『ドラえもん』とは、
- 藤子・F・不二雄の漫画。本記事で解説する。
- 1の作品に登場する主人公(22世紀からやってきた未来の世界のネコ型ロボット)。→ドラえもん(キャラクター)
- 内藤はるみ・劇団NLTの楽曲。→ドラえもん(日テレ版op)
- 星野源の楽曲。→ドラえもん(星野源)
作品概要
野比のび太は、運動も勉強も苦手、かつ不器用で口下手で運も悪いという、何をしても駄目な小学生。
ある日、机の引き出しから、22世紀の未来世界に住む「のび太の孫の孫」=セワシから送られたという、ネコ型ロボットのドラえもんが現れる。
のび太は、ドラえもんの持つ「すこしふしぎ」な未来の道具を使って様々な非日常的な体験をする。未来の道具の力は時にのび太の力になり、時に思慮の無い使い方のせいで、のび太や周りの人々を振り回す災いとなったりするのであった。
日本人なら言わずと知れた国民的作品。東アジア圏を中心に世界的にもよく知られた傑作である。
原作(漫画版)
1969年12月、小学館の学習雑誌(『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』~『小学四年生』)にて連載開始。連載当初はそこまで大人気というわけではなく、基本その年度しか買わない(小学四年生3月号を買った次は小学五年生4月号を買うため、ドラえもんを読むことができない)学習雑誌の性格上連載終了もあったが(最終話が3作存在するのはそのため)、刊行した6巻までが大変な好評を博し、以降も続刊が決まり、エンドレス展開となった。後に小学五年生、小学六年生にも連載が開始されている。
1300作以上の短編を残し、そのうち自撰の作品を一部加筆なども行い、全45巻をてんとう虫コミックスに収めている。実際、作者が自分でオススメするだけあって、後述の未収録作品と比較しても、完成度の高い傑作が集まっており、後述の未収録作品と比べても知名度も段違いである。尚、てんとう虫コミックス『ドラえもん』は累計1億部以上売れている。
対して、てんとう虫コミックス、通称てんコミ収録作品以外は一般に未収録作品と呼ばれており、約400作品ほどが日の目を見ずに埋もれていた。後に小学館によるドラえもんプラス(未収録作品だけをセレクションしたもの。名作「45年後...」などもこれに含まれる)によって何作かはサルベージされ、手に届きやすくなったものの、依然FFランド収録作品などは閲覧困難な状況が続いていた。しかし、藤子・F・不二雄大全集の刊行によって全てが補完されることになった(但し、作者の原作ではない作品は対象外な上に、言葉狩りに近い表現の書き換えが起きている《自選集出版時に、本人が意図的に書き換えたものもある》作品も少なくない。また、学年雑誌の掲載時から大きく展開が異なっている作品もあり、それらは未収録である…全く別展開の『水たまりの大ピラルク』、コミックスではカットされたページがある『うつつまくら』など)。
1977年には、ドラえもんをメインに創刊されたコロコロコミックでも大々的に連載が始まる。長年に渡ってドラえもんはコロコロ誌上でも破格の扱いを受け、劇場版新作長編アニメが上映される前になるとその原作となる漫画(大長編ドラえもん)も掲載していた。作者亡き現在でもコロコロコミックの表紙や背表紙には、ドラえもんが大きく描かれている。劇場版については「大長編ドラえもん」の項を参照のこと。
1996年に原作者の藤子・F・不二雄が逝去したため、真の最終回が描かれないままとなってしまった未完作品である。事実上の最終話は「ガラパ星から来た男」である。現在では藤子・F・不二雄のアシスタントが彼の意志を継ぎ、なんらかの形で作品は続いている。
漫画のドラえもんはあくまでギャグ漫画である(作者がそう発言している)。なので、教育上よろしくないだとか、のび太のような思考は子供をダメにするとか、そんな寝言は全くのお門違いである。だから、のび太に災難が降り注ごうが、鉄骨が頭上に落ちようが、二階から落ちようが意に介さないのだ。
アニメ版
現在放送中のテレビ朝日版と、1973年に放送されていた日本テレビ版の2つが存在する。
日本テレビ版ドラえもん
詳細は「日本テレビ版ドラえもん」も参照のこと。
