ドゥラエレーデ(Dura Erede)とは、2020年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2022年:ホープフルステークス(GⅠ)
概要
父ドゥラメンテ、母マルケッサ、母父オルフェーヴルという血統。
父は故障に泣いた2015年の皐月賞+日本ダービーの2冠馬。種牡馬入りを果たすも9歳で早世してしまったが、タイトルホルダーやスターズオンアース、ダートではヴァレーデラルナなど、遺された産駒達が大活躍している。
母は5戦未勝利。半兄にサトノダイヤモンドがいる。
母父は言わずと知れた三冠馬にして、超気性難で知られた「金色の暴君」。ダートでの産駒の大活躍が記憶に新しいが芝でも古馬を中心に中長距離で結果を出している。
競馬ファンなら誰でも「気性がヤバそう」と思う血統だが、担当する池添学調教師(騎手・池添謙一の弟)によると「特に問題もなく調教もこなしているし、ゲート(試験)も一発で合格しましたからね。気性も大人びた馬ですよ」とのこと。
2020年1月29日、ノーザンファームで誕生。2021年のセレクトセールにて1億円(税抜)で落札された。
オーナーは㈱スリーエイチレーシング。一口馬主クラブっぽい企業名だが、個人馬主である橋本征道オーナーの法人名義である。他の所有馬には2022年の朝日杯FSを勝ったドルチェモアなどがいる。
馬名意味は「父名より+イタリア語で『最高の後継者』」。名古屋弁で「とても疲れた」ではない。
暴れん坊の後継者
2歳
栗東の池添厩舎に入厩。仕上がりは早く、デビュー戦は宝塚記念当日の2022年6月26日、阪神・芝1800mの新馬戦が選ばれたのだが……。その1週前、競馬ファンの度肝を抜く動画が公開された。
それは19日のマーメイドSに出走する牝馬・アイコンテーラーの追い切り動画
である。2頭の併せ馬かと思いきや、画面外から現れたかと思うと2頭をブチ抜いていく馬が1頭。それこそがデビュー前のドゥラエレーデだったのだ。
この動画のインパクトもあって北村友一を鞍上に迎えたドゥラエレーデは、後に全日本2歳優駿を制するデルマソトガケを始め、かなりの好メンバーが揃ったと目される中で単勝2.0倍の1番人気に支持された。しかしレースではハミに頼って(力みっぱなしで)走ってしまい、直線で伸びず5着。北村騎手は「馬は能力を秘めていて、課題を改善することができれば走ってくると思います」とコメント。
2戦目は8月6日、札幌・芝1800mの未勝利戦。横山和生を鞍上に迎え、2.5倍の2番人気。スタートから押して逃げの手に出たが、番手で追ってきた同じドゥラメンテ産駒の牝馬ドゥーラにかわされ2着。
3戦目は中1週の8月20日、札幌・ダート1700mの未勝利戦。……ダートである。
学師の兄・池添謙一を鞍上に、押して2番手追走から3コーナー前でもう先頭に出ると、抜群の手応えで抜け出し、シゲルカミカゼの追撃を振り切って初勝利を挙げた。
これでダート転向かと思いきや……。秋シーズン初戦は11月の東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)。芝に戻ってきた。
鞍上にはライアン・ムーアを迎えたが、20.1倍の11頭立て6番人気。2番手追走から直線で一度は抜け出したが、後続に呑まれ、粘ったものの3着とクビ差の4着。
