最大の敵、サイヤ人。
ドラゴンボール超 ブロリーとは、ドラゴンボールシリーズの劇場版20作目。2018年12月14日に公開された。
概要
テレビシリーズ『ドラゴンボール超』の最終章だった力の大会のその後が描かれる。
『超』シリーズとしては初の映画化作品であり、サブタイトルが敵キャラクター名のみの映画は現時点で本作だけである。
2018年3月22日に特報と第一弾ポスターが公開される。ポスターには久々に如意棒を持った悟空が一人佇んでいるものが使用されていた。
その段階では悟空が氷山で何かと戦っていることと、力の大会の後のエピソードであることぐらいしか分からなかったが、7月10日に新ポスターとタイトルが発表され、メインビジュアルには超サイヤ人ブルーに変身した孫悟空とベジータ、そして劇場版に3度登場したあのブロリーが描かれた。
なお、前作『復活のF』ではメイン2人の衣装が新調されていたが、今回のビジュアルでは再びシリーズお馴染みの亀仙流道着と人造人間編で着用していたノースリーブタイプの戦闘服に戻されている(この衣装は『超』の終盤でも同じだった)。
鳥山明は「当時ブロリーはアニメにほぼノータッチで内容を忘れていたが、アレンジ次第ではかなり面白くなりそうだから『超』に組み込んだ。昔のイメージを保ちつつ新たな一面を取り込んでリニューアルした」とコメントした。
また、鳥山は今回の映画について「サイヤ人とフリーザ軍の因縁も関わるスケールの壮大な物語」とコメントし、その言葉通り過去のシリーズでは設定のみに留まっていた部分も映画化されている。
このサイヤ人の過去は本作の5年前に鳥山が執筆し、この時点で彼の漫画における最新作であった『銀河パトロール ジャコ』の単行本に収録された「DRAGON BALL - 放たれた運命の子供」をベースにしており、同時代を28年前に先に描いていた『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』とは矛盾している(そもそも『ドラゴンボール超』は厳密には“原作漫画”の続編であるため、先の原作漫画映像化作品である無印やZ、リメイクの改やZの続編であるGTとは繋がらない部分が多い。「宇宙戦艦ヤマト」並にややこしい事態になっている)。
これは、ブロリーやゴジータといった劇場版オリジナルキャラクターやバーダックなどのアニメオリジナル設定を本編時系列に組み込む目的もあるとされ、実質的に本作はドラゴンボールシリーズ全体のリブート作品ともいえる。
脚本は『神と神』『復活のF』に引き続いて原作者鳥山明が担当し、直接メガホンを取る監督には『ONE PIECE FILM Z』やプリキュアシリーズで実績のある長峯達也を配した。
音楽はドラゴンボール改魔人ブウ編および映画第18作目より本シリーズに携わっている住友紀人が担当。
画調はテレビシリーズから大幅に変更され、1990年代Zシリーズの色調に近いものになっている。
2022年4月16日には、フジテレビ『土曜プレミアム』枠で放送された。地上波では初の放送となる。
キャスティング
先に発表されていた通り、2017年に死去した鶴ひろみに代わりブルマ役に久川綾が起用された。既に花王のコラボCMでも出演していたが、ちゃんとした映像作品としては今回が初の出演となる。
またパラガス役は2011年より家弓家正(2014年没)からゲームでのパラガス役を引き継いでいた宝亀克寿にそのまま交替。こちらも映像作品では初出演となる。
ギネ役にもゲームで起用済みの渡辺菜生子(今回は出ないがチチと兼役)が起用され、ゲームで決まったキャストが映像作品にそのまま登板するということが起きている。
もともと声優担当が佐藤正治と銀河万丈の2人いて一定しなかったベジータ王だが、今回は銀河万丈である。
そして本作では少年期のラディッツが初めてしゃべっているのだが、その声は衝撃的。
本作での主な新設定
前述の通り本作はドラゴンボールのリブートでもあるため、Z等過去の作品とは繋がらない、もしくは新たに設定し直された部分が多数を占める。以下はその一例。
ブロリーについてはほぼ別キャラクターとなっているので単独記事に譲る。
なお、旧設定自体もほとんどはデザインやアドバイスなどで鳥山明自身が何かしら関わっているものであり、一概に原作者が認めない非公式なもの、というわけではない。
- 孫悟空(カカロット)、ベジータ、ブロリーの年齢設定が、Z設定ではカカロット、ブロリーがエイジ737年の同日生まれで、ベジータはエイジ732年生まれで彼らより5歳年上で2人が保育器に入っている時点で既に惑星の地上げを行っていたが、超設定では全員がエイジ739年生まれの同い年に変更された。
- 上記の年齢変更のため、カカロットが地球に着いた時期も異なり、Z設定では生まれて間もない赤ん坊だったため本人の意思が全くなく、文字通り裸一貫で地球にやってきたが、超設定ではある程度成長しており戦闘ジャケットを着けた状態で地球に送り込まれている。
- スカウターの設定が、Z設定では惑星プラントの先住民であるツフル人が開発し、その技術を奪ったのがサイヤ人となっており、惑星ベジータ崩壊時点でボタンが丸形のものが普及していたが、超設定ではさらに旧型機のスカウトスコープというものがサイヤ人によって開発されており、フリーザの王位継承記念にサイヤ人へと支給されたのが新型装置のスカウターということになった。このため、ツフル人がらみの設定は超にはない。
- バーダックの設定が、Z設定、とりわけTVSPの『たったひとりの最終決戦』では粗暴な性格で息子の誕生も「何の見所もない最下級戦士のガキなどどうにでもしろ」と素っ気ない態度を取っている。そして、未来を予知する幻の拳を受けて惑星ベジータ崩壊の運命を知り、仲間を喪って協力者も居ない中で最後までフリーザに抵抗したサイヤ人として描かれた。妻のギネは設定のみで登場しない。超設定では「全てのサイヤ人への帰還命令」という不可解な指令からフリーザに不信を抱き、自身の子であるカカロットを自ら地球へと避難させた、という経緯へと変更され、性格も妻や子を思いやる父親として描かれた。また服装もZ設定では後に地球でブルマが再現したノースリーブタイプの戦闘ジャケットに近いデザインだったが、超設定では肩当てのアーマが存在する一般的なサイヤ人の戦闘ジャケットになっている。左頬の傷も若干異なる。プラモデル化されているのは現在前者のみ。
- サイヤ人の設定が、Z設定では惑星ベジータ崩壊寸前までフリーザをある程度慕っていた事になっており、裏切られたことが強調されているが、超設定では「フリーザが好きなサイヤ人なんていませんよ」と言われているなど、この時点でかなり不満のあったことが窺えるものになっている。
- ベジータが惑星ベジータ崩壊を逃れた理由が原作及びZ設定ではフリーザがベジータの力を利用する目的でわざと彼がいない時を狙って攻撃したことになっていたが、超設定ではベジータ自身が招集命令を無視した為に助かった事になっている。
主な登場人物(声の出演)
- 孫悟空、孫悟天、バーダック(CV:野沢雅子)
- ベジータ(CV:堀川りょう)
- ピッコロ(CV:古川登志夫)
- ブルマ(CV:久川綾)
- トランクス(CV:草尾毅)
- フリーザ(CV:中尾隆聖)
- 破壊神ビルス(CV:山寺宏一)
- ウイス(CV:森田一成)
- ブロリー(CV:島田敏)
- パラガス(CV:宝亀克寿)
- チライ(CV:水樹奈々)
- レモ(CV:杉田智和)
スタッフ
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関連項目
外部リンク
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