この記事では、神話や伝承に出てくる生物・モンスターについて記述しています。 アルファベット表記の項目については「Dragon」の記事を参照してください。 |
神話、伝説、創作に登場する生物の一種。本記事はこれについて書く。
曖昧さ回避
概要
ドラゴン(英語: dragon)は、世界各地の神話・伝説に登場する、竜や恐竜にも似た系統の生物群を指す呼称である。
現在では「ドラゴン」「竜」共に(大型)爬虫類の形容としても用いられる。
cf. コモドドラゴン(英語: Komodo dragon 、コモドオオトカゲの英名)
伝説の大衆化が進んだ現在、ドラゴンは様々な形態をとっている。とくに創作に於いて様々な形で登場するようになったドラゴンは、夢の数だけ存在するといっても過言ではない。
簡易な分類として、西洋的な特徴を持つドラゴンを「西洋竜(西洋龍)」或いは新字体の「竜」で表し、東洋的な特徴を持つドラゴンを「東洋竜(東洋龍)」或いは旧字体の「龍」で表すなどとする場合が多い。
ドラゴン好きの為の概要
現実世界に本当に存在するかのようなリアルなドラゴンも居れば、理想化されたドラゴンなど、一口にドラゴンといえどその姿は千差万別である。
ドラゴンが好きな人の事をドララーと呼び、竜界(ドラゴン好き界隈)では以下のように区分されて、それぞれに対する萌えを享受する。
外皮 | 被鱗竜(鱗ドラゴン), 被毛竜{ファードラ(ゴン), けもりぅ(けもりゅう, 獣竜)}, 被膚竜(ツルツル, ツルプニ) |
脚の形状 | 二脚{竜人(ドラゴニュート), 獣人}, 四脚, 無脚, 多脚 |
翼の位置 | 二枚翼{ドラゴン(四脚三対竜), ワイヴァーン(前肢翼二対竜), ワイアーム(前肢翼一対竜)}, 多枚翼 |
翼の形状 | 蝙蝠翼, 鳥翼, 鰭 |
その他、鬣(此処では頭髪を含むとする)および角の有無や位置など。
ちなみにドラゴンメイドという半龍半人の姿の乙女がギリシア、ケルトの神話に存在する。
ドラゴン
ドラゴンという語は究極的には「大蛇、ワニ、巨大魚」を指す古典ギリシア語ドラコーン(δράκων)に由来する。さらにこの語は「はっきりと見る」という意味の動詞デルコマイ(δέρκομαι)の不定過去(アオリスト。動作を個別的・総括的に述べる相)能動不定形ドラケイン(δρακεῖν)に遡るとされ、「ヘビのひと睨み」に象徴される爬虫類特有の眼力を表すとみられている。
一般にドラゴンは、巨大な蜥蜴ないし蛇に似た西洋の伝説上の生物を指す。鋭利な爪牙を有し、その多くは翼を具えて空を自在に飛び、しばしば鼻や口から炎や毒の息を吐くとされる。知性については単なる野獣に等しい場合もあれば、人語を解し魔法を操る者もいるなど、伝説によって様々である。
聖書に登場するエヴァを誘惑した蛇やサタンと同一視されるなど暴力・悪・悪魔の象徴とされる一方で、キリスト教化以前のイメージにより泉・宝物・国を守護する者ともされる。
例えば、中世東欧のワラキア公・ヴラド3世串刺公(ツェペシュ)の添え名ドラクレア(Drăculea, 小竜公)は先代ヴラド2世ドラクル(Dracul, 竜公)の息子であることを示すが、父公の添え名はイスラーム勢力(オスマン帝国)に対抗すべくキリスト教諸国の王侯貴族で組織された「ドラゴン騎士団」の一員であったことにちなむ。つまりこの場合のドラゴンは「キリスト教世界の守護者」という意味合いであり、同時に勇猛さをも示す大変栄誉ある名であった。[1]
竜(龍)
この訳語として「竜(龍)」が充てられているが、これが指す元々の生物は東洋の伝説に登場する。首から腕の付け根と腕の付け根から腰と腰から尾までの長さが等しく、鹿の角・大蛇の体・鯉の鱗・鷹の爪・牛の耳など「三停九似」の特徴を持ち、古くから中国文化圏で神霊視される鱗虫の長であり、風雲雷雨を司るとされる。皇帝の権威の象徴であるため、中国の属国である王朝が使う場合は皇帝を憚って若干形を変えたりした。
なお「竜」は新しい字体だと思われがちだが、実際には旧字体の「龍」よりも古い字体の一つであり、漢字の標準字体の典拠である『康煕字典』には「《集韻》龍古作竜」(龍、古くは竜と作す)と明記されている。ちなみに同書には「《類篇》起也」ともあり、つまり竜の冠部が示すように「立つ」という意味もかつては有った。竜(龍)や辰を「たつ」とも訓むのはこの為である。
現在の日本では「竜」は常用漢字、「龍」は人名用漢字に指定されている。また、中国語(普通話)では「龍」の草書体由来の「龙」が用いられている。「竜(漢字項目)」も参照。
関連動画
ゲーム
関連静画
関連項目
関連作品 |
ドラゴンの種類・種族 |
脚注
- *しかしヴラド3世の時代に騎士団の盟主国ハンガリーとの関係が悪化し、公の苛烈な内外政策を誇張したネガティブキャンペーンが大々的に行われた。それが後世の公の評価にも繋がり、更に近世以降のルーマニア語のドラクル(定形。不定形はドラック drac)は専ら「悪魔」という意味のためにドラクレアは「悪魔(の息子)」等と解釈され、ついにブラム・ストーカーの小説によって「吸血鬼ドラキュラ(Dracula)」として世界的に広まるに至った。
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