12月、2歳王者決定戦・ホープフルステークス(GⅠ)に出走。葉牡丹賞を圧勝したミッキーカプチーノ、野路菊Sを快勝したファントムシーフ、黄菊賞を勝ったセブンマジシャン、東スポ杯勝ち馬ガストリックと3着馬ハーツコンチェルトあたりで人気が割れる中、カザフスタン人騎手バウルジャン・ムルザバエフを鞍上に向かえたドゥラエレーデはというと……単勝90.6倍の14番人気。ムルザバエフ騎手はドイツのリーディングジョッキーとはいえ、今年が初来日。馬自身も勝利はダートのみとくれば、軽視されるのも致し方なしか。
レースは明確な逃げ馬がおらず先行争いが注目される中、横山典弘の7番人気トップナイフが前ポツン逃げの手に出る。ドゥラエレーデは好スタートから2番手でそれを追う。スローペースの展開のまま、前2頭が並んで直線へ。後続を突き放してこの2頭の叩き合いとなり、最後はドゥラエレーデがぐっとトップナイフに並びかけたところがゴール板だった。
中継の映像ではトップナイフが残したように見え、テレ東のウイニング競馬もレース直後には「横山典弘騎手 JRA・GI最年長勝利!! 8 トップナイフが優勝!」のテロップを出してしまうほどの僅差となったが、写真判定の結果、僅かにハナ差だけドゥラエレーデが差し切っていた。
3着にも6番人気キングズレインが後方から突っ込み、14番人気-7番人気-6番人気での決着。単勝9060円、ワイドはドゥラエレーデ絡みが両方とも万馬券。3連単は246万6010円という大荒れの配当となった。[1]JRAのGⅠで14番人気以下の勝利は2014年フェブラリーSのコパノリッキー(16番人気)以来である。
ムルザバエフ騎手は日本重賞初制覇どころか、日本での芝レース初勝利をGⅠで達成。学師もこれが嬉しいGⅠ初制覇。スリーエイチレーシングは朝日杯FSのドルチェモアでのGⅠ初制覇に続いて、なんと2歳GⅠを連勝となった。
ちなみに芝初勝利をGⅠで飾った馬はグレード制導入以降でドゥラエレーデが17頭目だが、鞍上も芝初勝利というのは言うまでもなく史上初である。
なお、JRA賞最優秀2歳牡馬は無傷の3連勝で朝日杯FSを勝ったドルチェモアが受賞。エレーデは5戦2勝だし仕方ないね。
3歳・春シーズン
明けて3歳はドバイのUAEダービーと、アメリカクラシック三冠に予備登録。ドバイからの招待を受諾し、なんと芝の2歳王者が国内クラシックを蹴って海外ダート戦線に挑むことになった。
なるほど国内クラシックはドルチェモアに任せるんだな……と思いきや、そちらはNHKマイルカップに向かうことに。スリーエイチレーシングは2歳牡馬芝GⅠを両取りしながら、クラシック1冠目の皐月賞を蹴るということになった。
クリスチャン・デムーロを鞍上に迎えたUAEダービー(G2)本番はというと、最内枠のデルマソトガケが逃げを打ち、ドゥラエレーデは2番手でそれを追走。4コーナーでもそのまま2頭で後続を突き放していくが、手が動くドゥラエレーデに対してほぼ持ったままのデルマソトガケに直線では完全に置き去りにされ、新馬戦の雪辱を果たされてしまった[2]。それでも3着以下は突き放し、2着を確保する。
球節に違和感があったため、ケンタッキーダービーには向かわず帰国。次走はまたもや芝に戻り、坂井瑠星を鞍上に向かえて東京優駿(GⅠ)に参戦する。
ホープフルS→UAEダービー→日本ダービーという割と前代未聞のローテも可笑しいが、ここまで読んできた読者の皆様はお気づきだろうか。デビューからダービーまでの7戦が全て異なる騎手なのである。トーセンジョーダンもビックリ。
迎えたダービー本番。17番枠からの出走となったが、スタートで躓いて坂井騎手を落としてしまう。2回目のダービーは一瞬にして終わってしまった。ちなみにダービーでの落馬競走中止は1993年のマルチマックス/南井克巳以来の珍事である。