通称「旧ドラ」。1973年に日本テレビ動画(※日本テレビと資本関係は無い)が制作したテレビ放送用アニメーション作品。当初は視聴率面で苦戦したものの、後半にはそこそこの人気を得るようになったそうである。しかし、制作会社が突然廃業したために半年で番組が打ち切りとなってしまった。
会社廃業の後フィルムを始め資料が散逸し著作権の帰属先も宙に浮いた状態になってしまい、特に1979年からテレビ朝日版が放送を開始してからは原作者や小学館側もこの作品を黒歴史として扱うようになったため、長年に渡って謎に包まれた作品となった。だがインターネット発達と共に情報の共有化が進むと、当時の関係者が所有していたオープニングとエンディングの映像が転載の末に動画共有サイトなどで投稿され、断片的ながらも30年以上ぶりに日の目を見た。
後のドラえもんのイメージとは大きく異なる藤子・F・不二雄本人作詞のテーマ曲が印象的。いわゆる電波ソングかもしれない。なお藤子F氏は本人原作の「ポコニャン」のアニメでも見事な電波ソングを作詞している。
日テレ版ドラえもんの声優は「あっぱれ!さんま大先生」シリーズのCGキャラクターや2代目バカボンのパパの声などで知られるベテラン声優富田耕生(初代)と、「ドラゴンボール」の孫悟空や「銀河鉄道999」の星野鉄郎などで知られる野沢雅子(2代目)が担当していた。ジャイアンの声をテレ朝版ドラえもんのスネオ役を演じることになる肝付兼太、のび太のママをテレ朝版でのび太役を演じることになる小原乃梨子が担当するなど、一部声優が後のテレ朝版では違う役で登板することになった。
テレビ朝日版
大山時代は「大山ドラ」、リニューアル後は「わさドラ」と区別される。
どちらの時代も劇場アニメが製作されており、現在まで毎年3月上旬に公開。
大山ドラ時代
1979年放送開始。シンエイ動画制作でアニメが放映されていた。当初は月曜日~土曜日18:50~19:00の帯アニメとして始まり、日曜日の朝に総集編が放送されるという形態だった。1981年に長く親しまれた金曜19時00分~19時30分枠の番組となる。この2度目のアニメ化によって爆発的な大ヒット作品となる。ドラえもんは「サザエさん」にならぶ国民的人気キャラクターにまで登りつめた。現在でもテレ朝を代表するキャラクターとして「クレヨンしんちゃん」と共に君臨している。
ドラえもんの声は今なお有名である大山のぶ代(3代目)が担当した。2010年代時点で20代後半以降ぐらいの者にとって、特に(日テレ版と合わせて)この3代目のドラえもんを演じた大山のぶ代のシリーズは高い支持を受けている。放送開始当初から1980年代中頃までは、後任の水田わさびとも程近いハイトーンボイスを用いていたが、1980年代後半以降は若干音域が下へ移行した。特徴的なそのダミ声・もしくはどら声は、原作者の藤子Fをして「ドラえもんの声ってこういう声だったんですね」とまで言わしめたほど。
世話焼きおばさん的なキャラクター像が確立したのも大山の功績が大きく、原作のドラえもんの性格にも大きく影響を与えた。水田が担当して以降のドラえもんはそこから一変し、原作のような悪友的な性格に戻っているが、のび太への「のび太“くん”」という呼び名などは受け継がれている。こうしたキャラの性格の違いもあり、話は中期頃から原作漫画をなぞりつつも展開や結末を大きくアレンジされることもあった[1]。原作ストックが少ない時期から放映されていたこともあり、アニメオリジナルエピソードも作られているほか、原作が豊富になった後でも未アニメ化作品に終わったエピソードも少なくない。一方で、他の藤子F作品を本作向けに改変して使用することもあった(『魔の手がせまる』など)。
キャラクターデザインは当初より原作の画風をあまり考慮したものとはなっておらず、ジャイアン・出木杉・しずちゃんなど、原作版とはほぼ別人レベルで異なるキャラクターも少なくない[2]。放映初期は学年誌と日本テレビ版の中間程度のデザインで、全体的にキャラクターの顔部分が大きく描かれていた。映画第1作上映当時からは頭が小さくなった代わりに全体的なバランスが見直され、このデザインは映画6作目の『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』ぐらいまで使われた。翌年の映画第七作『ドラえもん のび太と鉄人兵団』以降は当時より若干スマートになり、90年代ぐらいまではこのデザインをマイナーチェンジしながら使用。末期になるとキャラクターのオーバーな動きが強調されるようになり、顔も原作版寄りに若干変化していった[3]。
