| 1997年 | 1998年 | 1999年 |
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『ドラえもん のび太の南海大冒険』とは、映画ドラえもんシリーズ第18作である。1998年3月7日公開。同時上映は『帰ってきたドラえもん』『ザ☆ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!』。
主題歌は『ホットミルク』。作詞:岩城由美・HINANO、作曲・編曲:鴨宮諒、コーラスアレンジ:高浪敬太郎、歌:吉川ひなの。
オープニング「ドラえもんのうた」も、同じく吉川ひなのが歌っており、オリジナル版の音源以外が映画のオープニングに使用されたのは初の事例となる。
概要
映画ドラえもん第19作、大長編ドラえもんとしては第18作となる作品。1996年に原作者の藤子・F・不二雄が亡くなっているため、本作が藤子プロ原作の初の映画作品となった。
原作はドラえもん短編漫画で1980年9月号に執筆された『南海の大冒険』という20頁125コマの作品(てんとう虫コミックス版第45巻及び藤子・F・不二雄大全集第11巻収録。単行本版は129コマに加筆)。
また本作より映像が16:9サイズになる、音楽担当の菊池俊輔が降板(テレビアニメ・短編映画には続投)、担当声優に歌手やタレントなどを多数起用するようになる等、映画ドラえもんシリーズの大きなターニングポイントとなった作品でもある。
ただし、今作では芸能人吹き替えについてはあまり大きくクローズアップしなかった(むしろテーマ曲の方を全面に押し出していた)。
また、永年ドラえもんテーマ曲に携わった武田鉄矢は藤子F死去時に勇退を発表したため、この作品からは一切関わっていない。
原作者の死去後初の映画作品であり注目された本作だが、作者亡き後という話題性もあってか、配給収入はシリーズ内でも歴代1位(公開当時)、観客動員数も『のび太の日本誕生』に次ぐ歴代2位となり大きな好評を博し、結果現在に至るまで映画ドラえもんの上映が続いている。
本作では既に原作に存在しないオリジナルの道具も扱っており、「桃太郎印のきびだんご」ならぬ「おしり印のきびだんご」といったギャグテイストのものが登場した(但し、これには一部ファンでは「子供向けにシフトしすぎ」と批判の声も挙がっていた)。
この映画の公開に合わせてドラえもんの顔を帆に描いた「ドラりん丸」という帆船も作られ、映画中にも重要なワンシーンで登場している。
なお、入場者プレゼントは10色ランダムの「ミニドラりん丸」というコマで、10色展開はこの作品が最後になり、以後はカラーバリエーションが縮小され、5~6色ランダムとなった劇場来場記念アイテムが入場者に配られている。
あらすじ
学校の図書館でスティーヴンソンの『宝島』を読んで触発されたのび太は、ドラえもんに宝探しの旅を提案する。ドラえもんも初めは乗り気でなかったが、ひみつ道具「宝さがし地図」でのび太が一発で財宝の在処を当てたことで気持ちが変わり、いつものみんなを呼んで冒険に出発した。
ひみつ道具を使ってみんなで海賊ごっこをしている途中、のび太は本物の海賊船を発見したと騒ぐが、みんなにはまるで信じてもらえない。すると突然本物の海坊主が目の前に現れた。更には船が突然眩い光に包まれて、17世紀のカリブ海にワープしてしまった。そこにはのび太が見たものと同じの、巨大な海賊船があったのである。
突然目の前に出現した海賊船に押しつぶされてしまったドラえもんたちは海に投げ出されてしまうも、運良く海賊船の船員たちに助けだされた。しかし、そこにのび太の姿はなかったのであった。その上、ドラえもんのひみつ道具はその殆どをポケットと一緒に失ってしまい、手元に残ったのは7個のひみつ道具だけであった。その中でちょうど良く「ほんやくコンニャク」が残っていたのはご都合主義であろう。
