ドラキュラ伝説とは、コナミから発売された『悪魔城ドラキュラ』シリーズのスピンオフシリーズである。
初代『ドラキュラ伝説(以下ドラ伝)』とその続編『ドラキュラ伝説Ⅱ(以下ドラ伝Ⅱ)』、リメイクと銘打った新作『ドラキュラ伝説ReBirth』、アメコミの『Castlevania The Belmont Legacy』が存在するが、本項目では『ドラ伝』と『ドラ伝Ⅱ』、『Castlevania The Belmont Legacy』について解説する。
ドラキュラ伝説
1989年10月27に発売したゲームボーイ用ソフト。
2012年3月14日に、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信されている。
横スクロール・ライフ制・残機制・時間制の、ステージクリア制アクションゲームであり、全4ステージ。
大きな段差を乗り越えるためにロープを昇降するアクションが初めて採用されている。
ゲームボーイ発売から半年という時期で発売されたが故に、操作性が重く、携帯機だがじっくり腰を据えて挑まなければならない高難度なのが最大の難点。
穴、トゲ天井、トゲ床、トゲ壁などの即死ギミックが多く、足場ギリギリでのジャンプを要求するシビアなものが多いため、この操作性の悪さを感じることが特に多い。
しかし、グラフィックの描き込みやBGMは非常に優れており、ステージの独特なギミックも評価されている。
サブウェポンがない代わりに、アイテムを取ってパワーアップして鞭を強化、最大強化すると攻撃時に鞭の先からファイアボールを放つようになる。
だが被弾時に鞭の能力がパワーダウンしてしまうため、被弾からの立て直しがかなり難しい。
故に緻密なパターン化が必須となるが、そのパターン化した動きで着実に前に進めていけるため、独特の楽しみ方を持っている。
変態的な移動方法がないことも含めた本作での性能や、ドラキュラが僅か15年で復活するほどのダメージしか与えられなかったことから、クリストファーは史上最弱のベルモンドと冗談交じりで言われることがある。
なお、二周目以降は被弾時のダメージがどんどん倍化していく鬼畜仕様となっており、最終的には全攻撃が一撃死の公式オワタ式状態となる。
ストーリーは第1作『悪魔城ドラキュラ』の説明書で言及されていたシモンの100年前の先祖クリストファー・ベルモンドがドラキュラを討伐する内容。海外版では主人公がシモンとしている媒体もあったようで、混乱もあった。
(同時期に発売した『悪魔城伝説』のラルフもシモンの100余年前とされており、開発チーム間で行き違いがあったことが伺えるが、のちにラルフ→クリストファー→シモンの順番に確定された)
後にカップリングソフト『コナミGBコレクションVOL.1』にもグラディウス(ネメシスから改題)やコントラと共に収録された。
ちなみに、同ソフトは欧州では少し遅れてゲームボーイカラー対応ソフトとして発売されているので、カラー化が施された今作で遊ぶ事ができる。
ドラキュラ伝説Ⅱ
『ドラ伝』の正式な続編であり、開発ノウハウの蓄積もあり、遊びやすさが飛躍的に向上している。
主人公の操作性が大幅に改善され、即死ギミックだった針が大ダメージで済む、鞭の強化が一部の攻撃以外被弾しても解除されない、など、嬉しい変更点が多数。
本家にあったサブウェポンもクロス(海外版では斧)と聖水の二種が採用されている。
それを考慮した上でも高難度だが、コンティニューだけでなく本作ではパスワードによるコンティニューも可能になり、ステージの練習が容易になったことでさらに遊びやすくなった。
携帯機における『悪魔城シリーズ』を完成させた、悪魔城ドラキュラシリーズの傑作のひとつである。
『ドラ伝』の頃に登場した、敵の爆発で崩れる橋、壁から飛び出す針、ロープ移動などのギミックは継続して登場。
その上で、滑車や巨大なつり天井を始めとした新ギミックの登場により、挑戦者を飽きさせない。
個性的な敵キャラクターも多く、続投した敵も少なくないが、その全てが新規描き下ろしで登場している。
グラフィックも高評価だが、BGMは前作のさらに上を行く、ゲームボーイとは思えないほどの高水準になっている。
また、本作のさらなる特徴として、最初は4つの城ステージを任意に選択して攻略、全て攻略後敵の本拠地であるドラキュラ城が出現する……といったステージセレクト制となっている。
ただし類似した特徴を持つ『ロックマン』などとは違い、一度クリアしたステージの再選択はできない。
本作は『ドラ伝』からクリストファー・ベルモンドが主人公を続投。
『ドラ伝』から15年後、完全に死んでいなかったドラキュラがクリストファーの息子ソレイユを支配し、復活を企む。
クリストファーは息子のため、そしてドラキュラ討伐の為に旅立つ……というストーリーである。
何と正真正銘のおっさん主人公である。息子の為に(今まで以上の力で)戦いに命を燃やす姿は父親の鑑。
初代同様、後にカップリングソフト『コナミGBコレクションVOL.3』にもグラディウスII(ネメシスIIから改題)などと共に収録。
こちらも欧州ではゲームボーイカラー用ソフトとして発売されているので、やはりカラー版で遊ぶ事が出来た。
ドラキュラ伝説ReBirth
Wiiウェア『ドラキュラ伝説ReBirth』は『ドラキュラ伝説』のリメイク的雰囲気を漂わせているが、実態は別ゲー。
主人公はクリストファーだが、ストーリーも書き直され、他作品との整合性を取っているというか、むしろオリジナルより簡素なものに変わっている。
詳細は『ドラキュラ伝説ReBirth』の記事を参照。
Castlevania The Belmont Legacy
2005年3月30日から海外向けに発刊されたコミックブック版ドラキュラ伝説。
ストーリーはAC版悪魔城ドラキュラを彷彿とさせる。
クリストファーの結婚式から物語が始まり、クリストファーの花嫁となった『イリヤナ』が復活した魔王ドラキュラに攫われてしまいクリストファーはイリヤナを救う為、魔王ドラキュラ率いる吸血鬼達との戦いが始まるという内容となっている。
クリストファーの息子も登場するが、ソレイユの名前は登場しない為その息子がソレイユなのかは不明である。
後の活躍・共演について
ご存知の方もいるかもしれないが、クリストファーは「ドラキュラ伝説Rebirth」以降まともな活躍が無いのである。それどころか共演に至っても、「悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス」では『グレイテスト5』というレオン~リヒターまでのベルモンド族のドットが登場する技があるのだが、そこでもクリストファーはハブられてしまっているのである。
しかし、『悪魔城ドラキュラ グリモアオブソウル』では登場までには至らなかったものの、有角幻也の口から『クリストファー・ベルモンド』の名前が上がっている為、彼の戦いの記録はドラキュラに関する魔導書を管理する組織『エルゴス』によってしっかり後世に伝わっていると思われる。
さらにストーリー上では1999年の戦いについて少し語られるがユリウスやヨーコの名前は出ず、あくまで「ベルモンド」と「ヴェルナンデス」と称されていた。
非正史ではあるものの同じくゲームボーイで発売された『悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲』の主人公、ソニア・ベルモンドも不遇の扱いを受けているがベルモンド族の親になるという意味では彼女と似た運命を辿ったと言えるだろう。
関連動画
ドラ伝
ドラ伝Ⅱ
関連項目
親記事
子記事
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兄弟記事
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- 悪魔城伝説
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- ユリウス・ベルモンド
- 悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンス
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