劇場アニメはすべてオリジナル作品で構成。毎年春休みの映画館は親子連れで賑わったほか、多くの作品で配給収入が20億円近い大ヒットシリーズになり、ゴジラ映画に並ぶ東宝のドル箱シリーズになった。この頃から映画館に来てくれた全ての子供たち向けに劇場オリジナルのおもちゃが配布されるのも恒例だった。そのうち『のび太の恐竜』から『のび太のねじ巻き都市冒険記』までの漫画原作は藤子F自身が手がけ、『ねじ巻き都市』が藤子Fの遺作でもある(『のび太のパラレル西遊記』以外の作品は脚本、『のび太の日本誕生』以降の作品は製作総指揮も担当している)。
作品が大ヒットシリーズとなったことで国民的に名が知れたことから、数年に一度程度で実写のテレビ番組にも登場。中には90年代に発達し始めたCGを駆使してドラえもん本人が『徹子の部屋』に登場した回もあった。声を担当していた大山と番組司会の黒柳徹子は元々女優時代からの親友同士でもあり、『徹子の部屋』にも大山のぶ代として出演したこともあるほか、大山が認知症で活動中止を余儀なくされた際には夫の砂川啓介が出演、ボイスメッセージを寄せている。
放送開始から20年近く経過した90年代に入ってもなお大山ドラの安定した人気は定着していたものの、出演者やスタッフの高齢化は経年と共に避けられない事態になっていき、キャストの一部が鬼籍入りするなどしていた。さらに放映期間中の1996年9月23日には原作者の藤子・F・不二雄が急逝したことで「原作サイド」からの発言力が低下。2002年に製作体制が完全デジタル化されたことがひとつの区切りとなる。以後は視聴率アップやCD売り上げを目論んだタイアップ中心のテーマソングの採用増加のほか、脚本家のオリジナリティをより尊重したために原作キャラクターの性格破綻やアニメオリジナルキャラクターの出番増加などのテコ入れが露骨になっていき、大山版本来の持ち味であった「ほのぼのコメディ」としての要素が薄れ、トムとジェリーのようなドタバタ劇を中心とした「スラップスティックコメディ」へと内容も変貌していった。
末期はファンの間でも未だに賛否を招いており「大山ドラは藤子F存命中が黄金期で、作者没後、特に末期は黒歴史」とするファンもいるほど。オープニングテーマの度重なる歌手変更や、実質最後のエンディングテーマとなったWの「あぁ いいな!」については特に批判の声が大きい。実際、原作者死去の際に遺族は一度は番組終了をテレ朝に提言しているが、高視聴率番組かつドル箱映画シリーズという大きな収入源を打ち切ることができなかったため、遺族説得の上で放送継続となっている。
こうした作品品質の不安定化やキャストの高齢化は、わさドラリニューアルへの契機となった。2004年に翌年の映画製作の休止が報じられると、後に大山のぶ代らの降板が発表。全国的なニュースになった。
通常放送最終作には、この時まで一度も映像化されることの無かった原作『45年後…』の初アニメ化作品が選出。翌週はスペシャル番組で、セミファイナルに1984年12月21日放映の第794話『ハリーのしっぽ』を再放送、大トリの最終演目は1985年3月8日放映作『ドラえもんに休日を』のリメイク版でそれまで声を充てていたレギュラーキャストほぼ全員を総出演させてのラストだった。
最終回放映の翌週は大山ドラキャスト最後のスクリーン作品となった『のび太のワンニャン時空伝』のテレビ初放映で、CM入り時にキャストからの勇退メッセージが流れていた。但し『ドラえもんに休日を』については、前述の末期大山ドラの悪い部分全てが集約されたような改変が行われた結果、オリジナルのよさを全て破壊した駄作最終回とするファンも多い(『45年後…』の方は、末期大山ドラに否定的なファンからも概して好評だったことは付け加えておく)。
放映期間は1979年4月1日の特番から2005年3月18日の特番までと、実に26年1787話にも及んだ。奇しくも特番で始まり、特番に終わるという構成だった。
わさドラ時代
