ドダイとは、アニメ「機動戦士ガンダム」およびそのシリーズに登場する航空機。この記事ではドダイGA・ドダイYS・ドダイⅡ・ドダイ改についても言及する。
概要
開発・運用はジオン公国。初登場はTV版第23話であり、意外なことにTV版ではこの回と43話のみ登場である。「機動戦士Zガンダム」では後述のサブフライトシステム(SFS)と呼ばれる設定が追加されたため、連邦や反連邦ではあるが系譜上は派生組織と言えるカラバにおいてもドダイ改と呼ばれる本機の改修型が頻繁に用いられている。そのため爆撃機としてよりはMS輸送機としての印象が強い。
このこともあってか、かつては要撃爆撃機と言う作品独自のカテゴライズがなされていたが、現在では用いられていない(ただし、ドダイGA・ドダイYSは重爆撃機とされる)。ただ、史実においてもJu52のように爆撃・輸送機としても用いられた航空機も多く存在するため、どちらが狙いであったかは判断が難しい。
開発または用途変更前史
意外と勘違いをしている人も多いのだが、MS自体は本来単独で空を飛ぶことができない。バーニアを吹かすことで一時的に浮遊状態となる演出もゲームなどでは存在するが、いずれにせよ飛行とは言い難い。MSに汎用性を求めたジオン公国は飛行が可能なMS(グフ飛行試験型)を開発していたが、宇宙国家故の大気圏内飛行についてのノウハウ不足もあり、重量増で使い物にならず一部機体に至っては爆発事故を起こしてパイロットが死亡すると言う悲劇的な結末を迎えた。
そこで次善の策として、最終的に既存のMSを既存の航空機に搭載することで戦場までの展開を用意にし、場合によってはそのまま空中戦を展開すると言う戦術が取られたのである。この戦術に適応したのがドダイ(GAであるがのちにYS)であった。
機体性能
爆撃機としての性能は不明。主武装は8連装のミサイルランチャーであり、爆弾用の弾倉は存在していないようだ。バーナーは主力が2基、補助用と思われるものが4基、後方に確認できる。上面から空気を取り入れ、下面に噴出することでVTOLが可能。他、ロケットブースターの追加装備も可能である。
本来的には爆撃機であったと思われるが、余裕のある性能を買われて(と言えば聞こえがいいが、悪く言えば爆撃機としては貧弱な爆弾搭載能力を見限られて)地上でのMS運用に駆り出された。上面にMSを一機搭載し、戦場までの輸送はもちろん、場合によってはMSには不得手な航空戦の援護を行った。熟練パイロットはドダイに搭乗しながら空中戦を展開、場合によっては空中で離脱し敵機を捕捉、撃滅したのち再びドダイに搭乗すると言う離れ技を行ったと言う。
一年戦争後・サブフライトシステム全盛期
一年戦争後、ジオン公国の後継国家であるジオン共和国では大気圏内での戦闘ノウハウは放棄されたようで、その系譜は皮肉なことにサブフライトシステム(SFS)として連邦が受け継ぐことになる。これは本拠地が地球にあることも理由だが、ペガサス級(ホワイトベース)強襲揚陸艦のようなミノフスキークラフト搭載艦が予算の関係上、建艦中止になったこと、その代替えとしてガルダ級と呼ばれる大型航空機が配備されたが、射出後は細やかな戦闘支援を行うことが困難であったことが原因のようだ。
0087年のグリプス戦役時にはカラバにおいてドダイ改と呼ばれるドダイ系の航空機が運用されている。最初からSFSとして開発されたものらしく、専用のクリップを装備しこれを掴んで安定した戦闘を可能にしている。また、非武装であったがMS搭載数は二機に向上。無人での操縦も実現し、文字通り土台化したフレキシブルな運用を可能としている。
衰退
ティターンズ系統のベースジャバー、宇宙用のゲターと並んで0105年のマフティー動乱まではSFSとして地上部隊の必須装備であったドダイであったが、同年ついに史上初のミノフスキークラフト搭載機であるペーネロペーとΞガンダムが実戦に登場。両機は航空機の支援なしに自力で飛行を可能にしており、四半世紀に渡ったSFSと関連した戦術そのものが一気に陳腐化する。
以降、急速に淘汰が進んだらしく、ドダイを含めたSFS群は連邦では存在が確認できなくなる(ただし、0153年のザンスカール戦争においてはベスパがアインラッドなどのSFSを大量導入しており、全くなくなった訳ではない)。
型式
- ドダイGA
先行量産タイプ。爆撃専門であり、ゲームなどでは最初に製造できることが多い。SFS機能はあるとされる説とないと言う説がある。 - ドダイYS
初のSFS機能を備えた機体とされるが、TV版ではルッグンにもMS搭載能力がある。もっとも、機体上面にそのまま搭乗するタイプは間違いなく本機が端緒である。ドダイ改と違い、立って搭乗するようだ。 - ドダイⅡ
ミサイルランチャーを廃し、エンジンを強化した完全なSFS。 - ドダイ改
Zガンダムに搭乗。作中で明確にSFSとされたのは本機が初である。前述のように無人操縦が可能で、クリップを設けるなどMS搭載に大きな配慮がなされている。
その他
- 命名の由来は土台から。また、宇宙用のSFSゲターは下駄から。
- 作中の描写から、グフの付属物として人気があり同封されている商品もある。
- サブフライトシステムはZガンダムにおいて空中戦を無理なく描くために導入された概念である。ただし、MS戦らしくないと言う批判があり、最終的にF91においてMSに飛行能力を与えることで決着を図ったと言われる(もっとも、小説作品では前述の閃光のハサウェイの二機が先行しているが)。
- ガンダム以降のリアルロボットモノでは、飛行技術をどう取り扱うかがネックになった。押井守はパトレイバーにおいて、レイバーを飛ばしたことを悔しがる発言を残している。しかし、ミノフスキークラフト装備機の登場により、ガンダムにおいても飛行そのものは珍しくなくなり、業界全般でもやや軟化傾向にあるようだ。
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