり、怪物番組パワーレンジャーの登場もあって崩壊しかけたトランスフォーマー市場を建て直すべく「カーロボット」の玩具とアニメがアメリカに輸出され、「ロボット・イン・ディスガイズ」として展開された。余りパッとしなかった日本とは違い、海外では大ヒットを記録し、トランスフォーマーブランドの建て直しに成功する。これを機に、日米合同のアニメ制作と玩具展開が計画されるようになる。これが「マイクロン伝説」「スーパーリンク」「ギャラクシーフォース」の3作である。この3作は、アメリカにおいては3作とも「ユニクロン」が関わることからこのように呼ばれているが、日本では「マイクロン伝説」「スーパーリンク」の2つは一応続き物だが、関連性は引き続きで登場するキャラがいる程度と薄く、「ギャラクシーフォース」に関しては独立した世界観となっており、「スーパーリンク」との連続性は持たない。また、カーロボットはスタジオぎゃろっぷ、マイクロン伝説・スーパーリンクはアクタス、ギャラクシーフォースはGONZOが制作を担当していた。
トランスフォーム時のバンクには、勇者シリーズに参加した阿部宗孝が「トランスフォームアニメーター」という独自の肩書きで参加しており、勇者シリーズさながらの迫力ある変形・合体シーンが描かれ、勇者シリーズと同様「見せ場」としての役割を持った。玩具の面でも作画の面でも、平成のトランスフォーマーは「トランスフォーマー」と「勇者シリーズ」の融合がなされていたといえる。
また玩具面では、1作品に一つの大きな「ウリ」を持たせていることも特徴である。たとえば、「マイクロン伝説」のTFは体にマイクロン(小型のTF)を装着することで、特定の武器を発動させることが出来たり、特定の動作をさせることを可能にする機能を持たせた。「スーパーリンク」では、任意のサイバトロン戦士を上下に合体(これをスーパーリンクという)させることで、様々な組み合わせの合体戦士を作ることが出来た。「ギャラクシーフォース」の玩具は、付属のフォースチップを玩具の特定箇所に差し込む(イグニッションする)ことで、やはり何らかの武器を発動させることが可能になっている。
さらに、マイクロン伝説では「ユニクロン」が商品化され、スーパーリンクでは「スペリオン」「ブルーティカス」「ビルトロン」などの合体戦士・兵士が新規で発売され、ギャラクシーフォースではセイバートロン星そのものがトランスフォームして出来る「プライマス」が発売されるなど、サプライズにも事欠かなかった。
実写映画、そして…
2007年にはハリウッドにて、製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、監督:マイケル・ベイの元、トランスフォーマー(実写映画)として実現。当初はファンの間で不安視する声も大きかったが、いざ蓋を開けてみると旧トランスフォーマーをしっかりとリスペクトした作りであり、特撮とCGを上手く使い、本物の兵士や戦闘機を使用した迫力のある戦闘が繰り広げられ、ファンを満足させると共に興行的にも大成功を収めた。ベイは当初あまり乗り気ではなかったらしいが、いざ制作を始めてみるとかなりノリノリでやっていた、VFXチームは皆トランスフォーマーのファンであり、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の仕事を蹴ってTRANSFORMERSの仕事を選んだ、など、スタッフのトランスフォーマーへに対する並々ならぬ愛情が感じられるエピソードが漏れ聞こえてきた作品でもあった。このヒットを受けて続編の制作が決定し、2009年に「TRANSFORMERS Revenge of the Fallen(邦題:トランスフォーマー リベンジ)」が公開された。これらの作品により、世代を越えてトランスフォーマーの名前を知らしめることに成功した。海外ではアニメシリーズ「アニメイテッド」が放映され人気を博し、国内でも玩具のみの展開である「変形!ヘンケイ!トランスフォーマー」が大ヒットし、2010年春からは日本でも「アニメイテッド」の展開がスタートした。
そして2011年夏、実写映画3作目となる「ダークサイド・ムーン(原題:Dark of The Moon)」が公開された。実は今作が実写映画シリーズの最終作となる予定であったが、2014年夏にシリーズ第4作「ロストエイジ(原題:Age of Extinction)」、2017年夏に第5作「最後の騎士王(原題:The Last Knight)」が公開され、更に2018年にスピンオフの上映が計画されている。
アニメ作品は2016年に「トランスフォーマープライム」の次のアニメシリーズである「トランスフォーマーアドベンチャー」が放送され、また和製作品においては2015年に「キュートランスフォーマー」も放送され腐女子を中心に人気を集め、多くの新規ファンを獲得した。
余談だが、実写映画版のパロディー映画?「トランスモーファー」なるものが存在する(続編も製作されている)。
クロスオーバー
海外においては、トランスフォーマーと同じハスブロ社のアクションフィギュア「G.I.JOE」とのクロスオーバーが行われ、トランスフォーマーとG.I.JOEは同一の世界観だとされた。また、マーベルコミック上でサイバトロンとG.I.JOEとの共闘が描かれている。また2010には敵のコブラコマンダーがゲスト出演し、ファンを驚かせた。
その他にもコミック版では、デストロンに捕らえられたスパークプラグをスパイダーマン が助けるなど、トランスフォーマーとマーベルコミックのキャラクターによるクロスオーバーも行われていた。
しかし、制作が東映動画に移ったヘッドマスターズ以降は、国内においてはクロスオーバーは行われていない。
また、これとは別に、「ビーストウォーズII」の劇場版において、和製ビーストウォーズのライオコンボイと、海外版(初代)ビーストウォーズの(ゴリラ)コンボイとの競演が実現しており、ファンから高い評価を受けている。
玩具展開としてはスターウォーズ、マーベルヒーロー、ディズニー、新世紀エヴァンゲリオン等の作品やau、G-SHOCKなど企業とのコラボレーションも行われている。
サイズについて
ビーストウォーズ以降、トランスフォーマーの玩具には大まかな区別がつけられるようになった。
シリーズによって名前が違うものの、基本的にサイズの区分けはほぼ同じになっている。
ただし、時代が進むにつれ、コストなどの問題から「縮小化」「ギミックの減少」が起きており、近年は大型商品の投入が少なくなっている(HASBRO側から使用する原料の量などに大きな制限がつけられており、このため日本完全オリジナル商品でもない限りはギミックやサイズに制限が出てしまう)。
以下が、現行のサイズ区別となる。
関連動画
関連項目
「トランスフォーマーの関連項目の一覧」も参照。
- トランスフォーマー(玩具)
- Transpretenders
- 東方超獣機
- transform@ster
- トランスフォーマーMAD
- ハテハテオリオリスリスガター
- ビーストウォーズ
- サイバトロン
- コンボイ(Optimus Prime)
- ホットロディマス(ロディマスコンボイ)
- ウルトラマグナス
- テックボット
- ターゲットマスター
- デストロン
- メガトロン
- スタースクリーム(ニューリーダー)
- ビルドロン
- アニマトロン
- カセットロン
- メガザラック
- ユニクロン
- プライマス
- ダイアクロン
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