2005年4月15日より放映開始した大山版を踏まえない事実上の新シリーズ。
この時から現在の声優である水田わさび(4代目)に交代した。また、20年以上の伝統であったオープニング「ドラえもんのうた」の使用が終了した[4]。リニューアル後のオープニングテーマはなかなか定着せず、3代目テーマ曲「夢をかなえてドラえもん」でようやく『水田わさび版の“ドラえもんのテーマ曲”』が定着し、その後12年に渡って使用された。
前述の通り大山版ドラえもんは安定した人気や視聴率を保ったものの、スタッフやキャストの高齢化のほか、大山自身の体調が思わしくないこともあり自ら降板を申し出たことで、ドラえもんシリーズそのものの刷新が図られることとなった。この状況から製作サイドは番組の大規模なリニューアルを敢行。声優やスタッフなどをほぼ全面的に入れ替え、現代っ子向けの作品に変貌。道具の効果音や劇中に流れる劇伴も全て変更されている。
バラつきがあった脚本や絵柄の方針も「極力藤子・F・不二雄の描いた漫画原作版に近づける」というコンセプトを当初から打ち出している。これは当時のアニメ業界の方針の一つでもあり、90年代ぐらいまでは「アニメはアニメとして別作品」というスタンスで映像版オリジナルや監督、脚本家の個性を引き出す作品を多く作ることが望ましいとされていた作品が多かったのに対し、00年代後半ごろより「原作を忠実に映像化することが望ましい」という考え方が広まったことも影響している。
キャラデザが原作寄りに変更されたことで、藤子・F・不二雄本来の画風での映像化が可能となり「片目が黒目だけのデザインのジャイアン、のび助」「藤子F作品における二枚目風の出木杉」などが復活した。固定されがちだった服装のイメージも原作漫画同様に作品によって変わることになり、キャラクターごとのイメージカラーもこのシリーズではほぼ無くなった。この時代よりキャラソンの重要性も見直されるようになり、ジャイアンに至っては数年に一度のレベルで新曲が作成、その度にニュースにもなっている(大山時代のジャイアンは代表作「おれはジャイアンさまだ!」以外の歌はほぼ作られなかった)。
原作を使用している場合、大山版ほどの改変は行われず比較的原点に忠実に映像化されることが増えているものの、しずちゃんの入浴シーンやのび太のパパの喫煙シーンなどは、現代における自主規制のため他の描写に変更されていることが多くなっている。
例えば『アベコンべ』の映像化作品は、原作及び旧作アニメだと「パパのタバコが吸えば吸うほど伸び続ける」という描写。これがわさドラ版は「削れば削るほど伸び続ける鉛筆」に代替され、これに伴って作品のオチも若干変更している。
その一方でアニメオリジナル作品も多く製作されており、中には芸能人がその月に出演する映画の宣伝などを兼ねてゲストの形で声の出演をしていることもある。
世話焼きおばさん的なキャラクター像から原作のようなキャラクター像に戻ったことで、一時はアニメしか知らない視聴者達に混乱を巻き起こした。特にネット上では放映当初は否定的な意見が多く、脚本家が代わった際に視聴率が一時的にアップした時の大言壮語な態度から炎上騒ぎに発展したこともあった。放送開始から10年以上が経過した現在はそのような意見も落ち着き、毎週SNSのタイムラインを賑わせている。
放映期間中には旧ジャイアンのたてかべ和也らが逝去し、その都度番組内で追悼テロップが表示されていた。
2017年7月には、現体制移行から12年目にして、小規模な番組のリニューアルが行われた。監督が善聡一郎(2019年よりチーフディレクターで復活)から八鍬新之介に交代し、作画面においても、背景が水彩調からポスターカラー調に変更となり、全体的にくっきりとした画面となった。
また、ジャイアンの目が大山版と同様に常に白目が描かれる様になる、服装に大山版時代に近い物が復活する、一部演出・BGM・声優の変更など、随所で変更点がみられるようになった。
2019年10月5日より、声優交代前の1981年から38年間放送が続いた金曜19時台から撤退し、土曜17時00分~17時30分の枠に移動となった。これと同時に、オープニングが2018年の映画『のび太の宝島』で使用された星野源の「ドラえもん」に変更となり、新時代を象徴するような映像のスタイリッシュさなどから大きな話題を集めた。