レースでは2番人気のスキルヴィングが最下位入線後に急性心不全で死亡する悲劇があったが、こちらは幸いにして坂井騎手は無事。ドゥラエレーデにも大事はなく、競走中もそれほど他馬に迷惑をかけることなく無事完走した。しかも周囲をしっかりと把握していたのか、レース終了後は自分から地下馬道入口まで戻ってくるという賢さも見せ、そのポテンシャルを世間に知らしめたのだった。シルヴァーソニックが嬉しそうな顔で観てる気がする。
そのまま陣営は、なんと宝塚記念(GⅠ)への参戦を発表。3歳馬の宝塚参戦はマウントシャスタ以来11年ぶりの挑戦となる。時期が時期だけに3歳馬は古馬よりも5kg軽いハンデを貰えるが、それでも過去に挑んだ3歳馬はローエングリンの3着が最高で、二冠馬ネオユニヴァース(4着)や牝馬ダービー馬ウオッカ(8着)ですら勝利には遠かった。更に鞍上は幸英明……と、8戦連続の乗り換わりである。
ダービーと同じ17番枠から発走したドゥラエレーデは、ハナを主張するユニコーンライオンの後ろにつける2番手でレースを進める。だが、最初の1000mを58秒9のハイペースで迎えるレースはやはり厳しかったが、残り200m付近で馬群に沈没。終わってみれば10着と、古馬との初対戦はほろ苦い結果に終わった。
適正距離や馬場も不明(父も母父も産駒は芝ダート万能タイプだし)、カオスなローテ、コロコロ変わる鞍上、加えて数々のネタ要素……。しまいには「ドゥラエレーデはローテと鞍上をサイコロを振って決めている」というネタが流行り始めたのだった。
3歳・秋シーズン
秋は海外遠征の予備登録をしていたが、結局は国内戦線に専念。始動戦にはセントライト記念(GⅡ)を選択、鞍上はダービー以来の坂井瑠星で、ようやく経験者と2度目のコンビとなった。前回ほとんど乗ってないも同然だけど…
スタートはホープフルSを髣髴とさせる好スタートを切り、ウィズユアドリーム・グリューネグリーンと共に先頭集団を形成。第四コーナーまで先頭を保つも、中山の坂で力尽き徐々に後退。中団から一気に差してきたレーベンスティールが上がり最速の末脚で交わし、外からソールオリエンスにも抜かれて8着入線。上り坂もだがハイペースの芝2200は、やはり苦しいようだった。
この後は休養を挟み、ドバイ以来のダート戦、12月のチャンピオンズカップ(GⅠ)に参戦。鞍上はホープフルS以来となるムルザバエフ騎手。
レモンポップ、クラウンプライド、テーオーケインズ、メイショウハリオらの超一線級に加え、同期の無敗馬セラフィックコールや、JBCレディスクラシックを勝ってJpnⅠ馬になったアイコンテーラーも参戦し、現役ダート最強決定戦に近いメンバーとなれば、中央ダートは未勝利戦以来のドゥラエレーデは31.2倍の9番人気。
レースは大外枠のレモンポップがハナを切り、ドゥラエレーデは2番手でそれを追う。4コーナーではまるで手応えの違ったレモンポップに突き放されてしまったが、伸びあぐねる後ろを尻目に自身も粘り、外からカッ飛んできた12番人気ウィルソンテソーロにかわされたものの、内のテーオーケインズを振り切って、このメンバーの中でなんと3着。ウィルソンテソーロとともに、1番人気レモンポップが勝ったのに3連単190万2720円というヒモ大荒れ決着をもたらした。
年内はこれで終了かと思いきや、有馬記念と東京大賞典の両方に登録。どちらに出走するのか、まさか2007年のデルタブルースのようにこの2レースを連闘するのか?と注目されたが、結局有馬記念は回避し、東京大賞典(GⅠ)を選択した。鞍上は引き続きムルザバエフ騎手。
