『ドラえもん のび太の沖縄ヘリパッド』( - のびたのおきなわヘリパッド)とは、沖縄県で米軍ヘリパッド建設に抗議していた団体の一人がロープで拘束される映像の通称である。拘束されて苦痛を訴えていた人物の声がかつてのドラえもんによく似ていたことから話題となり、ニコニコ動画でもこのような通称で広められた。
背景
映像の出典は沖縄タイムスと思われ、それによると映像は2016年9月28日に沖縄県東村高江周辺の米軍北部訓練場内での出来事を撮影したもの。
現場は植物の群生する斜面で、ヘリポート建設のために伐採が行われていたが、斜面の下には建設に反対する人々が約30人集まっていた。この集団は刑事特別法に違反して訓練場内へ侵入しており、伐採された木々がそこへ落下する危険もあったため、移動するよう求められたが応じなかった。従って、警察機動隊員は移動しなかった人々のうち3人の腰や脚に災害救助の要領で命綱を結び付け、5, 6人で斜面の上に引き上げて排除した。
この出来事で50代男性が左足首を捻挫し、全治一週間の怪我を負ったと報じられた。また、ロープを使用された人としては20代女性と60代女性(名護市民)、72歳女性が取材に応じて自身の受けた苦痛を訴えた。
なお、ここで使用されたロープは人や物を支えるに十分な強度を持たない標識用のトラロープであったと明らかにされた。人命が関わる場合には使ってはならないとされるが、ただし、手すりとして使用したり二本以上同時で補助的に使用することは問題ないともされる。県警側も速やかに安全を確保する必要があったため、止むを得ずその場にあったものを用いなければならず、多人数で作業を行うなど安全策を徹底した上で命綱として二本、手すりとして別個に二本を使用したと説明した。
内容
しかし、沖縄タイムスや琉球新報で取り上げられたこうした深刻な背景よりも、話題になったのは映像の内容そのものであった。そこでは拘束されたうちの一人と思しき人物が「人殺し」「痛い、痛い」などと大声で叫んでいるが、その声がかつてのドラえもん(CV: 大山のぶ代)にあまりにも似ているとされたのである。また、そればかりでなく、このとき警察に拘束をやめるよう訴えていた別の人々の声や喋り方もかつての野比のび太(CV: 小原乃梨子)や源静香(CV: 野村道子)などを彷彿とさせるという感想が続出した。よって、映像は一貫してかつての『ドラえもん』のような雰囲気を演出しており、その完成度の高さが話題となったようである。
そうして、ニコニコ動画に転載されたこの映像からは数々のMAD動画が生み出され、一つの動画群を形成することとなった。さらに、何者かがこれら複数の動画に「ドラえもん のび太の沖縄ヘリパッド」というタグを付けたため、一番にこの名がその総称となった。(劇場版ドラえもんの題名のようであるが、話題となった動画は25秒しかなく、従来の劇場版作品と比較するとあまりにも短い。)
なお、その後の転載により、本件の動画には別視点から撮影されたと思われる1分32秒のものがもう一つ存在すると発覚した。この新しい動画では声の主がより鮮明に映っており、さらにはこの人物が「おっぱい触った、エッチ、ドスケベ」としずかちゃんのような台詞を発していたことも分かった。
関連動画
関連静画
外部リンク
- 機動隊、抗議の市民をロープで縛る 米軍ヘリパッド建設 【動画】 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス
- 沖縄県警本部長、市民ロープで拘束は「災害救助」 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス
- 県警「命綱」は「人を支えられない」 市民縛ったロープ、製造業者が明言 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
- 縛られた女性、体にあざ 沖縄・高江のヘリパッド建設 機動隊の「横暴」に怒り - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
関連項目
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