このシリーズの放映期間中である2009年より、それまでの絶版作品や単行本未収録作品、未刊行作品などを含めた藤子F初の完全収録の漫画全集である『藤子・F・不二雄大全集』が刊行されている。
『ドラえもん』シリーズについても、3年がかりで全1345話、スピンオフ作品『ドラミちゃん』、『大長編ドラえもん』全17作品総てが単行本化され、藤子Fの筆によるドラえもんの未収録作品はほぼ無くなっている。なお、代筆作品は藤子Fがネームを手がけたもののみを「藤子・F・不二雄作品」として掲載。
こうした『原作漫画の扱いの違い』も原作版ドラ本来の性格設定をより世間に広く知らしめた功績の一つといえる(大山版放映当時、特に90年代から末期にかけてはドラえもん以外のA作品含めた藤子不二雄作品はほぼ全て絶版状態で、ドラえもん自体も未収録作品が1000話以上存在していたため、ドラえもんを観る機会が大山ドラか原作者自薦集のてんとう虫コミックス以外に方法が存在せず、どちらも無難な話を主体としており、ブラックな話を見ることはほとんどできなかった)。
大山ドラ時代から続く映画ドラえもんシリーズも2006年より再開され、わさドラでは大山時代における劇場作品のリメイクとオリジナル新作を交互に製作する体制を採っている。しかし、近年はその法則も崩れつつあり、全体としては新作の割合が高まっている。
旧作リメイク映画の場合、多くは原作や旧映画版をなぞりつつも、より『一つの連続した物語である』ということを意識した描写が増えているほか、原作で謎だったオチが意外な形で回収されていたり、過去の映画との繋がりを意識させる場面や小ネタも仕込まれ、さらに「このキャラクターよりはこちらの(別の)キャラクターが演じた方がよかったのでは?」という、登場人物の役割についてもいくらか変更されている。
また、ラストにタイムパトロールなどの「大人」が介入して事件を解決に導いた映画は、「なるべく自分たちだけの力で解決し、一般社会にはいかなる痕跡も残さない」という原作版の絶対法則を忠実かつ自然な形で改変するように務めているため、作品によっては賛否ある。
その他
なお、このアニメ版ドラを真似る際に、ドラえもんをイメージだけで捉えるお笑い芸人などが道具を出す時の効果音として「チャラララッチャラーン♪」といった謎のメロディーを勝手に口ずさむ場面がしばしば見られるが(現・ジャイ子役の山崎バニラも、大正琴でこの『ミス』を就任初期にやらかしている)、実際のアニメでそんなメロディーが流れたことは一度も無い。大山ドラでは「ビカビカー」というバックのアニメに合わせたライトのような効果音で、後期にそれに若干の効果音が足された。のび太のピンチ時などには「ドラえもんのうた」のファンファーレが鳴ることもあった。わさドラではこれとは別の「パッパパーン」という雰囲気のファンファーレが鳴る。
これは、大山ドラと同時期に放映されていたアニメ版『キテレツ大百科』のファンファーレと混同している節も見られる(『キテレツ』では発明品が登場の際に「パーッパパーッパパパパパーチャッチャン」というBGMが流れた。しかし、やはりお笑い芸人の用いる謎のメロディーとは異なるので、本当の出典は結局不明である)。
主な登場人物
詳細な説明は各個別記事を参照。
- ドラえもん
- 野比のび太
- 源静香(原作ではしずちゃん、アニメではしずかちゃんと呼ばれる)
- 剛田武(ジャイアン)
- 骨川スネ夫(親にこんな名前付けられたらグレる)
- ドラミ(ドラえもんと違い優秀な妹)
- 出木杉英才(出来杉はよくある誤り)
- ジャイ子(「同じ名前の子供がいじめられないように」という理由で本名を公開しなかった。漫画を描くときのP.N.はクリスチーネ剛田)
- スネ吉(スネ夫の自慢のいとこ)
- 先生(のび太をよく廊下に立たせる一方で、のび太の使うひみつ道具の被害者でもある)
- 安雄とはる夫(モブの中でも、比較的よく出てくるコンビ)
ニコニコ動画におけるドラえもん
Flash黄金時代
Flash黄金時代から、「ドラえもんのえかきうた(youtube版)」「空耳・ドラえもんのえかきうた(youtube版)」「リアルドラえもん(第1話youtube版)」など、すでに人気は高かった。動画リンクは、この時代の動画サイトから探せないため、再うpか転送うpと思われる。
