※テレビアニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION」に登場するドクターイエローをモチーフにしたロボットについてはこちらの記事を参照→シンカリオン ドクターイエロー
概要
正式名称は「新幹線電気軌道総合試験車」で、ドクターイエローは車体の色から取られた愛称である。
現在はその希少さから「見ると幸せになる」などと言われているが、撮り鉄や親子連れなどの間で起こる混乱を避けるため基本的にその運行情報は機密事項となっており、事前に把握して撮影に向かうことは基本的には難しい(が、ドクターイエローは約10日毎に周期的に走行している為大まかな把握は出来たりする)。
ドクターイエローの一覧
東海道・山陽新幹線
922形(全廃)
0系の試作車1000形B編成が電気検測車922形T1編成であり、最高速度は200km/h。1974年に廃車となり、同10番台のT2編成が登場。軌道検測車921形も取り込み、ドクターイエローの愛称はここで生まれた。1979年に20番台のT3編成を増備した。
なお、T3編成の先頭車(922-26)は名古屋のリニア・鉄道館に収蔵されたため京都鉄道博物館にはいないが、同編成は2025年春以降に白山総合車両所横の白山市立高速鉄道ビジターセンターに移設される。
当初は日中の走行であったが、民営化直前の東海道新幹線速度向上により夜間計測へと移行した。
通常は検測業務のみに就くが、阪神淡路大震災の際には修理に必要な部材を東京から輸送するために臨時運行されたことがある。
- T1編成(元1000形B編成)
922-1 922-2 922-3 922-4 信号・通信測定 電気測定 資材車 電気測定 - T2編成
922-11 922-12 922-13 922-14 921-11 922-15 922-16 信号・通信・電気測定 データ処理 電源車 倉庫・休憩 軌道検測 救援車 架線摩耗測定 - T3編成
922-21 922-22 922-23 922-24 921-11 922-25 922-26 休憩室 架線摩耗測定・データ処理 電源車 倉庫 軌道検測 救援車 信号・通信・電気測定
923形
「のぞみ」ダイヤに対応するべく700系ベースで開発された。2001年にJR東海がT4編成を配備しT2編成を置き換え、2005年にJR西日本が3000番台のT5編成を導入してT3編成を置き換えている。最高速度は270km/h。普段は東京交番検査車両所にJR東海・JR西日本の両編成がおり、持ち回りで検査を行う。検査ダイヤは通過設定がある「のぞみ」ベースのダイヤと「こだま」ベースの各駅停車ダイヤがある。
ベースとなった700系のうち16両のC・B編成は2019年度に東海道から引退したが、923形については現役を続行(一部では2015年の全検がT4編成の最終全検と言われていた)。
最近ではドクターイエロー専用のツアーが設定されたり、スーパー玉出とコラボするなどしている。
なお、コムトラック上ではT5編成はQ編成として明確に区別されている。
現在はN700Sに一部検査機器を搭載して走行中検査を実施しているが、より精度の高い検査を実施する際にはドクターイエローが用いられている。
しかし、ベースとなる700系では東海道新幹線の285km/hダイヤに対応できないことと、車両の老朽化、N700S営業車両(J編成)への検測装置搭載の目処がたったため、2024年7月に引退が発表された。JR東海のT4編成が2025年1月に、JR西日本のT5編成が2027年に引退。T5編成引退後(2027年以降)はN700S(J編成)にて検測が実施される。
なお、2024年8月26日にT5編成が浜松工場を検査出場した。
先代のT3編成先頭車(922-26)が2025年に名古屋から白山に移設されるが、引退後のT4編成の去就は未定。
- T4編成(T5編成は3000番台)
923-1 923-2 923-3 923-4 923-5 923-6 923-7 電気検測車 軌道検測車 電気検測車
923-2:高圧室、電気関係測定
923-3:観測ドーム、電気倉庫および電力データ整理
923-4:軌道検測、施設データ整理および倉庫
923-5:多目的試験、電源供給、観測ドームおよび休憩室
923-6:高圧室・電気関係測定機器
923-7:電気・施設測定機器、添乗室
東北・上越・長野新幹線
925形(全廃)
1979年に製造され、S1編成を名乗った。200系の原型の一つにあたる。後に926形新幹線試作電車を1983年に改造した10番台のS2編成も登場している。1997年にはレーザー測定を採用した200系の中間車を改造した-32も登場している。
ドクターイエロー以外の新幹線検測車
東北・北海道・上越・山形・秋田・北陸(長野)新幹線
E926形(East i)
黄色ではなく白い車体となり、赤色の帯を纏っている。愛称は「East i(イーストアイ)」。
ミニ新幹線区間に乗り入れ可能なE3系をベースに2001年に導入された。北陸新幹線も走行する為50/60Hz対応である。
E926形のうち、E926-13は2015年2月4日に廃車された。
JR東日本では在来線用の検測車にも同じ配色を導入しており、電化区間用のE491系は「East i-E(イーストアイ・ダッシュイー)」、非電化区間用のキヤE193系は「East i-D(イーストアイ・ダッシュディー)」の愛称が付与されている。
九州新幹線
先行開業時は東海道・山陽新幹線と線路が繋がっておらずドクターイエローの乗り入れができなかった。開業区間の距離も短かったため専用車両を導入する程ではなく、営業車両の800系U001編成に検測機能が付加される形となった。しばらく車両番号末尾にKを付して区別していたが、その後導入された800系増備車のU007~U009編成にも検測機能が付加されたため車番変更が行われ、末尾のKは外されている。
全線開通をもって東海道・山陽新幹線と線路が繋がったが、ドクターイエローの九州新幹線乗り入れ対応は行われておらず、従来の体制が維持されている(JR西日本管轄となる博多総合車両所までの乗り入れとなっている)。
西九州新幹線
西九州新幹線においても九州新幹線開業時と同様に東海道・山陽新幹線と線路が繋がっていないため、営業車両のN700S系Y1・Y3編成に軌道検測機能、Y2編成に架線検測機能が付加されて検測を行っている。
関連動画
関連項目
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の使用車両 |
0系(1000形) - 100系 - 300系 - 500系(WIN350) - 700系 - 800系 - N700系 - N700S - ドクターイエロー |
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の列車名 |
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