地方勢が無敗の南関東三冠馬ミックファイアと船橋のマンガンの2頭しか出走せず9頭立ての少頭数となったが、アメリカ帰りのウシュバテソーロ、JBCクラシックを勝ったキングズソード、前走で一緒にヒモを荒らしたウィルソンテソーロ、前年2着の大井2000巧者ノットゥルノなど好メンバーが揃った。ドゥラエレーデはウシュバテソーロ、キングズソード、ミックファイアに次ぐ11.9倍の4番人気に支持される。
レースは逃げ馬不在ということもあって誰が前に行くかが注目されたが、ハナを切ったのはなんとウィルソンテソーロ。ドゥラエレーデは競り掛けてはいかず2番手でのレースを選択した。1000m63秒1のスローペースの流れとなり、直線でもそのままウィルソンテソーロが粘り込みを図る完全な前残りの展開。ウシュバテソーロが大外からそれを豪脚で薙ぎ払い格の違いを見せ付ける中、ドゥラエレーデはウィルソンテソーロを追いかけたものの届かず3着。ムルザバエフ騎手は「前の2頭が強かったです」とコメント。
適性探しのサイコロローテを経て、年末のダートGⅠで2戦連続3着という結果を残したドゥラエレーデ。とはいえ収得賞金を積めなかったのはちょっと痛い。
順当にいけばこのままダート路線に進みそうだが、陣営が陣営だけにまるで予想がつかない。あと相性がイイっぽいムルザバエフ様を確保できるのだろうか。ファンはやきもきしながら次走報を待った。
4歳・春シーズン
陣営はサウジカップの予備登録を行ったが、この時点でのレーティングが114(東京大賞典3着、チャンピオンズカップ3着どちらも114)とやや心もとなく、除外が濃厚に。結局は、フェブラリーステークス(GⅠ)が始動戦となった。鞍上はムルザバエフ騎手が続投。やったぜ。
当日はレモンポップなどが中東へ遠征する中、兵庫の雄・JBCスプリント馬イグナイターをはじめとした地方の強豪、骨折明けかつ初の距離延長となる巨漢馬ドンフランキーに加え、初ダートのガイアフォースなどの芝馬らも集結。ドゥラエレーデはここまで5戦連対中のオメガギネスや、顔見知りのウィルソンテソーロに次ぐ形での3番人気に支持される。
レースでは4番手を追走したが、前半600m33.9のハイペースでは持ち味を活かすことが出来ず、4コーナーでいっぱいになってしまい12着。人気に応えることは出来なかった。
気になる次走は……。大阪杯(GⅠ)と川崎記念(JpnⅠ)の2択か。芝2000m戦で芝に再挑戦するか、ダート2100m戦でダート路線を突き進むのか。
芝かダートか。どちらでも勝負ができるドゥラエレーデ陣営が選択した次のレースは…
メイダン競馬場で開催される
世界最高峰のレース
ドバイワールドカップ(G1)
だった。
実はドバイからの招待状が届いていたのである。両にらみしていた2つのレースはただ睨んだだけだった。
収得賞金がやや心もとないドゥラエレーデにとっては願ったりかなったりな出走だが、当然ながら相手は一線級の名馬たち。前走悲願のG1馬入りを果たしたセニョールバスカドールに、リベンジと共に連覇がかかるウシュバテソーロ、4戦連続で相まみえる事となったライバル・ウィルソンテソーロ、海外を転戦するBCクラシック2着のデルマソトガケ、ここまで11戦10勝でアルマクトゥームチャレンジを制した地元UAEの総大将カビールカーンetc……と、とんでもないメンバーと走ることになってしまった。
なお、鞍上はムルザバエフ騎手をガッチリと確保。やったね!