本編丸上げ動画
ニコニコ動画ではβ時代に「45年後・・・」「しずかちゃんとスイートホーム」・RC時代では「自動ぶんなぐりガス」や「おかえしじしゃく」、「あこがれミラー」等の本編動画は、再生数がずば抜けて多かった。ドラえもんの毒舌発言、内容のシュールさ、ツッコミどころ満載など高い評価を得た(また各回の逆再生された動画も人気)。本編は他のアニメ作品より寿命が短く、2008年2月初頭に全て削除された。 また本編そのもの以外では「きれいなジャイアン」が有名であったが、こういった動画もSP1時代以降削除が厳しくなり(この時点では株式会社小学館集英社プロダクションによる削除のみ)、シンエイ動画によるチェックが本格化してからは全て削除されてしまっている。
自動ぶんなぐりガス(JBG)は当時総合ランキングに載るほどの人気であり、「ニコニコオールスター」系MAD動画にたまに登場していたが、削除が厳しくなったSP1時代以降は弱体化し、さらに(夏)時代以降は話にも上がらない有様である。これは制作元のシンエイ動画が著作権に固執し、異常なまでの厳戒態勢をしいているために、動画を含むものは全て数時間~数日で削除されてしまうからである。シンエイ動画でなかったら、余裕でオールスター入りしていたかもs(ry
余談ではあるが、ニコニコ動画γ時代~RC2時代には権利者に無断でうpされたアニメ本編動画が野放し状態で権利者削除しにくい状況下であった。そこで運営側が権利者のガイドラインの設置、2008年4~5月にかけてVIPPERの通報祭などにより、アニメ本編が次々に削除されるようになった。したがって本編も他のアニメより少し早いが削除に至ったわけである。以上、参考までに。
楽曲、音MAD
一方、楽曲はセーフなようで、数々の音MADなどが投稿されている。特に、ドラえもんのうたの音MADの再生数は今現在でも伸びている。「ストリートファイえもんのうた」はダブルミリオン、薄幸Pによる忙しい人向けシリーズ「忙しい人のための 「ドラえもんのうた」」はトリプルミリオン予備軍を達成している。
ββ時代(2009年8月頃)に「スネ夫が自慢話をするときに流れている曲(フル)」が人気となり、派生動画が急激に増えた。(単語記事:スネ夫が自慢話をするときに流れている曲)
CM
(秋)時代にカラオケUGAのCMにジャイアンを起用した「【公式CM】きれいなジャイアンのリサイタル【UGA自重】」途中まで何のCMがわからず、期待を裏切る流れはインパクト強烈である。人気が再燃しかけたが、案の定一週間後にシンエイ動画に関連動画が根こそぎ抹殺され、以後はいたちごっこの繰り返しで沈静化してしまった。同様の出来事がYouTubeにも起きている。公式UGAチャンネルでこのCMは公式動画として配信されてたが、配信は終了。現在視聴困難な幻のCMとなった。宣伝なのにCMが権利者削除されるのは異例であり、真相は不明であるが、UGAとシンエイは契約していない説など上がっている。
(原宿)時代に「ドラえもん・オブ・バトルドーム【ナイト・オブ・ナイツ】」を元凶に「ドラえもんバトルドームソロ活動リンク」タグの動画がたくさん作られた。「【素材】 ドラえもんバトルドーム 高画質版」が素材なのだが、たった4秒。大山のぶ代の声質の良さが評価され、そこの部分を主体としたものが派生動画が増えた。
コミック、漫画
単行本コミックを読むと、ドラえもんのシュールさがよくわかる。漫画コピーされた動画(著作権的に問題ではある)がうpされミリオン動画に。(「こんなに面白いドラえもんの世界」など)
転載ではあるが、同人漫画「のび太の終わらない夏休み」が人気となっている。「のび太の東方紅魔郷」も諸事情により有名である。詳しくは当該記事を参照。
その他
Zero時代にキヨ(実況プレイヤー)による実況プレイ動画「【実況】こんなドラえもんは嫌だ【Part1】」がランクイン。100万再生突破。このゲームは2001年にセガトイズより発売されたドリームキャスト用ゲームソフトだが、シンエイ動画は未関係と思われ削除されてない。ネタが定着し「キヨえもん」とのあだ名が付けられるほどである。
