トーチ・ゴーレムとは、アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」で登場するカードである。
概要(アニメ版)
ユベルが「vsアモン・ガラム」戦にて使用したカード。鎖やらネジやらで構成されたロボットにしか見えない姿だが機械族ではなく悪魔族。
この「トーチ・ゴーレム」は相手フィールド上に特殊召喚される独特な効果があり、代わりに自分フィールド上には2体の「トーチトークン」が特殊召喚される効果を持っていた。
ユベルは「トーチトークン」を生け贄に「ユベル」自身を召喚。トーチ・ゴーレムを攻撃し自らが受ける戦闘ダメージを代わりに相手に受けさせる「ユベル」の効果によりアモンは3000のダメージを受けて敗北した。
トークンで最上級モンスターである「ユベル」の召喚を補助し、さらに「ユベル」の効果でダメージを与えるための標的を相手フィールドに用意するという、極めて理想的な戦術である。
後の「vs遊城十代」戦では魔法カード「マジック・クロニクル」の効果でデッキから除外され、そのままデュエル終了まで手札に加わることはなかった。
概要(OCG版)
2007年10月20日に発売された「デュエリストパック-ヨハン編-」でOCG化された
特殊召喚・効果モンスター星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守 300このカードは通常召喚できない。自分フィールドに「トーチトークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)2体を攻撃表示で特殊召喚する事によって相手フィールドに特殊召喚できる。このカードを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。
アニメ版との違いとして、このカードを特殊召喚するターンは通常召喚ができなくなった。
このためアニメのように上級モンスターの生け贄召喚を補助することはできない。「ユベル」の効果も変更されているため、あちらの再現は不可能である。
相手に攻撃力3000のモンスターを渡す代わりに2体のトークンを自分フィールド上に出現させる効果を持つ。
当然単体で使っては利敵行為にしかならないため、他のカードとコンボさせて使うのが前提となる。
代表的なコンボとしては、
- トーチトークンを「D-HERO Bloo-D」や「The アトモスフィア」の特殊召喚のコストにし、それらが持つ吸収効果で「トーチ・ゴーレム」を装備カード化して吸収、攻撃力を上げる。
- トーチトークンで「トーチ・ゴーレム」に特攻し、3000以上の戦闘ダメージを受けることを発動条件とする「ヘル・テンペスト」のトリガーにする。
- 「強制転移」でトーチトークンと「トーチ・ゴーレム」を交換する。
- 守備表示で特殊召喚してもいいので、低い守備力を利用して貫通効果持ちモンスターや「KA-2 デス・シザース」に攻撃させる。
- トーチトークンを「死のデッキ破壊ウイルス」の生け贄にして「トーチ・ゴーレム」諸とも相手の高攻撃力モンスターを一掃する。
......等などといったところ。
いずれも大会などで成績を残せるようなコンボではないが、様々な活用法が考えられるカードであり、研究し甲斐があるカードである。
……というのが、2017年2月上旬くらいまでのこのカードの評価であった。
2017年にて「新マスタールール」が施行され、同時に「リンク召喚」のシステムが登場してからこのカードの評価が一変。
このカードをはじめ、手軽にトークンを特殊召喚しリンク素材を調達できる「ダンディライオン」や「BF-朧影のゴウフウ」といったカードが注目を集めることとなった。
尤も、このカードに関しては通常召喚できない制約や高攻撃力のモンスターが相手フィールドに残るといったリスクから、当初はそれほど需要が集まってはいなかった。
本格的にこのカードの評価が変わったのは、このカードを手札に戻して再利用を可能にするリンクモンスター「アカシック・マジシャン」と「セキュリティ・ドラゴン」が登場してからである。
「トーチ・ゴーレム」自身には特殊召喚する回数制限もコストも存在しないため、手札に戻してしまえば何度でも自由に特殊召喚ができる。
そして、「アカシック・マジシャン」と「セキュリティ・ドラゴン」はどちらもリンク2のモンスター。故にトーチトークンを使えば容易にリンク召喚できる(「アカシック・マジシャン」はトークンをリンク素材にできないとあるが、これはトーチトークンを「リンク・スパイダー」等のリンク1モンスターの素材にすることで解決できる)。
結果、何が起こるのかというと―――
- トーチトークン2体を自分フィールド上に特殊召喚し、相手フィールドに「トーチ・ゴーレム」を特殊召喚する。
- トーチトークンを素材に「リンク・スパイダー」等をリンク召喚し、更にそれらを素材に「アカシック・マジシャン」をリンク召喚する。
- 「アカシック・マジシャン」の効果で「トーチ・ゴーレム」を手札に戻す。
- 再びトーチトークン2体と「トーチ・ゴーレム」をそれぞれ特殊召喚する。
- トーチトークンを素材に「セキュリティ・ドラゴン」をリンク召喚する。
- 「セキュリティ・ドラゴン」の効果で「トーチ・ゴーレム」を手札に戻す。
- またまたトーチトークン2体と「トーチ・ゴーレム」を特殊召喚する。
- トーチトークン2体と「セキュリティ・ドラゴン」でリンク4の「ファイアウォール・ドラゴン」をリンク召喚する。
- 「ファイアウォール・ドラゴン」の効果でまた「トーチ・ゴーレム」を手札に戻す。
- またしてもトーチトークン2体と「トーチ・ゴーレム」を特殊召喚する。
- トーチトークンと「アカシック・マジシャン」を素材にリンク4モンスター(何でもいい)をリンク召喚する。
……おわかりいただけただろうか?
最終的には「ファイアウォール・ドラゴン」を含む2体のリンク4モンスターが自分フィールドに並んだわけだが、手札から使用したカードは「トーチ・ゴーレム」ただ1枚だけである。
通常ならば1体出すだけでも簡単ではないリンク4のモンスターを手札消費1枚で2体も出せるのである。まるで意味がわからんぞ!
エクストラデッキの枠を使う、通常召喚できないというデメリットこそあるが、これだけのアドバンテージの前にはそんなデメリットすら吹き飛んでしまう。
こんな芸当ができてしまうからにはそこから様々な派生戦術が編み出され、しまいには先攻1ターンキルも容易に狙えるほどの危険なカードと化してしまい、「チート・ゴーレム」などと呼ばれるようになってしまった。
こんなパワーカード化してしまっては当然放置されるはずもなく、2018年1月に準制限カード、2018年4月には制限カードに指定された。
だが、それでもデッキからこのカードを手札に持ってこれる「魔犬オクトロス」や「ダーク・オカルティズム」等が登場したことからこのカードの勢いが収まることはなく、2021年1月に遂に禁止カードとなった。同月のリミットレギュレーションで禁止カードだった「ファイアウォール・ドラゴン」がエラッタ付きで制限カードに復帰したため、それと入れ替わる形でという意味もある。
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関連項目
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