3番枠のドゥラエレーデはまずまずのスタートから内枠を活かし最内4番手を突き進んだ。道中のペースは前年と比べて明らかに緩んでおり、先頭を進むローレルリバーは前半1000mを1分フラットで通過。ドゥラエレーデにとって有利な展開となり、ムルザバエフ騎手も早めに追い始める。
しかしローレルリバーの勢いは止まらず、それどころか持ったまま一気に加速。みるみるうちに突き放されてしまったが、辛うじて5着と掲示板は確保した。ちなみにまたウィルソンテソーロの一個下の着順。
帰国後はしばらく音沙汰がなく、次走が発表されたのは6/26。札幌ダート1700mのエルムステークス(GⅢ)。鞍上には新たに同コースを得意とする武豊を迎える。鞍上ビンゴも遂に真ん中が埋まった感がある。
出走馬唯一のGI馬(ただし芝)であったことや、何だかんだレベルの高いダート競走で善戦している事から地力が違う……と、2歳未勝利戦以来の1番人気に支持された。
レースは逃げるミトノオーをガッツリマークする形で2番手に付け、ミドルペースで向正面を流していく。ミトノオーに競りかける形で4コーナーを回り、残り200mで先頭に立ち押し切りを図ったが、道中ドゥラエレーデの真後ろをマークしていたペイシャエスに競りかけられて粘りきれず、クビ差の2着と惜敗。とはいえ一応賞金加算は出来た。
この後は秋に備え放牧……かと思いきや、なんと中1週でスーパーGⅡ・札幌記念に電撃参戦。収得賞金の心もとなさや、エルムSの仕上げが緩かったことからも有り得ないローテではなかった[3]が……。
鞍上は藤岡佑介へと乗り替わり、14戦目にして10人目の騎手を迎える。なお、藤岡騎手は騎乗依頼が来たことをエージェント報告より前にネットニュースで知り、「自分が乗るんや」「札幌記念使うんや」と二重に驚いたとのこと。
まだまだ活躍を続ける3年前のダービー馬・シャフリヤール、昨年の札幌記念勝ち馬プログノーシスなどの実績馬や、ホープフルS以来の再戦となるトップナイフらと相まみえるドゥラエレーデ。1枠1番の最内枠に入ることとなったのだが、ゲートに入るやいなや落ち着きをなくしてしまい、よそ見をしている時にゲートが開いてしまう。同じく出遅れたプログノーシスとは違い、番手競馬のドゥラエレーデにとっては致命傷。そのまま10着に。
いろんな意味で人気の馬ということで、今回は藤岡騎手にジョッキーカメラが装着されたのだが、公開された映像には大変苦労しながらドゥラエレーデを教育する藤岡騎手の声が入っていた(「やるねぇ……なんだよ!?」「危ないってコラ! 座っちゃってるって…」「あああ……あぁごめんなさい!おぉっ!」)。どこまで行ってもネタが尽きない馬である。
4歳・秋シーズン
遅めの夏休みをもらった後、事前の発表通りにみやこステークス(GⅢ)が秋の始動戦となった。鞍上はデビュー戦ぶりの北村友一となり、2枠3番に入る。
今回は順当に発走し、3番手で向こう正面へ入ったのだが……。外枠に集まった快速馬とのポジション争いに負け、全力を出せないまま進み、最終直線に入ったあたりで完全に失速。11着に終わった。
秋2戦目は昨年と同じくチャンピオンズC。久々の顔合わせとなるウィルソンテソーロやレモンポップに加え、ペプチドナイルやクラウンプライドといった古豪に同僚・後輩のサンライズジパングやミックファイア、セラフィックコールなどと昨年以上の強力メンバーが集結し、今年の出走賞金ボーダーは異常に高かったが、過去2年のGIで獲得した収得賞金が加算されるシステム[4]のおかげで出走可能に。鞍上は東スポ杯以来となるライアン・ムーア。スタンプラリー2周目かな?
絶好枠の3枠6番から発走したドゥラエレーデは、隊列中段・最内の経済コースをひた走る。最終直線ではそのまま前が壁! になるかと思いきや、名手ムーアの抜群の手綱捌きで垂れてきたクラウンプライドを突破し、ハギノアレグリアスとの追い比べに持ち込み、上がり3ハロン3位の末脚を発揮。そして前を行くペプチドナイルを交わしたものの……大外を上がり最速でぶっ飛んできたウィルソンテソーロと、そのハナ先で逃げ粘ったレモンポップには届かず、無情の3着に終わった。ちなみにレモンもウィルソンもエレーデも昨年と全く同じ着順である。走りだけ見れば悪くはないが、収得賞金は当然得られなかった。