一方、ピンク色のイルカ「ルフィン」に命を救われたのび太は、ジャックと名乗る無人島で暮らす少年と出会う。その中ドラえもんたちはのび太を探すべく、キャプテン・キッド率いる海賊と共に宝島のトモス島を目指すが、そこは謎の生物が多く生息する未知の島であった…。
ゲストキャラクター
- ジャック
- CV:マッハ文朱
- のび太が流れ着いた先の無人島で、1人で生活している少年。当初はほんやくコンニャクもないためのび太とは当然言葉が通じないが、一緒に行動している内に次第に仲良くなっていった。のび太のことを「ノビー」と呼んでいる。
ジャックの声を務めたマッハ文朱にとっては、10年ぶりの映画出演作品で、現時点では最後の映画吹き替え作品でもある。 - ペティ
- CV:早見優
- 海賊の一味の女性で、腕っぷしが強く気性が荒い性格。しかしジャイアンの勇気ある行動や歌(!?)を高く評価しており、別れの際に「残って一緒に海賊をやろう」と誘ってきている(当然断られたが)。実はジャックの姉で、はぐれてしまった弟と父の身を案じている。
- ルフィン
- CV:麻上洋子
- ジャックの親友の、ピンク色のイルカ。溺れていたのび太を救出した。知能が非常に高く、テレパシー能力を使って人間との意思疎通もできる。
- 実はタイムパトロールの隊員で、キャッシュの基地を探すために活動していた。そしてのび太の持っていた地図の切れ端から、地形を把握して基地を見つけ出している。
- キャプテン・キッド
- CV:江守徹
- 海賊船の船長。厳しくも仲間思いな性格で、その男らしい威厳と統率力から絶大な支持を集める海の漢。
- ゴンザレス、パンチョ
- CV:林家木久蔵(現:林家木久扇)、林家こぶ平(現:9代目林家正蔵)
- キャプテン・キッドの手下の海賊。原作と映画版ではデザインが異なっている。
- キャプテン・コルト
- CV:阪脩
- キャプテン・キッドの旧友。実はジャックとペティの父親で、本人ももちろん海賊。劇中ではMr.キャッシュの罠にかかり強制労働を強いられていたが、キッドたちに救出され闘いに加担している。
- Mr.キャッシュ
- CV:上條恒彦
- ドラえもん達がトモス島に上陸した時、どこからか監視カメラで動向を確認していた謎の男。
- その正体は、トモス島で秘密基地を作り現地の海賊たちを強制労働させ、法の支配が行き届かない17世紀でペット用や軍用の改造生物を製造して高値で売り捌いていた、22世紀からやって来た悪徳商人。22世紀のアドベンチャーゲーム『インディラ・ジョンソンの冒険』の販売元でもあり、トモス島の洞窟内に設置して警備していたが、結果的にドラえもんに怪しまれる事になる。
- 最終的にはタイムパトロールによって逮捕された。
- Dr.クロン
- CV:富田耕生
- Mr.キャッシュと共に改造生物を製造していた22世紀の科学者で、新生物を生み出すなどの危険な研究を行った結果、学会を追放されたというマッドサイエンティスト。
- 人質に取ったルフィンを改造生物にしようとしたが、ドラえもんたちに阻止された上でプログラムを破壊され、タイムパトロールによって逮捕された。
- リバイアサン
- CV:茶風林
- Dr.クロンが生み出した、究極の改造生物。非常に強靭で、砲弾や麻酔銃などあらゆる攻撃をはね返して苦戦させた。
- 最終的には行方不明になってしまい、他の改造生物はタイムパトロールによって回収された中、放置されてしまった。その結果、リバイアサンは伝説上の生物として現代まで語り継がれることとなった(実際にも、旧約聖書に「レヴィアタン(リヴァイアサン)」として記述されている怪物として知られている。ただし、本作の舞台は大航海時代なので当然ながらこの伝説には繋がらない)。
関連動画
関連項目
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