概要
『週刊少年ジャンプ』2023年23号~42号まで連載された作品。単行本は全2巻。
『少年ジャンプ+』2022年2月19日掲載の読切漫画『心が強ぇんだ』をベースとした作品である。
読切版は現代日本のボクシングを題材としており、作中のボクシング描写も現実的であるが、本作は読切版と打って変わって終戦直後(昭和20年代頃)の日本を舞台としており、主人公の名前や拳闘(ボクシング)を題材としている点は共通しているものの、「裏社会が取り仕切る拳闘」という世界観から、ボクシングの名を借りたバトル漫画に近い形になっている。
本作は全19話と典型的な短命打ち切り作品ではあったものの、途中(9話)から登場した虹村凶作というキャラクターが強烈なインパクトを残したことや、本誌の虹村登場時のアオリや各キャラクターの一部セリフ(代表例:ド級のリトライ)などが印象に残ったことなどからネットの片隅で受け、虹村を中心にコラ画像が作られたり、語録で弄られるようになった。
2023年7月11日には、YouTubeでPVが公開されている。
あらすじ
戦前日本、貧しいながらに暮らす家族がいた。
しかし、戦火によってすべてが一変。
食べることすらまともにできなくなった戦災孤児の主人公・青空は
病気の妹のためにその拳をふるう決意をする!
「昭和」×「ボクシング」のハングリースポーツストーリー開幕!
登場人物
- 大神 青空(おおかみ あおぞら)CV:三瓶由布子
1930年(昭和5年)8月8日生まれ。
主人公。14歳。チビだが"心の強さ"を教えてくれた父親の様に強くなりたいと思っている。病気の妹の治療費を稼ぐ為に拳闘=ボクシングの世界に足を踏み入れる。
読切版では設定が異なり、現代に生きる青年であり、心臓に病を抱えている。また、妹ではなくボクサーの才能を持つ弟がいる。 - 大神 星(おおかみ あかり)CV:結川あさき
1932年(昭和7年)2月8日生まれ。
青空の2歳年下の妹。心身共に強い娘であったが、終戦後に結核に倒れる。 - 優華(ゆうか) CV:佐藤榛夏
1912年(大正元年)12月1日生まれ。
ヤクザ組織、「集英会」の二次組織「虎威組(トライぐみ)」を束ねる組長の女性。青空に拳闘の才能を見出し支援、つまりはスポンサーとなる。右目に眼帯を着けている。 - 黒岩 啓示(くろいわ けいじ) CV:日野聡
1921年(大正10年)生まれ。
虎威組の稼ぎ頭。拳闘の裏大会「炎涛拳技會」で懸賞金100万円(現在で言うと1000万程?)を超える上位選手5人(五光)の一人であり、「五光の松」とも呼ばれている実力者。 - 和泉 生野(いずみ いくの)
1930年(昭和5年)7月30日生まれ。
昭和20年の大空襲で妹の凛と共に防空壕に閉じ込められ、脱出するために穴を掘り続けた結果、異様な太さの右腕を手に入れた。アンバランスな右腕の一撃故に「ウォーハンマー」の異名を持つスーパールーキー。兄妹ともども戦災孤児となった後は売春宿の用心棒家業の傍ら拳闘で稼いでいたが、妹を自分の稼業から遠ざけたいがために距離を取り、冷たく当たっていた。青空との試合により敗北した後は自分の過ちに気付き、妹と和解する。その後は優華に引き取られて虎威組の一員となり、青空の協力者兼友人のような立場になる。 - 和泉 凛(いずみ りん)
1932年(昭和7年)6月12日生まれ。
生野の妹。大空襲の際に防空壕に閉じ込められたトラウマにより、声が出にくくなった。引っ込み思案だが兄思いの子で、用心棒時代の生野に弁当を作って届けていた。 - 虹村 凶作(にじむら きょうさく)
1917年(大正6年)1月11日生まれ(嘘)。
「狂実験の虹村」の異名を持ち、戦績30戦30KO、懸賞金8万円の拳闘家。29歳。(自称)正統後継者。心が弱ぇ奴。
第9話「正統後継者」[1]で初登場。青空の父親(大神夕日)の正統後継者を名乗り、青空に復讐と称して挑んでくる。よく間違われやすいが、「正当」ではなく「正統」である。
登場時シーンでの「そしてこの私は その技術を全て受け継いだ 正統後継者である」のセリフ、「父の後継… 心が強ぇ 敵なのか…!?」の本誌アオリ、クロスさせた手の向きが手の甲をこちらに向け、親指は下という人体の構造上おかしな作画[2]、妙に印象に残る顔、語尾に音符をつける軽妙な喋り方、などから注目を浴び、数多のコラ画像が作られるに至った。次話以降の登場シーンもヒロポンを打つ、過去が語られるなど何かと印象に残るものが多く、「ドリトライ」を語る上では避けて通れないキャラである。
以下ネタバレのため反転
戦前、油屋の長男にして後継ぎという立場にあったが戦争で応召され、終戦後引き揚げたものの全てを失い、金策が上手く行かず最終的に拳闘に身を置くこととなった。
戦地では大神夕日の分隊に入り、部下となる。夕日には尊敬の気持ちを抱き、稽古をつけてもらう間柄だった。しかし、とある事件から夕日に対し誤解と恐怖を抱き、日本へと逃亡する。それ以来、夕日への恐怖心から逃れるためにヒロポンを打つようになり、中毒状態になる。青空に挑んだのはその恐怖心を克服するためであった。青空との試合中にもヒロポンを打って恐怖心から逃れようとし、止めに入るレフェリーの目を潰すなどの反則の果てに敗れ、最後は炎涛拳技會の運営により反則を行ったことのケジメとして銃殺された。 - 大神 夕日(おおかみ ゆうひ)CV:野澤英義
1909年(明治42年)12月26日生まれ。大神兄妹の父親。冒頭では行方知れずであったが、終盤に登場する。
台詞
太字は大百科記事があるもの。
- …なんか 太くね…? ―― 4話
- そしてこの私は その技術を全て受け継いだ 正統後継者である ―― 9話
- 心が強ぇ敵なのか…!? ―― 9話アオリ
- いやはや申し訳ないね 戦争が終わってからというものの これに頼らねばやっていけなくなってしまってねぇ まったく自分が情けない ―― 10話
- ほら虹村!心の強さでもう一丁! ―― 14話
- でも ただのリトライじゃねぇぞ 何度でも心の強さで立ち上がり前に進む ド級のリトライ ドリトライだ! ―― 17話
関連動画
関連静画
関連項目
関連リンク
脚注
子記事
兄弟記事
- なし
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