破天荒なローテや乗り替わりラッシュなどでネタに事欠かない謎の馬・ドゥラエレーデ。同じく2歳GIをとったドルチェモアは惨敗が続き、地方競馬へ移ったが、ドゥラエレーデはなまじ好走出来ている分、もどかしい所である。
目下の課題は収得賞金や出走馬決定賞金の低さ。年を越すとホープフルSの加算分が計算外になって出走馬決定賞金が6710万円まで落ち、GⅠには中々出られなくなってしまう。かといってオープン特別やリステッド競走のレースに挑むにも、課される斤量が無視できなくなる[5]。いっそのこと有馬記念に出て2着以内に……入るのも出走希望陣営からして猛者揃いの魔境な上に、そもそも距離が同じセントライト記念で惨敗しているデータがあるので厳しいか……。というわけで登録すらしなかった。[6]
今後の再起と飛躍は成るか。今後も彼から目が離せない(一応東京大賞典には登録はしているが、そもそも賞金が足りてないので補欠に回っていて、当然ながら選出されなかった)。
5歳・春シーズン
次走はプロキオンS(GII)[7]を予定。で、気になる鞍上だが、川田将雅を予定しているとのことで、これで11人目である。なお、サウジやドバイを目指す報道がされており、招待以前に賞金を積めるかどうかも注目ポイントとなった。
枠順は前走同様内枠を引き、スタートの出は良かったもののそれ以上の好スタートを切った最内枠のサンデーファンデーが前に出る展開になり、ドゥラエレーデは3番手を追走。手応えよく4コーナーを通過し直線に入ったが、前のサンデーファンデーが止まらない。坂を駆け上がってもなお伸び続けるサンデーファンデーには歯が立たず、サンライズジパングにも抜かれてまたも3着。再び収得賞金を積めず痛い敗戦となった。
次走はフェブラリーS(GⅠ)となった。本来出走馬決定賞金が足りず出走できないところ、レーティングが高いこともあり出走ができることに。鞍上は2年ぶりのコンビとなる横山和生。7番人気に支持され4枠8番に入り、中団7番手を進むも最終直線では伸びずに11着(高知のヘリオスと同着)。
次走として昨年と同じくドバイワールドカップ(GⅠ)に招待されたが、これを辞退。また香港のクイーンエリザベス2世カップ(GⅠ)にも登録だけ行っていたが選定はされなかった。
次走としてはエルムS(GⅢ)を予定。鞍上は池添学厩舎の馬によく騎乗している松山弘平との新コンビとなる。これで12人目。2番人気を背負って挑むも、スタート直後に躓いて出遅れ、さらに落鉄を起こしてしまったことが影響したか、本調子が出せず7着に敗れた。
さて気になるこの後だが、エルムSを2日前に控えた8月7日、韓国国際競走を主催する韓国馬事会から海外招待馬が発表され、そのうちのコリアカップ(
GⅢ)にドゥラエレーデの名前があったのだ。
昨年のチャンピオンズカップ3着が大きな選出理由であり、中3週の強行軍にはなるものの相変わらず賞金不足に苦しんでいるドゥラエレーデ陣営はもちろん招待を受諾。日本からは他にラムジェット、ディクテオンが選出。他国からは香港のChancheng Glory(チェンチェングローリー)、米国のPost Time(ポストタイム)が選出されている。特にPost Timeは昨年のBCダートマイルで2着、前走のホイットニーSでは掲示板を外したものの安定して3着以内に入り続けている強敵である。結局、この強敵をどうにかすることはかなわず、Chancheng Gloryとラムジェットが競り合ってるところをディクテオンがぶち抜くのをはるか前に見ることしかできない5着に終わった(4着の現地のSpeed Youngにさえ6馬身おいて行かれた)。
| 着順 | 馬名 | タイム | 馬身 | 騎手 | 調教師 | 所属 | 生産国 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ディクテオン | 1:50.8 | 矢野貴之 | 荒山勝徳 | 大井競馬場 | 日本 | |
| 2 | Chancheng Glory | 1:51.0 | 1 | Chun Lok Chau | Kin Wai Francius Lui | 香港 | 米国 |
| 3 | ラムジェット | 1:51.4 | 2 | 三浦皇成 | 佐々木晶三 | 栗東 | 日本 |
| 4 | Speed Young | 1:52.1 | 4 | Kim Hye Sun | Bang Dong Suk | 韓国 | 韓国 |
