ドットトレーサーとは、パソコン内の画像をお絵カキコなどの「お絵かき掲示板」に自動で模写してくれるソフトの総称である。「ドットトレーサー」というそのままの名前のソフトも存在する。
概要
画像ファイルを読み込ませるだけで、お絵描き掲示板に自動で模写してくれるツールである。お絵描き掲示板には職人的な技術を持ったドッターや絵師がいるが、一見それとは区別がつかない精密な一枚を、いとも簡単に生成することが可能である。
仕組み
パソコン(特にWeb上)でよく使用される画像はビットマップ画像とよばれ、それぞれに色が設定されたドットの配列によって映像を表現する。これをすべてのドットについて1つずつ真似して描写すれば、ビットマップ画像をお絵かき掲示板にコピーすることが可能である。もちろん手動でも可能だが、画像が大きくなれば洒落にならないほど時間と労力が必要となり、実用的ではない。そこで、この時間と手間はかかるが頭を使う必要のない単純作業をプログラムにやらせて目的を達成しようとするのがドットトレーサーなのである。
ニコニコ大百科でのドットトレーサー
「お絵かき掲示板」は何年も前、20世紀の頃からあった文化なのでドットトレーサー自体も古いものが存在するが、多くのドットトレーサーは「お絵かき掲示板」の一種であるニコニコ大百科の「お絵カキコ」に対しても普通に使うことができる。
ごく単純な仕組みのトレーサーは人間では絶対にありえない手順で絵を描いていく。ニコニコ大百科のお絵カキコは絵を描く過程を再生することが出来るため、過程を見れば容易に手書きとの見分けがつく。うますぎる絵にトレーサー疑惑を感じたら絵をクリックしてみるとよいだろう。
長所と短所
大百科では、投稿したお絵カキコを記事の中に挿入できるため、記事用の素材作りとして役に立つ。しかしその一方で、使い方によっては著作権などの問題も発生し得る。これを防ぐためには使う側が自重をする必要がある。
掲示板での評価
お絵カキコは基本的に「お絵描きを楽しむ場」として用意されており、ニコニコ大百科において画像投稿は意図的に出来なくなっていることを踏まえれば、既存の画像を機械的に複製し投稿するドットトレーサーはかなり際どい立ち位置にいる。
前述したとおり違いは再生すれば判別はできるものの、掲示板では一つのお絵カキコとして並列に閲覧されることになるため、手描きで絵を描く人間が「だったら自分が描かなくてもいいや」という風に、モチベーションの低下を招く可能性もある。
これらを危惧して初期の頃はドットトレーサーを使用したお絵カキコは削除される傾向にあったが、最近ではあまり削除されることは無くなったようである。トレーサーを使用した素材があるからこそ存在できた記事もいくつか存在しており頭ごなしに非難されるべきものでもないが、極めてグレーな存在であることは理解しておくべきであろう。
関連項目
関連リンク
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