トレイ・ヒルマン単語

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トレイ・ヒルマン（Trey Hillman）とは、元プロ野球選手・監督である。

2003年から2007年まで日本ハムファイターズ（北海道日本ハムファイターズ）の監督を務めた。現在はマイアミ・マーリンズのコーチ。

概要

1963年1月4日生まれ。現役時代についてはほとんど情報がないが、1985年にアマチュアFAでクリーブランド・インディアンスにマイナー契約で入団し、メジャー昇格することなく僅か3年で現役引退。ポジションは外野手だったとも遊撃手だったとも言われるが詳しいことは不明。

引退後、指導者の道を選び、1Aや2Aのマイナーチームで監督経験を積む。1999年、当時ヤンキース傘下3A球団だったコロンバス・クリッパーズの監督として高い評価を得、2002年にテキサス・レンジャーズの育成部ディレクター兼フィールドコーディネーターに就任。そして2003年、大島康徳の後任として日本ハムファイターズの監督に就任する。

日本ハム監督時代

1年目は5位に沈むが、その年のオフにチームが北海道へ移転。巨人王国であった北海道に日本ハムを根付かせるべく、同年入団した新庄剛志とともに様々なファンサービスに励み、移転1年目の2004年はロッテとの熾烈な3位争いの末3位に滑り込み、プレーオフ進出を果たすという結果も残した。

就任当初は当時の日本ハムのチームカラーであった打ち勝つ野球を踏襲し、攻撃的な采配をとっていた。しかし2005年、チームは粗さが露呈し、三振数のプロ野球ワースト記録を更新して5位に沈む。

前年の3位とファンサービスを評価されて留任すると、翌2006年から一気に方針を転換。バントや盗塁といった小技で1点を確実に奪い、投手力と守備力で守り勝つスモールベースボールへシフト。これにダルビッシュ有の覚醒やルーキー八木智哉・武田勝の加入、岡島秀樹・武田久・マイケル中村による勝利の方程式の確立といった投手陣整備と、野手では森本稀哲、田中賢介とくすぶり気味だった2人が1・2番に定着したことが重なり、見事移転3年目でリーグ制覇、日本シリーズでも中日ドラゴンズを破って日本一を成し遂げた。この年、優勝時に監督インタビューで発した「シンジラレナ～イ」はその後日本一まで繰り返され、流行語大賞のトップ10に入った。一方、金村曉を5年連続2桁勝利のかかった試合でリードした5回途中に降板させたことで、金村から「絶対に許さない。顔も見たくない」と言われる舌禍事件も発生した（その後和解はしたものの、金村は結局翌年トレードされた）。

2007年は小笠原道大と岡島秀樹の移籍、新庄剛志の引退で下馬評は低く、チームは貧打にあえぐものの、投手力と守備力で守り勝つ野球を貫き、優勝争いをリード。この年、子育てとの兼ね合いもありシーズン中に退任を表明。チームはリーグ連覇を成し遂げ、今度は「シンジテマシタ～」と発言した。しかし、クライマックスシリーズ突破直後にまだ日本シリーズが残っているにも関わらずカンザスシティ・ロイヤルズの監督就任が決定し、日本シリーズでは中日ドラゴンズに敗れた。

最後に翌年の契約絡みであまりいい印象を残さなかった感こそあるが、現在の強豪日本ハムを築き上げた名将として、またそのファンサービスぶりもあって、日本ハムファンからは非常に愛された名監督であった。

その後

2008年からロイヤルズの監督を務め、4年連続地区最下位だったチームを1年目から最下位脱出させる。が、翌2009年はインディアンスと同率最下位。2010年は開幕から成績不振で、5月に解任されてしまった。

2011年からはロサンゼルス・ドジャースのベンチコーチに就任。2013年に解任され、ニューヨーク・ヤンキースのスペシャルアシスタントを経て、2015年から2016年はヒューストン・アストロズのベンチコーチを務めた。

2017年は韓国に渡り、SKワイバーンズの監督に就任。日米韓の3リーグで監督を務めた初の人物となる。1年目は5位に終わったが、2018年はシーズン2位から韓国シリーズで1位の斗山ベアーズを破ってチームを8年ぶりの優勝に導いた。家庭の事情でこの年をもってSKの監督を退任。アメリカへの帰国前には久々に来日し、トークショーで北海道のファンの前に姿を見せた。

2019年からはアメリカに戻り、マイアミ・マーリンズでコーチをしている。

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