| 5 | ドゥラエレーデ | 1:53.0 | 6 | 松山弘平 | 池添学 | 栗東 | 日本 |
当然賞金が足りないわけで、みやこS(GIII)へ。道中3番手付近で追走するも、前のダブルハートボンドが止まらず、しかも後ろから3頭に抜かされて5着。またもお金は稼ぐも賞金加算には失敗することとなった。
ここまでダートで3戦こなしたが、あまりパッとしない戦績が続くドゥラエレーデ。チャンピオンズカップの登録馬にもその名前はなく、それどころか有馬記念への出走を示唆。(ドルチェモアのXアカウントで)投票を呼び掛けていたものの、その4日後にはなんと大井競馬への移籍を報告。大どんでん返しもいいとこであるが、なかなか出走できない現状を顧みると妥当な判断だろう。鞍上スタンプラリー in大井を期待しつつも、新天地で活躍してまた一線級のライバルと鎬を削る所を見せてほしいところだ。
と思ってたらまだ芝への未練があるらしく、一度芝レースを使って、そこでの結果を見て判断するとのこと。そんなわけで次走は鳴尾記念(GIII)を予定しているとのことで、鞍上は西村淳也騎手を新たに迎え、このレースが中央残留への正念場となるところだったが、先行策とって前が1000mを57.1秒で行くような展開で、しかもそのあとも止まらない状況でダートを主戦場としてきた彼にはどうにもならず、ブービーからも3馬身遅れる最下位に撃沈することとなった。
で、12月11日に中央競馬からの抹消のニュース
が流れた。行先は種牡馬(繋養先未定)とのことなので、地方競馬へ行くという話でもないようだ。競走馬としての現役生活は最後まで気まぐれな馬であった。しかし…
6歳・春シーズン
年が明けた2026年1月8日、種牡馬入りの話がなくなり一度は棚上げになった大井競馬に移籍、藤田輝信厩舎の競走馬として復帰することが伝えられることとなり、まだまだ話題が尽きることがない状況である。
そんな大井転厩初戦は川崎記念(JpnI)を予定していたが、4月8日なのに4月3日時点で鞍上が未定と相変わらずのグダグダっぷりだったが結局御神本訓史騎手に決定した。が、体調が優れない日が続いていた御神本騎手は疾病により当日の騎乗が出来なくなり、またしてもヤネが不在になってしまう。そこで代わりに乗ることになったのは川崎の野畑凌騎手。今年が5年目の若手騎手だが、通算500勝を南関東騎手最速で達成する有望株である。
アウトレンジ、ディクテオン、テンカジョウ、カゼノランナーの4頭が有力と見られオッズが割れる中、ドゥラエレーデは+14kgの体重増や近年の凡走から8番人気となった。ちなみに日本ダービー以来の顔合わせとなるホウオウビスケッツも出走していた。
ゲートが開くや否や野畑は全力で促して先頭争いに加わり、内枠からハナに立ったカゼノランナーを見る形で2番手を追走した。レースは大きな緩みなく進み、3コーナーからカゼノランナーに並びかけるが、レースを支配したカゼノランナーの勢いは止まらない。ドゥラエレーデも懸命に追うが無情にも差は開き、逃げ切ったカゼノランナーから2馬身差の2着に終わったものの、1番人気のアウトレンジには何とか半馬身先着した。
連対は1年半ほど前のエルムステークス以来。惜しくも勝ちは逃したものの、ある意味鮮烈な初戦だった…。
だが、その後の大井記念(SI)は1番人気に支持され、2番手追走するも最後は力尽き13着惨敗。その後マーキュリーカップ(JpnIII)では吉原寛人に乗り替わりとなり、4番人気で5着(地方馬最先着)。
血統表
| ドゥラメンテ 2012 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
| Miesque | |||
| *マンファス | *ラストタイクーン | ||
| Pilot Bird | |||
| アドマイヤグルーヴ 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
| Wishing Well | |||
| エアグルーヴ | *トニービン | ||
| ダイナカール | |||
| マルケッサ 2015 鹿毛 FNo.1-w |
オルフェーヴル 2008 栗毛 |
ステイゴールド | *サンデーサイレンス |
| ゴールデンサッシュ | |||
| オリエンタルアート | メジロマックイーン | ||
| エレクトロアート | |||
| *マルペンサ 2006 鹿毛 |