同時代お菊(生放送主)による自主制作アニメ「ぼくドラえもん」がランクイン。その後再生数は伸び続け、ミリオンいくかと期待されていたが、その内容はこれまた酷く下ネタ連発発言しており、案の定の削除。シンエイと思いきや、株式会社藤子・F・不二雄プロの申立であった(この会社は初削除)。ちなみにこれはシンエイ関連の画像は一切使用していない(←ここ重要)。じゃあ似てねぇよ
また、ドラえもんの歴史上無かったことにされている黒歴史「日本テレビ版ドラえもん」(旧ドラ)はシンエイ制作ではないため細々と生き残っている。調べてみると面白いので、詳しくは該当の記事参照。
ついでに、手描きMADの動画も削除されているため、ドラえもんをはじめとするシンエイ動画関連の動画をうpするには十分な注意が必要である(例:「【手書き】ドラえもん鉄人兵団で魔法の天使クリィミーマミOPパロ」など)。
公式配信
公式配信に関しては2023年現在、テレビ朝日が出資しているABEMAにてわさドラ版を毎週配信中。平日はセレクション形式で過去のエピソード、土日に新着エピソードを配信している。他にも各種VODサイトにて劇場版が配信されている。
最も安定した視聴ならテレ朝動画のドラえもんTVがお勧め。毎週火曜日、金曜日に最新エピソードを配信、約1000話以上が月額見放題なのでどの話でも良いのでとりあえず視聴したいユーザーはこちらへ。
コンビニコミックにおける修正について
2012年11月、ドラえもん大事典から「原子ろ」および「原子力」という文言が削除されていたことが話題になった。
従来のドラえもん大事典では、動力の説明として原子力という具体名が書かれていたが、現在は漠然とエネルギーに文言修正されている。
ただしこの修正はコンビニコミック本(『My First Big』)においてのみ確認されたものであり、「ドラえもん」の単行本である「てんとう虫コミックス」や「藤子・F・不二雄大全集」では、最新の版でも従来通りの表記であるため注意されたい。
お絵カキコ
関連コミュニティ
関連項目
「ドラえもんの関連項目一覧」を参照。
脚注
- *特に、大人しめの原作が初期を彷彿とさせるカオスギャグにまで昇華された『家の中で迷子(原作の『ホームメイロ』)』『アメダスペン』『きこりの泉』、ホラー映画顔負けのトラウマ話に変化した『風船手紙コントローラー』、『真珠製造アコヤケース』『3月の雪』『雪だるまコントローラー』『ペッター』のようにコメディ要素が強い内容から感動路線に転向した作品群、『森は呼んでいる』『エンゼルにおまかせ』『20世紀のおとのさま』のように中篇化してよりドラマチックに改変されたエピソードも少なくない。一方、原作での過激すぎる表現が抑えられた『野次馬アンテナ(原作のように爆発事故は起こらない)』『ゴルゴンの首』なども存在している。また、『ジャイアン、テレビにでる!』(原作だと深夜にテレビをつけっぱなしにしていた人は先生一人だが、当時深夜放送や深夜族は当たり前となっていた)などの作品は今の時代に合うように改訂されている。
- *特にジャイアンやドラえもんは時期によって顔の描き方や髪の形状、ひげの位置などが大きく変化していた。一方でジャイアンやのび助をはじめとする「片目が黒目で描写されるキャラクター」は、ほぼ全員きちんと白目と黒目を分けて描いたデザインに変更されている。
- *ちなみに、「藤子・F・不二雄大全集」版ドラえもん9巻にはこのドラえもんのためのキャラクターシート(アニメスタッフに見せるためのキャラの表情や動きの簡単な見本)が資料特典として掲載されている。ここでは「服装の色・模様は自由」という指定がなされていたが、大山ドラ時代はレギュラーキャラの服装はほぼ固定であった(この作品に限ったことではなく、当時のテレビアニメの一種の慣例。スペシャル版や映画でたまに色違いや柄違いが出る程度で、キャラクターごとにイメージカラーや固定衣装が決められていた)。
- *なお、リニューアル後も半年程は「ドラえもんのうた」の女子十二楽坊演奏版がオープニングとして使用されていた。また、後にも挿入歌・主題歌で再び使用された事もある
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