Orpen | Lure | |
| Bonita Francita | |||
| Marsella | *サザンヘイロー | ||
| Riviere |
クロス:*サンデーサイレンス 3×4(18.75%)、Halo 4×5×5(12.50%)、*ノーザンテースト 5×5(6.25%)
関連動画
関連リンク
関連項目
脚注
- *ちなみにこのレースで1番人気ミッキーカプチーノが5着に敗れたことで2022年のJRA平地GIは1番人気が24戦4勝、グレード制導入以来最低勝率を更新する.167という結果に。詳しくは1番人気の呪いの記事を参照。
- *2頭の新馬戦では、デルマソトガケはドゥラエレーデに1/2馬身差の6着だった。
- *開催時期は逆だがフサイチパンドラが2007年に同じローテで出走している。
- *出走馬決定賞金は、収得賞金+過去1年間に獲得した収得賞金+過去2年間にGI級競走で獲得した収得賞金で定義され、彼の場合、収得賞金=5960万円、過去1年間に獲得した収得賞金=750万円、過去2年間にGI級競走で獲得した収得賞金=3500万円で、合計は1億0210万円である。今年のボーダーはテーオードレフォンの8500万円
- *例えば、2025年ポルックスSに出走するなら、負担重量は5歳以上の基準57kgに、収得賞金の1600万円を超えた部分の1200万円につき+1kgという規定から、5960-1600=4360を1200で割って端数を切り捨てた3kgが加増され60kgとなる。バレンタインSに至っては基準重量57kgに収得賞金の1600万円を超えた部分の600万円につき+1kgという規定から、7kg加増の63kgとなってしまい、事実上出走お断り状態である。中央重賞の別定戦であれば勝ち鞍の格付け等で判定されるため、3歳以降勝ちがない彼の場合基準重量(プロキオンSであれば57kg)で出走が可能である
- *ドウデュース・シャフリヤール・ダノンデサイルといった3世代の日本ダービー馬に加え、牝馬二冠のスターズオンアースとエリザベス女王杯で復調の兆しを見せたスタニングローズ、菊花賞馬のアーバンシックや後輩ホープフルステークス馬レガレイラ、春の古馬路線で活躍したベラジオオペラやブローザホーン、コックスプレートなどで2着のプログノーシスに大阪杯やBCターフ2着のローシャムパーク、古豪のディープボンドなどが来る関係で、2着以内に入れるかという観点からそもそも絶望的だろう。2024年は賞金上位馬が多数参戦した影響が大きく、出走時点の出走馬決定賞金が1億0210万円では出走すら厳しかった。
- *2024年までの東海Sの役割を引き継いだもので2025年は1月下旬に中京ダート1800mで開催。東海Sは代わりにプロキオンSの役割を引き継ぐ。
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アオラキ
- ウメムスビ
- エイシンフェンサー
- エースインパクト
- オオバンブルマイ
- オマタセシマシタ
- オーギュストロダン
- オーサムリザルト
- カビールカーン
- カーインライジング
- コスタノヴァ
- コンティニュアス
- ゴリアット
- ゴールデンスナップ
- シャンパンカラー
- シュヴィル
- ショウガタップリ
- シランケド(競走馬)
- シンゾー
- シンリョクカ
- ソールオリエンス
- タスティエーラ(競走馬)
- チャリン
- デルマソトガケ
- トップナイフ
- ドゥレッツァ
- ドルチェモア
- ハッピーミーク(競走馬)
- ハルオーブ
- ヒーローコール
- ビターグラッセ(競走馬)
- ビッグシーザー
- ファンタスティックムーン
- ファントムシーフ
- フォルキャップ
- ブルーアーカイブ(競走馬)
- ブルーストッキング
- ブレイディヴェーグ
- ヘルシェイク
- ベラジオオペラ
- マイネルラウレア
- マスクトディーヴァ
- マンダリンヒーロー
- ミックファイア
- ミトノオー
- モズメイメイ
- モーメントキャッチ
- ヤマニンウルス
- ユメノホノオ
- ライトクオンタム
- リトルココン(競走馬)
- リバティアイランド
- ルガル
- レーベンスティール
- ロードフォンス
- ワイズメアリー
- ヴェルテンベルク
▶もっと見る
- 15
- 0pt

